JIS Z 4752-3-1:2004 医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法―第3-1部:受入試験―診断用X線装置 | ページ 2

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備考 IEC 61223-1 : 1993,Evaluation and routine testing in medical imaging departments―Part 1 : General
aspectsが,この規格と一致している。
IEC 60336 : 1993,X-ray tube assemblies for medical diagnosis―Characteristics of focal spots
IEC 60417-1 : 1998,Graphical symbols for use on equipment―Part 1 : Overview and application
IEC 60522 : 1976,Inherent filtration of an X-ray tube assembly
IEC 60580 : 1977,Area exposure product meter
IEC 60601-2-28 : 1993,Medical electrical equipment―Part 2 : Particular requirements for the safety of X-ray
source assemblies and X-ray tube assemblies for medical diagnosis
IEC 61267 : 1994,Medical diagnostic X-ray equipment―Radiation conditions for use in the determination of
characteristics
ISO 2092 : 1981,Light metals and their alloys―Code of designation based on chemical symbols

3. 定義

3.1 要求度

 この規格において,太字で記述された定義語でない特定の語は,次のとおりの意味をもつ。
− ·(し)なければならない。 ·する。 ·とする。 ·による。 (shall)
適合が必す(須)である要求事項を示す文章の末尾。
− ·することが望ましい。 ·するのがよい。 (should)
適合が必す(須)でない強い勧告を示す文章の末尾。
− ·(し)てもよい。 ·差し支えない。 (may)
要求事項に適合する方法又はその代わりの方法を述べる文章の末尾。
− 規定の,規定した。 (specific)
この規格に記載された限定的な情報又は他の規格における,通常特定の作動条件,試験配置又は適
合値の参照を示す語。
− 指定の,指定した。 (specified)
通常,期待する目的,パラメータ又はその使用若しくは適合試験の条件に関して,受入試験中の機
器の附属文書又は他の文書に製造業者によって明記された限定的な情報を示す語。

3.2 用語の用い方

 この規格では,太字はJIS T 0601-1,IEC 60788,JIS Z 4752-1及びこの規格の3.3で
定義した用語である(附属書A参照)。
備考 その概念が上にあげた規格の中で与えられた定義にそれほど強く限定しない場合には,対応す
る用語は太字にしない。

3.3 用語

3.3.1 アーチファクト(ARTIFACT) 被写体内部の構造を表さず,システムのノイズ又は変調伝達関
数(MIF)に関係しない像ではっきり構造が目に見えるもの。
3.3.2 ラインペア解像度(LINE PAIR RESOLUTION) 指定した条件で透視又は撮影された指定した線
対テストチャートのうち,識別できる最高の空間周波数。単位は1P/mm。
備考 ここでは実用上,ラインペア解像度を空間解像度に対して用いる。
3.3.3 低コントラスト解像度(LOW CONTRAST RESOLUTION) 均一な背景と分解可能な指定した
形状及び領域をもつ被写体のうち最も低いコントラスト部分。
3.3.4 放射線出力(RADIATION OUTPUT) 一次X線ビーム内で,焦点からある与えられた距離での
管電流時間積当たりの空気カーマ(mGy/mAs)。

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3.3.5 透過(空気)カーマ[透過(空気)カーマ率][TRANSMISSION KERMA(TRANSMISSION KERMA
RATE)] 指定した減弱板の後方におけるX線ビームの中心での空気カーマ(空気カーマ率)。

