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Z 8503-1 : 2002 (ISO 11064-1 : 2000)
参考 動的割当ての結果,人間が機械の役割を実行できるように,追加情報又は支援システムが必要
になることもある。この割当ての過程は,本質的には多くのステップが存在する繰返し過程で
あり,このような繰返しから一応の最終的な割当て案が得られる。
配分の過程はすべての段階で適切に文書化し,そのデータをそれ以降の設計に役立てなければなら
ない。各ステップで取るべき手順を表1に示す。
表1 人間及び機械に対する機能・タスクの役割分担を決定する基本手順
No. ステップ 手順
1 必然的割当て 1.1 自動化が必然の機能・タスクは,機械に割り当てる。
− 安全及び法規制の要件に合う役割分担 1.2 手動が必然の機能・タスクは,人間に割り当てる。
2 2.1 人間及び機械によって満足に履行できないタスクを回
システムの安全性と信頼性を確保した上で,人
間の特質,技能と特徴の観点からの初期割当て 避するためシステムを再設計する。
− 行動特性に従った割当て 2.2 手動では満足に履行できない機能・タスクを機械に割
り当てる。自動化が必然の機能・タスクとして取り扱
う(上記1.1参照)。
2.3 自動的には満足に履行できない機能・タスクを人間に
割り当てる。手動が必然の機能・タスクとして取り扱
う(上記1.2参照)。
2.4 機械及び/又は人間に適合する機能・タスクをそれぞ
れに初期割当てする。
2.5 初期にどちらとも決められない機能・タスクはそのま
まにしておく。
3 認知と情動の支援基準による割当て 3.1 認知と情動の基準に従って,2.4で割り振った機能・タ
− 人間工学とシステム効率の観点からの相 スクの再割当てを検討する。
補的又は弾力的割当て 3.2 ユーザーが割り当てを変更できるように,相補的又は
弾力的な割り当てを検討する。
4 自動化の可能性の確認 4.1 人間に割り当てた機能・タスクは利用できる自動化技
術で効果的に置き換えられるかを判断する。
5 人間の能力の可能性の確認 5.1 運転支援システムの供用可能性を勘案して,人間に割
− 信号検知,情報収集及び意思決定に基づ り当てられた機能・タスクが有効に実施できるかを評
く運転支援システムが支援できるタスク 価する。システムが現状得られる技術レベルで実施可
の選択 能かを決定する。
6 割当ての評価 6.1 もし提案した機能・タスクの割り当てが非実用的,改
− 反復・修正の必要性の判断 善が更に必要,又はステップ5と6に容認できない技
術的限界があった場合,割当て手順を繰り返す。
表1は,人間と機械への機能配分の基本的な手順を示す。
参考 主要な目的は,人間の能力,人間の特性及び人間の尊厳などの人間工学的配慮が完全になされ
た機能配分を達成することである。
技能レベル,文化的背景の相違,教育レベル,及び障害の有無などのユーザーの母集団の幅に特別に考
慮するのがよい。この手順は,すべての機能について配分が十分に整合するまで,繰り返す方がよい。
7.4 ステップ4 : タスクの定義
ステップ3で人間に割り当てた機能から,タスクの基本的な要素を決め
るために,タスク分析を行う。考慮すべきタスクの基本的要素には,手作業と認知作業,タスクの頻度,
継続時間,複雑さ,意思疎通に必要な条件,作業環境条件,その他与えられたタスクを一人又は複数でこ
なすために必要な人間固有の要因などを含む。文書には,系統的な細分化に基づいたタスクの要素を記録
しなければならない。
基本的なタスクと関連する制約条件(タイミングと頻度の要求,制御への介入,前提条件,安全要件,
作業環境条件など。)を明らかにする手段としてウォークスルー,トークスルーその他の調査・検討手段を
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考慮したほうがよい。制御対象の特徴(変数の数,挙動が連続か離散かなど。)も考慮する。
タスク分析には,過去の経験や革新と改良の見通しに基づいた技術的解決案を含まなければならない。
ステップ4の出力情報 :
− 機能的要件及び関連する人間工学的要件(速さ,正確さ,論理など)を満たすために行うタスク。
タスク分析の方法については,参考文献11を参照。
7.5 ステップ5 : 職務設計と作業組織の編成
職務設計を行い,計画された作業組織のそれぞれの役割ご
とにタスクを割り当てなければならない。
ステップ5の入力情報 :
− ステップ4の出力情報(すなわち,人間によって行われるタスク)
− ユーザーの要求事項(例えば,作業組織の方針)
− 法規制上の要求事項(例えば,作業組織に対する要求)
ステップ5の出力情報 :
− 各オペレータに割り当てられた職務
− 作業組織(構成と人数)
− コントロールルームとローカルコントロールステーション間,及びそこにいるオペレータ間の意
思疎通に関する要求事項
− 運転手順に関する要求事項
− 訓練に関する要求事項
− 情報と制御に関する要求事項
