JIS Z 2251-1:2020 ヌープ硬さ試験―第1部:試験方法 | ページ 5

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これを用いて硬さ校正用試験機(校正レベル)を校正する。試験機(使用者レベル)を校正するために使
用される硬さ基準片をこの試験機で校正する。
国際レベル 国際比較 国際的な定義 SI
国家レベル 一次硬さ標準試験機 試験機構成部品
校正レベル
一次硬さ基準片 硬さ校正用試験機 試験機構成部品
(JIS B 7734)
使用者レベル
硬さ基準片 試験機 試験機構成部品
(JIS B 7734)
硬さ試験
信頼できる硬さ値
(JIS Z 2251-1)
間接検証 直接検証
図C.1−校正の連鎖
C.3 ヌープ硬さ基準
トレーサビリティ実現のためのもう一つ必要なものは,トレーサビリティが確立した硬さ基準片である。
ヌープ硬さは,材料の基礎物性ではなく,定義された試験方法で求められる順序尺度量(ordinal quantity)
である。理想的には,ヌープ硬さ測定に対する最上位の基準は,この測定方法の全ての試験パラメータを
含めて国際的に合意された方法として定義することが望ましい。硬さのトレーサビリティは,この定義を
試験所が完全に満たすか,又は定義を実際に具現することであり,その具現の正しさは,試験所の測定不
確かさに反映され,国際比較によって確認される。国際的に合意された基準は,硬さのCCM作業グルー
プ(CCM-WGH)で開発され(附属書D参照),ヌープ硬さを標準化したNMIによって示される。このと
き,CCM-WGHは,ヌープ硬さの基準を示してはいない。最上位の基準は,通常,NMIが選択した試験の
定義に基づいたヌープ硬さを示したものである。NMIがヌープ硬さの硬さ基準片を校正しない場合,国内
レベルの最上位の基準は,校正レベルの試験所がヌープ硬さの基準を示すこととしてもよい。
C.4 実用上の問題点
図C.1(左側及び右側)に示している校正連鎖のいずれかによって,理論的には適切なヌープ硬さ基準
のトレーサビリティが提供できる。しかし,両者に考慮しなければならない実用上の問題がある。図C.1
の右側にしているヌープ直接検証の連鎖では,硬さ測定値に影響する可能性がある全てのパラメータに対
して,特定し,測定し,必要であれば補正するということは極めて難しい。試験機が直接検証に合格した
としても,明らかに影響を及ぼすパラメータが一つでも管理できていない場合には,トレーサビリティと
はみなさない。このことは,しばしば起こり,校正の下位の階層で更に問題となる。
図C.1の左側に示している間接検証の校正連鎖でも,考慮すべき問題が存在する。複数の構成部品から
なる試験機を用いた場合,硬さ測定中に,測定に関わる一つの構成部品の誤差が他の構成部品の誤差によ

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って補完されたり,相殺されたりする可能性がある。この場合,間接検証で試験した特定硬さレベルの材
料に対しては,結果として正確な硬さ測定ができてしまうことがある。しかし,別の硬さレベル又は材料
の試験では,誤差が拡大する可能性がある。試験機の個々の校正部品の誤差が大きく影響する場合には,
トレーサビリティとはみなされないかもしれない。
C.5 ヌープ硬さ測定のトレーサビリティ
C.5.1 一般
C.4のことから,ヌープ硬さ測定のトレーサビリティを実現するためには,一般的に,両方のトレーサ
ビリティ連鎖が必要であると分かる。しかし,測定プロセスを念入りに調査し評価すれば,トレーサビリ
ティは,二つの連鎖のうち,一方に基づくだけで実現できる可能性がある。例えば,国家レベルにおいて
は,NMIの一次硬さ標準試験機のトレーサビリティは,更に上位の認められた硬さ基準片が存在しないの
で,直接検証によって実現される。NMIは,通常,所有する測定装置を徹底的に評価することができ,不
確かさのレベルを他のNMIと国際的に比較できるので,この連鎖によるトレーサビリティが可能となる。
一方で,何十年にも及ぶヌープ硬さ測定の経験から,校正の下位の階層に対しては,トレーサビリティを
確保し,不確かさを求める上では,間接検証の連鎖が最も実用的とされている。しかし,試験機の個々の
構成部品の定量数値も重要である。このトレーサビリティのスキームによって,工業的にヌープ硬さ測定
が適切であると示されている。
C.5.2 校正レベルのトレーサビリティ
校正レベルのトレーサビリティは,国家レベルのNMIで校正された一次硬さ基準片を用いた間接検証
の校正連鎖によって,最も適切に確立される。この連鎖は,測定不確かさを決定するのにも用いることが
望ましい。しかし,同時に,構成部品を相殺する誤差が小さいことを確認するために,硬さ校正用試験機
の各構成部品を頻繁に校正することが望ましい。硬さのトレーサビリティは,ヌープ硬さのCCM-WGHの
定義をNMIが具現化することが望ましい。又はCCM-WGHの定義がない場合は,NMIが自らの定義を決
めて実現することが望ましい。NMIが硬さ基準片を供給しないか又は校正試験所との比較測定を実施しな
い場合,及び他のNMIの硬さ基準片を用いることが現実的でない場合,トレーサビリティが宣言された硬
さ基準片には,この規格によって定義されたような国際的な試験方法に基づいたヌープ硬さを実現する校
正試験所が必要となるかもしれない。この場合には,校正試験所の測定のトレーサビリティは,合意され
た硬さ基準片を用いた間接検証,又は相互比較によって確認された直接検証としてもよい。
C.5.3 使用者レベルのトレーサビリティ
使用者レベルの測定のトレーサビリティは,校正レベル又は国家レベルで校正された硬さ基準片を用い
た間接検証の校正連鎖によって得るのが最適である。校正レベルのトレーサビリティと同様に,この方法
は,最も実用的で,測定不確かさを決定するためにも用いられることが望ましい。試験機の構成部品を定
期的に直接検証して,相殺された誤差が小さいことを確認することも要求されている。しかし,産業界で
は,通常,試験機を製造又は補修したときにだけ,このような測定をすることをこの規格で最低限の要求
としてしている。
注記 この附属書で用いられている次の事項は,VIM3に従っている。
− calibration : 校正
− calibration hierarchy : 校正の階層
− metrological traceability : トレーサビリティの方法

