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Z 8126-1 : 2021
番号 用語 定義 量記号 単位 対応英語
1110 圧力 <境界面上において>表面上のある面積に,気体p Pa pressure of a
(3.1.4.1) によって作用される力の垂直成分をその面積で除 vacuum
したもの
注釈1 気体の流れが存在するときは,その質量
流量ベクトルに対して,面の方向を規定
する。
1111 圧力 <気体中の任意の点において>理想気体又は実在p Pa pressure of a
(3.1.4.2) 気体の状態方程式に従う気体の状態 vacuum
注釈1 理想気体の状態方程式が適用できると
き,微小空間における圧力pは,気体分
子密度n,ボルツマン定数k及び温度T
の積で表される。
注釈2 真空科学技術では,実用上,実在気体の
影響(気体分子自身の体積及び気体分子
同士の相互作用)を補正する必要がない
場合が多い。
注釈3 気体中の任意の点の圧力は,その点を含
む仮想の微小平面の片方の側から入射
する気体分子によって,単位面積当た
り,単位時間当たりに輸送される運動量
の面に垂直な成分の総和の2倍である
と定義することも可能である。空間内に
定常的な気体の流れがあるときは,流れ
の方向に対して面の傾きを規定する。
注釈4 圧力の単位は,国際単位系の圧力単位で
あるパスカル(Pa)を使用することが推
奨される。他の圧力の諸単位について
は,附属書JAを参照。ただし,これら
の単位は可能な限り使用を避けること
が望ましい。
1112 分圧 混合気体中の特定成分の圧力 pi Pa partial pressure
(3.1.5)
1113 全圧 混合気体中の全成分の分圧の総和 p Pa total pressure
(3.1.6) 注釈1 単に“圧力”といった場合,分圧である
か,それらの総和である全圧であるか
は,明確でない。
3.2 気体及び蒸気,並びにその特性を定義する用語
番号 用語 定義 量記号 単位 対応英語
1201 気体 見かけ上,分子が分子間力によって運動の制限を gas
(3.2.1) 受けないで空間を自由に満たせる状態にある物質
注釈1 真空科学技術では,“気体”という用語
は,非凝縮性気体及び蒸気の両方を表し
ている。
1202 非凝縮性気 温度がその物質の臨界温度以上になっていて,圧 non-
(3.2.2) 体 力の増加だけでは凝縮相に変化させることができ condensable
ない気体 gas
1203 蒸気 温度がその物質の臨界温度以下になっていて,圧 vapour
(3.2.3) 力の増加だけで凝縮相に変化させることが可能な
気体
――――― [JIS Z 8126-1 pdf 6] ―――――
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Z 8126-1 : 2021
番号 用語 定義 量記号 単位 対応英語
1204 飽和蒸気圧 ある温度において,凝縮相と熱力学的平衡に達しpL Pa saturation
(3.2.4) ている蒸気が示す圧力 vapour
pressure
1205 飽和度 ある温度における蒸気の圧力とその飽和蒸気圧と degree of
(3.2.5) の比 saturation
1206 飽和蒸気 ある温度において,飽和蒸気圧に等しい圧力を示 saturated vapour
(3.2.6) す蒸気
注釈1 蒸気は,対象とする物質の凝縮相と熱力
学的に平衡状態にあるときには,いつも
飽和状態にある。
1207 不飽和蒸気 ある温度において,飽和蒸気圧より低い圧力を示 unsaturated
(3.2.7) す蒸気 vapour
1208 気体分子密 気体の中の特定の点及びある瞬間において,あるn m-3 number density
(3.2.8) 度 特定の点を囲む適切に選択された体積の中に含ま of molecules
れる気体分子の数を,その体積で除したもの
注釈1 より正確には,適切な統計的平均が得ら
れるように,時刻tを中心とした短い時
間間隔Δtにおける時間平均をとる。
1209 単位質量密 気体の質量密度をその圧力で除したもの kg m-3 Pa-1
unitary mass
(3.2.9) 度 density
1210 流速 時間tにおける,その特定の点を囲む適切に選択v,u m s-1 bulk velocity,
(3.2.10) された体積の中の分子群の平均速度 hydrodynamic
注釈1 その体積は,統計的に意味のある十分大 velocity,
きな数の分子を含み,かつ,得られた値 local flow
が,隣接する体積の値と著しく変化しな velocity
い程度に小さい必要がある。
注釈2 bulk velocityは,流路内の断面平均流速
を表す場合もある。
1211 温度 T
流速の定義で用いた同じ微小体積の中で,時間tに K temperature
(3.2.11) おける,分子の平均運動エネルギーに比例する量
注釈1 流速(1210)の定義を参照。
1212 気体の量, 気体の圧力と体積との積 pV Pa m3 quantity of gas
