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6.1.3 AE源のクラスター位置標定によるグループ分け 到達時間差で位置標定されたAE事象は,クラ
スター位置標定によっていずれかのクラスターに属する。一つのクラスターの範囲は、最大AE変換子間隔
の5から10%の長さRを用いる。AE事象Aが位置座標X1,Y1に標定された時,X1,Y1を中心とした半径R A
のクラスターAを設定する。新たに位置標定されたAE事象Bの位置座標X2,Y2が半径R Aの円内にあればAE
事象BはクラスターAに属し,その円外であれば新たにクラスターBが位置座標X2,Y2を中心に設ける。
6.1.4 AE総合評価 AE総合評価は,各クラスターの累積AE事象数(ΣN)及び累積相対エネルギー値(Σ
E),並びに負荷に対する累積相対エネルギー値の差(ΔΣE)によって,型及び級を分類する。分類された
型と級の組み合わせにより各クラスターごとに等級分類を行う。
6.1.4.1 クラスターの型分類 クラスターの累積相対エネルギー値と検出された圧力との相関によって,
次のIIVのいずれかの型に分類する。型分類を行うための分類方法例を付図2に示す。累積相対エネル
ギー値の差(ΔΣE)は,付図2に示す測定中の現在の負荷圧力Pを5等分し各々の圧力範囲における累
積相対エネルギーをΔΣE1,2,3,4,5とする。そのため,各ΔΣEは加圧に従って連続的に変化
する。各負荷中に得られたΔΣEは,附図2の1)から5)の判定式を用いて以下の型に分類する。
a) 型 : 全過程散発型:AEは全過程にわたって散発しており,集中発生がないもの。
b) I型 : 低又は中圧過程集中発生型:AEは低圧力又は中圧力で発生し,高圧力では発生が停止又は急減
するもの。
c) II型 : 高圧力過程急増型 : AEは高圧力で急増するもの。
d) V型 : 全過程頻発型 : AEは全過程で頻発しているもの。
6.1.4.2 クラスターの級分類 各クラスターの累積AE事象数(ΣN)及び累積相対エネルギー値(ΣE)
の組み合わせによって次の14級に分類する。その判定図を付表2に示す。なお,判定基準に用いるAE
事象数(NR)及び相対エネルギー値(ER)は,そのクラスターの対応する位置特性(例えば,溶接線,マ
ンホール,ノズル,溶接支持部,あるいは母材部)により異なるため,事前の試験片による破壊試験及び
AE試験適用実績に基づいて,AE試験対象物の構造,材質ごとに決定する。
a) 1級 : 微小欠陥,又はノイズ等により標定されたものに対応。
b) 2級 : 安定化した欠陥,又は安定化傾向にある小欠陥に対応。
c) 3級 : 拡大傾向性を残す欠陥に対応。
d) 4級 : 加圧中に拡大を続けている欠陥に対応。
6.1.4.3 クラスターのAE総合評価の等級分類 各クラスターのAE総合評価の等級は,付表3に示すよう
に,型と級の組み合わせによってAからDランクで表示する。
6.1.4.4 出力メッセージ 負荷試験中は,AE事象が検出されるごとにそのクラスターのAE総合評価を行
ってランクの変化状況に応じて5段階の出力表示を行うことが望ましい。出力メッセージ例を付表4に示
す。
6.2 ゾーン標定を用いる場合
6.2.1 ゾーン標定による位置標定 各AE変換子の検出感度領域を単位とする位置標定を行う。
6.2.2 エネルギー値 AE事象のエネルギー値は,AE変換子検出点の値を用いる。
6.2.3 AE総合評価 AE総合評価は,各ゾーンの累積AE事象数(ΣN)及び累積相対エネルギー値(ΣE),
並びに負荷に対する累積相対エネルギー値の差(ΔΣE)によって,型及び級を分類する。分類され
た型と級の組み合わせによって各ゾーンごとに等級分類を行う。
6.2.3.1 ゾーンの型分類 ゾーンの累積相対エネルギー値と検出された圧力との相関によって,次のIIV
のいずれかの型に分類する。型分類を行うための分類方法例は、6.1.5と同様である。
(pdf 一覧ページ番号 4)
――――― [JIS Z 2342 pdf 6] ―――――
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6.2.3.2 ゾーンの級分類 ゾーンの累積AE事象数とエネルギー累積値の組み合わせにおいて,6.1.4.2
と同様に附表2により14級に分類する。
