JIS Z 6009:1994 銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法 | ページ 2

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る。
(6) 密封容器を使用する場合は,10.3又は10.4に準じる通気性のない材料を使用し,そのふたとのはめ合
い部分に,通気性の少ない不活性な粘着テープを数回巻いて封かんする。このテープは,2年に一度
定期的に取り替えるのがよい。
(7) 特に,高湿度の場所で保存する場合は,フィルムを密封容器に入れ,さらにアルミニウムはくをしん
にした袋に入れて熱溶着するのがよい。
9.2.2 永久保存条件 ロールフィルムの永久保存には,9.2.1の条件を満たし,保持具及び容器の材料は,
10.2,10.3又は10.4による。
9.3 シート状フィルムの場合
9.3.1 中期保存条件 シート状のフィルムは,紙製又はプラスチック製の袋,ジャケット,アパーチュア
カードなどに収納又は保持する。この場合の条件は,次による。
(1) 保持具及び容器の材料は,10.2,10.3又は10.4に準じる。ただし,フィルムの表面に接する材料は,
10.2又は10.3による。
(2) 袋状の保持具は,その張合わせ目がフィルムの表面に当たらないよう,袋の端にくるようにし,張合
わせに使用する接着剤は,10.5による。
(3) 保持具及び容器は,清浄でなければならない。
(4) シートフィルムの積み重ねには,下部のフィルムに過度の荷重がかからないようにする。
(5) シートフィルムを密封して保存するには,9.2.1(6)及び(7)に準じる。
9.3.2 永久保存条件 シートフィルムの永久保存には,9.3.1の条件を満たし,保持具及び容器の材料は,
10.2,10.3又は10.4による。
9.4 容器を用いる場合のフィルムの慣らし 密封容器を用いる場合のフィルムの慣らしは,次による。
密封容器に入れる場合もフィルムの慣らしを行う。この場合の慣らしは,次に準じる。
(1) 容器に入れる場合 フィルムと密封容器は,表2に示す永久保存条件の下限の相対湿度の空気にあら
かじめなじませ,十分に慣らしてからフィルムを密封容器に入れ,封かんしなければならない。この
場合,フィルムの湿度と周囲の湿度とが平衡するのに要する時間は,表4による。
なお,密封容器内の空気の量は,できるだけ少なくするのがよい。
表4 フィルムの慣らし時間
フィルムの形態 慣らしの所要時間
マイクロフィッシュ又はストリップの単体(7) 20分間
16mmロール 3日間
35mmロール 1週間
注(7) ジャケット,袋方式アパーチュアカードなどに挿入したフィ
ルムにはあてはまらない。
備考1. 粘着テープ方式アパーチュアカードの場合,単体での慣ら
し時間は,おおよそ2時間である。
2. 例えば,少量のロールフィルムをデシケータで慣らす場合
は,デシケータに適当な量のシリカゲル又は調湿剤を入れ,
23週間乾燥した後,速やかに容器に移して封かんする。
(2) 容器を開封する場合 低温で保存した容器を開封する場合は,容器内のフィルムの温度と容器の周囲
の温度とが平衡するまで,容器を開いてはならない。
参考 この平衡をとるのに要する時間は,容器の形態及びその時の温度差によって異なるが,おおよ
そ24時間である。

