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Z 8101-3 : 1999 (ISO/FDIS 3534-3 : 1999)
を指す。1.1でモデルを示している例の中で,例3.だけが純誤差の直接の推定を可能にする反
復をもっている。数学的にみれば,純誤差は例2.ではVar (攀椀 例3.ではVar( 攀椀
Var( 攀椀 ‰ 釈される。
1.24 対比 たいひ
contrast
〈統計〉係数のすべてが0でなく,係数の和が0である応答変数の線形関数。
参考 係数の一部に0でないものがあればよい。
備考 観測値y1,y2,···,ynについて,aiのすべてが0でなく,a1+a2+···+an=0を満たすとき,線
形関数a1y1+a2y2+···+anynは対比である。
例1. 一つの因子が3水準で,その結果がy1,y2,y3と表されている。この実験の第1水準と第3水準で
応答の差に興味がある(一時的に中間の水準は無視する)とする。この問題を評価するための
適切な対比は以下に与えられ(質問1参照),それには,y1とy3の値が必要である。水準の間隔
が等しいならば,2番目の疑問(質問2)は応答のパターンが線形な傾向よりも(2次の)曲線関
係を示している証拠があるかということである。これには,y1とy3の平均とy2を比較すること
になる。(曲線関係がなければ,y2はy1とy3を結んだ直線の近くになり,言い換えればy1とy3
の平均にほぼ等しくなるはずである。)
応答 y1 y2 y3
質問1の対比の係数 −1 0 +1
対比1 −y1 +y3
質問2の対比の係数 −1/2 +1 −1/2
対比2 −1/2y1 y2 −1/2y3
この例は連続変数に対する回帰分析的な問題を示している。より便利にするために,しばし
ば対比の係数として分数ではなく整数が用いられる。この場合,対比2の係数は (−1,+2,
−1) となる。
例2. 一つの因子の離散的な水準を扱う例では,異なった組合せの疑問が生じることがある。三つの
供給者があり,一つを新しい製造技術を使っているA1,他の二つA2とA3は従来のものを使っ
ていると仮定する。第1に,新しい技術を使っているA1が古いものを使っているA2とA3と差が
見られるかどうか・y1と,y2とy3の平均を比べる。第2に,従来の技術を使っている二つの供給元
に差があるかどうか・y2とy3を比べる。対比の係数のパターンは先の問題の場合と同じようにな
るが,結果の解釈は異なる。
応答 y1 y2 y3
質問1の対比の係数 −2 +1 +1
対比1 −2y1 +y2 +y3
質問2の対比の係数 0 −1 +1
対比2 −y2 +y3
――――― [JIS Z 8101-3 pdf 11] ―――――
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Z 8101-3 : 1999 (ISO/FDIS 3534-3 : 1999)
1.25 直交対比 ちょっこうたいひ
orthogonal contrast
係数について対応するペアを掛け算し,それらの積和が0になるという条件を満たす対比の集合。
例1.
y1 y2 y3
ai1 対比1 −1 0 +1
ai2 対比2 0 −1 +1
ai1ai2 0 0 +1
愀椀 愀椀 1なので直交していない
例2.
