JIS Z 4752-3-5:2021 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第3-5部:受入試験及び不変性試験―X線CT装置

JIS Z 4752-3-5:2021 規格概要

この規格 Z4752-3-5は、JIS Z 4751-2-44 : 2018に適合するCT装置における受入試験及び不変性試験について規定。

JISZ4752-3-5 規格全文情報

規格番号
JIS Z4752-3-5 
規格名称
医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第3-5部 : 受入試験及び不変性試験―X線CT装置
規格名称英語訳
Evaluation and routine testing in medical imaging departments -- Part 3-5:Acceptance and constancy tests -- Imaging performance of computed tomography X-ray equipment
制定年月日
2008年6月25日
最新改正日
2021年5月25日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 61223-3-5:2019(IDT)
国際規格分類

ICS

11.040.50
主務大臣
経済産業,厚生労働
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2008-06-25 制定日, 2013-10-25 確認日, 2018-10-25 確認日, 2021-05-25 改正
ページ
JIS Z 4752-3-5:2021 PDF [55]
                                                             Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲及び目的・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  4 受入試験及び不変性試験の概要・・・・[10]
  •  4.1 試験手順で考慮しなければならない一般条件・・・・[10]
  •  4.2 附属文書の試験に関する文書及びデータ・・・・[12]
  •  4.3 試験の範囲・・・・[12]
  •  4.4 受入試験及び不変性試験の選択に関する検討・・・・[13]
  •  4.5 測定機器・・・・[14]
  •  4.6 主要な保守作業後に取るべき処置・・・・[14]
  •  4.7 基礎値の設定・・・・[14]
  •  4.8 不変性試験の頻度・・・・[14]
  •  5 CT装置の試験方法・・・・[15]
  •  5.1 患者支持器(天板)の位置決め・・・・[15]
  •  5.2 患者位置決め精度・・・・[16]
  •  5.3 再構成スライス厚・・・・[17]
  •  5.4 線量・・・・[19]
  •  5.5 平均CT値,ノイズの大きさ及び均一性・・・・[23]
  •  5.6 空間分解能(高コントラスト)・・・・[28]
  •  5.7 自動露出制御(AEC)・・・・[30]
  •  5.8 低コントラスト分解能及び低コントラスト検出能・・・・[30]
  •  附属書A(参考)低コントラスト分解能の視覚的試験方法・・・・[32]
  •  附属書B(参考)線量プロファイル・・・・[33]
  •  附属書C(参考)架台チルトの正確性・・・・[35]
  •  附属書D(参考)z軸方向の空間分解能の特徴・・・・[37]
  •  附属書E(参考)ヘリカル再構成スライス厚・・・・[38]
  •  附属書F(参考)取るべき処置に関する指針・・・・[39]
  •  附属書G(参考)自動露出制御(AEC)・・・・[41]
  •  附属書H(参考)この規格の要求事項と国際規則との対応表・・・・[44]
  •  附属書I(参考)5.5に対する受入試験及び不変性試験の基準の概要・・・・[46]
  •  附属書J(参考)全ての受入試験及び不変性試験に対する基準及び頻度の概要・・・・[47]
  •  参考文献・・・・[51]
  •  この規格で用いる定義した用語の索引・・・・[52]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 1] ―――――

           Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本画像医療システム工業会(JIRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添え
て日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済
産業大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS Z 4752-3-5:2008は改正され,この規格に置
き換えられ,また,JIS Z 4752-2-6:2012は廃止され,この規格に置き換えられた。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
                                                                        Z 4752-3-5 : 2021
                                                                       (IEC 61223-3-5 : 2019)

医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法−第3-5部 : 受入試験及び不変性試験−X線CT装置

Evaluation and routine testing in medical imaging departments-Part 3-5:Acceptance and constancy tests-Imaging performance of computedtomography X-ray equipment

序文

 この規格は,2019年に第2版として発行されたIEC 61223-3-5を基に,技術的内容及び構成を変更する
ことなく作成した日本産業規格である。
  なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
  JIS Z 4752(IEC 61223)規格群の一部であるこの規格は,診断用CT装置における受入確認及び不変性
確認のための方法について規定している。
  新しいCT装置の場合は,据付後に受入試験の全ての項目を実施し,又は既存のCT装置の場合は,そ
れぞれの主要な保守作業後に受入試験の一部の項目を実施する。
  これらは,画質,放射線出力,患者位置決めに影響する安全性,性能の基準,規格,公開された及び/
又は契約上の仕様の検証を容易にするために実施する。
  CT装置に関係するIEC 60601-2-44との一致規格であるJIS Z 4751-2-44:2018とこの規格との整合を保つ
ために測定方法及び用語は,それから採用している。