――――― [JIS Z 6009 pdf 6] ―――――

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10. 材料
10.1 一般 フィルムの保存用材料は,一般に次による。
(1) 材料は,化学的に安定で,物理的に十分な強度をもつものでなければならない。
(2) 材料は,画像及び支持体を劣化させるような成分を含有しているもの,又は保存中に分解して酸及び
過酸化物を発生するものであってはならない。
(3) ゴムを主成分とする材料は,使用してはならない。
(4) フィルムの画像面に接触する材料の表面は,わずかにきめが粗いマット面のものがよい。
(5) フィルムの保存に用いる保持具,容器,接着剤,印刷インキなどの材料は,JIS K 7617の5.(写真活
性度試験方法A)及び6.(写真活性度試験方法B)によって,写真活性度が認められるものであって
はならない。
10.2 紙 保持具及び容器に用いる紙は,次による。
(1) 紙は,金属粒子を含まず,フィルムに付着するような表面繊維がないこと。
また,フィルムに転移するようなワックス,可塑剤,その他の成分を含有してはならない。
備考 グラシン紙は,使用してはならない。
(2) フィルムに接しない紙のpH値は,JIS P 8133の4.1(冷水抽出法)によって測定し,pH7.29.5の範
囲になければならない。
また,アルカリ保持量は,JIS K 7617の7.(アルカリ保持量試験方法)によって測定し,2%以上で
なければならない。
備考1. フィルムに接しない紙には,化学パルプ100%で,リグニンの含有量の少ない上質紙などで,
(2)の条件を満たすものを使用するのがよい。
2. フィルムに接しない紙を用いる容器には,保存箱(外箱),ファイル,密封した缶を入れる袋
などがある。
(3) フィルムに接する紙は,アルカリ不溶解分が87%以上の,さらし亜硫酸パルプ又はさらしクラフトパ
ルプからなり,砕木パルプ(グランドパルプ)を含まない原料で作られた上質紙でなければならない。
この場合,pH値及びアルカリ保持量は,10.2(2)によるものとし,サイズ剤の量は,必要最小限とし,
中性又はアルカリ性のものを用いる。
備考 フィルムに接する紙を用いるものには,フォルダ,シートフィルムの紙袋,ロールフィルムの
紙箱などがある。
10.3 プラスチック 保持具及び容器に用いるプラスチックは塗工せず,可塑化度が高くなく,残留溶剤
がない,不活性で過酸化物を含まないもの(8)でなければならない。
注(8) 塗工しないポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレンなど。
備考 使用に適さないプラスチックには,塩化ビニル,硝酸セルロース,発泡ポリウレタンなどがあ
る。
10.4 金属 保持具,容器,棚,キャビネットなどに用いる金属は,耐腐食性のもの,又は腐食防止加工
を施したもの(9)を使用する。
注(9) 陽極酸化皮膜アルミニウム,ステンレス鋼など。
備考 保存中に活性なガス及び過酸化物を放出する油性塗料・ラッカーは,使用してはならない。
10.5 接着剤 保持具及び容器に用いる接着剤は,次による。
(1) 画像,保持具及び容器を侵す溶剤,並びに硫黄,鉄,銅などの不純物を含んでいてはならない。

――――― [JIS Z 6009 pdf 7] ―――――

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(2) 紙の接着には,熱溶着又は機械的接着がよい。接着剤を用いる場合は,写真用高品質ゼラチン,ポリ
酢酸ビニル,セルロースエステルなどを用いた接着剤が適する。
備考 使用に適さない接着剤には,吸湿性のにかわ,感圧形接着剤,ゴムセメント,エポキシ系接着
剤のようにエーテル結合によって接着するものなどがある。
10.6 印刷インキ 容器内には,印刷物を入れてはならない。容器の外側に印字するためのインキは,不
活性で,にじみ,広がり,転写などがあってはならない。
11. 定期検査
11.1 中期保存 中期保存マイクロフォームの定期検査は,11.2に準じる。
11.2 永久保存 永久保存マイクロフォームの定期検査は,次による。
(1) 検査項目 検査は,次の項目について行う。
(a) フィルムに生じるかび,くっつき,変形,きず,膜面のはく離,変色,マイクロスコピックブレミ
ッシュ,濃度の低下,べとつき,酢酸臭など。
(b) 保持具及び容器の劣化
(2) 検査の頻度 抜取検査は,日本工業規格(日本産業規格)による抜取検査方式によって抽出計画を立て,2年に一度行
うのがよい。ただし,相対湿度及び温度が,表2の条件を超えたとき,又は検査で異常が発見された
ときは,検査の頻度及び数量を増やさなければならない。
備考 セルロースエステルを支持体としたフィルムは,処理後おおよそ25年を経過したら,参考2
に示す方法で酢酸の放散処置を行うのがよい。
なお,ポリエステルを支持体としたフィルムは,この必要はない。
(3) 検査の場所 検査の場所は,フィルムの保存場所の近くで,ちり・ほこりの少ない環境がよい。
また,作業場所の相対湿度及び温度の条件は,次のとおりとすることが望ましい。
(a) 相対湿度 : 4050%
(b) 温度 : 21℃以下
(4) 検査の方法 フィルムの検査は,次による。
(a) 低温で保存した密封容器の開封は,9.4の(2)(容器を開封する場合)による。
(b) フィルムの観察には,検査ステーション,515倍のルーペ,2550倍の顕微鏡などを用いるとよ
い。
(c) フィルムの取扱いは,フィルムのほこり,すりきず,指紋などを付けないように行う。例えば,清
潔な手袋を着用し,フィルムの両エッジを挟むようにして保持するのがよい。
(5) 判定基準 検査結果の判定は,次による。
(a) フィルムに生じるかび,くっつき,膜面のはく離,変色,マイクロスコピックブレミッシュ,濃度
の低下,酢酸臭などがあってはならない。
(b) 保持具及び容器のぜい化,変色などの劣化があってはならない。

