この規格ページの目次
JIS Z 8150:2017 規格概要
この規格 Z8150は、子どもが死亡又は重傷を負う可能性を,最小限に抑えることができるよう,製品を設計・開発するための一般原則を規定。
JISZ8150 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8150
- 規格名称
- 子どもの安全性―設計・開発のための一般原則
- 規格名称英語訳
- Child safety -- General principles for design and development
- 制定年月日
- 2017年12月20日
- 最新改正日
- 2017年12月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 13.120, 97.190
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 2017-12-20 制定
- ページ
- JIS Z 8150:2017 PDF [33]
Z 8150 : 2017
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1 適用範囲・・・・[1]
- 2 引用規格・・・・[1]
- 3 用語及び定義・・・・[1]
- 4 科学的アプローチ・・・・[3]
- 4.1 一般・・・・[3]
- 4.2 子どもの特性に起因する事故の特徴の理解・・・・[3]
- 4.3 子どもの身体特性及び行動特性の理解・・・・[3]
- 5 子どもの安全性確保のための活動・・・・[3]
- 5.1 一般・・・・[3]
- 5.2 事故情報の確認及び対処・・・・[4]
- 5.3 設計・開発の評価又は検証及び改善・・・・[4]
- 5.4 利用者への情報の伝達・・・・[4]
- 5.5 事故情報及びユーザーニーズの蓄積並びに活用・・・・[5]
- 6 リスクアセスメント・・・・[5]
- 6.1 一般・・・・[5]
- 6.2 意図する使用及び合理的に予見可能な誤使用の同定・・・・[6]
- 6.3 ハザードの同定・・・・[6]
- 6.4 リスクの見積り・・・・[7]
- 6.5 リスクの評価・・・・[8]
- 7 危害の軽減及び防止の対策・・・・[8]
- 7.1 一般・・・・[8]
- 7.2 ステップ1 : 本質的安全設計・・・・[8]
- 7.3 ステップ2 : ガード及び保護装置・・・・[8]
- 7.4 ステップ3 : 使用上の情報・・・・[8]
- 7.5 残留リスクへの方策・・・・[9]
- 7.6 使用段階のリスク低減・・・・[9]
- 附属書A(参考)複合要因による事故事例・・・・[10]
- 附属書B(参考)子どもの安全性確保のための活動事例・・・・[14]
- 附属書C(参考)子どもの事故事例分析のためのデータベース等・・・・[19]
- 附属書D(参考)子どもの安全性確保のための製品の設計に資するデータ及び知見・・・・[22]
- 附属書E(参考)危害の軽減及び防止の対策事例・・・・[26]
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS Z 8150 pdf 1] ―――――
Z 8150 : 2017
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(pdf 一覧ページ番号 2)
――――― [JIS Z 8150 pdf 2] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 8150 : 2017
子どもの安全性−設計・開発のための一般原則
Child safety-General principles for design and development
序文
子どもの探索行動又は事物への興味及び関心を示す行動は,子どもの成長・発育過程において自然な行
為であり,発育に必要な行為である。一方で,子どもの事故には子ども特有の行動特性及び心理特性に起
因しているものも多い。重要な点は,子どもの自然な行動を阻害することなく,かつ,重篤な事故につな
がらない対策を打つことである。子どもの安全に関する考え方の基本は,危険源の察知及び危険回避の能
力の発達を妨げるものではなく,死亡又は重傷を負うような事故を回避することにある。
子どもの事故の中には,対象となる利用者を特定した各業界の安全規格だけでは防ぎきれない事例が存
在する。これらの事故を防ぎ,子どもが深刻な傷害を負う状況を避けるためには,過去の子どもの事故情
報並びに子どもの行動特性及び心理特性に基づいた対策が必要である。この規格は上記の考えに基づいて,
製品などの設計・開発において子どもの安全性確保に必要な活動を規定するものであり,独立して使用さ
れることも,各業界の安全規格と併存する場合もある。
1 適用範囲
この規格は,子どもが死亡又は重傷を負う可能性を,最小限に抑えることができるよう,製品を設計・
開発するための一般原則を規定する。
この規格は,あらゆる製品を提供する事業者を対象とし,子どもを直接の利用者と想定した製品だけで
なく,子どもが遭遇すると思われる製品の設計・開発において,事業者の規模,業種,業態にかかわらず,
適用される。
この規格は,故意の危害(例えば,虐待)又は心理的危害(例えば,脅迫)のような非肉体的危害の防
止に関する指針は提供していない。
注記 環境及びサービスは,この規格の適用範囲には含まないが,環境及びサービスの設計・開発に
おいて,この規格を参考にすることができる。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8050 安全側面−規格及びその他の仕様書における子どもの安全の指針
JIS Z 8051 安全側面−規格への導入指針