6.2.3.3 ゾーンのAE総合評価の等級分類 各グループのAE総合評価の等級(α)は,6.1.4.3と同様に付表
3に示すように,型と級の組み合わせによってAからDランクで表示する。
6.2.3.4 出力メッセージ 負荷試験中は,AE事象が検出されるごとにそのゾーンのAE総合評価を行っ
てランクの変化状況に応じて5段階の出力表示を行うことが望ましい。出力メッセージ例を付表4に示す。
7. 記録
AE試験の経過及び結果は,通常,次の項目について記録する。
a) 試験対象
b) 試験日時
c) 試験実施場所
d) 試験装置の校正方法及びその結果
e) E変換子の配置及び取付方法
f) 背景雑音の影響
g) 加圧過程(加圧方法,加圧速度,圧力保持時間,保持圧力など)
h) Eの発生状況(AE事象数と時間又は圧力の関係,AE標定位置など)
i) 試験結果の分類の手続き及びその結果
j) 試験技術者の氏名及び経験年数
k) 耐圧試験責任者の氏名
l) 記録作成日時及び作成者の氏名
m) 試験流体の種類及び試験温度
n) 圧力容器などの事前調査情報
o) 試験装置の仕様(付表1参照)
(pdf 一覧ページ番号 5)
――――― [JIS Z 2342 pdf 7] ―――――
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付図 1 試験装置の標準的構成
(pdf 一覧ページ番号 6)
――――― [JIS Z 2342 pdf 8] ―――――
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現在負荷圧力値Pを5等分し,各区間の累積エネルギー差分(ΣE1ΣE5)の分布値によってI
型IV型を計算する。
・ΣE=ΣE1+ΣE2+ΣE3+ΣE4+ΣE5
・P0----型判定開始圧力
・E0----II,III型判定用エネルギー値(使用者が設定)
・E1----IV型判定用エネルギー値(使用者が設定)
1) ΣE1からΣE5がすべてE1以上--------------------------------IV型(全過程頻発型)
2) (Σ4+Σ5)/ΣE≧70%∩ΣE≧E0------------------------III型(高圧過程急増型)
3) (ΣE2+Σ3+ΣE4)/ΣE≧70%∩ΣE≧E0------II型(中圧過程急増型)
4) (ΣE1+ΣE2/ΣE≧70%∩ΣE≧E0---------------------II型(低圧過程急増型)
5) 1)から4)のいずれにも属さないもの------------------------------------I型(全過程散発型)
注 ∩は、集合記号でandを意味する。
付図 2 AE挙動の性格の型分類方法例
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付表 1 試験装置の仕様
前置増幅器 信号処理装置 解析・表示装置
項目
(プリアンプ) (コンピュータ)
メインアンプ パラメータ抽出部
利得(ゲイン) (dB)
周波数特性 (Hz)
遮断周波数 (Hz)
フィルタ
減衰傾度(dB/oct.)
(Ω)
入力インピーダンス
(Ω)
出力インピーダンス
入力換算雑音 (V)
最大電圧出力 (V)
AEしきい値 (V)
処理速度 (ヒット/s)
各種パラメータ分解能
各種分析・表示
付表2 AE拳動の激しさの級分類方法例
ER
↑ 2 3 4 4
累 E3
積 1 2 3 4
エ
ネルE2
ギ 1 1 2 3
ー E1
1 1 1 2
N1 N2 N3 →NR
累積事象数
計測開始後の各グループの累積事象数(ΣN)又は各ゾーンの累積事象数(ΣN)と,AE累積エネル
ギー値(ΣE)によって級を判定する。級判定レベルN1,N2,N3,NR,E1,E2,E3,ER及び表中の1
級4級は,試験条件によって設定する。
(pdf 一覧ページ番号 8)
――――― [JIS Z 2342 pdf 10] ―――――
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JIS Z 2342:2003の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.020 : 流体貯蔵装備 > 23.020.30 : 圧力容器,ガスボンベ