――――― [JIS Z 6009 pdf 8] ―――――

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参考1 耐火保存
この参考は,耐火保存について記述するものであり,規格の一部ではない。
1. フィルムの火災からの保護 フィルムを火災から保護する場合は,耐熱性の容器に入れ,3.の耐火庫
又は4.の耐火貯蔵室に保存しなければならない。
火災のほか,水害及び震災にも十分に留意し,散水処置,消火剤,水漏れなどによってフィルムに損傷
が生じないようにしなければならない。
また,フィルムを火災及び水害から保護するには,複数のフィルムを作成し,他の場所に分散して保存
するのが最もよい。
2. 耐熱性の保持具及び容器 耐熱性の保持具及び容器は,次による。
(1) コア,リールなどの材料は,フィルムよりも燃えやすい又は分解しやすいものであってはならない。
(2) 保持具及び容器は,保存する包装形態で,150℃において4時間の加熱によって発火せず,放出するガ
スは,フィルムへの影響の少ないものでなくてはならない。
(3) 保持具及び容器の材料は,(2)の条件で溶けたり変形したりしてもフィルムを傷めず,フィルムが容器
から取り出せなければならない。
3. 耐火庫 耐火庫は,JIS S 1037(耐火庫)の2.(1)(収容物及び構造による区分)に規定する磁気テー
プ用耐火庫と同等以上の性能をもつ耐火庫とする。この場合,耐火建築でない建物では地面に支えられた
床上に設置するのがよい。
熱の絶縁に蒸気を発生させる構造の耐火庫の場合は,庫内が密封形のものを使用しなければならない。
4. 耐火貯蔵室 耐火貯蔵室は,建設省告示(昭和39年1675号)による耐火構造とする。

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参考2 古いフィルムの酢酸の放散処置
この参考は,古いフィルムの酢酸の放散処置について記述するものであり,規格の一部ではない。
1. 酢酸の影響 セルロースエステルを支持体としたフィルムで,処理後おおよそ30年を経過したもの,
又は30年以内に処理されたものでも,湿度及び温度が定められた条件を大きく超える環境の下に保存され
た場合は,酢酸臭を生じる懸念がある。酢酸臭の生じたフィルムを,密封容器などを用い密閉した状態で
保存していると,フィルムが急速に劣化する懸念がある。したがって,処理後おおよそ25年を経過したと
きは,2.の放散の手順に示すように,フィルムを空気にさらし,発生する酢酸が放散するよう,開放系で
保存しなければならない。
この酢酸の放散処置は,フィルムから酢酸臭が生じる前に行うのがよいが,酢酸臭が生じてからでも同
様の方法で行うとよい。この処置は,35年ごとに全数について行う。
なお,ポリエステルを支持体としたフィルムは,この必要はない。
2. 放散の手順 フィルムの酢酸の放散手順は,次による。
(1) 容器から取り出した直後に,支持体のにおいをかぐ。
(2) ロールフィルムの場合は,フィルムの巻返しをゆっくり行う。
(3) シートフィルムの場合は,容器から取り出し,各フィルムの支持体が空気に触れるようにばらしてお
く。
(4) 放散後のフィルムは,開放容器に入れ,通気性を保たせて保存する。
なお,酢酸臭の認められたフィルムは,他の正常なフィルムとは別の,空気の流れがよい保存場所
に移し替える。

――――― [JIS Z 6009 pdf 10] ―――――

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JIS Z 6009:1994の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10214:1991(MOD)
  • ISO 10602:1993(MOD)
  • ISO 5466:1992(MOD)

JIS Z 6009:1994の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 6009:1994の関連規格と引用規格一覧