JIS Z 8105:2022 色に関する用語 | ページ 12

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Z 8105 : 2022
番号 用語 定義 参考
IEC 60050 対応英語
-845番号
5002 一次色 混色によって,より広い色域の色を作るための基本の3色 primary colours
注釈1 原色[5001のa)]と同義。プライマリーカラーと
もいう。
注釈2 一次色は,絵の具では一般に赤,黄,青といわれ,
印刷ではイエロー,マゼンタ,シアン,加法混色
では赤,緑,青のRGBとなる。
5003 二次色 異なる二つの一次色を混色して作られる色 secondary colours
注釈1 一次色が赤,黄,青(RGB)ならばその二次色は
黄赤,緑,紫となり,イエロー,マゼンタ,シア
ンを一次色とすれば赤,緑,青(RGB)が二次色
となり,RGBを一次色とすればイエロー,マゼン
タ,シアンがそれぞれ二次色となる。
5004 (色の)三属 視知覚の属性のうち,知覚色の見えを決める各々独立的な三 three dimensions
性 つの属性,すなわち色相知覚,明るさ知覚,飽和度知覚(慣 of colour,
習的には飽和度に変えて彩度知覚の用語も用いる)を指す three attributes of
注釈1 これらを尺度化した色相H,明度V,彩度C[JIS colour
Z 8721(色の表示方法−三属性による表示)参照]
は,表面色の表示に用いられる代表的な三属性で
ある。
注釈2 3011,3016,3022及び3023参照。
5005 色相環 赤−黄−緑−青−紫−赤と連続的に変化する色相知覚の質 colour wheel,
的変化を,その循環移行性に基づいて円環状に配置して示し colour circle,
たもの hue circle
注釈1 カラーオーダシステムの色相環は,通常,純色と
呼ぶ各色相を代表する最高彩度の色で構成され
る。
注釈2 3016参照。
5006 トーン 色の三属性のうち,明度と彩度とを合わせた複合概念 tone
注釈1 色調ともいう。
注釈2 色の明るさ,暗さ,薄さ,濃さ,鈍さ,鮮やかさ
などを示す形容詞を使用して表現される。事例と
しては,JIS Z 8102(物体色の色名)の系統色名に
おける“有彩色の明度及び彩度に関する修飾語”
に使用されている形容詞がそれに当たる。
5007 ヒュートーン 色相とトーンとを組み合わせて色を表示するカラーシステ hue and tone
(カラー) ムのこと colour system
システム 注釈1 ヒュー(hue)は色相,トーン(tone)は色調を意
味している。色は色相,明度,彩度の三属性があ
るため色立体を構成する。そこで,明度と彩度と
をトーンとして統合することで,色相とトーンと
いう二属性で表示できるようになる。そのためヒ
ュートーンシステムでは,色の一覧表を平面で体
系的に表示可能である。
5008 純色 様々な色相それぞれの等色相面において,その色相で最も彩 pure colour
度が高い色で,白·灰色·黒が含まれておらず,その色だけ
を感じさせる非常に鮮やかな色

