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JIS Z 6009:1994 規格概要
この規格 Z6009は、保存を目的とする銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法について規定。
JISZ6009 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z6009
- 規格名称
- 銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法
- 規格名称英語訳
- Silver-gelatin type microfilms -- Processing and storage
- 制定年月日
- 1983年2月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 10214:1991(MOD), ISO 10602:1993(MOD), ISO 5466:1992(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 37.080
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1983-02-01 制定日, 1989-03-01 確認日, 1994-04-01 改正日, 2000-06-20 確認日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2011-10-20 改正日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 6009:1994 PDF [11]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 6009-1994
銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法
Silver-gelatin type microfilms−Processing and storage
1. 適用範囲 この規格は,保存を目的とする銀-ゼラチンマイクロフィルムの処理及び保存方法について
規定する。
備考1. この規格は,JIS K 7558に規定した安全性をもつ,セルロースエステル,ポリエステルなど
を支持体としたフィルム(以下,フィルムという。)に適用する。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 9908 換気用エアフィルタユニット
JIS K 7558 安全写真フィルム
JIS K 7616 現像処理済み一般写真用フィルム・印画紙中の残留処理薬品量の試験方法(メチレンブ
ルー法及び硫化銀法)
JIS K 7617 現像処理済み写真フィルム・印画紙保存用材料の写真画像安定度試験方法
JIS P 8133 紙及び板紙のpH試験方法
JIS Z 6000 マイクログラフィックス用語
3. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 5466-1992 Photography−Processed safety photographic films−Storage practices
ISO 10214-1991 Photography−Processed photographic materials−Filing enclosures for storage
ISO 10602-1993 Photography−Processed silver-gelatin type black-and-white films−Specifications
for stability
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 6000によるほか,次による。
(1) マイクロフォーム マイクロ像を収めた情報媒体の総称。
通常,フィルム形態のものが多い。
例 ロール状又はストリップ状のマイクロフィルム,シート状のマイクロフィッシュ,アパーチュア
カード,ジャケット。
(2) 保存 マイクロフォームを,定められた条件の下で意図する期間,原状のままに維持すること。
(3) 中期保存マイクロフォーム 中期保存条件の下で,最低10年間の保存に適したマイクロフォーム。た
だし,元のマイクロ像が良好な品質であるものとする。
(4) 永久保存マイクロフォーム 永久保存条件の下で,永久的価値をもつ記録の保存に適したマイクロフ
ォーム。ただし,元のマイクロ像が良好な品質であるものとする。
備考 永久保存条件の下で,最低100年間の保存に適したマイクロフォームを,長期保存マイクロフ
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ォームという。
(5) 中期保存条件 中期保存マイクロフォームを,最低10年間保存できるように定めた保存条件。
(6) 永久保存条件 永久保存マイクロフォームを,永久的に保存できるように定めた保存条件。
(7) 保持具 フィルムを物理的損傷から保護するための開放状の器具。
通常,保持具はフィルムと接した状態で用いる。例えば,巻心,リール,ジャケット,アパ
ーチュアカード,袋など。
3. 保存区分 マイクロフォームの保存区分は,表1による。
表1 保存区分
保存区分 保存期間 マイクロフォームの呼称 保存条件 主な用途
中期保存 最低10年間 中期保存マイクロフォーム 中期保存条件一般文書・商業帳簿などのマ
イクロフォームによる保存
永久保存 永久的 永久保存マイクロフォーム 永久保存条件
文化的価値,歴史的価値をも
つ記録などのマイクロフォ
ームによる保存
