JIS Z 3317:2011 モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼用ガスシールドアーク溶接溶加棒及びソリッドワイヤ | ページ 3

                                                                                              9
Z 3317 : 2011
d) 試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続きを行っていない試験を含み,試験結果が合否の判
定に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにかか
わらず無効とする。無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返されなければならない。
なお,この場合は,c)に規定する再試験の対象とはしない。

8 製品の呼び方

  製品の呼び方は,次による。
a) ティグ溶接用溶加材
1) ソリッド溶加棒 溶加材の種類の記号,径及び長さによる。
例1 W 62-2C1M3 − 2.4 − 1 000
溶加材の種類 径 長さ
の記号
W : ティグ溶接
62 : 溶着金属の引張強さが620 MPa以上(表2による。)
2C1M3 : 溶加材の化学成分(表1による。)
2) ソリッド溶加ワイヤ 溶加材の種類の記号,径及び質量による。
例2 W 55-1CM − 1.2 − 20
溶加材の種類 径 質量
の記号
W : ティグ溶接
55 : 溶着金属の引張強さが550 MPa以上(表2による。)
1CM : 溶加材の化学成分(表1による。)
b) マグ溶接及びミグ溶接用ソリッドワイヤ ソリッドワイヤの種類の記号,径及び質量による。
例3 G 49C-3M3T − 1.2 − 20
ソリッドワイヤの 径 質量
種類の記号
G : マグ溶接及びミグ溶接(マグ溶接)
49 : 溶着金属の引張強さが490 MPa以上(表2による。)
C : シールドガスがJIS Z 3253に規定するC1(炭酸ガス)
3M3T : ソリッドワイヤの化学成分(表1による。)
例4 G 55A-G − 1.2 − 20
ソリッドワイヤの 径 質量
種類の記号
G : マグ溶接及びミグ溶接(ミグ溶接)
55 : 溶着金属の引張強さが550 MPa以上(表2による。)
A : シールドガスがJIS Z 3253に規定するM1 3で,酸素1 %3 %(体積分率)とアルゴンと
の混合ガス

――――― [JIS Z 3317 pdf 11] ―――――

10
Z 3317 : 2011
G : ソリッドワイヤの化学成分(表1によって,受渡当事者間の協定による。)

9 包装

  包装は,JIS Z 3200による。

10 表示

10.1 製品の表示

  製品の表示は,JIS Z 3200による。

10.2 包装の表示

  包装の表示は,JIS Z 3200による。

11 検査証明書

  検査証明書は,JIS Z 3200による。
なお,溶加材及びソリッドワイヤの化学成分を報告する場合は,種類ごとに表1に規定する成分を報告
しなければならない。

――――― [JIS Z 3317 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
Z 3317 : 2011
附属書A
(参考)
ISO 21952 System A
A.1 適用範囲
この附属書は,モリブデン鋼及びクロムモリブデン鋼のティグ溶接に使用するソリッド溶加棒及びソリ
ッド溶加ワイヤ(以下,溶加材という。)並びにマグ溶接及びミグ溶接に使用するソリッドワイヤの分類に
ついて,溶接のまま及び溶接後熱処理後の機械的性質に対する要求事項を記載する。同一ソリッドワイヤ
でも,異なるシールドガスとの組合せで試験及び分類を行うことができる。
A.2 引用規格
次に掲げる規格は,この附属書に引用されることによって,この附属書の一部を構成する。これらの引
用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
ISO 31-0:1992,Quantities and units−Part 0: General principles
ISO 544,Welding consumables−Technical delivery conditions for welding filler materials−Type of product,
dimensions, tolerances and markings
ISO 4063,Welding and allied processes−Nomenclature of processes and reference numbers
ISO 13916,Welding−Guidance on the measurement of preheating temperature, interpass temperature and
preheat maintenance temperature
ISO 14344,Welding and allied processes−Flux and gas shielded electrical welding processes−Procurement
guidelines for consumables
ISO 15792-1,Welding consumables−Test methods−Part 1: Test methods for all-weld metal test specimens in
steel, nickel and nickel alloys
A.3 分類
材料の分類は,2種類の記号によって分類し,次による。
a) 製品の種類を示す記号
b) 溶加材及びソリッドワイヤの化学成分を示す記号(表A.1参照)
A.4 分類記号及び要求事項
A.4.1 製品の種類
ティグ溶接に使用する溶加材の記号は,Wとし,マグ溶接及びミグ溶接に使用するソリッドワイヤの記
号は,Gとする(ISO 4063参照)。
A.4.2 溶加材及びソリッドワイヤの化学成分
表A.1の記号は,溶加材及びソリッドワイヤの化学成分を示す。

