JIS Z 8105:2022 色に関する用語 | ページ 13

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番号 用語 定義 参考
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-845番号
5021 セパレーショ 配色構成において,互いに接する2色間を分離して,その関 separation colour
ンカラー 係に変化を与える色,又はそれによる配色技法で,分離色,
分割色ともいう
注釈1 曖昧な見えの近似色又は強い対比を生じる補色
が接する部分に,明度差のある無彩色又は低彩度
色を,分割線又は枠組みとして用いることで,不
調和な関係を改善する効果をもつ。
5022 グラデーショ 配色構成において,属性の漸進的変化によって生じる色の配 gradation colour
ン(カラ 列,又はそれによる配色技法で,階調ともいう
ー) 注釈1 変化属性によって,色相グラデーション,明度グ
ラデーション,彩度グラデーションとなり,加え
て,ヒュートーンシステムでは,明清色系列に沿
って変化するチントトーングラデーション及び
暗清色系列に沿って変化するシェードトーング
ラデーションが得られる。これらを基本形とし
て,組合せによる様々なバリエーションがある。
5023 ドミナント 配色構成において,全体の中で視覚的優位となり統一的な印 dominant colour
(カラー) 象を与える最も支配的な色彩要素,又はそれによる配色技法
で,主調色,支配色ともいう
注釈1 多色配色の場合に,全体を統一的に支配する共通
要素。共通要素となる属性によって,色相ドミナ
ント,明度ドミナント,彩度ドミナント,トーン
ドミナントとなる。
注釈2 慣用的には色相を共通要素とする多色配色はド
ミナントカラー配色,トーンを共通要素とする多
色配色はドミナントトーン配色と呼ぶ。
注釈3 配色を構成する要素の面積にコントラストがあ
る場合に,視覚的優位となる最も大面積を占める
色彩要素。ベースカラー(5018参照)と同義。
5024 モノクローム モノは単一の,クロームは色という意味であり,単一色相の monochrome
色で表現された色使いのこと
注釈1 無彩色だけでなく,有彩色の色使いにも使われる
が,一般的には,白,灰色,又は黒を使った色彩
表現に用いられることが多い。
5025 色相の自然連 色相環を成す色の明度は,黄色を明るさの頂点として青紫に natural sequence
鎖 近づくに従って暗くなるという,色相移行に伴う明暗変化の of hues
法則
注釈1 ナチュラルシークエンスオブヒューともいう。
注釈2 配色において,近接する色相関係に色相の自然連
鎖が反映されているとき,これをナチュラルハー
モニーと呼ぶ。
注釈3 ベゾルド(W. von Bezold),ブリュッケ(Ernst W.
Brcke),ルード(O. Rood)らが見出した自然律
に基づき,ジャッド(D. B. Judd)が命名した親近
性の原理を代表する概念。
5026 カラースワッ 対象の色を指定するための色見本,又は色見本帳 colour swatch
チ 注釈1 布による色見本を指すことが多い。

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5027 カラーチャー 色の一覧表のこと colour charts
ト 注釈1 一覧表の構成は目的によって異なり,色相及びト
ーンを使ったもの,色相·明度·彩度を個別に一
覧表にしたもの,製品色のカラーバリエーション
を示すものなど,様々なものがある。カラーオー
ダシステムのような整然とした体系的構成では
ないものも含まれる。
5028 グレースケー 無彩色の明度が一定の規則で段階的に変化するように配列 grey scale
ル された色票,又は無彩色の濃淡の段階で表した白黒画像
注釈1 変退色[JIS L 0804(変退色用グレースケール)]
及び白布の汚染の度合い[JIS L 0805(汚染用グレ
ースケール)]を判定するためのグレースケール
の規格がある。
5029 カラーアソー 一定の秩序に沿ったカラーバリエーションのこと colour assortment
ト 注釈1 製品デザインでは,複数の色違いを計画する場合
が多い。カラーアソートは計画に沿って用意され
る複数の色のセットを意味するが,複数の色をそ
ろえていくという行為そのものを意味する場合
もある。
5030 カラーイメー 色彩から想起される物事,概念など,色彩から受ける心象, colour image
ジ 又は映像から受ける色彩の印象
注釈1 映像から受ける色彩の印象は,デザインを企画す
る際に,その色彩の雰囲気を伝えるための視覚的
な映像(静止画,動画など)が多く用いられる。
それらの映像から受ける色彩の印象のこと。
5031 カラーコーデ 色彩をある目的に即して秩序付け,組み合わせて,調和感の colour co-
ィネーショ ある快適な環境を生み出すこと ordination