1 適用範囲及び目的

  この規格は,JIS Z 4751-2-44:2018に適合するCT装置における受入試験及び不変性試験について規定す
る。
  JIS Z 4751-2-44:2018及びこの規格は,次に関するものである。
− 画質,放射線出力及び患者位置決めに関係するCT装置の性能を表す基本性能のパラメータについて
    規定する。試験する項目のリストを4.3に示す。
− 基本的な性能を決めるパラメータに対する試験方法について規定する。
− 附属文書で指定したパラメータの許容範囲に対する適合性を評価する。
  JIS Z 4751-2-44:2018及びこの規格で規定した方法は,適切な試験機器を用いて据付中又は据付後に,非
接続形(non-invasive)で行うことができる測定である。据付手順のそれぞれの段階で作成する確認文書は,
受入試験報告書の一部として用いることが可能である。
  受入試験の目的は,画質,放射線出力及び患者位置決めに影響する仕様に,据付又は主要な保守作業が
適合しているかどうかを検証することである。

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 3] ―――――

           2
Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
  不変性試験は,CT装置の機能的な性能が,設定基準に適合しているかどうかを確認し,CT装置の構成
品の特性の変化を早期に認識するために,画質,放射線出力及び患者位置決めに影響する仕様への適合を
検証するために実施する。
  この規格は,CT装置の附属文書に対する受入試験及び不変性試験に関する要求も含む。
  この規格は,次には適用しない。
− 機械的及び電気的な安全
− 受入試験及び不変性試験を実施するために本質的でなく,かつ,画質,放射線出力及び患者位置決め
    に直接影響しない機械的性能,電気的性能及びソフトウェアの性能
    注記1 この規格の使用者が,JIS Z 4751-2-44:2012又はそれ以前のCT装置の個別規格に適合するよ
            うに設計したCT装置に対してこの規格を適用したい場合は,CTDIvolに対する違った定義の
            理解及び補正が重要になる。さらに,適用する仕様を得るためには,CT装置の個別規格の
            旧版に適合するように設計及び製造したCT装置の附属文書を参照することが可能である。
    注記2 この規格への移行期間の完了前では,この規格で規定した全ての必要な内容及び仕様は,JIS
            Z 4751-2-44:2018に従って記載した附属文書に含んでいない場合がある。
    注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
          IEC 61223-3-5:2019,Evaluation and routine testing in medical imaging departments−Part 3-5:
              Acceptance and constancy tests−Imaging performance of computed tomography X-ray equipment
              (IDT)
              なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”
            ことを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
    JIS T 0601-1:2017 医用電気機器−第1部 : 基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項
      注記 対応国際規格 : IEC 60601-1:2005,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for
             basic safety and essential performance及びAmendment 1:2012
    JIS Z 4005:2012 医用放射線機器−定義した用語
      注記 対応国際規格 : IEC/TR 60788:2004,Medical electrical equipment−Glossary of defined terms
    JIS Z 4751-2-44:2018 医用電気機器−第2-44部 : X線CT装置の基礎安全及び基本性能に関する個別
        要求事項
      注記 対応国際規格 : IEC 60601-2-44:2009,Medical electrical equipment−Part 2-44: Particular
             requirements for the basic safety and essential performance of X-ray equipment for computed
             tomography, Amendment 1:2012及びAmendment 2:2016

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 4005:2012及びJIS Z 4751-2-44:2018によるほか,次によ
る。
    注記1 この規格で,一部の太字で書かれている用語は,巻末に記載した“定義した用語の索引”に
            従って用いている。

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 4] ―――――

                                                                                             3
                                                             Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
    注記2 その概念が,上に挙げた規格の中で与えられた定義にそれほど強く限定しない場合には,同
            じ用語でも,太字にしていない。
3.1
受入試験(ACCEPTANCE TEST)
  機器の機能的な性能が,製造業者からの設定基準,契約上の仕様,及び/又はこの規格の要求に適合し
ていることを検証するために,新しい機器の設置又は既存の機器に対する主要な保守作業後に実施する試
験。
    注記 検証された設定基準は,画質,放射線出力及び患者位置決めに影響を及ぼす仕様である。追加
          として,受入試験中又は受入試験直後に,不変性試験の基礎値を設定する。
3.2
不変性試験(CONSTANCY TEST)
  機器の機能的な性能が設定基準に適合していることを検証するため,及び機器の構成品の特性の変化を
早期に認識することを可能にするために実施する試験。
    注記 この試験は,画質,放射線出力,及び患者位置決めに影響する仕様への適合を検証するもので
          ある。
3.3
CT作動条件(CT CONDITIONS OF OPERATION)
  CT装置の作動を決める選択可能な全てのパラメータ。
    注記1 例えば,公称スライス厚,CTピッチ係数,ろ過,管電圧,管電流,負荷時間,及び管電流
            時間積がある。
    注記2 幾つかのCT作動条件は,照射中に変化することもある。
    注記3 CT作動条件は,使用者が選択可能なパラメータからシステム(CT装置)が導き出すパラメ
            ータを含む。
  (JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.202)
3.4
CT線量指数100,CTDI100(COMPUTED TOMOGRAPHY DOSE INDEX 100,CTDI100)
  次の式のように,スライス面に対して垂直な線(z)に沿った単一のアキシャルスキャンの代表的な線量
プロファイルを積分した値を,N×Tで除したもの。
− N×Tが40 mm以下の場合
                                          z
                                       D ()
                                   +50 mm
                        CTDI100            dz
                                       N
                                   50 mm T
− N×Tが40 mmよりも大きい場合(X線ビーム制限幅を除く全てのCT作動条件は,これらの測定の
    ために同じく保たれている。)
                                        DRef ()
                                   +50 mm  z     CTDIfree air, NT
                        CTDI=100               dz
                                       (NT)   ef
                                   50 mm          CTDIfree air, Ref
                      ここに,         D(z) :  スライス面に対して垂直な線zに沿った単一アキ
                                                シャルスキャンの代表的な線量プロファイル。線
                                                量は空気に対する吸収線量として表し,メタクリ
                                                ル樹脂(以下,PMMAという。)製の線量測定用
                                                ファントム中で測定する(JIS Z 4751-2-44:2018の
                                                203.108参照)。