(3.2.12) pV値 注釈1 気体の温度を指定する。 in pressure-
注釈2 この物理量は,気体の質量をその単位質 volume units
量密度で除した値に等しい。
注釈3 この物理量は,その体積に含まれる気体
分子の並進運動エネルギーの総和の3
分の2に等しい。
――――― [JIS Z 8126-1 pdf 7] ―――――
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3.3 気体分子の移動及び気体の流れを特徴づけるために必要な用語
番号 用語 定義 量記号 単位 対応英語
1301 平均自由行 l,λ
気体(一般には粒子の集合系)の中を自由に動き m mean free path
(3.3.1) 程 回る粒子(分子,原子,電子,イオン,中性子など) of molecules
が同種又は異種の粒子と次々に衝突する場合,相
続く衝突間に粒子が飛行した距離の平均
注釈1 平均をとるに当たっては,統計的に意味
のある値が得られるように,十分大きな
数の分子数を取り,また,十分長い時間
に対して平均をとることが望ましい。
注釈2 平均自由行程の概念では,通常,分子の
相互作用は分子のある一定の距離で遮
断されると仮定される(剛体球モデル又
はカットオフポテンシャル)が,他の種
類の相互作用(例えば,レナードジョー
ンズポテンシャル)を用いて定義するこ
とも可能である。この場合,その平均自
由行程は,観測している気体と同じ粘
性,温度及び密度をもつとした剛体球モ
デルでの値と等しくなる。
1302 クヌーセン K,
流れの特性を表す無次元量の一つであって,流れ Knudsen
(3.3.2) 数 Kn
を特徴づける代表的な長さに対する分子の平均自 number
由行程の比
注釈1 流れを特徴づける代表的な長さは,円形
導管においては直径となり,く(矩)形
管においては短辺の長さとなる。
1303 希薄係数, 分子の平均自由行程に対する,流れを特徴づける rarefaction
(3.3.3) 希薄パラメ 代表的な長さの比 parameter
ータ 注釈1 流れを特徴づける代表的な長さは,円形
導管においては直径となり,く(矩)形
管においては短辺の長さとなる。
注釈2 希薄係数はクヌーセン数に逆比例する。
1304 衝突頻度 気体(一般には粒子の集合系)の中を自由に動き s-1 collision rate
(3.3.4) 回る粒子が単位時間に受ける衝突の平均回数
注釈1 衝突に関与する粒子の種類を指定する
ことがある。また,この平均衝突回数は,
統計的に意味のある値を得るために,十
分大きい数の分子に対し,また,十分長
い時間間隔に対して,平均化することが
望ましい。
1305 拡散 気体が媒質中における濃度勾配によって移動する diffusion of gas
(3.3.5) 現象
注釈1 媒質は,他の気体(この場合を相互拡散
という。)又は凝縮相であってもよい。
1306 拡散係数 拡散の分子流量密度を密度の勾配で除した値 D m2 s-1 diffusion
(3.3.6) coefficient,
diffusivity
1307 粘性流 気体分子の平均自由行程が導管断面の最小寸法よ viscous flow
(3.3.7) りも十分に小さい場合に起こり,それゆえ粘性に
依存する導管を通過する気体の流れ
注釈1 粘性流には,層流と乱流とがある。
――――― [JIS Z 8126-1 pdf 8] ―――――
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番号 用語 定義 量記号 単位 対応英語
1308 ポアズイユ 気体の圧力差によって生じる,長い導管を通過す Poiseuille flow
(3.3.8) の流れ る気体の流れ
注釈1 気体の流れが,円形導管を通過する層流
の場合,特に,ハーゲン·ポアズイユ流
れと呼ぶ。
1309 分子流 気体分子の平均自由行程が,導管断面の最大寸法 molecular flow
(3.3.9) よりも十分に大きい場合の導管内の気体の流れ
1310 中間流 粘性流と分子流との中間の条件にある導管内の気 intermediate
(3.3.10) 体の流れ flow,
transitional flow
1311 すべり流 気体分子の平均自由行程が,流れを特徴づける代 slip flow
(3.3.11) 表的な長さよりもやや小さく,管内壁上で気体の
流れがすべり状態になる導管内の気体の流れ
注釈1 流れを特徴づける代表的な長さの定義
は,クヌーセン数(1302)参照。
注釈2 粘性流のとき,管内壁での流速はゼロと
されるが,すべり流のときはゼロではな
いと仮定する。
注釈3 すべり流は,中間流と粘性流との中間の
状態である。
1312 分子の噴出 厚さを無視できるオリフィスにおいて,気体分子 molecular
(3.3.12) し, の平均自由行程が,オリフィス開口の最大寸法よ effusion,
分子噴流 り十分大きい場合の気体の流れ effusive flow
1313 遷移 ポーラス(多くの穴が開いている)状態の固体の transpiration
