JIS Z 0119:2002 包装及び製品設計のための製品衝撃強さ試験方法 | ページ 4

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Z 0119 : 2002
附属書3(参考) 許容速度変化/許容加速度試験の実施
この附属書は,本体の規定に関する事項を補足するもので,規定の一部ではない。
許容速度変化試験(方法A)及び許容加速度試験(方法B)の実施,及び利用上の留意点を示している。
試験によって損傷境界曲線を求める手順は,7.1許容速度変化試験(方法A)から実施し,次に,必要に
応じて,7.2許容加速度試験(方法B)を行う。
7.2許容加速度試験(方法B)は,製品の損傷しやすい部分の許容加速度を求める必要がある場合には必
ず実施するが,包装設計のための製品衝撃強さ試験である場合には,7.1許容速度変化試験(方法A)で求
めた許容速度変化が,流通過程で製品が受ける速度変化より大きい場合は省略してもよい。
例えば,7.1許容速度変化試験(方法A)で求めた許容速度変化Vsが3m/sの場合,包装体の反発係数e
が不明なときは1.0として許容落下高さhを求めると,
V 1 e 2gh (12)
2
V
h / 2g (13)
1 e
2
3
/2 8.9 .011m
1 1
となる。したがって,製品が使用中に受ける衝撃など,包装が施されない環境(製造,流通,使用環境)
で11cm以上の落下が想定される場合には,製品の損傷部分の改良が必要になる。輸送中に想定される場
合には緩衝包装が必要となり,7.2許容加速度試験(方法B)によって許容加速度を求めなければならない。
この場合,速度変化の設定は,7.1許容速度変化試験(方法A)で決定した許容速度変化の1.6倍以上と
する。損傷境界曲線の垂直線となる許容速度変化と水平線となる許容加速度との交差部は,製品(1自由
度系の集合体)に衝撃共振を引き起こす領域であり,製品の衝撃応答が速度変化及び加速度の両方に影響
する。このため,許容加速度を測定するには,なるべくこの境域での試験実施を避けるため,速度変化の
設定(許容速度変化の1.6倍以上に設定)に注意する必要がある。
試験を実施する方向は6面すべてが望ましいが,少なくともその製品の構造上最も弱い方向,包装した
とき底面となる方向及び製品の使用する姿勢の底面は必ず実施すべきである。数量の少ない供試品では損
傷した部分以外に異状がなければ損傷した部分を交換して次の試験を行うこともできる。損傷境界曲線は
測定方向ごとに作図する。

――――― [JIS Z 0119 pdf 16] ―――――

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附属書4(参考) 試験に用いる衝撃パルス
この附属書は,本体の規定に関する事項を補足するもので,規定の一部ではない。
許容速度変化試験及び許容加速度試験に用いる衝撃パルスを示している。
1. 許容速度変化試験(方法A)に使用する衝撃パルス 許容速度変化試験(方法A)を実施するための
衝撃パルスはどのような形状であっても,その面積である速度変化の値が正確に測定できればよいが,正
弦半波パルスは,衝撃波形発生装置として弾性体を用いると繰返し精度が安定して発生できるので最も一
般的に用いられる。しかし,衝撃パルスの作用時間は,供試品の損傷しやすい部分の応答加速度が入力衝
撃速度変化に比例する範囲でなければならない。
例えば,供試品の損傷しやすい部分固有振動数fcが100Hzのとき,供試品に与える衝撃パルスの有効作
用時間Deは,次の式(14)によって求められる。
De≦1 000/ (2 (14)
ここに, De : 供試品に与える衝撃パルスの有効作用時間 (ms)
有効作用時間=速度変化/最大整形加速度
fc : 供試品の損傷しやすい部分の固有振動数 (Hz)
衝撃パルスを正弦半波とすると,衝撃作用時間Dと有効作用時間Deとの関係は,
D= ( 攀 (15)
であるから,
D≦1 000/ (4fc) (16)
≦1 000/400=2.5ms
となり,衝撃作用時間Dが2.5ms以下の正弦半波パルスによる試験が必要になる。
2. 許容加速度試験(方法B)に用いる衝撃パルス 衝撃応答スペクトル附属書1図2の横軸De・fcが1/2
以上の条件(例えば,De≧10ms,fc≧20Hz)では,基礎べースMに生じた加速度の12倍の応答加速度
が各部mに発生するが,方形波パルスではDe・fcが0.5以上ではDe・fc値にかかわらず2倍となり,他の衝
撃パルス(正弦半波,正矢波,のこぎり波)の応答スペクトルは一定せず方形波の応答スペクトルより小
さい。
包装は,流通過程で様々な衝撃を受け,その波形も様々である。荷役中の落下衝撃も,コンクリート面
やパレット面など,落下衝突面によって,発生する波形は異なる。また,使用する緩衝材料の種類や形状
によっても波形が異なる。
こうした理由から,製品の衝撃易損性測定として,様々な波形の応答スペクトルを包含した方形波の使
用が推奨されるようになった。しかし,理想的な方形波を試験機で発生させるのは困難なので,方形波の
衝撃応答スペクトルに近似した台形波(立上がり時間及び下降時間が1.8ms以内,及び衝撃作用時間の10%
以内の台形波)が,7.2許容加速度試験(方法B)に用いられるようになった。
すなわち,方形波(台形波)によって,製品の許容加速度を測定し,その結果に合わせて緩衝包装設計
がなされていれば,流通過程で様々の衝撃が加わっても,保護性が保たれることになる。

