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Z 8402-5 : 2002 (ISO 5725-5 : 1998)
g 試験室において一つの測定水準でテストする試料数
H サンプルの偶然誤差を表す測定結果の成分
K セル内測定結果数によって決まる係数
p' 共同試験室実験に参加する試験室数
SS 平方和
uL ロバストな解析における下限より小さいデータ数
uU ロバストな解析における上限より大きいデータ数
z 残差
Φ 標準偏差の比
ロバストな解析に使用する限界(アルゴリズムA)
η ロバストな解析に使用する限界係数(アルゴリズムS)
ψ ロバストな解析に使用する限界(アルゴリズムS)
ζ ロバストな解析に使用する調整係数(アルゴリズムS)
JIS Z 8402-5で下付き添字として追加使用する記号
a,b 水準分割実験のサンプルの識別子
t 試験室i水準jのサンプルの識別子
H サンプル間
JIS Z 8402-5で上付き添え字として追加使用する記号
*
ロバストな推定値
――――― [JIS Z 8402-5 pdf 56] ―――――
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Z 8402-5 : 2002 (ISO 5725-5 : 1998)
附属書B(参考) アルゴリズムA及びSで用いられる係数の誘導
B.1 はじめに Royal Society of Chemistry(英国王立化学協会)のAnalytical Methods Committee(分析方法
委員会)[参考文献[6]参照]は,精度評価実験のデータを解析するロバストな方法を提案した。この規格の
この部の“アルゴリズムA”は,その協会の論文から誘導した。また,アルゴリズムAにおいてs*を計算
するための係数1.134もその論文から引用した(これは,この論文においてc=1.5の場合の /1 の値で
ある)。
“アルゴリズムS”は,参考文献[6]の手順に類似したアルゴリズムであり,各試験室が測定水準ごとに
測定値をn=2個報告する特別の場合に相当する。この方法は,ロバストな解析を三つ以上の因子が存在す
る精度評価実験(例えばこの規格のこの部の5.の不均質物質の計画,及びJIS Z 8402-3のスタッガード型
枝分れ計画)に適用する場合に便利である。
次にアルゴリズムSに使用する係数を誘導する。
B.2 この附属書において使用する記号
σ 真の標準偏差
s σの推定値として用いる標準偏差
ν sの自由度
ω ν+2
ξ アルゴリズムSの調整係数
η アルゴリズムSの限界係数
χν2 自由度νのカイ二乗分布に従う確率変数
s s ησの場合
s*=
φσ s ησの場合
B.3 限界係数η及び調整係数ξの導出
調整係数ξとは,(s*)2がσ2の不偏推定値を与えるようs*を調整するための値をいう。
すなわち,
E[{(ξ×s*)2}]=σ2 (B.1)
である。これは次のように表される。
E[{ν(s*/σ)2}]=ν/ξ2 (B.2)
ここに{}内の値はν(s/σ)2,すなわち,カイ二乗変量χν2に緊密に関連している。
カイ二乗変量χν2の確率密度関数は,
f(x)=e−x/2x(ν/2−1)2−ν/2/Γ(ν/2) (B.3)
2νη2
である。したがって,限界 s ησ はν(s/σ) と同じであるため,
νη2
* 2 2
E[{ν(s σ)}]=xf(x) dx+νη f(x) dx (B.4)
0 νη2
である。
(B.4)の右辺の第2項は
――――― [JIS Z 8402-5 pdf 57] ―――――
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Z 8402-5 : 2002 (ISO 5725-5 : 1998)
2
νη P(xν2 2 2
νη )=νη P(s ησ) (B.5)
である。アルゴリズムSについては,ησがsの分布の上側10 %点となるよう限界係数ηを選択する。
したがって,
P( s ησ)=1.0 (B.6)
である。
Biometrika Tables(バイオメトリカの統計数値表)のカイ二乗分布表から,この規格のこの部の表23の
ηの値を得る。式(B.5)及び式(B.6)は,式(B.4)の右辺の第2項の値が0.1νη2であることを示す。ηはs
の自由度に依存することに注意されたい。
式(B.4)の右辺の第1項は,次のように書ける。
νη2
xex 2xν 2 1 2 ν 2
Γν 2d
0
ω=ν+2の場合,ガンマ関数にはよく知られた次の性質がある。
Γ(ν 2)
Γ(ω 2)=Γ(ν 2+1)=(ν 2)
したがって,この式の第1項は,次のように書き換えられる。
νη2
2 ω 2−1 2
−
νex x 2−ω 2 P(xω
Γ(ω 2) dx=ν 2
νη )=νz (B.7)
0
その結果,与えられた自由度νに対して,上述の方法でηを計算し,Biometrika Tables(バイオメトリカ
の統計数値表)のカイ二乗分布表を再度使用してzを求め,式(B.4)の右辺の二つの項を求めることができ
る。
式(B.2),式(B.5),式(B.6),及び式(B.7)を式(B.4)に代入すると
2
νξ =ν z+1.0νη2
又は
ξ=1 z+1.0η2 (B.8)
となる。
この値を用いて,この規格のこの部の表23の調整係数ξを得ることができる。
――――― [JIS Z 8402-5 pdf 58] ―――――
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Z 8402-5 : 2002 (ISO 5725-5 : 1998)
附属書C(参考) ロバストな解析に使用する式の誘導
参考 この規格では“ロバストな”という言葉を,“外れ値の影響を受けにくい”という意味で用いて
いる。
6.2.6に述べた方法によって,式(62)及び式(63)を用いて平均値と標準偏差のロバストな値を計算する。
この式二つは,6.2.4(アルゴリズムA)の式(60)及び式(61)から次のようにして導かれる。
6.2.4及び6.2.6の記号を用いると
*= i*
x x p (C.1)
x'= (C.2)
' xi( p−uL−uU )
及び
s'= '(xi−x' )2
( p−uL−uU−1) (C.3)
である。
ここに, 'は,
ix*i
x− となる( p−uLu
− U ) 個のデータxiに関する総和を表す。