4. 受入試験の概要

4.1 試験手順で考慮しなければならない一般条件

 受入試験の目的は,機器の指定した特性が,指定し
た許容差以内にあることを実証することである。要求事項の幾つかは,法律で規制される。その他の要求
事項及び仕様は,注文契約書,供給業者の小冊子(パンフレット),又はその他の規格(例えば,JIS T 0601
シリーズ。)であって差し支えない。この規格によるどの受入試験を実施する前にも,製造業者の文書類で
指定された据付手順に従って機器を据え付けし,稼動させておかなければならない。被試験機器一覧表,
附属文書及び試験手順書は,一緒にとじておかなければならない。各項目は,形名(形式番号)及び製造
番号によって識別し,すべての一覧表を注文契約書と比較しなければならない。増感紙付き撮影用カセッ
テ,撮影用フィルム及びフィルム現像機は,画像系において最も重要な部分である。例えば,感度,コン
トラスト及びアーチファクト除去に関して,撮影用フィルム,増感紙などの製造業者によって与えられた
情報に基づいて,これらの構成品を適切な方法で機能することを示すことは,使用者の責任である。受入
試験に対しては,非接続形測定のほうが好ましい。接続形試験が試験項目の一部となっている場合には,
必ず試験後に機器が接続形試験の前の状態に戻っていることを確認しなければならない。

4.2 試験に関する文書及びデータ

 次の文書類が必要である。
− JIS T 0601-1該当部分の試験成績書
− 機器又は機器部品一覧表及び納品明細書
− 購入者と供給者との間の承認仕様書
− 製造業者側において又は据付中において実施した公称焦点値のような品質に対して重要な項目を扱う。
試験の結果報告書
− 機器の操作手引を記載した取扱説明書
− 医療業務で使用するX線装置操作条件,及びこの条件が試験範囲又は機器機能の制限に達したかどう
かについての詳記した文書。もしある機能が使用不能なら,用いた機能だけを試験する必要がある。
− 保守手順の範囲及び頻度についての手引書
− 必要に応じて,前回の試験報告書
− 注文契約から受入試験までの期間の技術的な変更一覧表

4.3 試験条件

 試験は,次のように区別できる。
− 目視検査
− 機能試験
− システム動作
− 変数値についての不確かさの点検
試験を実施するための測定配置の例を図1及び図2に示す。図1は,透過(空気)カーマKT[又は透
過(空気)カーマ率KT],X線受像器空気カーマKB(又はX線受像器空気カーマ率KB)及びそれらから
派生する試験パラメータを示している。図2は,幾何学的配置及び解像度を試験するための測定配置を示
す。図1及び図2の配置は,参考に示しているにすぎない。試験は,機器の操作モードによって水平又は
垂直位置で実施してもよい。すべての試験で,図のすべての構成品が必ずしも必要なわけではない。X線
照射野寸法は,各測定で必要な最小寸法でなければならない。追加の減弱板とカーマ測定器(カーマ率測
定器)との間の距離は,250 mm以上としなければならない。

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備考 散乱X線の影響については4.5.4を参照。
試験は操作者が接触可能な変数の全範囲にわたり,性能の実証に必要な情報をもたらさなければならな
い。被試験X線装置の識別,使用試験機器の識別,被測定部の配置状況,操作特性,補正係数及び関連機
器(フィルム,増感紙,現像機など)の試験結果のすべての関連データは,試験結果とともに記録しなけ
ればならない。記録には,場所の識別,試験実施日付及び担当者名が含まれていなければならない。

4.4 試験パラメータ

 受入試験には,次の項目が必要である。
− 機器の識別
− 文書の点検
− 目視及び機能試験
− 管電圧
− 管電流時間積(mAs)
− 負荷時間
− X線ビーム範囲の制限及び表示
− 焦点
− 総ろ過
− 放射線出力
− 透過(空気)カーマ[透過(空気)カーマ率]
− 自動露出制御の機能
− 減弱比
− 空気カーマ(空気カーマ率)
− X線イメージインテンシファイア(この規格では,X線I.I.と置き換える。)入射面での空気カーマ(空
気カーマ率)
− ラインペア解像度
− 低コントラスト解像度
− フィルム濃度(自動露出制御の試験用)
上の項目の幾つかの記号及び単位は,附属書Bに記載する。