ステップ5の方法 :
a) ユーザーと法規制上の要件を満たす仮の作業組織の作成
b) 職務設計
− 職務の割当て基準の作成
− 各オペレータの職務分担の作成
職務設計は,オペレータの肉体的特徴,認知と分析の能力,組織適応性及び統率力,並びに社会的要因
と調和していなければならない。
職務設計は,ステップ4で人間に割り当てられた正式なタスクだけでなく,作業組織の社会的見地,並
びに各個人の,任務に対する満足度,目に見える目標,及び自己実現の機会をも考慮しなければならない。
職務設計の過程では,次の二つの重要な点を考慮しなければならない。
− 各個人に割り当てられたタスクと職務の種類と量はどれほどか。
− バランスの取れた運用グループを実現するために,組織が個人をいかに関連付けているか。
各個人に対するタスクの割り当てを容易にするために,職務割り当ての基準チェックリストを作成しな
ければならない。チェックリストに含まれる項目を,次に示す。
− ワークロード
− 特別な資格の要件
− 職務分担
− 情報とデータに関する要件
− 対象システムの予測可能性
− 必要な道具,物理的スペース,及び設備
− タスク遂行の条件
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職務基準チェックリストには,問題処理能力,ストレス管理,分析能力などのような教育背景や,仕事
の経験に関連する個人の技能も含めるのがよい。職務設計は,タスクを行うのに共同作業が必要な場合に,
オペレータが交換又は共有すべき情報を明らかにしなければならない。
設計した職務を,プロジェクト初期の計画で想定したそれぞれの役割にグループ化して,暫定的な作業
組織案を決定しなければならない。職務のグループ化に際して考慮すべき項目は,次のとおりとする。
− 責任と権限の階層
− チーム構成
− 伝統的な精神・社会的文化
− 労使協定
− 法規制要件
− 物理的接近度
− 内部の意思疎通要件
参考 作業割り当てが反復的なものであるために,職務組織の設計も改良のための繰り返しが必要と
なるかもしれない。
職務割当て基準と作業組織は,ステップ1で明らかにしたユーザーの要件(例えば,職務組織の方針)
及び法規制上の要件(例えば,職務組織の要件)に合致しなければならない。職務及び作業組織の設計の
結果は,運転手順,訓練システムの要件,及びコントロールセンター設計の機能仕様に反映されていなけ
ればならない。
7.6 ステップ6 : 得られた結果の検証と妥当性確認
ステップ3,4及び5で開発した,機能・タスク割
当て,タスク要件,職務割当てと職務組織に関する成果の中間的な検証と妥当性確認は,フェイズCの概
念設計を始める前に実行されなければならない。
参考 このステップで強調すべきことは,ステップ3,4及び5で作られたすべての個別の割り当てを
全体的に検証し,妥当性を確認することである。ステップ3,4及び5の反復過程の間にテスト
及び確認された特別な割当ては,別途定めた個々の分類や職務規定と矛盾しているかもしれな
い。
フェイズCに進む前にすべての矛盾を確認し解決しておくのがよい。
このステップでは,プロジェクトのスポンサー,オーナーなどが特に分掌と職務規定に関して検討し確
認するために,特別なやり方で妥当性を確認しなければならない。人間及び自動化に対する要求事項,並
びに関連する組織計画は,フェイズCに進む前に検討され保証されていなければならない。
ステップ5で各オペレータに割り当てられた職務の仕様は,検証され妥当性を確認されなければならな
い。
ステップ5で開発した職務割当ては,その基準に合致していることを保証するために,正式に検証され
なければならない。
ステップ6の入力情報 :
− ステップ4の出力情報
− ステップ5の出力情報
ステップ6の出力情報 :
− 評価後の機能・タスクの割当て
− 評価後の機能・タスクの要件
− 評価後の各オペレータの職務分担と作業組織
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− 立案された職務分掌,配員計画,組織に対するプロジェクトスポンサー,オーナーの承認
職務設計の検証と妥当性確認には,提案された職務について,人間工学の基本及びエラートレラントな
設計の面からの評価が含まれなければならない。妥当性を確認する前に,職務割当て基準その他を含む一
連の妥当性確認基準を開発しておかなければならない。これらには,その複雑さ(例えば,並行職務,頻
繁な意志疎通の必要性)や特定のシナリオに関する全体的な時間制約などを含む。
参考 基準が合致しているか否かをチェックするために,厳しいシナリオ,例えば,シャットダウン,
緊急時,事故シナリオを使う。コンピュータシミュレーション(例えば,時系列分析)は妥当
性確認の有効な方法である。
8. フェイズC : 概念設計
8.1 全般
このフェイズでは,包括的なコントロールセンター設計におけるプロジェクトを展開する。
すなわち,フェイズBで確立された,割り当てられた機能とタスクの要件,仕事の記述,及び組織計画を