5032 カラーコンセ ある計画を実施するときに,その計画の基本的な構想に基づ colour concept
プト いた色彩の使い方及び考え方のこと
5033 カラーシミュ 色彩が使われている場面を具体的に示すために,模擬的に色 colour simulation
レーション 彩の施工場面を作り出すこと
5034 カラースキー 色彩が使われる計画の全体像を基礎として,その計画の中で colour scheme
ム 展開される様々な事例に対応できるように,体系的に構築さ
れた色彩計画のこと
5035 カラーディレ 製品のコンセプトに合致する色彩の在り方及び色彩自体が colour direction
クション 果たすべき目的を端的に示す方針のこと
注釈1 カラーディレクションによって選ばれた,又は新
たに作られた色は“ディレクションカラー”と呼
ばれる。

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5036 カラーユニバ 色彩によって,ある情報を色覚の別を問わず正確かつ快適に colour universal
ーサルデザ 伝えられるように配慮したカラーデザインのこと design
イン 注釈1 色覚は全ての人が同じではなく,多様な色覚が存
在する。このため,各人が知覚する色は一定では
ない。一方でデザイン行為には,安全性及び操作
性の良さなどを確保するための情報を,色彩を利
用して知らせることが多々ある。例えば,交通標
識などに使用される安全色などがある。こうした
色彩による情報を色覚の別を問わず正確かつ快
適に伝えられるように色覚の別による色の見え
などを考慮したカラーデザインのこと。
5037 色彩調節 色彩の生理的·心理的作用を利用して,疲労低減,能率向上, colour
災害防止を目的として,適切な色を選んで用いること conditioning
注釈1 手術室の壁の色を血の赤の補色にして残像を目
立たなくし視覚疲労を緩和した例,工場で危険箇
所などを示す安全のための色の使用,見やすくし
た操作盤の配色の例などがある。
5038 安全色 安全に関する意味が与えられている特別の属性をもつ色 safety colours
注釈1 JIS Z 9101(図記号−安全色及び安全標識―安全
標識及び安全マーキングのデザイン通則)では,
安全色として,赤,黄赤,黄,緑,青,赤紫の6色
が規定されており,安全色を引き立てる対比色と
して白及び黒の2色がある。
5039 迷彩色 対象が背景に溶け込み,目立たなく見えるような色で,カム camouflage
フラージュカラーともいわれる colours
注釈1 複数の色を用いて同様の効果を得る配色パター
ンを迷彩柄(カムフラージュパターン)といい,
一般に,森林などを想定したカーキ,オリーブ,
茶色などから構成されたものを指す。
5040 アースカラー 1970年代中期を中心に流行した茶色系統の色 earth colour
注釈1 当時の自然回帰への社会風潮から人気が出た色
で,英語で大地を意味する“earth”を思わせる色
であるためアースカラーと呼ばれた。ファッショ
ン製品をはじめ,インテリア製品,家電製品,自
動車など多くの製品分野で流行した。
5041 ナチュラルカ 自然物のもつ色を根源とした色彩,又は自然で穏やかなイメ natural colour
ラー ージを与える色彩のこと
注釈1 自然物には無彩色,様々な色相,様々な色調があ
るが,人が“自然で穏やかな色”だという印象を
抱く色域を指す。高彩度色,金属色,蛍光色など
の人工物を連想させる色域ではなく,中彩度から
低彩度に至る色域で,かつ,自然有機物に多い暖
色系色相を中心とした色域を意味することが多
い。具体的には,低彩度の木材色のような色,及
び黄みを帯びた白からベージュにかけてのシル
ク,コットン,羊毛など天然繊維の色域を指す場
合が多い。