備考 表に示した保存期間を達成するには,使用するフィルム,現像処理条件,保持具・容器の材料,
保存期間中の環境条件などが,表記に該当する要件を満たしていなければならない。
4. 処理 フィルムの処理は,製造業者が指定した条件によるほか,次による。
(1) 現像 現像液は,新鮮なものを使用する。
また,現像機の清掃は,定期的に行う。
(2) 定着 フィルムの定着は,次による。
(a) 定着液は,新鮮なものを使用する。その度合いとして,定着液中に溶け込んだ銀量は,チオ硫酸ナ
トリウムを主剤とした定着液では,主剤に対してモル比0.5%以下,チオ硫酸アンモニウムを主剤と
した定着液では,主剤に対してモル比0.8%以下とするのがよい。
(b) マイクロスコピックブレミッシュ(褐色微小はん点)を抑制するため定着液中のよう化物の含有量
は,0.10.5g/l (KI) とするのがよい。
(3) 水洗 フィルムの水洗は,次による。
(a) 水洗に用いる水(1)は,無色で浮遊物のないものを使用する。
水洗水の温度は,1525℃が適当であり,一般的には20℃の流水中で常にフィルムの表面に新し
い水が行き渡るようにし,15分間(2)水洗する。
注(1) 通常,水道水は,水洗に使用できる。
(2) 自動現像機の場合には,高い温度の水洗水(約30℃),水洗効率の高い方式,又はpH値が高い
定着液を使用し,水洗時間を短縮できる。
(b) 水洗時間の短縮には,イオン交換式の水洗促進がよく,酸化剤を含むハイポ駆除剤による水洗促進
は行ってはならない。
(4) 乾燥 フィルムの乾燥は,ほこり及びフィルムに有害な不純物がない清浄な所で行う。極端に高い温
度での乾燥及び較燥不足は,避けなければならない。
5. 処理済フィルムの特性
――――― [JIS Z 6009 pdf 2] ―――――
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5.1 残留チオ硫酸塩 永久保存のフィルムの残留チオ硫酸塩の許容量は,JIS K 7616によって試験し,
0.014g-S2O32−/m2以下とする。
また,中期保存のフィルムの場合は,0.030g-S2O32−/m2以下とするのがよい。
備考 長期保存のフィルムの場合は,0.030g-S2O32−/m2以下とする。
5.2 残留銀化合物 処理後のフィルムの残留銀化合物は,5.3によって試験し,ほとんど知覚し得ない程
度の着色(極薄い黄色)又はそれ以下とする。もしも,知覚し得ない程度を超えた着色を示した場合でも,
着色の程度が標準片(3)と同等以下であれば,合格とする。
注(3) 標準片とは,試験片と同じ種類の生フィルムを新しい定着液で処理し,十分に水洗した後,5.3
(1)(5)と同じ手順によって得られるもの。
5.3 残留銀化合物試験 残留銀化合物試験は,次による。
(1) 試験するフィルムの最小濃度部分から小片を2枚切り取って試験片とし,フィルムの両画について試
験する。
(2) フィルムは,吸取紙などで水分を取り,乾かす。
(3) 新たに調製した0.2%硫化ナトリウム溶液を滴下する。
(4) 滴下して3分後に水洗又は吸い取る。
(5) 滴下部分の着色が知覚し得るか否かを肉眼で判断する。知覚し得る程度の着色を示した場合は,(6)に
示す確認のための試験を行う。
(6) 試験片の着色の程度を標準片の着色と比較する。
5.4 外観 フィルムには,マイクロ像を損なうような指紋,きず,汚れ,変形,処理液の付着などがあ
ってはならない。
5.5 フィルムの接合 フィルムの接合は,できるだけ行わない。やむを得ず接合する場合は,次のいず
れかによる。
(1) 超音波,高周波などによる機械的接合。
(2) 接着剤による場合は,不安定な溶剤,硝酸セルロース及び酢酸を含まない化学的に安定な高品質のセ
メントによる。
6. 環境条件
6.1 湿度及び温度 湿度及び温度は,次による。
(1) フィルムの保存に適した相対湿度及び温度の条件は,表2による。
(2) 湿度又は温度は,短時間に変動反復しないようにする。
表2 相対湿度及び温度の条件
保存条件 相対湿度 % 温度 ℃
最高 最低 最高
セルロースエステル ポリエステル
中期保存条件 60 15 30 25(4)
永久保存条件 40 15 30 21
注(4) 理想的には,温度は長期間にわたって25℃を超えてはならず,20℃よ
り低い温度が望ましい。短期的なピーク温度は32℃を超えてはならな
い。
備考1. この湿度及び温度の条件は,1日24時間維持しなければならない。
2. セルロースエステル及びポリエステルのフィルムを同一の場所で保
存する場合,永久保存での推奨される相対湿度は30%である。
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6.2 空気中の不純物 空気中の不純物については,次による。
(1) フィルムは,ほこり・ガス状不純物(5)が少ない所で保存する。
注(5) 亜硫酸ガス,硫化水素,オゾン,酸化窒素,アンモニア,その他過酸化物や空気中に浮遊して
いる酸性有害物質など。
(2) 空気中にガス状不純物がある場合は,その不純物を洗浄機又は吸着剤によって除去するか,9.1の密封
容器を使用しなければならない。
(3) 空気中のほこりを除去しなければならない場合に用いるフィルタは,JIS B 9908の表1(フィルタユ
ニットの種類)の形式2で,乾式のろ材で,粒子捕集率90%以上のものとする。
(4) 保存場所に新たに油性塗料を塗った場合,少なくとも3か月間は使用してはならない。
6.3 光 通常,フィルムは暗い条件下で保存するのがよい。
7. 保存室
7.1 中期保存条件 中期保存条件は,次による。
(1) 中期保存には,特別の部屋は必要としないが,保存場所は,6.の環境条件を満たすこと。
(2) 保存場所には,フィルムを検査する場所を近くに設けるのがよい。