――――― [JIS Z 8105 pdf 56] ―――――

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5009 清色 ある色相の純色に白又は黒を混色して得られる色で,純色, tint and shade
白,黒以外の色のうち,濁りが感じられない色の総称 variation (clear
注釈1 クリアカラーともいう。 colour)
注釈2 清色は等色相面の各明度段階で最も彩度が高い
領域にあり,色立体表面は純色,白及び黒を除い
て清色となる。
注釈3 純色に白を混ぜることで得られる色は明清色(チ
ントカラー,ティントカラー),純色に黒を混ぜる
ことで得られる色は暗清色(シェードカラー)と
呼んで区別する。
注釈4 清色調及びクリアトーンは,そのような色調を表
す。
5010 濁色 純色に灰色を混色してできる色で,濁りを感じさせる色 dull colour
注釈1 ダルカラーともいう。
注釈2 中明度を境として,明るい濁色を明濁色,暗い濁
色を暗濁色と2種に細分する場合もある。さらに,
中明度の濁色を中濁色,それより明度が高い色を
明濁色,中濁色よりも明度が低い色を暗濁色と3
種に細分化して呼ぶ場合もある。
5011 ニュートラル 白,灰色及び黒の彩度のない色のことで,無彩色ともいう neutral colour
(カラー) 注釈1 オフニュートラルカラー(5012参照)をも含めて
ニュートラルカラーとする場合がある。
5012 オフニュート 無彩色に僅かに色みが感じられる色のこと off-neutral
ラル(カラ 注釈1 彩度が低い色で,白·灰色·黒に近似した色は, colours
ー) ニュートラルカラーが僅かに色づいているため,
“色を含んだ(ニュートラルカラーから少し離れ
た)”の意である“off”を付けてオフニュートラル
カラーといわれるが,英語ではこの用語のように
無彩色全般に使える語はなく,白のオフホワイト
及び黒のオフブラックだけがある。
5013 系統色名 色を系統的に分類して表す系統色名呼称法に基づいて命名 systematic colour
された色名 names
注釈1 基本色名及びその基本色名の前に修飾語を付し
た色名によって構成される。
注釈2 系統色名呼称法はISCC-NBSが考案した色の命名
法で,色空間全体を系統的に分割し,基本色名及
びその基本色名の前に修飾語を付した色名を各
区画に割り当てる色名による色の表示方法の一
つ。
注釈3 日本産業規格では物体色の系統色名[JIS Z 8102
(物体色の色名)]及び光源色の系統色名[JIS Z
8110(色の表示方法−光源色の色名)参照]が定
められており,物体色については,三属性表示区
分によって対応する色名範囲が示され,光源色に
ついては,XYZ表色系の色度区分によっておよそ
の色名範囲が示されている。

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5014 慣用色名 慣用的な呼び方で表した色名 common colour
注釈1 特定の物体又は対象に固有の色を色名としたも name
のを固有色名というが,それら固有色名のうち,
日常的に使われ一般に広く知れわたっているも
のを慣用色名と呼ぶ。JIS慣用色名の中には,多
くの固有色名のほかに色を分類するための基本
色名も含まれている。
5015 配色 色の組合せ,又はある意図をもって複数の色を取り合わせる colour
こと combinations
注釈1 配色形式は,調和する色を合理的,計画的に選択
することを目的として,配色に用いる色の関係を
三属性又はトーンの差によって系統的に類型化
するもので,一般に,同系(similarity),中差
(intermediate),対照(contrast)などの分類が用い
られる。なお,同系は同一(identity)及び類似
(analogy)の2種に分類される場合がある。
注釈2 色相環の規則的分割又は色立体での幾何学的関
係で定義される配色類型は,ダイアド(色相環2
等分位置の補色2色相),スプリットコンプリメ
ンタリー(補色対の一方を隣接補色に分割),トラ
イアド(色相環3等分位置の3色相),テトラド
(色相4等分位置の4色相),ペンタド(色相環5
等分位置の5色相又はトライアドと白,黒),へク
サド(色相環6等分位置の6色相又はテトラドと
白,黒)に代表される。
注釈3 色相の自然連鎖の関係で定義される配色には,ナ
チュラルハーモニー(色相の自然連鎖に従う明暗
関係による類似色相配色)及びコンプレックスハ
ーモニー(色相の自然連鎖に逆らう明暗関係の配
色)がある。
注釈4 色相及びトーンの関係で定義される慣用的配色
は,トーンオントーン(同系色相濃淡配色),トー
ンイントーン(同系トーン配色),トーナル(濁色
系トーン配色),カマイユ(同一色相同系トーン配
色),フォカマイユ(類似色相同系トーン配色),
モノクローム(同一色相配色又は無彩色だけの配
色),モノトーン(同系トーン配色又はモノクロー
ムと同義)に代表される。
注釈5 日本の伝統配色には,季節,年齢などで使い分け
るかさね(襲)の色目[かさね(襲)装束の重ね
順による匂い,薄様,むらご(村濃)などの配色],
重ねの色目(狩衣の表裏による配色),織色(織糸
の経糸·緯糸による配色)のほか,うんげん(暈
繝)(同系色濃淡配列による対照色相対)などがあ
る。

