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Z 4751-2-43 : 2021 (IEC 60601-2-43 : 2010,Amd.1 : 2017,Amd.2 : 2019)
及び[13]参照)。IVRを受けている患者の線量データの記録及び保存の重要性は,大きいので,幾つかの国
では,これらのデータの記録が必須となっている(参考文献[14]参照)。
受容できないリスクを取り去るために要求される基本性能は,一般公開されている形式で,画像データ
の有無にかかわらず,線量データを出力できることである。前回の手技を再調査している医師がこの線量
データを利用できるように,一般公開されている形式が必要である。独自の形式で記録された線量データ
を医師が利用できると仮定することは不可能である。
IVRを目的とする装置において,201.4.102に規定しているように線量データを出力する機能が必要であ
る。必要な線量データは,公的な形式で記録され,出力は,DICOM適合であり,さらに記録されたデー
タは,医学物理士が重複する照射野から実際の皮膚線量を再構成するために十分なデータであることが望
ましい。皮膚線量の再構成は,積算線量又は面積線量のような全線量の測定によって得られる推定皮膚線
量よりも正確である(参考文献[10],[15],[17],[18]及び[19]参照)。
201.7.2.102−患者支持器の負荷質量
最大許容負荷質量の表示を安全動作荷重負荷から心肺そ(蘇)生法(CPR)負荷を減じたものにするの
は,心肺そ(蘇)生法(CPR)を可能とするためである。
201.7.2.105−液体の浸入に対する保護
体液の浸入は,IVR用X線装置で作業及びサービスする人に,危険状態を作る場合がある。滅菌保護カ
バーが使われる場合,それらは,実際の水の浸入に対する保護には貢献するが,IEC 60529:1989,Amendment
1:1999及びAmendment 2:2013の3.4によるIPXYマーキングでは考慮されない。
“患者の付近又は周辺”は,テーブル支持器から1.5 mの範囲内を意味することが望ましい。
201.7.9.2.12−清掃,消毒及び滅菌
この分野でこの規格を作成する必要性は,IVRそのものの特徴,及びともすれば致命的となる病原体に
感染するリスクへの強い警戒から生じたものである。IVR中に作られる切開は,小さいものであるが,カ
テーテル及びチューブは,太い血管又は体液貯留[例えば,のう(膿)瘍]に頻繁に直接接触する。その
血液又は体液が,作業環境及びIVR用X線装置にこぼれ出して汚染することが考えられる。汚物を洗っ
たり,洗い流す手技中に多量の液体を使用することがある。これらの液体がIVR用X線装置のくぼみ又
は隙間に入ったり,そのまま滞留し,その結果,電気的及び感染管理に関わるハザードを発生させる。出
所が不明な種々の体液及び数リットルに及ぶ生理食塩水で汚染されたIVR用X線装置に接触しなければ
ならない保守技術者にとって,感染は深刻な問題となる。IVR用X線装置の設計段階で,問題を注意深く
検討することによって,そのようなことが起こる可能性を大幅に低減又は排除することができると考えら
れる。
IVR用X線装置が汚染される,又はIVR用X線装置の裂け目又は隙間に液体又は体液がとどまる可能
性があることから,清掃及び滅菌の必要性が生じる。このため,清掃剤及び滅菌剤が使用される。それら
は,清掃及び滅菌の目的を確実に達成するが,それらの使用によって,電気的なハザード又はIVR用X
線装置表面が損傷する可能性が生じる。
そのような問題は,設計段階での検討,並びに清掃及び滅菌に関わる明確な指示を与えることによって
大幅に低減することが可能である。
201.7.9.2.102−心肺そ(蘇)生法(CPR)に対する準備
IVR用X線装置は,心肺そ(蘇)生法(CPR)の実施を第一目的に設計しておらず,心肺そ(蘇)生法
(CPR)を実施するために全ての必要な附属品を提供する必要はない。しかし,IVR用X線装置が正しく
構成されるとき心肺そ(蘇)生法(CPR)を患者に施すことができるように,IVR用X線装置を設計する
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ことは重要である。心肺そ(蘇)生法(CPR)実施用のシステムを構成するために,IVR用X線装置の一
部である特定の附属品を使うか,又は取り外す必要がある場合は,それを取扱説明書に記載する必要があ
る。
201.7.9.2.103−緊急説明書
緊急説明書は,すぐに利用できることを意図している。したがって,露出しており,損傷及び液体にさ
らされており,影響を受けやすい。水による損傷,取扱及び清掃に対する耐性は,緊急説明書の耐久性に
