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わる1 cm線量当量”は,H* (10) に該当する。
f) 個人線量当量 Hp (d) (personal dose equivalent) 人体の軟組織中の深さdにおける線量当量。
備考1. 単位はシーベルト (Sv) である。
2. JIS Z 4511の“ICRUスラブ線量当量”は,この個人線量当量の別名である。また,“個人に
かかわる1 cm線量当量”は,個人線量当量Hp (10) に該当する。
g) 中性子フルエンス−線量当量換算係数 h neutron fluence-to-dose-equivalent conversion coefficient)
被照射物によって場が乱されていない放射線場における中性子線量当量Hを中性子フルエンス
した値。 h H/
備考1. 中性子フルエンス−線量当量換算係数について記述する場合は,線量当量の種類(例えば,
周辺線量当量,個人線量当量)を記述する必要がある。換算係数は,附属書Fに示す。
2. 周辺線量当量への換算係数h* 10) 及び個人線量当量への換算係数hp 10) は,両者とも中
性子エネルギーに強く依存する。hp 10) については,放射線の入射方向にも依存する。
h) 放射性核種の放射能 A (activity of an amount of radioactive nuclide in a particular energy state at a
given time) 時間間隔dt間に,あるエネルギー状態からの自発的核遷移数の期待値をdN+としたとき
の,dN+ / dtの値。
A=dN+ / dt
備考 放射能の単位は,s-1又はベクレル (Bq) である。
i) 中性子線源の中性子線源強度 B (neutron source strength of a neutron source at a given time) 時間間
隔dt 間に,中性子線源から放出される中性子数の期待値をdN*としたときの,dN* / dtの値。
B=dN* / dt
備考 中性子線源強度の単位は,s-1である。
j) 角度依存線源強度 B 圀 angular source strength) 立体角d地 湎 性子放出数をdB
としたときの,dB / d 地 dB / d 圀
備考 角度依存線源強度の単位は,s-1 sr-1である。
k) エネルギー微分線源強度 BE (spectral source strength) 及び中性子線源強度のエネルギー分布BE
(energy distribution of neutron source strength) とE+dEのエネルギー幅にある中性子線源強度を
dBとしたときの,dB / dEの値。 BE=dB / dE
備考1. エネルギー微分線源強度の単位は,s-1 J-1又はs-1 eV-1である。
2. 線源強度Bは,BEから次の式によって算出する。
B BEdE
0
エネルギー微分線源強度BEをもつ点線源から等方的に放出される中性子によって,点線源
から距離lの位置に生成されるエネルギー微分中性子フルエンス率 線源の周囲の物質
の影響を無視すれば,次の式によって求める。
BE
E
2
4l
l) フルエンス平均エネルギー E (fluence-average neutron energy) 中性子エネルギーをエネルギー微
分中性子フルエンスで平均した値。
1
E E ΦE (Ed) E
Φ0
――――― [JIS Z 4521 pdf 6] ―――――
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m) 線量当量平均エネルギー E~ (dose-equivalent-average neutron energy) 中性子エネルギーを線量当量
スペクトルで平均した値。
~ 1
E E hΦ (E) ΦE dE
H0
上の式において, H hΦ (E) ΦE dE である。
0
n) レスポンス R (response) 測定器の読取値Mを取決め真値 (conventional true value) で除した値。
備考1. レスポンスの種類は明示することが望ましい。例えば,中性子フルエンス 歛 ルエ
ンスレスポンスはR M/ 線量当量Hに対する線量当量レスポンスはRH=M / Hであり,
