14
Z 3317 : 2011
溶接条件は,A.5.2及びA.5.3の条件で行う。
シールドガスは,製造業者の推奨する種類のガスを使用し,試験結果報告書に記録する。
A.5.2 予熱及びパス間温度
予熱及びパス間温度は,表A.2に規定する温度で行う。予熱及びパス間温度の測定は,温度チョーク,
表面温度計又は熱電対を用いて行う(ISO 13916参照)。
パス間温度は,表A.2で規定する温度を超えてはならない。試験板がパス間温度を超えた場合,所定の
パス間温度まで空冷しなければならない。
A.5.3 溶接条件及び積層法
溶接条件及び積層法は,表A.3及び表A.4による。
一層を終了するまで溶接方向は変えてはならない。また,溶接方向は,一層ごとに変更する。
表A.3−溶接条件
溶接法 径 溶接電流 アーク電圧 コンタクトチップ距離 溶接速度
mm A V mm mm/min
a)
G 1.2 280±10 20±3 450±50
b)
W 2.4 200±20 − 150±20
注a) アーク電圧は,シールドガスに依存する。
b) ティグ溶接電源では,アーク電圧を設定できない。
表A.4−溶接パス積層法
径 一層のパス数 層数
mm
1.2 2又は3 610
2.4 2 a) 811
注a) 最終層は,3又は4パス仕上げでもよい。
A.6 化学分析
化学分析用試料は,製品から採取して行う。分析方法は,どのような分析方法を用いてもよいが,疑義
が生じる場合は,確立している公開された方法を参照する。
A.7 再試験
いずれかの試験結果がその規定に適合しなかった場合には,適合しなかった全ての試験について倍数の
再試験を行い,そのいずれの試験結果もその規定に適合しなければならない。この場合の再試験のための
試験片は,当初の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製した試験材から採取する。
また,分析試験において,当初の試験結果が規定に適合した元素は,再試験を行わなくてもよい。
試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続きがなされていない試験は,試験の進行状況又は結果
のいかんにかかわらず無効とする。無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返されなければなら
ない。ただし,この場合は,倍数の再試験を行わなくてもよい。
A.8 技術的受渡条件
製品の技術的受渡条件は,ISO 544及びISO 14344による。
――――― [JIS Z 3317 pdf 16] ―――――
15
Z 3317 : 2011
A.9 分類記号の表示
溶加材及びソリッドワイヤの分類記号は,次の例に示す原則に従って表示しなければならない。
例1
表A.1のCrMo1Siの化学成分範囲に対応するマグ溶接及びミグ溶接(G)用ソリッドワイヤは,次のよ
うに表示する。
ISO 21952-A-G CrMo1Si
ここに,
ISO 21952-A : 化学成分によって分類する規格番号
G : マグ溶接及びミグ溶接用ソリッドワイヤの記号(A.4.1参照)
CrMo1Si : ソリッドワイヤの化学成分の記号(表A.1参照)
例2
表A.1のCrMo1Siの化学成分範囲に対応するティグ溶接(W)用溶加棒及び/又はワイヤは,次のよう
に表示する。
ISO 21952-A-W CrMo1Si
ここに,
ISO 21952-A : 化学成分によって分類する規格番号
W : ティグ溶接用溶加材の記号(A.4.1参照)
CrMo1Si : 溶加材の化学成分の記号(表A.1参照)
例3
表A.1のCrMo1Siの化学成分範囲に対応するマグ溶接及びミグ溶接(G)用ソリッドワイヤであって,
かつ,ティグ溶接(W)用溶加棒及び/又はワイヤでもあるものは,次のように表示する。
ISO 21952-A-G CrMo1Si and W CrMo1Si
ここに,
ISO 21952-A : 化学成分によって分類する規格番号
G : マグ溶接及びミグ溶接用ソリッドワイヤの記号(A.4.1参照)
W : ティグ溶接用溶加材の記号(A.4.1参照)
CrMo1Si : 溶加材及びソリッドワイヤの化学成分の記号(表A.1参照)
注記 ソリッドワイヤと溶加棒とは両立しないが,対応国際規格のままとした。
――――― [JIS Z 3317 pdf 17] ―――――
Z3
2
附属書JA
31
(参考)
7 : 2
JISと対応国際規格との対比表
0 1
1
ISO 21952:2007 Welding consumables−Wire electrodes, wires, rods and deposits for
JIS Z 3317:2011 モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用ガスシールドアーク溶接
溶加棒及びソリッドワイヤ gas-shielded arc welding of creep-resisting steels−Classification
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
国際規 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 格番号 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範 対応国際規格(ISO 1 System A及びSystem Bにつ削除 JISは,System Bを採用して規対応国際規格では,System A及び
囲 21952)のSystem Bに いて規定 定した。 /又はBを使用できる。
ついて規定
2 引用規
格
3 用語及 JIS G 0203,JIS Z − − 追加 JISでは,専門用語及び定義の
び定義 3001-1及びJIS Z 規格を引用した。
3001-2を引用
4 種類及 種類及び記号の付け方 3 種類及び記号の付け方を規 変更 JISでは,成分範囲の記号の前ユーザーニーズによって,追加し
び記号の を規定 定 にハイフンを付与して区切り た。
付け方 を明確にした。
4.4B シールドガスの記号を規定 変更 JISでは,記号“A”の酸素の ユーザーニーズによって,他のJIS