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 5] ―――――

           4
Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
                                   (N×T)   Ref :  20 mmのN×T又は20 mmを超えないうちで最も
                                               大きなN×T
                                     DRef(z) :  スライス面に対して垂直な線zに沿った単一アキ
                                               シャルスキャンの代表的な線量プロファイル。線
                                               量は空気に対する吸収線量として表し,(N×T)   Ref
                                               に対するPMMA製の線量測定用ファントム中で
                                               測定する(JIS Z 4751-2-44:2018の203.108参照)。
                               CTDIfree air, N×T :  特定のN×Tに対するCTDIfree air(JIS Z
                                               4751-2-44:2018の201.3.215参照)
                                CTDIfree air, Ref :  (N×T)   Rrefに対するCTDIfree air(JIS Z
                                               4751-2-44:2018の201.3.215参照)
                                          N :  X線源の単一アキシャルスキャンで生成されるス
                                               ライスの数
                                          T :  公称スライス厚
    注記1 線量は,空気中での吸収線量とするが,実際はPMMA製の線量測定用ファントム内の空気
            に対する吸収線量であり,空気カーマの測定によって,よく近似する。
    注記2 この定義では,線量プロファイルの中心はz=0である。
    注記3 単一のアキシャルスキャンは,通常,X線源が360°回転している。
    注記4 z軸焦点移動制御(フライングフォーカルスポット)を採用するCT装置のようにスライス
            が重なる場合,積分の分母は,重なったスライスのz軸に沿った合計を公称幅として置き換
            える必要がある。例えば,重なりの割合が50 %の場合,分母は0.5×N×Tに置き換える。
    注記5 通常,z軸が回転軸である。
    注記6 説明はJIS Z 4751-2-44:2018の附属書CCを参照する。
  [JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.203変更(注記6を削除し,注記7を注記6へ番号変更)]
3.5
CT線量指数FREE-IN-AIR,CTDIfree air(COMPUTED TOMOGRAPHY DOSE INDEX FREE-IN-AIR,
CTDIfree air)
  アイソセンタ(回転中心)を通り,スライス面に対して垂直な線(z)に沿った単一アキシャルスキャン
の代表的な線量プロファイルを積分した値を,単一スキャンで生成されるスライスの数Nと公称スライス
厚Tとの積で,除したもの。
                                      L
                                     +/2
                                        D()   dz
                        CTDIfree air =
                                     L/2N  T
                      ここに,      D(z) :  スライス面に対して垂直な線zに沿った単一アキシ
                                             ャルスキャンの代表的な線量プロファイル。線量は
                                             空気に対する吸収線量として表し,ファントム及び
                                             患者支持器(天板)を用いないで測定する。
                                       N :  X線源が1回転して生成されるスライスの数
                                       T :  公称スライス厚
                                       L :  (N×T)+40 mmであるが,少なくとも100 mm以上[(N
                                             ×T)+40 mm又は100 mm以上のいずれか大きい方]
    注記1 この定義では,線量プロファイルの中心はz=0としている。
    注記2 z軸焦点移動制御(フライングフォーカルスポット)を採用するCT装置のようにスライス
            が重なる場合,積分の分母は,重なったスライスのz軸に沿った合計を公称幅として置き換
            える必要がある。例えば,重なりの割合が50 %の場合,分母は0.5×N×Tに置き換える。
    注記3 一般的に,長さL又はそれ以上の放射線検出器を用いている。JIS Z 4751-2-44:2018の附属書

