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Z 4751-2-43 : 2021 (IEC 60601-2-43 : 2010,Amd.1 : 2017,Amd.2 : 2019)
一つである。いかなる種類の自動警報でも,操作者の注意を不必要にそらすと,全般的な臨床結果がより
不良になる可能性がある。手技中に発生する多くの非放射線事象も,操作者の注意が必要である。操作者
の操作が緊急でない限り,そのような通知は,手技を熟知した当事者(操作室又は検査室のいずれかに位
置する。)によって,そうすることが安全であればすぐに操作者に伝えることが可能である。
継続的なリアルタイム表示は,操作を要求したり操作者の集中力を妨げることなく,積算された線量測
定情報に即座にアクセスを提供する。NCRP報告書168 [23],ICRP刊行物120 [24]並びにIVR [25]及びイ
ンターベンショナル心臓病学[26]の学会からの指針では,最大の皮膚線量を含む特定の線量レベルを超過
した場合に操作者に通知することを推奨している。放射線障害は,特定の線量値での線量反応は起こりに
くい。公称放射線いき(閾)値を数十パーセント上回っても,放射線障害の頻度又は性質に実質的な影響
を及ぼす可能性は極めて低いため,リアルタイム線量表示が重要な通知となる。
現在,幾つかの装置は,表示の色とその背景を逆転させるなどの手段を用いて,積算基準空気カーマが
いき(閾)値を超えた場合を意識させずに示す機能をもつ。
線量マップ :
最も単純な線量マップは,保持装置の角度の機能としての基準空気カーマの表示である。
このようなマップは,典型的には,ある範囲の角度(例えば,30°×30°)で発生する全ての照射に対
して単一の値を示す。それらの構造は,ビームに対する患者又は患者の位置に関係する情報を一切必要と
しない。それにもかかわらず,これらの空気カーママップは,運用上の放射能管理の特定の側面には十分
な場合がある。
手技中に,実際の患者を合理的に表す表面上に表示される現在の皮膚線量マップが利用できることは,
臨床的に重要である。このマップは,現在のX線照射野の大きさ,形状及び位置を示す必要がある。この
ような表示は,照射を継続するリスクに関する即時の情報を操作者に提供し,皮膚組織反応[29]の起こり
やすさ及び重症度を制御するために,放射線照射野の管理に必要な情報を提供する。
患者の皮膚表面は,モデルで表すことが可能である。その場合,患者表面モデルは,人間の皮膚表面の
様式化された表現となり得る。患者表面モデルは,検査中の患者に適応可能である。患者表面モデルは,
患者の四肢を除外することが可能である。例えば,患者表面モデルは,患者の身長及び体重に基づくこと
が可能である。
等線量境界及び色コード :
操作者は,製造業者の装置が異なると,一つ以上の位置で操作する可能性がある。等線量境界と色コー
ドとを一貫して使用することは,製造業者の違いによるシステム間で作業する際の操作者の混乱を避ける
ために役立つ。
表AA.3は,等線量境界による色及びグレースケールコードの例を示している。等線量境界は,NCRP-168
[23]の表2.5に由来する。色及びグレースケールのコードは,RGB色空間で表される(例えば,RGB色空
間の記載については参考文献[30]を参照)。
空気カーママップでのより低い等線量境界は,意味のある生物学的リスク表示を維持するために使用す
ることが可能である。空気カーマは,後方散乱のような影響を考慮していないため,これらは,皮膚線量
マップの75 %である可能性がある。
――――― [JIS Z 4751-2-43 pdf 41] ―――――
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表AA.3−皮膚線量マップ及び空気カーママップ用の等線量境界及び色コードの例
皮膚線量マップ等線量境界 空気カーママップ等線量境界 RGB RGB
色 グレースケール
A.例1
0.1 Gy未満の基本表面 0.075 Gy未満の基本表面 220,220,220 220,220,220
0.1 Gy 0.075 Gy 0,0,0 0,0,0
1.0 Gy 0.75 Gy 0,0,255 70,70,70
2.0 Gy 1.5 Gy 0,255,0 105,105,105
5.0 Gy 3.75 Gy 255,255,0 145,145,145