――――― [JIS Z 8105 pdf 58] ―――――

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5016 配色構成 幾つかの色彩要素を,与えられた目的に従って一つの統一的 colour
な全体にまとめ上げること,又はその組立て composition
注釈1 配色構成の操作には,アクセントカラー(強調
色),セパレーションカラー(分割色),グラデー
ションカラー(階調色),ドミナントカラー(主調
色)などの技法が用いられる。
注釈2 配色構成のうち,一見単色に見える構成をフォユ
ニ,2色構成をビコロール,3色構成をトリコロー
ル,多色構成をマルチカラーという。
注釈3 配色構成に用いる色彩要素の面積バランスにコ
ントラストがある場合には,その視覚的優位性に
基づき,大面積を占めるものをドミナントカラー
(主調色),それに次ぐ面積のものをサブドミナ
ントカラー(副調色),小面積のものをサボーディ
ネートカラー(従属色,下位色)と呼ぶ。
注釈4 色彩計画における配色の構成要素は,対象物を構
成する部位が全体に占める面積の大小関係に基
づき,それぞれの色彩に求められる役割が整理さ
れており,色彩決定の順序もこれに従う。一般に,
大面積の部位に用いるベースカラー(基調色),中
面積の部位に用いるアソートカラー(配合色),小
面積の部位に用いるアクセントカラー(強調色)
に分類される。
注釈5 環境色彩では,対象場のベーシックカラー(背景
色)を加え,主対象のメインカラー(主要色),サ
ブカラー(副次色),アクセントカラー(強調色)
の分類も用いられる。
5017 色彩調和 色の取合せから得られる快い効果で,2色以上の色がその部 colour harmony
分相互の関係において互いに分離,排斥することなく統一さ
れた全体として,それぞれの色そのものより高次の効果を発
揮して快さを与える状態
注釈1 一般に容認されている調和原理にジャッド
(D.B.Judd)による,秩序性(orderly),親近性
(familiarity),類似性(similarity),明瞭性
(unambiguity)の4原理があり,配色構成の諸技
法に根拠を与える理論としての役割と機能をも
つ。幾つかの比較的重要な配色技法の用語は,
5015,5016に示す。
注釈2 調和形式(カテゴリー)は,一般に,同一性
(identity)の調和,類似性(similarity)の調和及
び対照性(contrast)の調和の3種に分類され,色
空間における配色形式の類型(5015の注釈1)は
この分類の上に立脚する。

――――― [JIS Z 8105 pdf 59] ―――――

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5018 ベースカラー 色彩設計において,対象物で大面積を占める部位に用いられ dominant colour
る色
注釈1 対象に求められるイメージを表現する地色又は
背景色としての役割を担う。基調色ともいう。対
象物の主調となる色で,アソートカラー(配合色)
及びアクセントカラー(強調色)を計画する上で
色彩調和の主軸となる色
注釈2 分野によってメインカラー(主要色)とも呼ぶ。
注釈3 配色において大面積を占め,アソートカラー(配
合色)との調和において対象のカラーイメージを
決定付ける色。面積バランスにおける視覚的に最
優位の色であることから,ドミナントカラー(主
調色)とも呼ぶ。
注釈4 デザイン業界においては,ベースカラー(基調色)
は上記のような大面積を占める色彩又は地色を
指す。これと似た表現でベーシックカラー(定番
色)がある。ベーシックカラー(5044参照)は,
マーケティング用語としての使われ方となり,マ
ーケットの中で主流を構成する色彩,定番色とい
う意味で使われる。
5019 アソートカラ 色彩計画において,対象物で中位の面積を占める部位に用い subordinate
ー る色 colours
注釈1 対象に求められるイメージを表現する図色とし
ての役割を担う色で,配合色ともいう。
注釈2 分野によってサブカラー(副次色)とも呼ぶ。
注釈3 配色においてベースカラー(基調色)に次ぐ中面
積を占め,ベースカラーとの取合せによってカラ
ーイメージを決定付ける色。
注釈4 先に決定されているベースカラーとの関係によ
って,配色は同一,類似又は対照のいずかに決定
される。
注釈5 面積バランスの視覚的優位性において,最優位と
なるドミナントカラー(主調色)に対するサブド
ミナントカラー(副次色),又はサボーディネート
カラー(従属色)に相当する(5016参照)。
5020 アクセントカ 配色構成において,注目点を強調することで,視覚的 accent colours
ラー な重心を与える色,又はそれによる配色技法
注釈1 強調色ともいう。
注釈2 一般に,周辺の色と対照的な色相の色,又は誘目
性の高い色を少量用いる。
注釈3 色彩計画において,対象物で小面積を占める部位
に用いる色。全体の印象を引き締める役割を担
う。
注釈4 変換性を備えた部位に用いられる場合にはアク
セサリーカラー(装飾色,補助色)とも呼ばれる。

――――― [JIS Z 8105 pdf 60] ―――――

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JIS Z 8105:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60050-845:2020(MOD)

JIS Z 8105:2022の国際規格 ICS 分類一覧