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
                                                             Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
            DDに代わりの測定方法の例を示している。
  (JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.215)
3.6
CT値(CT NUMBER)
  CT画像の各画素に関連する平均X線減弱を表すために用いる数値。
    注記1 CT値は,通常,ハンスフィールドユニット(HU)で表される。減弱の測定値は,国際ハン
            スフィールドスケールを用いた,次の式によってCT値に変換される。
                                    −
                                 物質 水
                         CT値=           1 000
                                    水
                      ここに,        μ :  線減弱係数
    注記2 CT値は,水の値を0,及び空気の値を−1 000として定義する(μairは,0とする)。
3.7
CTピッチ係数(CT PITCH FACTOR)
  ヘリカルスキャンにおいて,X線源の1回転当たりのz軸に沿った患者支持器(天板)の移動量Δdを,
公称スライス厚T及びスライス数Nの積で除した値。
                                        Δd
                         CTピッチ係数
                                       NT
                      ここに,       Δd :  X線源の1回転当たりのz軸に沿った患者支持器(天
                                            板)の移動量
                                       T :  公称スライス厚
                                       N :  X線源の単一アキシャルスキャンで生成されるスラ
                                            イスの数
    注記1 CTピッチ係数は,ヘリカルスキャンに関連するが,その定義はアキシャルスキャンに対し
            て定義したパラメータN×Tを用いる。CTピッチ係数の定義では,アキシャルスキャンのパ
            ラメータN×Tは,CTピッチ係数を評価するヘリカルスキャンのN×TにおけるX線ビーム
            制限幅及び有効な検出器の構成のいずれかに相当するとみなす。
    注記2 z軸焦点移動制御(フライングフォーカルスポット)を採用するCT装置のようにスライス
            が重なる場合,積分の分母は,重なるスライスのz軸に沿った合計を公称幅として置き換え
            る必要がある。例えば,重なりの割合が50 %の場合,分母は0.5×N×Tで置き換える。
    注記3 Δdが照射中に時間経過とともに変化する場合は,CTピッチ係数は時間の関数である。
    注記4 この規格では,“ヘリカル”を用いたが,“スパイラル”と同義語である。
  [JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.204変更(注記2は,新しい注記に置き換えた。)]
3.8
CT装置(CT SCANNER)
  異なる角度で得られたX線透過データの再構成によって,体の断面画像を作る診断用X線装置。装置は
一般的に,信号分析,表示装置,患者支持器,支持部品及び附属品を含む。
    注記1 JIS Z 4751-2-44:2018の適用範囲は,一つ以上のX線源及び検出器に共通のドーナツ形状をし
            た保護カバーとしての外装によって特徴付けられた,頭部及び体幹部両方に対して使用する
            ことを意図したCT装置に限定している。
    注記2 二次的な画像処理は,JIS Z 4751-2-44:2018には含まない。
    (JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.201)

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 7] ―――――

           6
Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
3.9
線量プロファイル(DOSE PROFILE)
  線に沿った位置の関数としての線量表示。
  (JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.205)
3.10
半値幅[FULL WIDTH AT HALF-MAXIMUM(FWHM)]
  曲線の最大値の1/2になる曲線の2点間における横軸に平行な幅。
3.11
画像表示デバイス(IMAGE DISPLAY DEVICE)
  画像表示デバイスシステムからの入力信号を画像で表示する装置。
3.12
低コントラスト分解能(LOW CONTRAST RESOLUTION)
  均一なバックグラウンドから既知のコントラストレベル及び指定の形状が個別に識別できる最小サイズ。
3.13
主要な保守作業(MAJOR SERVICE ACTION)
  放射線出力,画質,又は患者位置決めに著しい影響を及ぼす可能性があり,かつ,附属文書に記載され
た受入試験を要求する保守作業。
3.14
平均CT値(MEAN CT NUMBER)
  限定された関心領域内の全ての画素のCT値の平均値。
3.15
ノイズ(NOISE)
  均一な物質の限定された領域における平均CT値からの,各画素のCT値の変動。
    注記 ノイズの大きさは,関心領域における均一物質のCT値の標準偏差で示す。
3.16
公称スライス厚(NOMINAL TOMOGRAPHIC SECTION THICKNESS)
  CT装置において,制御盤上に表示され,選択されるスライス厚。
    注記 再構成スライス厚は,公称スライス厚と一致している場合も一致していない場合もある。
  [JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.206変更(注記変更)]
3.17
再構成スライス厚(RECONSTRUCTIONED SECTION THICKNESS)
  再構成画像の感度プロファイルの半値幅。
3.18
関心領域[REGION OF INTEREST(ROI)]
  そのときにおいて,特別な関心のある定義された形状及び寸法で画像上に位置決めされた部分。
3.19
感度プロファイル(SENSITIVITY PROFILE)
  スライス面に垂直な線に沿った位置の関数としてのCT装置の相対的応答。
  (JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.207)