関連がある。プラスチックのシートは,耐久性のある緊急説明書の例である。
長文の取扱説明書を調べる時間がない緊急の場合,又は電気が使えなく電子媒体の取扱説明書を調べる
ことができない場合に,有効性を発揮するために緊急説明書の内容を主たる項目に限定することは,特に
重要である。緊急説明書を簡易なものにすることを意図している。
201.9.2.4−緊急停止装置
IVR用X線装置において,干渉防止装置のような安全装置の作動によって必要以上に機能が影響を受け
ることがある場合,ハザードが発生する。
201.11.1.1−正常な使用時の最高温度
意識不明,麻酔状態又は無能力状態の患者と意図せず接触するIVR用X線装置の部分は,必然的に患
者と接触する装着部と同じリスクを生じる可能性がある。
201.11.6.1−一般(201.11.6“あふれ,こぼれ,漏れ,水の浸入又は微粒子状物質の侵入,清掃,消毒,滅
菌,及びME機器とともに使用する物質との適合性”に含まれる項目)
IVRでは,比較的多量の体液及び他の流出物があり,それらは,直接又は後に残された沈殿物を通して
IVR用X線装置に損傷を与え,患者,操作者及びサービスマンに電気的な,毒性の又は伝染性のハザード
を与える場合がある。
201.11.6.5.102−ほこり及び他の粒子
不慮の患者の感染症を避けるために,患者に触れる可能性があるほこり及び他の粒子の発生源は,なく
さなければならない。ほこり及び他の粒子の発生源は,例えば,患者に向けられる送風機,患者の頭上の
装置·附属品からのほこりの落下を含む。
水平方向に患者支持器から少なくとも2 mで,垂直方向に床から天井までの範囲の空間に,ほこり及び
他の粒子の発生源をもたないことが望ましい。
201.11.6.5.103−外装
IEC 60529:1989,Amendment 1:1999及びAmendment 2:2013の表3の保護の程度の簡単な説明を記載する。
IPX0 : 保護されていない。
IPX2 : 外装が15°傾いたとき,垂直に落下する水滴から保護されている。
IPX3 : 噴霧水から保護されている。
IPX7 : 一時的な水没の影響から保護されている。
201.12.4−危険な出力に対する保護
IVR用X線装置の過度の出力を防ぐためには,意図したX線を出力するために様々な制御ができるこ
と,及び手技中の画像データの表示を操作者が間違わないようにすることが必要であるという認識で,追
加の細分箇条を規定している。
201.12.4.101.1−患者データ
一般的に患者と医療上の手技とを識別する情報は,少なくとも患者の名前,生年月日及び手技の日時を
含む。
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201.12.4.101.3−画像表示
ある表示の場所とは,幾つかの別々のモニタスクリーンの一つであってもよいし,又は個々のモニタス
クリーンの分割された領域でもよい。
これらの要求事項は,操作者が現在表示された画像を,例えば,ライブ像であるとの思い違いの下にIVR
を始めた場合に起こる過度の危険を想定した。
201.12.4.102−画像表示遅れ
画像表示遅れは,インターベンションを行うときの視覚と手との協調関係に関連する。
201.12.4.103−画像の向きの記録
この要求事項は,画像の患者方向に対する操作者が誤りやすい解釈(例えば,左右又は上下のミラー効
果。)に関連するリスクを回避するためにある。
201.12.4.104−ネットワーク接続中のX線透視利用
ネットワーク接続の例は,ワークステーションなどに検査情報を送ることを含む。
201.12.4.105−サブトラクション像のための適切なマスク位置
回転保持装置運動(例えば,サブトラクション3D)又はテーブル長手運動のサブトラクションモードで
は,サブトラクション·アーチファクトを最小にするために最適なマスクを選ぶことは重要である。
201.12.4.106−テーブルサイドの操作部
他のテーブルサイドの操作部(保持装置及び患者支持器の動きの操作部,X線照射スイッチ,並びに絞
りの羽根の操作部を除く。)は,照光表示,感触又は何かその他のものによって識別できればよい。そうで
ない場合,この種のIVR用X線装置は,一般的に暗い部屋で使われ,これらの操作部は,透明な滅菌保
護手段を用いても操作者が見て認識することが困難となるため,この要求事項は必要となる。
201.12.4.107−画像計測機能
誤差には,幾つかの原因[例えば,最初の校正,幾何学的なわい(歪)曲,目印位置。]がある。
画像計測機能の例は,血管計測及び心室駆出率評価である。
201.15.101−心肺そ(蘇)生法(CPR)用配置
正常な使用状態でのIVR用X線装置の心肺そ(蘇)生法(CPR)用配置への移行時間は,可能な天板動
