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JIS Z 0170:1998 規格概要
この規格 Z0170は、ユニットロードの安定性試験方法について規定。試験は,暴露環境,保管,荷役及び輸送のハザードにさらされるユニットロードの性能を評価することを意図。これらの試験は,一連の試験の一部として行なってもよい。
JISZ0170 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z0170
- 規格名称
- ユニットロード―安定性試験方法
- 規格名称英語訳
- Unit loads -- Stability testing
- 制定年月日
- 1998年3月20日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 10531:1992(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 55.180.40
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 包装 2020, 物流 2019
- 改訂:履歴
- 1998-03-20 制定日, 2003-09-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS Z 0170:1998 PDF [10]
Z 0170 : 1998 (ISO 10531 : 1992)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS Z 0170には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) リフトトラックによるハンドリング試験
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS Z 0170 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 0170 : 1998
(ISO 10531 : 1992)
ユニットロード−安定性試験方法
Unit loads−Stability testing
序文 この規格は,1992年に第1版として発行されたISO 10531, Packaging−Complete, filled transport
packages−Stability testing of unit loadsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した
日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,ユニットロードの安定性試験方法について規定する。これらの試験は,暴露
環境,保管,荷役及び輸送のハザードにさらされるユニットロードの性能を評価することを意図している。
これらの試験は,一連の試験の一部として行ってもよい。
考慮したハザードは,陸上環境に関連付けている。同様なハザードが海上環境で予想されるが,この規
格によってカバーされてはいない。より大きい別のハザードが海上環境で起こり得るが,この規格の試験
に合格したユニットロードが,海上環境で安定性があると想定すべきではない。
この規格で扱うユニットロードは,平パレットを含むものに限定せず,ボックスパレット又はシートパ
レットのような他の用具を含めてよい。
参考 ハザードとは,物流の過程で包装貨物に損傷又は価値の低下をもたらすおそれのある要因をい
う。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用することによって,この規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS Z 0161 ユニットロード寸法
備考 ISO 3676, Packaging−Unit load sizes−Dimensionsからの引用事項は,この規格の該当事項と
同等である。
JIS Z 0200 包装貨物−評価試験方法通則
備考 ISO 4180-1, Complete, filled transport packages−General rules for the compilation of performance
test schedules−Part 1 : General principles及びISO 4180-2, Complete, filled transport packages
−General rules for the compilation of performance test schedules−Part 2 : Quantitative dataか
らの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 0205 包装貨物−水平衝撃試験方法
備考 ISO 2244, Packaging−Complete, filled transport packages−Horizontal impact tests (horizontal or
inclined plane test : pendulum test) からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 0212 包装貨物及び容器−圧縮試験方法
備考 ISO 12048, Packaging−Complete, filled transport packages−Compression and stacking tests using
――――― [JIS Z 0170 pdf 2] ―――――
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Z 0170 : 1998 (ISO 10531 : 1992)
a compression testerからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 0232 包装貨物−振動試験方法
備考 ISO 8318, Packaging−Complete, filled transport packages−Vibration tests using a sinusoidal
variable frequencyからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
ISO 2247 Packaging−Complete, filled transport packages−Vibration test at fixed low frequency(包装−輸
送包装−固定した低振動数での振動試験)
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 一つ又はそれ以上の手段によって一体的に保持され,一つの単位とし
ユニットロード (unit load)
て取り扱い,輸送,積重ね及び保管用に成形若しくは固定された物品又は包装物から成る積荷。同用語は,
同一目的に適する単一の大形物品を説明するためにも使われる。
参考 JIS Z 0111(物流用語)では,次のように定義している。
“複数の物品又は包装貨物を,機械・器具による取扱いに適するように一つの単位にまとめ
た貨物。また,この用語は,上記の目的に合致する1個の大形の物品に対しても適用する。”