y1 y2 y3
ai1 対比1 −1 0 +1
ai2 対比2 −1 +2 −1
ai1ai2 +1 0 −1
愀椀 愀椀 0なので直交している
1.26 直交配列,直交配列表 ちょっこうはいれつ,ちょっこうはいれつひょう
orthogonal array
因子のすべてのペアに対して,因子の水準について考えられる処理組合せが同数回現れるような処理組
合せの集合。
備考 直交配列における強さという概念は,直交配列の一つの可能な利用法であるスクリーニング計
画(2.2)に関係がある。強さdの計画は任意のd個の因子における完全な要因計画である。強さ
1は,各因子の水準が同数回現れること(これはバランスした因子とも呼ばれる)を意味する。
直交配列表は強さ2である。部分集合の大きさdが強さである。
1.27 反復 はんぷく
replication
説明変数に関する所与の設定について,複数回の実験を実施すること。
参考 反復の回数を反復数という。
備考 この定義は,JIS Z 8101-1 : 1999, 2.64を実験計画法に合わせた表現に改めたものである。種々
の制約により,反復はランダムな順序ではなく逐次的に実施しなければならないことがある。
このような状況は,繰返しに対応するともいえるが,この用語についての普遍的な合意は得ら
れていない。
また,旧版のISO 3534-3 : 1985で定義されていた重複 (duplication) は,繰返し (repetition) の
基礎となる考え方と重なっている。したがって,JIS Z 8101のこの部においては,反復とは説
明変数がある水準のときに応答変数について複数個の値が得られることを意味する用語とする。
重複,繰返しについては,ISO 10241 : 1992の4節に従いここでは定義しない。
参考 ISO 10241 : 1992は用語の定義方法を規定しており,4節には概念が重なるものは統合すること
が望ましいとしている。この規格は,ISO 3534-3第2版の最終国際規格案 (FDIS;Final Draft
International Standard) の翻訳規格であり,ISO 3534-3第1版 (1985) の翻訳規格は存在しない。
――――― [JIS Z 8101-3 pdf 12] ―――――
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Z 8101-3 : 1999 (ISO/FDIS 3534-3 : 1999)
1.28 ブロック化 ぶろっくか
blocking
比較的均一なブロックに実験単位 (experimental unit) を配置すること。
ブロック化により,それぞれのブロック内での実験誤差が,同じ数の実験単位を処理(1.11,2.3参照)
にランダムに割り付ける場合と比べて小さくなることが期待できる。
備考1. 効果を検討するために導入される因子(主因子,principal factors)の他に,すべての実験単位
で一定に保つことが困難または不可能で実験全体では見逃せない原因になるものの影響を考
慮してブロックが選ばれる。これらの見逃せない原因による効果はブロック内では最小化さ
れ,より等質な実験の部分空間が得られる。実験結果の解析においては,ブロックの効果を
評価せねばならない。
2. すべての処理が含まれているブロックは“完備ブロック”と呼ばれる。処理の集合のうち一
部の処理のみが含まれているブロックは“不完備ブロック”と呼ばれる。処理が対 (pair) と
して扱われる場合には,これらの対はブロックとなる。
1.29 ランダム化,無作為化 らんだむか,むさくいか
randomization
処理を実験単位に割り付ける際,それぞれの実験単位にどの処理も等しい確率で割り付けられるように
する方法。
備考 ランダム化は,実験に取り上げていない因子が原因で生じるかたよりを予防することを狙いと
している。ランダム化は,時間・空間的に潜在する影響を減らすであろう。(JIS Z 8101-1 : 1999,
2.65参照)
1.30 実験の実施計画 じっけんのじっしけいかく
experimental plan
処理の実験単位への割りつけと実施の時間的順序。
1.31 計画された実験 けいかくされたじっけん
designed experiment
その目的に適合するように選ばれた実験の実施計画。
備考 実験を計画することの目的は,正当で妥当な結論を効率的かつ経済的に実験の結果から導き出
す方法を,明らかにすることである。適切な実験計画の選択は,取り扱う問題の種類,出す結
論の一般性の度合,高確率で検出したい効果の大きさ(検出力),実験単位の均一性,実験遂行
のコストなどの考慮に依存する。適切に計画された実験の場合には,統計解析,そしてその結
果の解釈は簡単なものになる。
1.32 EVOP いぼっぷ
evolutionary operation, EVOP
日常の生産の中で製造設備を用いて実施される逐次的な実験。
備考 EVOPの主たる目的は,工程改善のための知識を実際の生産時に得ることと,最小のコストで
(生産の許容範囲内での)比較的小規模な水準変更により実験を計画することである。EVOP
においては,因子の水準の変動幅は通常はとても小さく,これは水準変更により規格外品が出
てしまうのを避けるためである。このため偶然変動を減らすために多くの反復が必要になるで
あろう。
――――― [JIS Z 8101-3 pdf 13] ―――――
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Z 8101-3 : 1999 (ISO/FDIS 3534-3 : 1999)
1.33 完全ランダム化計画,完全無作為化計画 かんぜんらんだむかけいかく,かんぜんむさくいかけい
かく