作だけでなく全ての必要な保持装置動作及び附属品の取外しを含む。
203.5.2.4.5.101−X線透視法及び/又は連続撮影用X線装置の線量情報
b) 利用できる設定の5項目 : これは,例えば,IVR用X線装置の意図する使用が血管系及び心臓系の両
方を含む場合は,代表的な血管用設定及び心臓用設定を含む。
c) 放射線データ : 比較的大きな許容値は,測定値が取扱説明書の記載値と比較される状況を反映する。
d) 患者照射基準点 : Cアーム側面配置におけるアイソセンタに対する患者照射基準点の定義は,Cアー
ムの定義と同じとする。
203.5.2.4.5.102−線量情報の試験
この規格での空気カーマ及び空気カーマ率の要求事項は,患者照射基準点が適用される位置での基準空
気カーマ(率)値で表す。この位置は,一般的に,患者皮膚面の位置を近似しているが,全ての条件の下
で一致する必要はない。ここに規定する測定手順に従うことによって,正常な使用においてIVR用X線
装置から生じる空気カーマ(率)を記載するための基準となる方法を提供する。この試験方法は,特定の
条件で,指定のメタクリル樹脂(PMMA)ファントムを使用することを基本にしている。記載した値を試
験によって測定した値で検証する場合には,この手順の適合基準で許容している製造上の誤差を考慮する。
記載した値は,患者の多様性,IVR用X線装置の実際の臨床での配置などの要因によって,患者の皮膚面
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に実際に入射したX線の正確な測定値とは限らない。
この試験方法は,この規格に規定した適合性を検証する目的のほかにも,他の状況での使用に適用する
ことが可能である。例えば,IVR用X線装置の正常な使用状態での,空気カーマ(率)のレベルの確定若
しくは検証することを要求されるような状況,又は選択した操作モード若しくは設定した可変操作パラメ
ータでの基準空気カーマ(率)の信頼性を調査する目的で利用することが可能である。しかし,そのよう
な特殊な使用方法は,この細分箇条では規定していない。
測定及び試験条件に関して :
ファントムは,測定に対する散乱線の影響を最小にするため,X線源装置とファントムの入射面との距
離をできるだけ離して,受像器の近くに置く。
測定用検出器は,測定読取りに対する迷放射線の影響を最小にするため,焦点とファントムの入射面間
との中間の位置に置く。参考文献[21]の図5も参照。
ファントム表面を±2°以内に配置するということは,この範囲内の回転撮影位置の使用が許されること
を意味する。
203.6.3.103−X線透視時のX線照射パルスレート
画像又は画像シリーズを作成するために使用される放射線量が,関心のある構造の適切な可視化を可能
にする最低限の線量である場合,放射線使用は最適化される。放射線防護の組織[23] [24]及び医学専門学
会[26] [27] [28]の国際的及び国内的指針では,IVRのX線透視では可能な限り線量率を低下させることが
推奨されている。臨床状況では,パルスレートの1パルス当たりの高線量又は低線量が要求される。この
ような状況では,パルス当たりの線量とは独立して低パルスレートを選択可能にすることが最適化に不可
欠である。
この規格の203.6.101では,X線透視の正常な使用として,“標準(normal)”及び“低(low)”の基準空
気カーマ率という最低二つの操作モードが既に要求されており,“低(low)”の操作モードでは標準モー
ドの値の50 %を超えない基準空気カーマ率が得られる。これによって,操作者は,臨床的に適切な場合に
低線量率を選択することが可能である。
選択可能なX線透視パルスレートが利用できる場合,新しい要求事項は,少なくとも一つの低パルスレ
ートが利用可能であることを明示することによって,操作者に対して放射線使用の最適化をするための可
能性を拡大する。これによって,操作者は,線量率とは独立して,臨床的に受容可能な最低のパルスレー
トを選択することが可能である。
203.6.4.5−線量測定値の表示
この表示は,個別規格で規定された精度の要求事項に従っていなければならないものであり,資格のあ
る使用者による線量表示の微調整の要求は,この個別規格には含まない。したがって,更なる微調整は,
受容できないリスクを避けるための必要事項を満たさず,統制されていない微調整の場合,むしろ問題を
生じさせると考えられる。
この規格で規定する精度は,測定又は撮影条件に基づいた計算による線量表示の現在の最新技術を表し
ている。参考文献[3]も参照。
面積線量について :
− 参考文献[22]は,サブセクションD.3で次のように述べている。“面積線量は,患者及び操作者への確