満足させる。この概念設計には,コントロールセンターの有形の付帯設備,そのじゅう器・備品,なんら
かの快適性を求められるあらゆる場所,例えば,休息所,図書室,会議室などを含む。また,概念設計は,
提案されたオペレータインターフェイス,すなわち,表示器,制御機器,コミュニケーション及びマルチ
メディア応用設備を含む。この活動は,その後の詳細設計を進めるために必要な,作業の相互関連,目標
仕様,及び制約条件を確立するためのものとする。
このフェイズは,次の二つのステップから構成する。
− ステップ7 : コントロールセンターの概念的な枠組みの設計
− ステップ8 : 概念設計の承認
8.2 ステップ7 : コントロールセンターの概念設計
これまでのステップの結果をシステマティックに再
構成して一連の概念設計を行う。統合されたシステム機能の観点から,前のステップで企図した観点を含
む,コントロールセンターの物理的・機能的特性を暫定的な仕様書にまとめる。例えば,作業組織に対す
る要求事項(オペレータの構成と人数など)を含む職務設計の結果は,作業スペースを決めるためのベー
スとならなければならない。
ステップ7の入力情報 :
− ステップ6の出力情報(作業組織など)
− ユーザーの要求事項,ステップ1参照
− 規制,標準,その他公式書類
ステップ7の出力情報 :
− 暫定レイアウトを含む概念設計仕様書
− 既知の設計上の制約条件,すなわち,予算,立地,安全,様式,フェイルセイフのための冗長度,
材質,既定のシステムとサブシステムなど。
− 適用法規,企業関連標準,要領,規格,地域の慣行など。
− 詳細仕様書作成者の予測
− 機能間の運用上の関連
このステップの方法 :
− 設計方針の決定(機器選定方針など)
− ユーザー要件や規制,標準,その他公的要求事項に合致する設計条件の決定
− 設計仕様書の作成
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暫定仕様書に含めるべき概念設計項目は,次のとおりとする。
− スペースの割当て
− 機能関連
− コントロールスウィート計画
− コントロールルームの配置
− ワークステーションの配置と寸法
− 表示器と制御機器
− 情報とデータの流れ
− 安全と入出管理
− 作業環境条件
− 管理・運用システム
− 意志疎通・情報網
この過程で生まれた様々なアイディアを結び付けることによって,より価値のある概念設計を作り上げ
なければならない。
このステップでは,既に選定済の機器ベンダーやシステム設計など,プロジェクトを支配するいかなる
設計方針も,明記し,文書化しなければならない。更に,考え得るすべてのユーザー,法的なガイドライ
ン,規格,及び建築基準を考慮し,必要に応じて暫定仕様に含める。
8.3 ステップ8 : 概念設計のレビューと承認
このステップで,概念設計されたコントロールセンターに
ついて,オーナー,ユーザー,及び保守担当者の承認を求める。
参考 このステップが,次のことを確認する最終的な機会となる。すなわち,初期の機能的要件が,
設計上のアイディアや技術によって具備されていて,それらアイディアや技術は,実現可能で,
容認でき,かつ,適用規制,標準,方針などに準拠しているということ。このレビューは,そ
れに引き続く詳細設計を,その途中で大きな機能的・物理的変更を生じる危険性を最小にして
進めるための重要なマイルストーンとなる。
ステップ8の出力情報 :
− 承認された概念設計仕様書
ステップ8の方法 :
− “トークスルー”シナリオ
− “ウォークスルー”シナリオ
− インターフェイスシミュレーション,例えば,共同作業,モックアップなど
− コンピューター画像又は動画による試作検討
− 標準適合審査
参考1. ここで“トークスルー”とは,最も重要な一連のタスクに関連して,概念設計仕様書を用い
て,あらかじめ組み立てられた討議を行って概念設計をチェックするものである。
2. ここで“ウォークスルー”とは,設計の表現方法(例えば,伝統的な実物大の模型,バーチ
ャルリアリティをベースとした実物大の模型,コンピュータモデルなど)を用いて,重要な
作業系列をシミュレートすることによって,概念設計をチェックするものである。
3. 通常,エンドユーザーは,上に述べた両活動(“トークスルー・ウォークスルー”)及び作業
手順に気を配る。
ステップ7で作成される概念設計仕様書は,提案された設計がプロジェクトの機能的な要求事項を満た
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JIS Z 8503-1:2002の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11064-1:2001(IDT)
JIS Z 8503-1:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
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