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
                                                             Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
3.20
空間分解能(SPATIAL RESOLUTION)
  <CT装置>物体とその周辺との減弱の差がノイズに比して大きいとき,隣接する物体を空間的に解像
する能力。
    注記1 通常,数百ハンスフィールドユニット(HU)のCT値の差を生じる物体と,その周辺との間
            の減弱係数の差は,十分大きいとされている。
    注記2 空間分解能は,“高コントラスト解像度”としても知られており,変調伝達関数(MTF)と
            して最もよく記載されている。
3.21
スライス面(TOMOGRAPHIC PLANE)
  z軸方向のX線照射野の中心において,回転軸に直交する幾何学的面(図1参照)。
                                          図1−座標系
  [JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.208変更(定義内に図1を追加)]
3.22
スライス(TOMOGRAPHIC SECTION)
  一列の検出器を装備したCT装置においては,1回のアキシャルスキャンで収集されるX線透過データ
の体積。z軸に沿った多列検出器を装備したCT装置においては,一つの収集列(選択された検出素子の
集団)の体積。
  (JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.209)
3.23
スライス厚(TOMOGRAPHIC SECTION THICKNESS)

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 9] ―――――

           8
Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
  スライス面のアイソセンタ(回転中心)でとられた感度プロファイルの半値幅。
  (JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.210)
3.24
均一性(UNIFORMITY)
  スキャン領域内の均一な物質の,画像のCT値の均一性。
3.25
ボリュームCTDIw,CTDIvol(VOLUME CTDIw,CTDIvol)
  次のように定義する。
    注記1 プレビュー画像に関連するCTDIvolの評価の説明は,JIS Z 4751-2-44:2018の附属書BB参照。
a) アキシャルスキャンの場合
                                 NT
                        CTDIvol      CTDIw
                                  Δd
                      ここに,       Δd :  連続するスキャン間のz軸に沿った患者支持器(天
                                            板)の移動量
                                       N :  X線源の単一アキシャルスキャンで生成されるスラ
                                            イスの数
                                       T :  公称スライス厚
    注記2 選択されたCT作動条件において,臨床に使用されるスキャン距離に関係なく,ボリューム
            CTDIw(CTDIvol)は,z軸に沿って積分した100 mmの範囲を基準とした線量指標である。
            アキシャルスキャンにおいては,CTDIvolはファントムの中央部における断面領域×Δdに等
            しい体積における断面の平均線量である。
    注記3 アキシャルスキャンにおいて,患者支持器(天板)の総移動量がN×Tに比べて非常に短い
            場合は,ファントムの中央部における断面領域×Δdに等しい体積における断面の実際の平均
            線量と比べて定義したCTDIvolを過大評価している。
b) ヘリカルスキャンの場合
                                     CTDIw
                        CTDIvol    ピッチ係数
                                 CT
    注記4 Δd又はN×Tが照射中に変化する場合は,CTピッチ係数は時間の関数である。
    注記5 選択されたCT作動条件において,臨床に使用されるスキャン距離に関係なく,ボリューム
            CTDIw(CTDIvol)は,z軸に沿って積分した100 mmの範囲を基準とした線量指標である。
            ヘリカルスキャンにおいては,CTDIvolは100 mmスキャン長の中心における平均線量である。
    注記6 ヘリカルスキャンにおいて,少ない回転数と1回転当たりの患者支持器(天板)の移動量と
            の積がN×Tに比べて非常に小さい場合は,実際の100 mmスキャン長の中心における平均線
            量と比べて定義したCTDIvolを過大評価している。
c) 患者支持器(天板)の移動がないスキャンの場合
                        CTDIvol nCTDIw
                      ここに,        n :  事前にプログラムされた回転数の最大値。
    注記7 c)は,例えばIVR(インターベンショナルラジオロジーの手技,interventional procedure)中
            のように,患者支持器(天板)を手動で動作する場合も含む。
    注記8 患者支持器(天板)の移動がないスキャンで,かつ,患者支持器(天板)を手動で移動する
            場合は,この定義では,隣接するスライスからの推定する散乱線が混入するので,線量の過