4.5 ファントム(減弱器具)及び試験器具を含む試験機器

4.5.1 概要 受入試験で用いる測定機器は,証明済みでなければならない(例えば,計量法に従う校正。)。
測定機器の不確かさは,測定された量に対して,指定した許容差の3分の1未満でなければならない。
4.5.2 高電圧測定器 高電圧の測定器は,指定した範囲内での管電圧を測定できなければならない。直接
測定又は間接測定のいずれの測定器を用いてもよい。
4.5.3 カーマ測定器 カーマ測定器(カーマ率測定器)は,被試験システムに対して要求精度内で空気カ
ーマ(空気カーマ率)を測定する十分な範囲がなければならない。そして,適用するX線質で校正しなけ
ればならない。法律で他の線量測定量を用いることを要求している場合には,それを適用してよい。
4.5.4 ファントム(減弱器具)及び試験器具 ファントム及び試験器具は組み合わせるか又は別個に配置
できるものであり,次のいずれかの方法で用いてよい。
− 減弱板(被写体のファントム部分)及び被測定部(被写体の試験器具部分)を組み合わせる。
− 減弱板とする。
− 被測定部とする。
次の要求事項を適用する。

――――― [JIS Z 4752-3-1 pdf 8] ―――――

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a) 外形寸法 ファントムの寸法は,少なくとも適用するすべての試験条件に対する放射線ビーム(参考
Radiation beam : この規格ではX線ビームと置き換える。)全体を受ける十分な大きさでなければなら
ない。図1及び図2参照。
b) 減弱及び線質の硬化 ファントムの減弱板は,最低でも99.5 %純度(ISO 2092によるとAl 99.5)及
び厚さ25 mm±0.5 mmの材料のアルミニウムでなければならない。IEC 61267を参照。すべてではな
いが,幾つかの試験では,追加で厚さ約1.5 mmの銅の均質減弱板が必要である。自動露出制御の機
能を試験するために,例えば,10 cm,15 cm又は20 cmの水のような,小さな原子番号の材料(例え
ば,組織等価物質)のファントムを用いる。幾つかの試験では,鉛マスクを作るために又は直接的及
び間接的なX線の防護のために鉛板(厚さ12 mm)が必要である。
c) 様々な測定配置での散乱X線の影響 すべての試験において,散乱X線を最小限に抑えることに注意
を払わなければならない。散乱X線が大幅に測定に影響を与える可能性がある場合には,補正係数を
決定し,結果を計算する際にこれを用いなければならない。
d) 照射野限定試験器具 照射野を限定する試験器具には,X線吸収材料で作られた標示部分及び1cm間
隔の格子のような,X線ビーム範囲の制限及び表示の枠の試験用被測定部がなければならない。この
被測定部は,自動露出制御の機能に影響を与えないような物質及び配置方法であることが望ましい。
e) ラインペア解像度試験器具 試験器具は,厚さ0.05 mmの鉛で作られ,局部空間周波数0.65.01 P/mm
の格子群で,公比1.2以下の割合で段階的に変化するX線用解像力テストチャート(参考 JIS Z 4916
のR-1Pb100が公比1.25であるが相当品。)でなければならない。外形寸法は,例えば,55 mm×65 mm
である(図3参照)。
f) 低コントラスト解像度の試験器具 低コントラスト解像度を測定可能な器具は,数多くある。このパ
ラメータを測定するときは,その結果を用いた試験器具の記載とともに記録することが望ましい。そ
の直径描写は,その解像度がX線I.I.−テレビ·システム(画像システム)の周波数応答性によって
強められたり弱められたりすることがあってはならない。例えば,附属書C参照。
4.5.5 レンズ ルーペを用いなければならない。26倍の倍率が適している。
4.5.6 写真濃度計 写真濃度計では,光学的濃度D=03.5の範囲を測定できなければならない。
4.5.7 X線断層撮影装置に対する追加検査及び試験器具 次の試験器具が必要である。
− 断層面高さ調整を試験する試験器具 患者支持器面に対してテストチャートの短軸傾斜角度20
45°であるように一定間隔であけた穴のある金属厚板用ホルダ(又は補助穴のある上述の試験器具。
図4参照。)。テストチャート各列の穴は,高さ方向で1 mm間隔でなければならない。
− 断層撮影運動試験器具 断層運動表示用ピンホール絞り。
− 断層撮影用ラインペア解像度試験器具 厚さ0.050.10 mmの鉛で作られ,局部空間周波数が0.541
p/mmの格子群で,公比1.4以下で変化するX線用解像力テストチャート(参考 JIS Z 4916のR-4
Pb100が公比1.25であり相当品。)。外形寸法は,例えば,42 mm×10 mmである。図4参照。