(3) 部屋の壁などは,湿気が凝集するのを防ぐように設計しなければならない。
7.2 永久保存条件 永久保存の部屋は,7.1の条件を満たし,一時的なフィルムの保管施設,事務所,作
業場所などとは区分しなければならない。
参考 フィルムの火災・水害からの保護は,参考1(耐火保存)に示す。
8. 棚,キャビネット フィルムを保存する棚,キャビネットなどは,密閉できるものを使用する。ただ
し,密封容器又は密閉容器に入れた場合は,解放した棚を用いてもよい。
(1) 棚,キャビネットなどの材料は,10.4による。木製材料は使用しないこと。
(2) 棚,キャビネットなどに油性塗料を塗った場合,少なくとも3か月間は使用してはならない。
(3) 塩素化樹脂・可塑剤の多い樹脂によって仕上げたものは,使用しないほうがよい。
(4) キャビネット内部を個別に湿度調節を必要とする場合は,気密性をもつキャビネットを使用し,収納
してある保持具及び容器の周囲には,調節した空気が行き渡るようにする。湿度調節には,シリカゲ
ルなどを使用してもよい。
9. 保持具及び容器
9.1 容器の種類及び使い方 フィルムは,ガス状不純物,ほこり,汚れ及び物理的損傷から保護するた
め,密封容器又は密閉容器に入れるのがよい。ただし,密封容器又は密閉容器に入れるフィルムは,事前
に9.4によってならしを行わなければならない。容器の種類及び主な使い方は,表3による。
――――― [JIS Z 6009 pdf 4] ―――――
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表3 容器の種類及び用途
容器の種類 主な使い方 形状及び機能
開放容器 湿度が定められた条件を超えない場紙箱,紙袋などの通気性をもつ容器
合
フィルムから生じる酢酸臭を放散さ
せる場合
密閉容器 湿度が定められた条件を超えない場プラスチック缶,金属缶などわずか
合 に通気性をもつ容器
密封容器 湿度が定められた条件を超える場合デープで密封した缶など,気密で遮
及びガス状不純物から保護する場合光性をもつ容器
低温での保存の場合
高湿度の下での保存の場合 テープで密封した缶を,さらにアル
ミニウムはく(箔)をしん(芯)に
した袋(6)に入れること
注(6) アルミニウムはくをしんにした袋とは,ポリエチレンで内張りされ,外側を紙で補
強し,熱溶着で封をする通気性,透湿性のない袋。
備考1. セルロースエステルを支持体としたフィルムで,処理後おおよそ25年を経過した
フィルム,又は25年以内に処理されたフィルムでも,湿度及び温度が定められた
条件を大きく超える環境下に保存されたフィルムは,密封容器又は密封容器で保
存せず,紙箱・紙袋などの通気性をもつ開放容器で保存するのがよい(参考2参
照)。
なお,11.の定期検査において,酢酸臭が認められたフィルムは,隔離して保存
しなければならない。
2. ベシキュラフィルムは,本来酸性ガスを発生する懸念があるため,ポリスチレン
又はポリエチレン製の容器に入れ,銀-ゼラチンフィルムとは隔離して保存する
のがよい。
3. 永久保存の場合,種類が異なるフィルムは,同一の保持具,容器内に保存しては
ならない。
例1. 銀-ゼラチンフィルムとジアゾフィルム
例2. 銀-ゼラチンフィルムとカラーフィルム
4. 保存寿命を最大限にするためには,フィルムは,保存場所に入れるまで,6.の環
境条件の下に置かなければならない。
9.2 ロールフィルムの場合
9.2.1 中期保存条件 ロールフィルムは,リール,コアなどの保持具に巻き,密封容器又は密閉容器に入
れるのがよい。この場合の条件は,次による。
(1) 保持具及び容器の材料は,10.2,10.3又は10.4に準じる。
(2) 保持具及び容器は清浄でなければならない。
(3) 16mmフィルムは,リール又はコアに極端な張力をかけずに堅く巻く。35mmフィルムを巻く場合の
張力は,0.3Nがよい。
(4) リール又はコアにフィルムを巻く場合の巻き終わりの止め方は,次のいずれかに準じる。
(a) 紙製の帯などを巻いて止める。この帯の材料は,10.2又は10.3による。
また,ゴムバンド及び粘着テープは使用してはならない。
(b) リールに巻いた場合は,フィルムの先端を折り曲げ,その先端をフィルムとフランジの間に差し込
んで止める。
(5) コアに巻いたフィルムは,コア軸を縦(鉛直)の方向にして保存する。直径が20cm以下のフィルム
をコア軸を横(水平)の方向に保存する必要がある場合は,下部にその荷重がかからないよう保持す
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JIS Z 6009:1994の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10214:1991(MOD)
- ISO 10602:1993(MOD)
- ISO 5466:1992(MOD)
JIS Z 6009:1994の国際規格 ICS 分類一覧
- 37 : 映像技術 > 37.080 : 文書画像アプリケーション
JIS Z 6009:1994の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9908:2011
- 換気用エアフィルタユニット・換気用電気集じん器の性能試験方法
- JISK7558:1986
- 安全写真フィルム
- JISK7616:2001
- 現像処理済み写真感光材料中の残留チオ硫酸塩の試験方法―よう素・アミロース法,メチレンブルー法及び硫化銀法
- JISK7617:1998
- 写真 ― 現像処理済み写真感光材料 ― 写真包材の写真画像への影響度試験方法
- JISP8133:1998
- 紙,板紙及びパルプ―水抽出液pHの試験方法
- JISZ6000:1996
- マイクログラフィックス用語