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 10] ―――――

                                                                                             9
                                                             Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
            大評価になる。
    注記9 患者支持器(天板)の移動のないスキャンにおいて,CTDIvolは,隣接するアキシャルスキャ
            ンの長さを100 mmとして,それをn回繰り返した場合のN×Tと同じ体積となるファントム
            中央断面に生じる線量に対応する。
d) 患者支持器(天板)を二つの位置の間で前後に動かす場合を含む隙間がないアキシャルスキャン及び
    ヘリカルスキャンの場合(折返しスキャン方式の場合)
                                     NT
                        CTDIvol n         CTDIw
                                   (NT)   R
                      ここに,        N :  X線源の単一アキシャルスキャンで生成されるスラ
                                             イスの数
                                        T :  公称スライス厚
                                        n :  全体のスキャンシリーズの総回転数に等しい。
                                        R :  二つの位置(の間)の距離
                                   CTDIw :  重み付けCTDI100
    注記10 図2を参照。
    注記11 CTDIwは,様々なCT作動条件を反映している時間で重み付けしたCTDIwとして評価する。
                    F 焦点
                    I アイソセンタ(回転中心)
                    Z z軸方向
                          図2−[N×T,R及び(N×T)+R]の概念図
  (JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.212変更)
3.26
重み付けCTDI100,CTDIw(WEIGHTED CTDI100,CTDIw)
  次の式で定義する。
                                 1           2
                        CTDIw                 CTDI100 (周辺)
                                  CTDI100 (中心) +
                                 3           3
                      ここに,    CTDI100(中心) :  線量測定用ファントム(JIS Z 4751-2-44:2018の
                                                   203.108)の中心で測定した値
                                   CTDI100(周辺) :  JIS Z 4751-2-44:2018の203.109.1 a) 4)に従っ
                                                   て,線量測定用ファントムの周辺部で測定した
                                                   4か所の値の平均値
  [JIS Z 4751-2-44:2018の定義201.3.211変更 : CTDI100(中心)の記載において括弧の説明を追加し,

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 11] ―――――

           10
Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
CTDI100(周辺)の記載において,“203.109.1 a) 2)及びa) 3)”を,“203.109.1 a) 4)”に置換]

4 受入試験及び不変性試験の概要

4.1 試験手順で考慮しなければならない一般条件

4.1.1 一般
  受入試験の目的は,機器の指定した特性が附属文書又はこの規格に記載している規定した値の許容範囲
以内にあることを実証することである。受入試験は,画質,放射線出力及び患者位置決めに影響のある安
全及び性能規格,規制,公表された及び/又は契約上の仕様への据付又は主要な保守作業の適合性を検証
するために用いる(附属書H参照)。
  不変性試験は,機器の機能的性能が設定基準を満たしていることを確認し,機器の構成品の特性変化を
早期に認識し,画質,放射線出力及び患者位置決めに影響のある仕様への適合性を検証するために実施す
る。
  受入試験又は不変性試験を実施する前に,試験される機器の一覧表及び附属文書を一緒にとじておく。
各項目は,形名(形式番号)及び製造番号によって識別する。CT装置の設置後,初めて実施する受入試
験では,全ての一覧表を注文契約書と比較する。
  受入試験及び不変性試験に関連する附属文書の章は,CT装置が設計され,適合しているJIS Z 4751-2-44
の西暦年を記載しなければならない。
  画像表示デバイスの性能は,デジタル撮影装置の測定性能に影響する。これらの構成品の性能試験は,
あらゆる受入試験又は不変性試験の画像評価に先立って行わなければならない。
  指定した性能を提供するために,附属文書に記載のとおりに,該当する場合は,さらに,製造業者の電
子的試験画像及び別の画像表示デバイスのために用意した品質管理方法で,医療用グレードを満たす画像
表示デバイスを設定しなければならない。
  受入試験及び不変性試験は,非接続形測定が望ましい。接続形試験が,試験項目の一部となっている場
合は,必ず試験後に,機器が接続形試験の前の状態に戻っていることを確認する。
  環境条件を含めて,CT装置を評価するための試験条件を適切に選択するに当たっては,注意深く配慮
しなければならない。
  この規格に規定している受入試験及び不変性試験は,その他の要因による重大な影響を受けないことが
保証されている。
  試験器具及び試験機器の対応する範囲は,必要最小限にしている。また,できる限り影響を受けにくく,
本質的に単純で,かつ,適度に安定した機器を用いてできる範囲に制限している。
  この規格で規定した不変性試験は,その結果が調査の対象となるパラメータの変化によってだけしか,
影響を受けない安定したものを選定している。
  不変性試験には,次の配慮が必須である。
− 同じ装置,構成品及び附属品が用いられることの照合に関して,試験を行うたびに,CT装置及び附
    属品の全ての重要な設定を記録し,再現しなければならない。
− 環境変化,特に電源の変動が試験結果に与える影響に配慮しなければならない。
− 特にCT装置の重大な変化の可能性があるとき,試験機器の性能及び校正を随時点検しなければなら
    ない。
  不変性試験の結果と基礎値との間に大きな相違が認められた場合,試験器具を含め,試験用の機器及び
機器の配置を再調整し,そのうえで,測定を繰り返さなければならない。大きな相違が依然として認めら