光子線量当量H 歛 偽 量当量レスポンスはR 柿 M/H
2. 読取値Mが時間率であれば,フルエンス ( び線量当量 (H) は,それぞれフルエンス率
( び線量当量率 (H ‰歿 えられる。
3. レスポンスの値は測定量の大きさに応じて変わり得る。そのような場合,測定器は非直線的
であるという。
4. 中性子フルエンス又は線量当量に対するレスポンスRは,通常,照射する中性子のエネルギ
ー及び方向の分布に応じて変化する。したがって,レスポンスを,中性子の単一エネルギー
Eと単一方向 (monodirectional) 中性子の方向 地 数R (E, 圀 ‰ 刀 E)
スポンスの“エネルギー依存性”を,R ( 圀 ‰漠 方向依存性”を示す。後者については,
は測定器の基準となる方向と外部の単一方向場の方向との間の角度 えられる。
5. 測定器が,様々なエネルギー及び入射角の放射線の組合せによって照射される場合,多重素
子形測定器の評価アルゴリズムは加算的ではない可能性がある。例えば,線量当量に対する
寄与がH1とH2の二つがある場合に,それぞれ別個に照射を行った場合の読取値の合計は,
二つを同時に照射したときの読取値と異なる。つまりMH1+MH2≠MH1+H2となる可能性がある。
そのような場合,備考4. で示した関数R (E, 圀 ‰ すべての放射線場における測定器のレ
スポンスを特徴付けるのには十分でない。
o) 取決め真値 (conventional true value of a quantity) 測定する量の最良の推定値。
取決め真値とは,真値との差が対象としている目的においては,さしては重要とならない程に真値
に十分近い値である。
p) 校正定数 N (calibration factor) 測定しようとしている量の取決め真値を,測定器の必要な補正を加
えた読取値Mで除した値。レスポンスが基準条件下で決定される場合,レスポンスの逆数となる。
校正定数は,測定する量の値を得るために読取値Mに乗じる係数である。
例 個人線量当量に対する個人線量計の校正定数は,次の式で与えられる。
N=Hp (10) / M
備考1. 測定器が測定する量を示す場合,校正定数Nは無次元である。取決め真値を示す測定器の校
正定数は1である。
2. 校正定数が基準条件だけに対応するのに対して,レスポンスは任意の条件に対応し得る。
3. 校正定数の値は測定する量の大きさに応じて変わり得る。この場合,その測定器は非直線的
レスポンスをもつという。
q) レスポンスのエネルギー依存性 R E) 又はRH (E) (energy dependence of response) 単色中性子に対
する,中性子エネルギーEの関数としての中性子フルエンス又は線量当量に対するレスポンスR。
――――― [JIS Z 4521 pdf 7] ―――――
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r) 光子感度 (photon sensitivity) 光子が中性子場に加えられたときの,測定器の中性子読取値の変化[3.
n) 備考1. 参照。]。
s) 自由空間量 (free-field quantity) 照射が,散乱又はバックグラウンドの影響のない自由空間の中で行
われた場合に存在するであろう量。
備考 個人線量計の校正をファントム上で行った場合でも,個人線量当量Hp (10) は自由空間量である。
t) 試験点 (point of test) 測定する量の取決め真値が既知の放射線場の点。
u) 基準点 (reference point) 校正又は試験の目的で,試験点に置かれる測定器の点。
測定距離は,放射線源の中心と測定器の基準点の間の距離である。
v) 実効中心 (effective centre) その点に対しては,読取値があたかも点検出器であるかのように振る舞
う測定器内部の点。すなわち,その読取値は,点線源からの距離の逆二乗則に応じて変化する。球対
称の測定器の実効中心は,一般にその幾何学的な中心と一致する。
w) 校正条件 (calibration conditions) 校正中に実際に生じ得る標準試験条件の範囲内にある状態。
x) 基準方向 (reference direction) 単一方向場において放射線の入射方向を決定するときに用いる測定
器の座標系の基準となる方向。