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− metrological traceability chain : トレーサビリティ連鎖の方法
− ordinal quantity : 順序尺度量
− verification : 検証

――――― [JIS Z 2251-1 pdf 23] ―――――

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附属書D
(参考)
CCM−硬さワーキンググループ
1999年第88回国際度量衡委員会(CIPM)において,質量関連量諮問委員会(CCM)委員長は,“硬さ
の定義は,独自に選択した式を用いるという意味で,確かに慣用的なものである。しかし,その試験方法
は,SI単位によって表される物理的な数値の組合せで定義されている。硬さの基準は,ほとんどがNMIで
確立され維持されており,その基準へのトレーサビリティは,産業界及びその他の業界から強く要求され
ている。”と述べた。引き続く議論で,硬さの基準は,相互承認協定(MRA)のために国際基幹比較データ
ベース(KCDB)に含まれることが望ましいという結論になり,CCMの枠組みの中で,硬さワーキンググ
ループ(CCM-WGH)が設立された。
CCM-WGHの設立によって,最上位の国家レベルにおける,測定の差異を少なくするための技術外交的
な枠組みが提供された。この枠組みの中で,硬さに影響するパラメータについて検討し,NMIが用いる硬
さ試験の国際的な定義を確立することが可能となった。国際的な合意が必要であるので,CCM-WGHは,
硬さの適切な普及を着実に行うために,ISO/TC164(金属の機械試験)/SC3(硬さ試験)との密接な連携
を保っている。CCM-WGHでの定義の最も意味ある改善点は,硬さ試験のパラメータが,この試験方法で
規定されているような許容値ではなく,特定の値を規定したことである。可能な場合,この規格では,CCM-
WGHが定めた硬さ試験のパラメータを適用している。
CCM-WGHの定義は,http://www.bipm.orgで公開されている。

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附属書E
(参考)
ケーラー照明システムの調整
E.1 一般
光学系は,調整ができないように設定されているものと,軽微な調整ができるようになっているものと
がある。分解能が最大となるように,次の調整をすると有効な場合がある。
E.2 ケーラー照明
画像を鮮明にするために,平面に研磨した試験片表面にピントを合わせる。
光源を中心に合わせる。
視野の中心と開口部の絞りの中心とをそろ(揃)える。
視野からちょうど消えるように絞りを開く。
接眼レンズを外し,対物レンズの後側の焦点面を観察する。全ての部品が定位置にあれば,光源及び絞
りでピントは鮮明になる。
最大解像力に対しては,解放絞りが望ましい。ぎらつきが過度な場合は,絞る。ただし,分解能が落ち
て,回折現象によって測定に支障を来すおそれがあるので,開放の3/4より小さくしてはならない。
観察するのに光が強すぎる場合は,適切な減光フィルター又は抵抗器を使って強度を低減させる。

――――― [JIS Z 2251-1 pdf 25] ―――――

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JIS Z 2251-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4545-1:2017(MOD)

JIS Z 2251-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2251-1:2020の関連規格と引用規格一覧