(3.3.13) 中を圧力差によって気体が流れる現象
1314 熱遷移,サ 温度が異なる二つの容器が導管で結ばれている場 thermal
(3.3.14) ーマルト 合に,分子流領域において気体の流れが生じる現 transpiration
ランスピ 象
レーショ 注釈1 気体の移動が平衡に達すると,圧力勾配
ン が生じる。
1315 分子流量, 空間内のある面を単位時間に通過する気体分子のqN s-1 molecular flow
(3.3.15) 分子束 正味の数 rate
注釈1 正味の数とは,ある方向に面を通過する
気体分子の数と反対方向に通過する気
体分子の数との差。
1316 分子流量密 単位面積当たりの分子流量 m-2 s-1 molecular flow
(3.3.16) 度, rate density,
分子束密度 density of
molecular
flux
1317 (気体の) 導管のある断面又はオリフィスを通過する単位時qpV Pa m3 s-1throughput
(3.3.17) 流量, 間当たりの気体の量(pV値)
pV値流量 注釈1 気体の流量(Pa m3 s-1)は,質量流量を,
単位質量密度で除した値に等しい。
注釈2 気体の温度を指定することが望ましい。
1318 質量流量 空間内のある面を単位時間に通過する気体の質量qm kg s-1 mass flow rate
(3.3.18)
1319 体積流量 ある温度及びある圧力において,空間内のある面qV m3 s-1 volume flow
(3.3.19) を単位時間に通過する気体の体積 rate
――――― [JIS Z 8126-1 pdf 9] ―――――
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番号 用語 定義 量記号 単位 対応英語
1320 モル流量 空間内のある面を単位時間に通過する気体のモルq mol s-1 molar flow rate
(3.3.20) 数
1321 マクスウェ マクスウェル·ボルツマンの速度分布関数で表さ maxwellian
(3.3.21) ルの速度 れる速度分布 velocity
分布, 注釈1 マクスウェルの速度分布は,ある温度に distribtution,
マクスウェ おいて熱平衡に達している気体分子の Maxwell-
ル·ボル 速度分布である。 Boltzmann
ツマン分 velocity
布 distribution
1322 通過確率, 導管の入口に入射した分子が出口を通過する確率Pc transmission
(3.3.22) クラウジ probability,
ング係数 Clausing factor
1323 分子流コン CN,
分子流量を,オリフィスの両側,導管などにおけ m3 s-1 molecular
(3.3.23) ダクタン る二つの断面の平均気体分子密度の差で除した値UN conductance
ス
1324 コンダクタ C,U
等温状態を仮定したとき,流量を,オリフィスの m3 s-1 conductance
(3.3.24) ンス 両側,導管などの二つの断面における圧力の差で
除した値
1325 固有コンダ Ci,Ui
マクスウェルの速度分布が成立しているとみなせ m3 s-1 intrinsic
(3.3.25) クタンス る状態にある二つの容器が,導管(又はオリフィ conductance
ス)によって接続されている場合のコンダクタン
ス
注釈1 分子流の場合,固有コンダクタンスの値
は,厚さをゼロとした通過開口部のコン
ダクタンスと通過確率との積に等しい。
1326 抵抗 コンダクタンスの逆数 w m-3 s resistance
(3.3.26)
1327 気体分子の 気体分子の速さの統計平均値 m/s arithmetical
平均速度 注釈1 マクスウェルの速度分布が成立してい average
るとみなせる純粋な気体において,気体 velocity,
分子の平均速度は 8kTπm
に等しい。こ arithmetical
こで,kはボルツマン定数(JK-1),Tは mean velocity
温度(K),mは気体分子1個当たりの
質量(kg)である。
注釈2 気体分子の平均速度は,算術平均速度,
又は熱平均速度と呼ばれる場合もある。
注釈3 気体分子の速度分布の代表値として,こ
のほかに,確率密度分布の最大値を表す
最確速度,又は速さの二乗の統計平均の
平方根を表す二乗平均速度がある。
――――― [JIS Z 8126-1 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8126-1:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3529-1:2019(MOD)
JIS Z 8126-1:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.160 : 真空技術
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.23 : 流体システム及び構成要素(用語集)