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8050及びJIS Z 8051によるほか,次による。
――――― [JIS Z 8150 pdf 3] ―――――
2
Z 8150 : 2017
3.1
環境(environment)
住宅・建築物など人が存在する場所及び空間。
注記 この用語は,箇条1にだけ適用される。
3.2
ケアラー(carer)
個々の子どもの安全について,一時的であれ,責任を果たす人,又は子どもの世話をする人。
注記 ケアラー(carer)は,“ケアギバー(caregiver)”と(海外では)いうこともある。
例 親,祖父母,子どもに対して限定的な責任を与えられた兄弟姉妹,その他の親戚,大人の知り合
い,ベビーシッター,教師,保育士,ユースリーダー(青少年施設の指導員),スポーツコーチ,
キャンプ生活の指導員,保育所就業者。
(JIS Z 8050,3.1を参照。)
3.3
子ども(child)
14歳未満の人。
注記 年齢は各業界の基準・法令によって異なる年齢制限を採用する場合もある。
3.4
サービス(service)
組織と顧客との間で必ず実行される,少なくとも一つの活動を伴う組織のアウトプット。一般に無形で
ある。
3.5
事故(accident)
製品によって危害が引き起こされること。又は製品を利用中に,利用者に危害が引き起こされること。
3.6
製品(product)
組織と顧客との間の処理又は行為なしに生み出され得る,組織のアウトプット。一般に有形である。ハ
ードウェア,素材製品,ソフトウェアなどに分類される。
3.7
ドキュメント(documents)
製品の利用に関わる情報を伝達するための資料。取扱説明書,カタログ,情報伝達シートなど。
3.8
プロセス(process)
インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
3.9
リスク低減(risk reduction)
ハザードを除去するか,又はリスクを低減する。
3.10
利用者(user)
製品の提供を受ける側。
――――― [JIS Z 8150 pdf 4] ―――――
3
Z 8150 : 2017
4 科学的アプローチ
4.1 一般
子どもの安全を確保するためには,製品の設計・開発に科学的なアプローチを取り入れ,子どもの特性
に起因する事故の特徴を理解し,事故を繰り返さないことが重要である。
科学的アプローチには,次のようなものがある。
a) 過去の事故情報及び利用者から寄せられた情報を参照して子どもの特性に起因する事故の特徴を理解
する。
b) 身体寸法データベース及び研究成果などの資料を参照して,子どもの身体特性及び行動特性を理解す
る。
4.2 子どもの特性に起因する事故の特徴の理解
子どもの特性に起因する事故には,次のような共通する傾向がある。
4.2.1 複合要因による事故
事故は単一製品が原因で発生するばかりでなく,他の製品又は環境などとの関わりにおいて引き起こさ
れることがある。製品と製品との組合せ,製品と環境又はその他の要因との組合せによる事故を予測し,
対策を行うことが必要である。附属書Aなどを参照し,過去の事故情報から事故が発生した状況,関わっ
た製品などの相互関係を推測することが有効である。
4.2.2 子どもの発育及び行動
子どもは発育に応じて,体の大きさ,運動能力,感覚機能,反応時間などが急速に変化する。子どもの
発育に伴う行動特性が引き起こす事故を予測し,対策を行うことが必要である。事故情報から年齢ごとに
発生し得る事故の分析を行い,事故の頻度,重篤度を知ることが有効である。
4.2.3 子どもの認識,知識及び経験の度合い
子どもの事故の多くは認識,知識及び経験の度合いが低いことから発生する。子どもの認識,知識及び
経験の度合いから,注意喚起は必ずしも有効でない場合も多い。年齢ごとの子どもの認識,知識を踏まえ,
製品特性又は使用実態に合わせた予測及び対策が必要である。
4.2.4 社会的及び環境的要因
子ども及びケアラーのライフスタイルは,社会状況によって絶えず変化する。社会的及び環境的要因に
よる事故を回避するためには,最新の事故情報を入手し,常に新しい社会及び環境の下で,子どもが傷害
を受ける可能性を推測することが有効である。
4.2.5 ケアラーの認識若しくは知識,経験,又は監督の度合い
ケアラーにおいても認識,知識及び経験には個体差がある。又は不特定多数の子どもを対象に行動する
場合もある。保育においては,人による監督には限界があると考えることが妥当である。また,監督下で
あっても常に事故を防止できるとは限らない。
4.3 子どもの身体特性及び行動特性の理解
子どもは発達段階にあり,身体をはじめ,感覚,運動能力,情緒,認知などの諸機能は段階を追って成
長する。子どもの身体特性及び行動特性の理解に当たっては,附属書Dに記載するような,実験又は計測
を根拠とする実証的資料を参照し,活用することが望ましい。
5 子どもの安全性確保のための活動
5.1 一般
子どもの安全性確保のためには,製品の設計・開発を通じて,次に示す四つの活動を行うことが求めら
――――― [JIS Z 8150 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS Z 8150:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 97 : 家庭用及び商業用設備.娯楽.スポーツ > 97.190 : 小児用設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.120 : 家庭内の安全
JIS Z 8150:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8050:2016
- 安全側面―規格及びその他の仕様書における子どもの安全の指針
- JISZ8051:2015
- 安全側面―規格への導入指針