率的影響に対して,線量制御を行うことに役立っているが,皮膚に対する最大積算吸収線量を見積も
る実用的な手段ではなく,確定的影響を予測することに対して役立つものではない。”参考文献[14]も
参照。
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− 特に操作者が様々な製造業者の装置を使う場合,線量表示単位の自由な選択を認めることは,操作者
を混乱させるため,一つの線量表示単位の使用を推奨している。
− 特にトレーニング状況下では,面積線量,面積線量率又は関連した値を表示してもよい。しかし,面
積線量は,確率的影響のための指標として主に使われ,確定的影響を予測することに対して役立つも
のではない。操作者の位置で面積線量率と積算面積線量とを切り換えて,すぐに表示することは役立
つと考えられる。
表示器の表示を皮膚線量(率)にしないことについて : 患者照射基準点が,患者の皮膚の実際の位置と
一致することは少ない。
いき(閾)値の視覚警告について : 推奨される標準いき(閾)値は,2 Gyである。他の適切ないき(閾)
値については,ICRP-85(参考文献[22])を参照。参考文献[9]も参照。
X線撮影の積算回数又は照射について : X線撮影中の全てのX線パルスは,X線撮影の照射積算回数と
して数えられ,算入すると解釈する。
表記に関連して :
基準空気カーマは,参考文献(例えば[23]及び[24])では異なって記載され,Ka,rと表記されることがあ
る。
面積線量は,参考文献(例えば[23]及び[24])では異なって記載され,面積空気カーマPKAと表記される
ことがある。
皮膚線量マップに関連して :
序文 :
患者に対するあらゆる放射線の形態の適用は医学の実践の一部である。医療従事者は,関連するリスク
に対して手技の期待されるベネフィットのバランスをとる責任を負う。この目的を満足するために,医療
従事者は適切な情報にタイムリーにアクセスする必要がある。
JIS Z 4751-2-43若しくはJIS Z 4751-2-54,又は例えば,米国性能規格(21 CFR 1020.32 [3])などに適合
するX線装置には,線量表示が含まれる。適用する規格によって,これには,患者照射基準点,面積線量,
又はその両方における積算基準空気カーマのリアルタイム表示が含まれる。積算基準空気カーマは,操作
者の作業位置で見えることが要求される。皮膚線量マップは,これらのリアルタイム表示の論理的な延長
として予測され,米国放射線防護審議会(NCRP)報告書168 [23]及び国際放射線防護委員会(ICRP)刊行
物120 [24]で推奨された。しかしながら,IEC 60601-2-43:2010が発行された時点では,皮膚線量マップの
標準的な要求事項を含めるには技術が十分に開発されていなかった。
1990年代後半以降,様々なリアルタイム又は後処理モードでの患者上の照射の分布が,様々な製造業者
から断続的に入手できるようになってきた。IEC 61910-1:2014は,画像装置に外部から供給される追加の
幾何学的及び解剖学的情報を用いて,皮膚線量マップを構築するために十分な情報(“拡張線量文書”)を
もつ放射線線量構造化レポート(RDSR)を定義する。IEC 61910-1:2014及びそれに対応する装置の使用
によって,これは,リアルタイム又は後処理のいずれかでできるかもしれない。IVR用X線装置の幾つか
のモデルは,装置自身の機能を用いて,既に統合された皮膚線量マップを提供している。
これらの努力の臨床的目的は,不必要な組織反応を回避するために十分なリアルタイム情報を操作者に
提供することである。組織反応の頻度及び重症度を低下させることは,一般的な手順(手技)の要求事項
(JIS Z 4751-2-54:2021の適用範囲内のX線装置)を上回るIVRの要求事項である。
リアルタイム線量表示 :
放射線は,手技を安全かつ効果的に完遂するのに必要な医療従事者の能力に影響を及ぼす多くの要因の
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JIS Z 4751-2-43:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-2-43:2010(IDT)
- IEC 60601-2-43:2010/AMENDMENT 1:2017(IDT)
- IEC 60601-2-43:2010/AMENDMENT 2:2019(IDT)
JIS Z 4751-2-43:2021の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 4751-2-43:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称