completely randomized design
処理がすべての実験単位に対してランダムに割り付けられた計画。
備考 完全ランダム化計画は,すべての実験単位が適度に等質(系統的な差はない)あるいは不均一
性に関する情報がないという仮定のもとでのみ適切な計画となる。
1.34 キューブポイント,頂点 きゅーぶぽいんと,ちょうてん
cube point
水準をコード化して考えたときに,因子の水準からなるベクトル (a1,a2,···,ak) において,すべての
要素が+1または−1であるベクトルで表される点。
備考 これらの点は,2水準要因計画,又はその一部実施計画によって求めることができる(2.1参照)。
2k個の頂点は中心複合計画の中で用いられる(2.4,例1.)。
1.35 スターポイント,星型点 すたーぽいんと,ほしがたてん
star point
水準をコード化して考えたときに,因子の水準からなるベクトル (a1,a2,···,ak) において,一つの要
素だけが 死 地 クトルで表される点。
備考 明らかに,すべてのスターポイントは唯一の非零成分 心複合計画におい
ては,典型的には2k個のスターポイントを持つ。
1.36 センターポイント,中心点 せんたーぽいんと,ちゅうしんてん
center point
水準をコード化して考えた場合に,因子の水準からなるベクトル (a1,a2,···,ak) において,すべての
要素が0であるベクトルで表される点。
備考 計画における水準をコード化して考えた場合に,中心点のすべての要素は0で,これをベクト
ルで表現すると (0,0,···,0) となり,この点は計画の中心に対応する。この点の数はn0で表
され,この値は応答曲面計画の様々な目的を達成するために選ばれる。実験を行う場の純誤差
を推定するためにしばしば中心点での反復が行われる。
1.37 回転可能性 かいてんかのうせい
rotatability
あてはめたモデルに基づく予測値の分散が,計画のセンターポイントから等距離ならば等しくなるとい
う,計画についての性質。
2. 実験の配置
2.1 要因実験 よういんじっけん
full factorial experiment ; factorial experiment
二つ以上の水準で探求される二つ以上の因子のすべての可能な処理から構成される実験。
備考1. 要因実験では,すべての交互作用と主効果を推定することができる。
2. 要因実験は,各因子の水準数の積として表現されることが多い。例えば,3水準の因子Aと
2水準の因子Bと4水準の因子Cによる実験は,3×2×4要因実験と表現される。これらの
数の積は処理の総数を表している。
3. 水準数が同じである因子を含む場合は,因子の数(例えばk)を肩に上げて累乗の形で表現
――――― [JIS Z 8101-3 pdf 14] ―――――
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Z 8101-3 : 1999 (ISO/FDIS 3534-3 : 1999)
することが多い。2因子とも3水準である実験は32実験と表され(このときkは2である),
異なる処理が与えられる9個の実験単位を必要とする。
4. 要因実験は(因子が)クロスした計画と呼ばれることもある。
2.1.1 一部実施要因実験 いちぶじっしよういんじっけん
fractional factorial experiment
要因実験の部分集合で構成される実験。
備考 よく使われるものは,実施割合は可能な処理組合せすべての簡単な比になっている。例えば1/2
や1/4などがよく使われる。
2.1.2 2水準実験 にすいじゅんじっけん
two-level experiment
すべての因子が2水準である実験。
2.1.2.1 2k要因実験 にのけーじょうよういんじっけん
2k factorial experiment
k個の因子からなる要因実験で,すべての因子が2水準のもの。
例 圧力,温度,触媒,オペレータの4因子の収量への効果を調べるには,24要因実験が適切である。
Aは圧力(低い高い),Bは温度(低い,高い),Cは触媒(有り,無し)でDはオペレータ(1
人,2人)とする。
実験単位 処理 A B C D
1 (1) − − − −
2 a + − − −
3 b − + − −
4 ab + + − −
5 c − − + −
6 ac + − + −
7 bc − + + −
8 abc + + + −
9 d − − − +
10 ad + − − +
11 bd − + − +
12 abd + + − +
13 cd − − + +
14 acd + − + +
15 bcd − + + +
16 abcd + + + +
24実験は,上の表に示されているように16の異なる処理からなる。“−”と“+”の記号は各
因子の可能な2水準を表す。多くの場合マイナス記号は因子の低い方の水準を,プラス記号は高
い方の水準を表すが,水準を表す記号は任意でよい。
この表の列の順番は標準イェーツ順序 (standard Yates order) と呼ばれるもので,解析のときに
都合がよい。これらの処理を実際に行う順番は,無作為化(1.29参照)して決定されなければな
――――― [JIS Z 8101-3 pdf 15] ―――――
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JIS Z 8101-3:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/FDIS 3534-3:1999(IDT)
JIS Z 8101-3:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学(用語集)