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 12] ―――――

                                                                                            11
                                                             Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
れる場合は,適切な措置を講じなければならない(例として,附属書Fを参照)。
  CT装置が使用されている期間,又はその他に施設の品質保証プログラム若しくは現地の法規制によっ
て要求されている期間は,その装置に関する受入試験及び不変性試験の試験結果の記録を保存しなければ
ならない。
4.1.2 条件
  この規格で規定した受入試験及び不変性試験の結果を有効にするために,受入試験及び不変性試験が試
験のパラメータ変更以外のその他の要因によって,重大な影響を受けないことを保証することが必要であ
る。
  試験における全ての装置又は試験に使用される全ての機器には,後の不変性試験で同じものが用いられ
るということを保証するために,同一性の識別が容易にできる印を付けるか,又は記録を残さなければな
らない。
  同じ項目がない場合は,類似の項目を用いてもよい。試験に先立って,不変性試験に使用される全ての
機器の校正を検証しなければならない。
4.1.3 基礎値
  不変性試験で用いる試験項目に対する基礎値は,受入試験を実施するとき又は最初の臨床使用前に基礎
値を決める試験を実施するときに設定してもよい。受入試験後に,基礎値を得るために受入試験とは別の
試験方法を用いる場合には,それらの別の試験方法に適用する基準は,受入試験に対応する基準とする。
  不変性試験では,基礎値を設定するために用いたものと同じ試験機器及び手順を用いることが望ましい。
それらを用いない場合,新しい試験機器又は手順の潜在的な影響を考慮しなければならない。
4.1.4 機器,使用器具及び試験条件の識別及び記録
  全ての試験対象又は試験に使用する装置は,明確に識別できなければならない。試験器具の配置を含め,
全ての試験条件は,記録しなければならない。
  最初の受入試験又は基礎値を得るための試験に使用した機器及びその設定を,次の試験に使用できるよ
うに,次の5 項目を識別するか,又は記録しなければならない。
  X線装置の入れ替え可能な次の構成品
− 付加フィルタ
− 照射野限定器
− 放射線ビーム(X線)中の患者支持器又はその他の減弱物質
  さらに,次の付随する試験器具
− 試験器具
− CT装置用線量計
  試験対象のCT装置の識別,使用試験機器の識別,被測定部の配置状況,操作特性,補正係数,関連機
器の試験結果などの全ての関連データは,試験結果とともに記録する。
  記録には,場所の識別,試験実施日及び担当者名を含む。
4.1.5 試験器具
  CT装置の受入試験及び不変性試験には,次の試験器具を使用する。
− X線ビームの減弱及びろ過を模擬するためのもの
− 測定した変数の評価に必要な指定の材料又は物体
− 再現できる状態でのX線ビーム内の材料又は物体を配置するもの
  試験器具の使用に関連して,次の条件を指定し,記録しなければならない。

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 13] ―――――

           12
Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
− 試験中に使用した全てのCT作動条件
− ソフトウェアバージョン番号
− 撮影された試験器具の範囲
− X線照射中の試験器具の配置
    注記1 CT作動条件の例 : 公称スライス厚,CTピッチ係数,ろ過,管電圧,管電流,負荷時間,再
            構成関数,画像表示領域,スキャン領域,及び操作者が選択可能なその他のパラメータ
    注記2 CT作動条件は,照射中に変化する場合がある。

4.2 附属文書の試験に関する文書及びデータ

  試験に用いるCT装置の附属文書には,次の内容を含めなければならない。
− JIS T 0601-1規格群の適用する部への適合宣言
− 表示されたCTDIvolを検証するためにCTDIwを測定し,CTDIvolを計算する方法の包括的説明
− 機器又は機器部品一覧表,及び納品明細書(JIS T 0601-1参照)
− 受入確認に用いるCT作動条件を含み,製造業者が明記する又は附属文書に指定した性能仕様
− 製造業者側によって,又は据付中において実施した品質重要項目を扱う試験の結果報告書
− 機器の操作手引を含む取扱説明書
− CT装置で用いるCT作動条件の詳細
− 保守手順の範囲及び頻度についての手引書
− 該当する場合は,前回の試験報告
− 該当する場合は,前回の試験手順書
  この規格の多くの試験では,代表的なCT作動条件を示すプロトコル要素を用いる。
  試験のためのプロトコル要素は,CT装置に臨床使用を目的とした事前に組み込まれたプロトコル要素
であってもよい,又は製造業者によって代表的な臨床使用のプロトコル要素から受入試験及び不変性試験
に適合するように修正したプロトコル要素であってもよい。
  成人頭部,成人体幹部,小児頭部及び小児体幹部に一般的であると考えられている多くの臨床プロトコ
ル要素は,次のCT作動条件のうち一つ以上を用いる。
  ヘリカルスキャン方式,自動露出制御(AEC),及び逐次近似再構成,これらの条件によってこれら多
くの臨床プロトコル要素は,受入試験及び不変性試験では適切でない可能性がある。
  一般的な臨床プロトコル要素は,ヘリカルスキャンから代表的なアキシャルスキャン方式に変更し,適
切な管電流及び管電圧の再構成を用いることによって,受入試験及び不変性試験に用いる一般的なプロト
コル要素に変換することが可能である。
  逐次近似再構成法におけるノイズのような指標には,特徴のある非線形性が存在するので,フィルタ補
正逆投影法を用いることは特に重要になる。
  フィルタ補正逆投影法が利用できない場合,用いる方法を附属文書に記載しなければならない。