y) 基準の向き (reference orientation) 入射放射線の方向が測定器の基準方向と一致する測定器の向き。
z) 基準測定器 中性子フルエンス又は吸収線量の取決め真値の測定を目的として使用する測定器。
aa) 仲介測定器 中性子フルエンス又は吸収線量の基準移行を目的として使用する測定器。
備考 基準測定器と同一であってもよい。
ab) (中性子)フルエンス測定器 基準測定器又は仲介測定器のうち,中性子フルエンスを測定対象とす
る測定器。
ac) 実用基準測定器 実用校正の目的で,基準校正された実用測定器。実用基準測定器は,実用校正の対
象となる実用測定器と同一形式の測定器でなければならない。
ad) 実用測定器 実用に供している中性子線量当量(率)計。
ae) 基準校正 基準測定器,仲介測定器又は実用基準測定器をこの規格に従った方法で校正すること。
af) 実用校正 実用基準測定器との比較によって実用測定器を校正すること。
4. 中性子測定器の校正のための基準中性子
4.1 一般特性
RI中性子線源によって生成される中性子測定器の校正に適切な基準中性子は,次による。
4.1.1 種類 基準中性子の発生のために,表1のRI中性子線源を使用しなければならない。表1に示す
諸数値は,線源の典型値としてだけ解釈することが望ましい。中性子線源の強度及び線量当量率は,線源
の構造による中性子及び の散乱及び吸収のために変わるかもしれない。また,使用されている放射性
物質の同位体不純物によっても変わるかもしれない。このため,線源カプセルの詳細及び中性子放出の非
等方性を決定する方法を規定する。252Cfの光子線量当量率は,核分裂生成物が増加するため線源の年数に
依存するが,その増加は最初の20年間で約5 %である。
――――― [JIS Z 4521 pdf 8] ―――――
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表 1 中性子測定器を校正するための標準RI中性子線源
半減期 フルエンス 線量当量 比線源強度(4) 線量当量率比
平均エネルギー 平均エネルギー (光子/中性子)
線源
(2)(3) (2)(3) (5)
年(1) MeV MeV
2.1×1015
D2O減速252Cf(6) 2.65 0.55 2.1 0.18
(s-1・kg-1)
252Cf
2.4×1015
2.65 2.13 2.3 0.05(7)
(s-1・kg-1)
241Am-B (
愀 n) 1.6×10-5
432 2.72 2.8 0.20(8)
(s-1・Bq-1)
241Am-Be (愀 n) 6.6×10-5
432 4.16 4.4 0.05(8)
(s-1・Bq-1)
注(1) 平均太陽年=31 556 926(秒)又は365.342 20(日)
(2) 平均エネルギーの定義は,3. l) 及びm) 参照。
(3) 附属書Aの標準的な中性子スペクトル及び附属書F表1の線量換算係数に基づいて計算された値。
(4) 252Cfについては,線源に含まれているカリホルニウムの質量当たりの値。その他の線源については,
241Amの放射能当たりの値。
(5) 典型値。
(6) 直径300 mmの重水球を厚さ1 mmのカドミウム (Cd) で覆ったもの。線源中性子のうち11.5 %はCd
カットオフエネルギー以下に減速され,Cdで捕獲される。
(7) 約2.5 mm厚の鉄製カプセルに封入されている線源に対する値。
(8) 約1 mm厚の鉛遮へいで覆われた線源に対する値。
4.1.2 線源形状及びカプセル 線源の形状は,球形又は円筒形であることが望ましい。円筒形の場合,直
径と長さがほぼ同じであることが望ましい。かつ,カプセルの厚さは一定で,外径と比較して薄くするこ
とが望ましい。241Am-Be ( 愀 n) 線源の約2 MeV以下のスペクトルの分布は,線源のサイズと組成にある程
度依存する。線源は,JIS Z 4821-1による密封線源の要求事項に従うことが望ましい。241Am-Be ( 愀 n) 線
源は厚さ1 mmの鉛遮へいで包んでもよい。鉛遮へいは,光子線量当量率を中性子線量当量率の5 %未満
まで減らすが,中性子線量当量率の変化は無視できる(1 %未満)。鉛遮へいがない状態では,光子線量当
量率(主として59.5 keVのエネルギーをもつ による。)は,線源構造に依存するが,中性子線量当量率
と同程度である。
4.2 校正用線源の特性