――――― [JIS Z 3317 pdf 13] ―――――

12
Z 3317 : 2011
表A.1−溶加材及びソリッドワイヤの化学成分
単位 %(質量分率)
記号 化学成分a), b), c)
C Si Mn P S Ni Cr Mo Cu V その他の元素
0.08 0.50 0.70 0.40
MoSi 0.020 0.020 − − − − −
0.15 0.80 1.30 0.60
0.08 0.05 1.30 0.45
MnMo 0.025 0.025 − − − − −
0.15 0.25 1.70 0.65
0.06 0.40 0.70 0.30 0.50 0.20
MoVSi 0.020 0.020 − − −
0.15 0.70 1.10 0.60 1.00 0.40
0.08 0.50 0.80 0.90 0.40
CrMo1Si 0.020 0.020 − − − −
0.14 0.80 1.20 1.30 0.65
0.06 0.50 0.80 0.90 0.90 0.10
CrMoV1Si 0.020 0.020 − − −
0.15 0.80 1.20 1.30 1.30 0.35
0.04 0.50 0.80 2.3 0.90
CrMo2Si 0.020 0.020 − − − −
0.12 0.80 1.20 3.0 1.20
0.50 0.80 2.3 0.90
CrMo2LSi 0.05 0.020 0.020 − − − −
0.80 1.20 3.0 1.20
0.03 0.30 0.30 5.5 0.50
CrMo5Si 0.020 0.020 − − − −
0.10 0.60 0.70 6.5 0.80
0.06 0.30 0.30 8.5 0.80
CrMo9 0.025 0.025 1.0 − 0.15 −
0.10 0.60 0.70 10.0 1.20
0.03 0.40 0.40 8.5 0.80
CrMo9Si 0.020 0.020 − − − −
0.10 0.80 0.80 10.0 1.20
0.07 0.4 0.4 8.0 0.80 0.15 Nb 0.030.10
CrMo91 0.60 0.020 0.020 0.25
0.15 1.5 1.0 10.5 1.20 0.30 N 0.020.07
CrMoWV12Si 0.17 0.20 0.40 10.5 0.80 0.20
0.025 0.020 0.8 − W 0.350.80
0.24 0.60 1.00 12.0 1.20 0.40
Z d) 受渡当事者間の協定による。
注a) 本体に規定したSystem Bの規定にも適合する溶加材及びソリッドワイヤは,System Bにも区分してもよい。
b) 表の数値が一つの場合は,最大値を示す。
c) 特に規定がなければ,Ni<0.3,Cu<0.3,V<0.03,Nb<0.01,Cr<0.2とする。
d) この表のMoSiからCrMoWV12Siまでに規定する以外のものとし,記号は,化学成分が類似するこの表の記号
をZに続ける。類似する化学成分がない場合には,この表の記号の付け方に準拠した記号をZに続ける。
A.4.3 溶着金属の機械的性質
機械的性質は,分類記号を付けないが,表A.1の溶加材及びソリッドワイヤを用いた溶着金属の機械的
性質は,表A.2に規定する機械的性質に適合しなければならない。

――――― [JIS Z 3317 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
Z 3317 : 2011
表A.2−溶着金属の機械的性質
最小吸収エネルギー d) 熱管理条件
最小 最小 最小
(+20 ℃) 予熱及び 溶接後熱処理
記号a) 耐力b) 引張強さ 伸びc)
平均値 個々の値 パス間温度 温度 保持時間
MPa MPa %
J J ℃ ℃ min
MoSi 355 510 22 47 38 200未満 なし −
MnMo 355 510 22 47 38 200未満 なし −
MoVSi 355 510 18 47 38 200300 690730 e) 60 f)
CrMo1Si 355 510 20 47 38 150250 660700 e) 60 f)
CrMoV1Si 435 590 15 24 21 200300 680730 e) 60 f)
CrMo2Si,CrMo2LSi 400 500 18 47 38 200300 690750 e) 60 f)
CrMo5Si 400 590 17 47 38 200300 730760 e) 60 f)
CrMo9,CrMo9Si 435 590 18 34 27 200300 740780 e) 120 f)
CrMo91 415 585 17 47 38 250350 750760 e) 120 f)
250350 g)
CrMoWV12Si 550 690 15 34 27 又は 740780 e) 120以上
400500 g)
Z f) 受渡当事者間の協定による。
注a) 本体に規定したSystem Bの規定にも適合する溶加材及びソリッドワイヤは,System Bにも区分してもよい。
b) 0.2 %耐力(Rp0.2)を使用する。
c) 標点間距離は,試験片直径の5倍とする。
d) 試験片個数は,3個とし,かつ,最小平均値未満の個数は,1個以下とする。
e) 試験材は,200 ℃/hを超えない範囲で300 ℃まで炉冷する。300 ℃以下になれば,炉から出して室温まで空冷
してもよい。
f) 許容範囲は,0,+15 minとする。
g) 溶接後,速やかに試験材を100120 ℃まで冷却し,少なくとも1時間はその温度で保持する。
A.4.4 シールドガスの種類
シールドガスは,記号を付けない。
A.4.5 数値の丸め方
数値の丸め方は,次による。
なお,数値を丸めた結果は,対応する表の要求事項に適合しなければならない。
a) この附属書への適合を判定するために,得られた試験結果はISO 31-0:1992の附属書B規則Aに準拠
して丸めなければならない。得られた試験結果が,この附属書で使用されている以外の単位で校正さ
れた試験装置で求められた場合,この附属書の単位に換算した後に丸めなければならない。
b) 平均値をこの附属書の要求値と比較する場合は,平均した後に丸めなければならない。この附属書が
引用している試験方法規格に規定する数値の丸め方が,この附属書の規定と矛盾する場合は,試験方
法規格に従うものとする。
A.5 機械的性質
A.5.1 一般
引張試験及び衝撃試験は,表A.2によって,溶接のまま又は溶接後熱処理後の条件で行わなければなら
ない。試験材の作製は,ティグ溶接の場合は,ISO 15792-1の試験板記号1.1によって溶加材の径2.4 mm
で行う。また,マグ溶接及びミグ溶接の場合は,ISO 15792-1の試験板記号1.3によってソリッドワイヤの
径1.2 mmで行う。

――――― [JIS Z 3317 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS Z 3317:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 21952:2007(MOD)

JIS Z 3317:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3317:2011の関連規格と引用規格一覧