3.2 クランプハンドリング (clamp handling)積荷の保管,取り扱い,そして輸送するために,ユニッ
トロードの両側を締め付けるクランプアタッチメント付きの特殊なフォークリフトを使用するハンドリン
グ方法。
3.3 積荷を保管し,取り扱い,そして輸送するため
プッシュ/プルハンドリング (push/pull handling)
に,プッシュ/プル操作によって積載されたプラテン上のシートパレットを,グリッパアタッチメント付
き又は他の適切な方法による特殊なフォークリフトを使用するハンドリング方法。
4. 総則 ユニットロードは,この規格で規定する試験を行うものとする。ハンドリング手段の種類によ
って,シミュレートされた流通段階の一部として必要なハンドリング試験を規定する。
試験中に何らかの破損が発生した場合は,その後の試験を中止し,ユニット化技術の設計を変更する。
何らかの変更を行った場合は,一連の試験方法の最初から試験を再開することを必要とする。
試験中の破損及び積荷の不安定には,積荷を構成する包装物の変形,クリープ,崩壊,材料の疲労又は
ずれを含む。
備考 試験環境の温湿度は,ユニットロードの強度に大きく影響する。
5. 装置
5.1 圧縮試験及び振動試験のための装置は,表1に記載された当該規格で規定されたものでなければな
らない。水平衝撃試験用の装置は,傾斜面試験を除きJIS Z 0205で規定されたものでなければならない
(7.2.2.1参照)。
5.2 落下試験を行う際,ユニットロードは,適切な装置で取り扱うとよい。例えば,落下するユニット
ロードが衝撃面に衝突する前に,機器のどのような部分によっても妨害されないような滑車装置,ホイス
ト,切離し機構付きジャッキなどである。
5.3 クランプリフト試験を行う際,ユニットロードを持ち上げるために適切なロードクランプ装置をも
つリフトトラックを使用する。ロードセル又は他の適切な装置を使って,プラテン間のクランプ力を測定
する。
――――― [JIS Z 0170 pdf 3] ―――――
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Z 0170 : 1998 (ISO 10531 : 1992)
5.4 プッシュ/プル試験を行う際,シートパレットタブによってプラテンに積荷を引っ張るために,適
切なプッシュ/プルアタッチメントをもつ実際のリフトトラックを使用する。代わりに,グリッパジョー
をもつ適切な引張装置を使用してもよい。
6. 前処置 包装材料を除くことなくすべての製品及び包装材料を,適用する気候の平衡状態に保つよう
全ユニットロードを調整することはほとんど不可能であるため,ユニットロードの調整はしない。
したがって,試験のためにユニットロードを構成する際,製品及び包装材料は,普通の輸送と同様の条
件下に置く。
必要な場合は,試験後,補正のために包装材料に対して湿度測定を行う。
7. 手順
7.1 総則 試験は,表1の規定に従い適切な温湿度条件下で,示された順序で行う。
試験条件は,JIS Z 0200の附属書1に規定する一般原則によって選択し,それらの値は,JIS Z 0200の
附属書2による。
7.2 パレットハンドリング試験
7.2.1 落下試験 予期しない落下に耐えるかどうかのパレタイズド貨物の能力を,次の二つの方法によっ
て試験する。
7.2.1.1 片支持底面落下 強固な堅い表面(例えば,コンクリート)にユニットロードの一端を置き,他
端を20cm持ち上げ自由落下させる(図1参照)。
図1 片支持底面落下試験
7.2.1.2 片支持りょう落下 強固な堅い表面(例えば,コンクリート)上にユニットロードを置き,一端
を持ち上げて5cmの高さの木材又は他の支持材の上に,積荷の端が支持材の角から約10cmとなるように
置く[図2a)参照]。ユニットロードの他端を床面から20cm持ち上げ[図2b)参照],自由落下させる。積
荷が高く不安定な場合には,落下後にユニットロードが転倒しないよう準備する。
――――― [JIS Z 0170 pdf 4] ―――――
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Z 0170 : 1998 (ISO 10531 : 1992)
図2 片支持りょう落下試験
7.2.2 水平衝撃試験 下面端部に対する繰返し水平衝撃に耐えるかどうかのパレタイズド貨物の能力は,
7.2.2.17.2.2.3に規定する試験によって評価する。
備考 この試験は,任意である(表1参照)。
7.2.2.1 傾斜面試験 図3に示すような変更を加えた傾斜 (10°) 面試験機を使用し,ユニットロードを
積載し水平衝撃を加える。一体形貨物をストッパに接触させて台車上に置く。台車を傾斜面上4m引き上
げて,傾斜面を自由降下させ,強固な衝撃板に衝突させる。
7.2.2.2 振子試験 パレットの底部に対して衝撃が加わるようにし,JIS Z 0205の5.5(振子試験の手順)
に規定する方法を適用する。
7.2.2.3 水平面試験 パレットの底部に対して衝撃が加わるようにし,JIS Z 0205の5.4(水平面試験の手
順)に規定する方法を適用する。
表1 ユニットロード試験
試験番号 物流要素 試験
ユニットロードハンドリング方法
パレット クランプ プッシュ/プル
一体形貨物 パレタイズド貨物
1 保管 JIS Z 0212の方法A又
JIS Z 0212の方法A又 JIS Z 0212の方法A又
JIS Z 0212の方法A又
は附属書に規定する静
は附属書に規定する静 は附属書に規定する静
は附属書に規定する静
的圧縮 的圧縮 的圧縮 的圧縮
2 ハンドリング片支持底面落下(7.2.1.1
走行試験 走行試験 走行試験
参照)及び片支持りょう
落下1)(7.2.1.2参照)
又は走行試験
オプション試験として
ブロックへの水平衝撃
(7.2.2参照)
3 搬送 JIS Z 0232の方法A又
JIS Z 0232の方法A又 JIS Z 0232の方法A又
JIS Z 0232の方法A又
はISO 2247に規定すはISO 2247に規定すはISO 2247に規定すはISO 2247に規定す
る振動2) る振動2) る振動2) る振動2)
1) 片支持りょう落下は,ユニットロードの安定性に大きく影響する。一方,片支持底面落下は,実際の状態を
よりよくシュミレートする。
2) 試験設備は,可能であれば,実輸送での高さの積荷を使用する。
7.3 クランプハンドリング試験
7.3.1 総則
――――― [JIS Z 0170 pdf 5] ―――――
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JIS Z 0170:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10531:1992(IDT)
JIS Z 0170:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 55 : 包装及び物流 > 55.180 : 貨物の配送 > 55.180.40 : 完全,充てん包装貨物
JIS Z 0170:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ0161:2015
- ユニットロード寸法
- JISZ0200:2013
- 包装貨物―性能試験方法一般通則
- JISZ0205:1998
- 包装貨物―水平衝撃試験方法
- JISZ0212:1998
- 包装貨物及び容器―圧縮試験方法
- JISZ0232:2020
- 包装貨物―振動試験方法