4.3 試験の範囲

  試験の実施前に受入試験及び不変性試験に関する情報について,附属文書を確認しなければならない。
  取扱説明書に従ったCT装置の目視及び機能試験を,受入試験及び不変性試験の前に実施しなければな
らない。
  次の試験は,箇条5で規定したCT作動条件,手順及び基準を用いて受入試験及び不変性試験の一部と
して実施する。
  − 患者支持器(天板)の位置決め(5.1参照)

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 14] ―――――

                                                                                            13
                                                             Z 4752-3-5 : 2021 (IEC 61223-3-5 : 2019)
  − 患者位置決め精度(5.2参照)
  − 再構成スライス厚(5.3参照)
  − 線量(5.4参照)
  − 平均CT値,ノイズの大きさ,均一性(5.5参照)
  − 空間分解能(高コントラスト)(5.6参照)
  受入試験及び不変性試験には,自動露出制御(AEC)を要求事項とはしない(4.4参照)。しかし,附属
書G(参考)にある任意で実施するAEC試験を支援するために附属文書で提供することが望ましい情報
を5.7で規定した。
  受入試験及び不変性試験には,低コントラスト分解能を要求事項とはしない(4.4参照)。
  しかし,製造業者が定義して指定した一つ以上の任意で実施する低コントラスト分解能の試験方法を支
援するために附属文書で提供することが望ましい情報を5.8で規定した。
  製造業者が,低コントラスト分解能の試験を必要であると判断した場合は,試験の実施及び試験結果の
評価についての詳細な方法を製造業者が提供しなければならない(5.8参照)。
  参考として,附属書J(参考)には,箇条5で規定している受入試験及び不変性試験,それらに対応し
ている受入及び不変性基準,及び頻度について要約している表を記載している。

4.4 受入試験及び不変性試験の選択に関する検討

  次の情報は,4.3に必要な試験として特定した受入試験及び不変性試験のほかに,含める可能性を検討
した幾つかの試験項目を提供するとともに,それらの試験が受入試験及び不変性試験に含まれなかった理
由についての根拠を提供する。
  低コントラスト分解能 : 低コントラスト分解能の評価は,所定の低コントラスト値及び放射線出力(X
線出力)に対する物体の検出可能な最小サイズの評価である。
  これは主観的作業であり,観察者によって異なる応答が見られる。
  さらに,現在,広く用いられ,受け入れられている低コントラスト分解能の試験用ファントムはなく,
また,低コントラスト分解能の設定基準が確立していないことから,低コントラスト分解能の試験は,必
要な受入試験及び不変性試験に含めていなかった。
  低コントラスト分解能を測定するための手順を附属書Aに記載している。
  ヘリカルスキャンの再構成スライス厚は,CT装置のシステム特性及びヘリカルスキャンの再構成アル
ゴリズムの影響を受ける。
  ヘリカルスキャンの再構成スライス厚に影響を及ぼすシステム特性と,この規格で試験するアキシャル
スキャンの再構成スライス厚に影響を及ぼす特性とは,実質的に同一である。
  画像再構成アルゴリズムは,磨耗又は劣化の影響を受けないため,アキシャルスキャンの再構成スライ
ス厚(5.3)及び患者支持器(天板)の位置決め(5.1)が仕様を満たせば,ヘリカルスキャンの再構成ス
ライス厚も仕様を満たすと判断することが可能である。
  放射線治療計画,インターベンショナル手技の自動ガイドなどの特別なCT装置のアプリケーションは
別にして,架台チルトの正確性は,画質,放射線出力,及び患者位置決めに不可欠なパラメータではない
ことから,必要な受入試験及び不変性試験に含めなかった。
  自動露出制御(AEC)は,製造業者がCT装置の妥当性確認をし,さらに,磨耗又は劣化の影響を受け
ないソフトウェアアルゴリズムに基づいている。
  さらに,現在,広く用いられ,受け入れられているAEC試験用ファントムはなく,また,AECの設定
基準が確立していないことから,AEC試験は,必要な受入試験及び不変性試験に含めなかった。

――――― [JIS Z 4752-3-5 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS Z 4752-3-5:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61223-3-5:2019(IDT)

JIS Z 4752-3-5:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4752-3-5:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称

JIS ハンドブックから規格の検索、規格番号や名称が調べて探すことができます。
JIS ハンドブック 一覧 規格 種類別