校正用線源の種類及び中性子線源強度のエネルギー分布は,次による。
4.2.1 種類 定期的な校正では241Am-Be ( 愀 n) 又は252Cf線源を使用することが望ましい。252Cf線源は,
一般に比線源強度が高いため比較的小形である。また,半減期は2.65年であるため定期的に交換する。
4.2.2 中性子線源強度のエネルギー分布 241Am-Be ( 愀 n),252Cf,D2O減速252Cf及び241Am-B ( 愀 n) 線源
の中性子エネルギー分布(スペクトル)を,附属書Aに示す。
252Cfの中性子線源強度のエネルギー分布BEは,100 keVから10 MeVまでのエネルギー範囲について,
式 (1) で計算する。
2
BE E e E/T B (1)
T/3 2
ここに, E : 中性子エネルギー (MeV)
T : 1.42 MeVで与えられるスペクトル・パラメータ
附属書Aの中性子スペクトルは,軽く薄いカプセルに入れられた線源に対して推奨するものである(4.1.2
参照)。附属書Fに規定するスペクトル平均フルエンス−線量当量換算係数は,これらのスペクトルにつ
――――― [JIS Z 4521 pdf 9] ―――――
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いて算出した。大形で厚いカプセルに入れられている場合,又は特別な構造のD2O減速252Cf線源では,
スペクトルは著しく異なるかもしれない。そのような線源の中性子線源強度のエネルギー分布BE又はエネ
ルギー微分フルエンス 算又は測定で求められている場合,そのスペクトルについて平均化された中
性子フルエンス線量当量換算係数h 2) によって算出することが望ましい。
1
hΦ (2)
hΦ (E)ΦE dE
Φ0
ここに, E : 中性子エネルギー (MeV)
エネルギー微分中性子フルエンス
:
中性子フルエンス
なお, BEに比例するものとする。
4.3 線源によって生成された中性子フルエンス率
中性子線源によって生成された中性子フルエンス率
は,中性子線源強度及び線源中心−試験点間距離から決定する。中性子は,一般に,線源の幾何学的な中
心に固定された座標系で非等方的に放出される。円筒形線源の場合,天頂角(又は極角) び方位角
の関数として表現できる(図1を参照)。角度依存線源強度(方向 地 謀 は,方位角 善
に依存せず,天頂角 堰 度依存線源強度dB / d 地 燿 90°で変化が小さいので,こ
の方向を校正に使用することが望ましい。
中性子線源強度B及び 燿 90°における角度依存線源強度dB / d 地 騰地 瀰 角度依存
については附属書Gを参照。)。この場合, (立体角3.8×10-3 srに相当)を超えてはならない。
燿 90°方向の線源中心から距離lにおける中性子フルエンス率は,式 (3) によって計算する。
dB 1
(pdf 一覧ページ番号 )
l 90 )
,( dΩ l2
式 (3) によって得られた中性子フルエンス率を,更に,空気による減衰又は“外散乱”(試験点に来る
べき直接線が散乱によって違う方向へそれてしまうことをいう。),並びに空気及び周囲の材料からの“内
散乱”(試験点に直接線以外の中性子が散乱によって入射してくることをいう。)について補正しなければ
ならない(8. 参照)。
図 1 非等方的に中性子を放出する線源についての座標系
――――― [JIS Z 4521 pdf 10] ―――――
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JIS Z 4521:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8529-1:2001(MOD)
- ISO 8529-2:2000(MOD)
- ISO 8529-3:1998(MOD)
JIS Z 4521:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.240 : 放射線測定
JIS Z 4521:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ4001:1999
- 原子力用語
- JISZ4821-1:2015
- 密封放射線源―第1部:一般要求事項及び等級
- JISZ8103:2019
- 計測用語