――――― [JIS Z 0119 pdf 17] ―――――

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附属書5(参考) 多数回衝撃の影響
この附属書は,本体の規定に関する事項を補足するもので,規定の一部ではない。
同一供試品に多数回の衝撃を加えると,供試品によっては,疲労が蓄積されて損傷レベル(許容加速度)
が低下する場合がある(特に,アルミニウムなど,延性のある材料で構成される製品に強度低下が見られ
る。)。供試品に加える衝撃の回数が10数回になり,その結果として疲労が蓄積され,損傷レベルが低下し
たと判断される場合は,階段法によって疲労(多数回衝撃)の影響を取り除く必要がある。
階段法−最初の供試品で損傷したレベルから,新しい供試品(第2供試品)で試験を行う。第2供試品
がこのレベルで損傷した場合は,第3供試品で損傷レベルから7.1又は7.2に規定した増加幅を減じたレベ
ルで試験を実施する。
この結果,損傷が認められない場合は,第4供試品によって,損傷レベルと第3供試品に加えたレベル
の中間のレベルで試験を行う。こうした手順を10回程度,繰り返すことによって,疲労の影響を取り除い
た損傷境界を求めることができる。通常,同一供試品に加える衝撃の回数は,流通過程で受ける衝撃回数
(56回)を標準とする。

――――― [JIS Z 0119 pdf 18] ―――――

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JIS Z 0119国際整合化JIS原案調査作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 尾 鍋 史 彦 東京大学大学院農学部
(副委員長) 佐々木 春 夫 社団法人日本包装技術協会
(副委員長) ○ 豊 田 實 吉田精機株式会社
(委員) 川 口 幸 男 経済産業省製造産業局
穐 山 貞 治 経済産業省産業技術環境局
○ 椎 名 武 夫 農林水産省食品総合研究所
橋 本 進 財団法人日本規格協会
○ 前 澤 英 一 三菱電機株式会社住環境研究センター
○ 君 塚 郁 夫 日本アイ・ビー・エム株式会社
○ 竹 本 正 博 日本段ボール工業会(日本板紙株式会社段ボール事業推進部)
○ 金 子 武 弘 ソニー株式会社テクニカルサポートセンター技術推進部
坂 井 孝 次 サンヨーロジテックインターナショナル株式会社事業開発部
○ 田 中 勇 株式会社リコー画像システム事業本部
○ 田 中 省 三 松下電器産業株式会社ものづくり支援センター
草 野 文 彦 キヤノン株式会社品質保証技術部
小 勝 則 次 富士ゼロックスエンジニアリング株式会社FXEC海老名事業所
○ 安 部 浩 二 株式会社NYK輸送技術研究所
○ 白 倉 昌 キリンビール株式会社パッケージング研究所
○ 仲 原 昇 旭化成株式会社鈴鹿工場
阿 部 要 社団法人日本包装技術協会
(事務局) ○ 澤 村 邦 夫 社団法人日本包装技術協会
備考 ○印が付してある者は,分科委員会委員を兼ねる。
(文責 : 豊田 實,前澤 英一)
日本工業標準調査会標準部会 物流技術専門委員会 構成表
氏名 所属
(委員会長) 高 橋 輝 男 早稲田大学アジア太平洋研究センター教授
(委員) 伊 藤 正 人 厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長
稲 束 原 樹 社団法人日本ロジスティクスシステム協会
井 上 一 彦 社団法人日本航空宇宙工業会
岩 橋 俊 彦 社団法人日本産業車両協会
内 田 敏 味の素株式会社営業ロジスティクシステムセンター
木 内 大 助 国土交通省海事局技術課長
北 島 和 文 社団法人日本船主協会ISOコンテナ委員会
興 梠 允 駿 社団法人日本産業機械工業会
佐々木 春 夫 社団法人日本包装技術協会
下 田 邦 夫 社団法人全日本トラック協会
筒 井 善 次 株式会社日通総合研究所
西 重 樹 日本貨物鉄道株式会社
野 竹 和 夫 国土交通省鉄道局
福 本 博 二 社団法人日本パレット協会

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JIS Z 0119:2002の関連規格と引用規格一覧