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5042 パステルカラ パステル(粉末顔料と白粘土とを粘着剤で棒状に固めた描画 pastel colours
ー 材料)のような色で,純色に白を混ぜてできる明るく淡い色
調の色
注釈1 一般にやわらかく優しい印象が感じられる。
5043 トレンドカラ ある時期に好まれる,若しくは好まれると思われる時流の色 trend colour
ー で,その時期の色の傾向を示す色,又は色群
注釈1 トレンドとは,時流,傾向,又は流行を意味する
言葉である。その意味から,一般的には“傾向色”
又は“時流の色”と解釈されている。流行色とも
いえるが,流行という言葉はファッションという
用語が一般的であるため,トレンドカラーは流行
色ではなく“傾向色”という呼び名が定着してい
る。ファッション業界では,ファッションショー
に代表されるように,実市場よりも先行した製品
の情報が実市場の動向を大きく左右するため,先
行的な情報も重視されている。そのため,実市場
で注目されるトレンドカラーと同様に,先行情報
で“これからの傾向を示す色”として注目されそ
うな予測的な色もトレンドカラーと呼ばれる。
5044 ベーシックカ マーケットにおいて,対象物によく使われ,売れ行きの良い basic colour
ラー 基本的な色で,定番色とも呼ばれる
注釈1 “基本色”が本来の意味だが,製品市場で長い期
間にわたり非常によく売れており,市場の基本的
な売れ筋色となっている色域のこと。又は,着こ
なし若しくは製品の配色構成において,非常に多
く用いられる基本的な色のこと。ファッション製
品では,白,灰色,黒,紺色,ベージュ,茶色,
オリーブ色などがそれに当たる。また,インテリ
ア業界では,オフホワイト,ベージュ,茶色など
が挙げられる。どの色域がベーシックカラーであ
るかは,対象製品によって異なり,また,長期間
での変化も起こり得る。
5045 流行色 一定の期間にわたり人々が好み,多く買われたり,使われた fashion colour
りする色
注釈1 流行色の直訳は“ファッションカラー(fashion
colour)”が一般的であるため,狭義にはファッシ
ョン関連分野での流行色を意味することが多い。
しかし,広義には衣食住にわたる幅広い産業分野
の対象物に使われることもある。流行現象が起こ
ると,その流行はやがて廃れていくが,その流行
期間はベーシックカラーよりも短い。市場ではベ
ーシックカラー及びトレンドカラーとともに市
場動向を左右する色となる。

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5046 (色による) 物体又は照明の色の違いによって対象物又は空間から感じ cool and warm
寒暖感 られる温度感 colours
注釈1 暖かく感じられる色を暖色(ウォームカラー),冷
たく感じられる色を寒色(クールカラー)と呼び,
一般に,暖色と寒色の中間の色は中性色と呼ばれ
る。
5047 色の面積効果 色の大きさによって色の見え及び印象が変化する現象 area effect of
注釈1 視角で数度から数十度の範囲の対象物の場合に colour
は,対象物が大きくなると色は明るく鮮やかに変
化して見えることが多い。一般にはこの意味で使
われる。
注釈2 非常に小さな対象物の場合には黄色及び青の色
がなくなり,白,黒,赤,緑の4色にまとまって
見える。これを小面積第3色覚異常という。
5048 記憶色 熟知された対象と連合して記憶された色 memory colour
注釈1 多くの場合,記憶色は,実際の色よりもより鮮や
かな色,より明るい色に変化する傾向がみられ
る。
5049 心理補色 有彩色をしばらく見つめた後に白色の面に目を移すと,色相 psychological
環で反対に位置する色の残像(補色残像)のこと complementary
注釈1 生理補色ともいう。 colours
注釈2 一方,加法混色によって白色となる有彩色の対は
物理補色(2013参照)という。一般に,ある色に
対する物理補色と心理補色とには僅かなずれが
見られる。
5050 構造色 それ自体が色をもたず,微細な物理的構造によって生まれる structural colours

注釈1 光がその波長よりも小さな対象物に当たること
によって生じる回折,干渉が生む色。そうした構
造には,薄膜(シャボン玉),一定間隔で並ぶ微細
な凹凸[CD盤,モルフォちょう(蝶)など],多
層膜(タマムシなど)などがある。
5051 ソリッドカラ 光輝材を含まず,着色顔料だけで作られた色 solid colours

5052 パールカラー はく(箔)状の雲母の表面に二酸化チタンがコーティングさ pearl colours
れたほぼ透明なパール顔料によって生まれる,真珠に見られ
る淡い虹色のような輝きをもつ色
5053 フリップフロ 見る角度,又は照明の位置を変えることによって,メタリッ flip-flop paint
ップ ク塗膜に見られる明度変化のこと
注釈1 特に車の塗装において重要な現象。メタリックカ
ラーの車をやや離れて見たときの全体的な明暗
又は色調変化のことであり,接近して見える粒子
感,キラキラ感などのミクロな光輝感とは別のマ
クロな光輝感である。

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JIS Z 8105:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60050-845:2020(MOD)

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