4.6 試験結果の評価

 指定した限界値又は許容差を満たさないときには必ず,少なくとも2回の追加測
定を行って結果を検証する。限界値(上限又は下限)に関する結果評価では,測定の不確かさを考慮に入
れなければならない。

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5. 撮影機器の試験方法

5.1 目視及び機能試験

5.1.1 要求事項 X線装置の操作及び機能は,指定したことに適合していなければならない。操作者が接
触可能なすべての制御器は,例えば,JIS Z 4005の図記号及び/又は分かりやすい用語で表示しなければ
ならない。表示灯の色は適用規格,例えば,JIS T 0601-1に適合しなければならない。X線管装置の標示
は,IEC 60601-2-28に適合していなければならない。光照射野は,指定の周囲の照度で見分けがつかなけ
ればならない。取扱説明書には,被試験X線装置の操作方法を分かりやすく記述していなければならない。
操作者が接触可能な制御装置,指示器及び表示器の各機能を記載し,すべての記号についてその意味を説
明していなければならない。取扱説明書の説明図は実際のX線装置での位置,表示及び記号と一致してい
なければならない。取扱説明書は,日本語又は注文契約書に指定した言語で記載されなければならない。
5.1.2 試験方法 試験は,目視及び機能点検によって行うが,試験項目は,次による。
− 被試験機器の構成確認
− 4.2による書類の存在確認
− 機械的及び電気的に調整する装置[焦点受像器間距離表示器及び任意設定位置(パラメータ可変の場
合)での精度点検を含む。]の機能試験
− 制御部分の機能試験及び識別
− 制御部分の表示の目視
− X線源装置の標示の目視
− 光照射野の輝度の目視
− 取扱説明書の目視(JIS T 0601-1参照)

5.2 *管電圧

5.2.1 要求事項 管電圧の測定値は,指定した許容差以内で制御盤の指示値と一致しなければならない。
5.2.2 試験方法 測定は,図1の配置で減弱板なしで行うことが望ましい。試験は,できるだけ非接続形
方式(non-invasive method)で行う。高電圧測定器の検出器はX線ビームの中心に置く。測定は,通常,
少なくとも3点の標準管電圧,60 kV,80 kV及び100 kV又はこれに近い管電圧値で,利用可能な最大管
電流の50 %又はそれ以上の値で,負荷時間が約0.1 sの条件で行わなければならない。80 kVで設定可能
な管電流値の最小値及び最大値でも測定を行わなければならない。
備考1. 上記X線条件は最低推奨条件である。仕様に対する機器の適合及び使用者の要求を確かなも
のにするために,X線条件の選択は,被試験機器の管電圧/負荷時間/管電流の関係を十分に
調査するようにして,機器の種類及び臨床目的を考慮して行うことが望ましい。
2. 試験中は,X線管装置の最大定格を超えないことが望ましい。
管電圧の測定値を制御盤指示値及び指定した許容差と比較する。
備考 測定する管電圧は,X線条件で変化するので,X線条件を記録することが望ましい。

5.3 *総ろ過

5.3.1 要求事項 最少総ろ過を指定しなければならない。
5.3.2 試験方法 仕様との適合性を,X線源装置の標示検査及び附属文書の検査によって確認する。必要
に応じて線質等価ろ過をIEC 60522の3.及び4.に従って測定してもよい。
備考 ここでは,半価層の測定を適切な管電圧及び対応するX線条件で動作するX線装置を用いナロ
ービーム条件で行う。また,同じターゲット物質,同じターゲット角をもつX線管の半価層と
の比較を必要とする。

――――― [JIS Z 4752-3-1 pdf 10] ―――――

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JIS Z 4752-3-1:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61223-3-1:1999(IDT)

JIS Z 4752-3-1:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4752-3-1:2004の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称