したがって,式(C.1)は,次のように書き表される。
p x*= xi*
= (x*+5.1s* )
(x*−5.1s* )+uU
' xi+uL
したがって,
( p−uL−uU ) x*=( p−uL−uU ) s*
x'+(uL−uU )
となる。これから次の式を得る。
x*=x'+5.1(uU−uL ) s* ( p−uL−uU )
(C.4)
これは6.2.6の式(62)である。
式(61)から式(63)を導くため,式(61)の中において,総和項を次のように展開する。
* * 2
(xi−x ) =
* 2 * 2
(C.5)
'(xi−x ) +(uL+uU ) (5.1s )
式(C.4)を用いて,総和項のx*にこれを代入してまとめると
( puL+puU−4uLuU ) ( p−uL−uU ) (C.6)
* * 2 2 * 2
(xi−x ) ='(xi−x' ) +(5.1s )
となる。
式(C.3)の'sの定義を用いて,これを次のように書き変える。
* * 2 2 * 2
( puL+puU−4uLuU ) ( p−uL−uU )
(xi−x ) =( p−uL−uU−1) (s' ) +(5.1s )
(C.7)
式(C.7)を式(61)に代入して式(63)を得る。
――――― [JIS Z 8402-5 pdf 59] ―――――
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Z 8402-5 : 2002 (ISO 5725-5 : 1998)
附属書D(参考) 参考文献
[1] BS 812-103 : 1985, Testing aggregates―Part 103 : Methods for determination of particle size distribution.
British Standard Institution.
参考 BS 812-103に相当する国内規格としてJIS A 1102 : 1999“骨材のふるい分け試験方法”がある。
[2] BS 812-121 : 1989, Testing aggregates―Part 121 : Methods for determination of soundness. British Standard
Institution.
[3] BS 3144 : 1968, Methods of sampling and physical testing of leather. British Standard Institution.
参考 BS 3144に相当する国内規格としてJIS K 6550 : 1994“革試験方法”がある。
[4] Scheffe, H. The analysis of variance. Wiley, New York, 1959.
[5] Sweeney, Generic Combustion Method for Determination of Crude Protein in Feeds : Collaborative Study.
Journal of the Association of Offical Analytical Chemists, 72, 1989, pp. 770-774.
参考 ISO 5725-5 : 1998では,[5]の論文名が“An inter-laboratory study of the determination of protein
by combustion in feeds”と誤って記述されているため,上記の正しい論文名を記述した。
[6] Analytical Methods Committee, Robust statistics―How not to reject outliers. Part 1 : Basic concepts. Part 2 :
Inter-laboratory trials, The Analyst, 114, 1989, pp. 1693-1697 (part 1), pp. 1699-1702 (part 2). Royal
Society of Chemistry, London.
参考 ISO 5725-5 : 1998では,[6]のページ番号が誤って“pp. 1653-1697 (part 1)”と記述されてい
ため,正しいページ番号を記載した。
[7] Youden, W. J. The Youden plot. Industrial Quality Control, 15, 1959, pp. 133-137.
[8] Mandel, J. and Lashof, T. W. Interpretation and Generalization of Youdens Two-Sample Diagram. Journal of
Quality Technology, 6, 1974, pp. 22-36.
日本工業標準調査会標準部会 基本技術専門委員会 構成表
氏名 所属
(委員会長) 今 井 秀 孝 独立行政法人産業技術総合研究所
(委員) 大 井 みさほ 東京学芸大学名誉教授
尾 島 善 一 東京理科大学理工学部
加 藤 久 明 日本デザイン学会
小松原 仁 財団法人日本色彩研究所
橘 秀 樹 東京大学生産技術研究所第5部
田 森 行 男 財団法人日本品質保証機構
徳 岡 直 静 慶應義塾大学理工学部
藤 咲 浩 二 社団法人日本産業機械工業会
前 原 郷 治 社団法人日本鉄鋼連盟
村 上 陽 一 社団法人日本電機工業会
山 村 修 蔵 財団法人日本規格協会
JIS Z 8402-5:2002の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5725-5:1998(IDT)
JIS Z 8402-5:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.020 : 度量衡及び測定一般
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用
JIS Z 8402-5:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8101-1:2015
- 統計―用語及び記号―第1部:一般統計用語及び確率で用いられる用語
- JISZ8101-2:2015
- 統計―用語及び記号―第2部:統計の応用
- JISZ8101-3:1999
- 統計―用語と記号―第3部:実験計画法