8.0 Gy 6.0 Gy 255,128,0 190,190,190
11.0 Gy 8.25 Gy 255,0,0 235,235,235
15.0 Gy 11.25 Gy 255,255,255 255,255,255
B.例2
0.1 Gy 0.075 Gy 0,0,255 0,0,0
1.0 Gy 0.75 Gy 0,255,0 70,70,70
2.0 Gy 1.5 Gy 255,255,0 105,105,105
3.0 Gy 2.25 Gy 255,128,0 145,145,145
5.0 Gy 3.75 Gy 255,0,0 190,190,190
10.0 Gy 7.5 Gy 240,160,160 235,235,235
15.0 Gy 11.25 Gy 255,255,255 255,255,255
注記 表の最初の行及び最後の行の値を除いて,等線量境界間の線量を表すために使用される色は,線量
値間の連続的な移行又はより低い線量値のいずれかとして表示することが可能である。
皮膚線量マップの設計プロセスの一部として,次の事項を考慮することが適切である。
− 皮膚線量マップは,X線透視又はX線撮影の負荷が作動していないときに,少なくともIVRの手技
の位置で表示するように操作者によって設定可能である。操作室での皮膚線量マップの第2のディス
プレイは,操作者への通知のための有用な選択肢である。皮膚線量マップは,少なくとも身体の関連
する解剖学的領域を含む。
− 患者の方向は,皮膚線量マップ上で明らかである。
− X線照射野の現在位置の表示が皮膚線量マップに表示される。
− 皮膚線量マップは,グレースケール又は色コード化された画像として表示することが可能である。色
コード化されたマップが望ましい。皮膚線量マップが色なしで表示されるように意図されている場合,
専用のグレースケール体系が必要である。
− 表AA.3で示されたもの又は製造業者によって提供されるものとは異なる色又はグレースケール体系
を使用するための手段を提供することは,皮膚線量マップ表示の将来の標準化を促進するため,望ま
しい。したがって,それは,更なる患者安全を提供する可能性がある。
− 皮膚線量の臨床的に重要な値として,皮膚線量の表示値は,実際の皮膚線量に近い。精度の判定基準
の一部として記載されている最小値は,表示される皮膚線量の精度だけに関するものである。どの皮
膚線量値が表示されるかを決定するために使用されることは意図されていない。
− 現在のX線照射野内の最高皮膚線量の現在値と,皮膚線量マップ上の任意の点における最高皮膚線量
(ピーク皮膚線量)とが,皮膚線量マップとともに表示される。これらの表示値は,操作者によって
配置されている場合,ディスプレイから1.5 mのところで明瞭に見える。
− 精度を定量化するための組織等価人体ファントムの使用
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次の情報は,附属文書に含めることに関連する。
− 患者表面モデルの記載
− 精度を定量化するためのファントムの記載
− 試験条件及び精度
203.6.7.101−ラストイメージホールドX線像又はX線透視再生用連続画像の表示
LIH X線像の表示に関しては,IVR用X線装置は,非IVR用X線装置とは異なる。操作者がLIH表示
の代わりに参照収集画像の表示を必要とする場合があるような,特定のIVR(例えば,冠動脈慢性完全閉
塞の手技)がある。
LIH X線像の表示に対する要求事項は,JIS Z 4751-2-54:2021の203.6.7.101とは異なるが,LIH X線像
の定義は,JIS Z 4751-2-54:2021の201.3.212と同じである。
203.6.102−透視及び撮影のスイッチ
この要求事項は,場所の移動を行わずに,また,二人目の操作者が介入することもなく,一人の操作者
によってスイッチの切換えが確実にできることを意図している。
203.6.104−ラストイメージホールド(LIH)
LIH X線像の保存は,小児用途のために特に重要である。ラストイメージホールドに代わるオプション
の透視記録(全て,又は部分的に記録)の自動再生機能を備えたIVR用X線装置は,透視が保存されな
かったときでも,LIH X線像が表示可能で保存可能である限りこの要求事項に反していない。
203.8.5.3−X線照射野と有効受像面との一致
追加要求事項は,装置の実用的な作動状況及び現在の最新技術を反映し,JIS Z 4751-2-54:2021の細分箇