上限を3 %と規定。 に整合させた。
5 品質
5.1 溶加 寸法,許容差及び製品 8 寸法,許容差及び製品の状 追加 JISでは,ISO 544 にない寸法ユーザーニーズによる。
材及びソ の状態についてJIS Z 態についてISO 544を引用 のスプールを規定している。
リッドワ 3200を引用
イヤの寸
法及びそ
の許容差
並びに製
品の状態
――――― [JIS Z 3317 pdf 18] ―――――
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
国際規 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 格番号 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
5.2 溶加 溶加材及びソリッドワ 4.2 溶加材及びソリッドワイヤ追加 JISでは,国内で使用しているユーザーニーズによる。
材及びソ イヤの化学成分を規定 の化学成分を規定 8種類を追加した。
リッドワ 変更 2C1M2のSi規定値を変更し
イヤの化 た。また,対応国際規格では記
学成分 号Gには化学成分が類似する
表1の記号をGに続けると規
定しているが,JISでは規定し
なかった。
JISでは,表1で規定しない成 技術的な差異はない。
分については,分析過程で検出
した成分だけの上限を規定す
るとした。
5.3 溶着 溶着金属の機械的性質 4.3 溶着金属の機械的性質を規 追加 JISでは,国内で使用しているユーザーニーズによる。
金属の機 を規定 定 8種類を追加した。
械的性質 化学成分の記号“G”に対応す
る溶着金属の機械的性質の記
号に“69”を追加した。
6 試験方
法
6.1 ロッ ロットの決め方として 8 ISO 14344を引用 変更 JIS Z 3423で対応予定。
JISでは,JIS Z 3423を引用し,
トの決め JIS Z 3423を引用 ロットクラスS4の定義を変更
方 している。
6.2 溶加 分析方法及び試料の採 6 適切な方法であればよい 選択 JISでは,選択できる適切な方JISでは国内で使用されている方
材及びソ 取方法を規定 が,疑義ある場合は確立さ 法を規定した。
法として,JIS G 0320に規定す
リッドワ れ公開されている方法とす る方法とした。
イヤの分 ると規定 技術的な差異はない。
製品と変わらない成分は,製造
析試験 工程上流で検査する方法を選
Z3
択できるとした。
317 : 2
0 1
1
2
――――― [JIS Z 3317 pdf 19] ―――――
Z3
2
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
3
国際規 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
17
箇条番号 内容 格番号 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
: 2
及び題名 番号 の評価
0 1
1
6.3 溶着 溶着金属の引張試験方 5 溶着金属と異なる成分の試変更 JISでは,JIS Z 3111を引用し,
技術的な差異はない。
金属の引 法を規定 験板は,2層以上のバタリン バタリングの厚さを3 mm以上
張試験 グを行って使用してもよい と追加している。
と規定
8 製品の 製品の呼び方を規定 − 径及び長さ,又は径及び質追加 JISでは,径及び長さ,又は径旧規格との整合を図った。
呼び方 量を含む場合の呼び方の規 及び質量を含む場合の呼び方
定はない。 を規定した。
11 検査証 検査証明書を規定 8 EN 10204による。 変更 JISでは,JIS Z 3200によるとユーザーニーズによって,JISでは
明書 規定した。 規定した。
附属書A 附属書(参考)とした。 本体でSystem Aを規定 対応国際規格では,System A及び
(参考) /又はSystem Bを使用できるとあ
り,System Bを規定し,System A
を参考とした。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : ISO 21952:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除·················· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択·················· 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD··············· 国際規格を修正している。
JIS Z 3317:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 21952:2007(MOD)
JIS Z 3317:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.20 : 溶接材料
JIS Z 3317:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG0203:2009
- 鉄鋼用語(製品及び品質)
- JISG0320:2009
- 鋼材の溶鋼分析方法
- JISG3103:2019
- ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板
- JISG4109:2019
- ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼鋼板
- JISG4110:2015
- 高温圧力容器用高強度クロムモリブデン鋼及びクロムモリブデンバナジウム鋼鋼板
- JISZ3001-1:2018
- 溶接用語―第1部:一般
- JISZ3001-2:2018
- 溶接用語―第2部:溶接方法
- JISZ3111:2005
- 溶着金属の引張及び衝撃試験方法
- JISZ3200:2005
- 溶接材料―寸法,許容差,製品の状態,表示及び包装
- JISZ3253:2011
- 溶接及び熱切断用シールドガス
- JISZ3423:2006
- 溶接材料の調達指針