条と比較して,IVR用X線装置の小さなX線照射野に対して,より高精度であることを要求する。
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附属書BB
(規定)
迷放射線の分布図
BB.1 一般
この規格は,IVR用X線装置とともに提供する迷放射線の等カーマ分布図に対する203.13.4の要求を含
んでいる。その目的は,迷放射線の分布についての情報を提供して,従事者の電離放射線防護における指
針とすることである。この附属書は,適合性を確認するための手順を説明する。この種の線量計測情報は,
作動条件及び計測方法に大きく依存するので,この附属書は,その要求を満たすための製造業者の指針と
しても意図している。
得られた測定値を,特定の検査処置室の放射線遮蔽を決定するために使ってはならない。
注記 得られた測定値は,試験状況を代表しているだけである。全ての臨床状況を代表するというわ
けではない。
BB.2 装置の配置
附属文書は,等カーマ分布図に利用する,IVR用X線装置の配置及びその他のデータの検査に用いる。
次の適合性を確認する。
− 情報は,203.13.4に規定された要求事項を満たしていなければならない。
− 配置は,IVR用X線装置の正常な使用の代表的なものでなければならない。
− 記載された測定配置は,測定値の検証のためにこの附属書に規定したものに適合しなければならない。
情報が適合している場合には,等カーマ分布図は,附属文書に記載されたようにIVR用X線装置を配
置し操作して,BB.3及びBB.4によって確認される。
BB.3 ファントム
ファントムは,メタクリル樹脂(PMMA)の25 cmの立方体で構成される。それは,25 cmの正方形の
平板を組み合わせて構成してもよい。
BB.4 測定の準備
X線ビームは,患者照射基準点がファントムの入射面の中心になるように調整される。X線ビームは,
その軸が隣接したメタクリル樹脂(PMMA)平板の面の間にくるように調整してはならないとされている。
X線照射野寸法は,ファントムへの入射口で100 cm2でなければならない。
測定は,透視の公称最高管電圧で行う。
測定は,患者照射基準点から3 m以内又は0.1 Gy/Gy cm2(1 Gy cm2当たりの空気カーマ)までの全て
の位置で行われる。ただし,次に示す位置では,測定を省略してもよい。
− 測定器具の配置が実用的でない患者照射基準点から15 cm以内
− IVR用X線装置の垂直上方の位置
測定は,X線ビームの二つの方向,一つは水平方向,もう一つは垂直方向に対して行う。X線ビームが
垂直方向で測定する場合,X線源装置は,IVR用X線装置が最も頻繁に使用されるビーム方向に向けられ
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Z 4751-2-43 : 2021 (IEC 60601-2-43 : 2010,Amd.1 : 2017,Amd.2 : 2019)
る。
例 アイソセンタのあるシステムにおいては,ビームは,垂直上方に向けられる。
BB.5 適合基準
測定値は,1 Gy·cm2の面積線量で正規化する。適合のためには,附属文書に曲線で示された空気カーマ
の全ての値は,この試験で正規化された測定値の±50 %以内でなければならない。
等カーマ分布図は,単位Gy/Gy cm2(1 Gy cm2当たりの空気カーマ)で与えられる。
図BB.1−側方向 高さ100 cmの等カーマ分布図例
――――― [JIS Z 4751-2-43 pdf 45] ―――――
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JIS Z 4751-2-43:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-2-43:2010(IDT)
- IEC 60601-2-43:2010/AMENDMENT 1:2017(IDT)
- IEC 60601-2-43:2010/AMENDMENT 2:2019(IDT)
JIS Z 4751-2-43:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 4751-2-43:2021の関連規格と引用規格一覧
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