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Z 8516 : 2007 (ISO 9241-6 : 1999)
3.17 予測不満足率,PPD (predicted percentage of dissatisfied,PPD) 大集団における,熱環境に不満足な人
の割合を予測する指標。
この用語の定義は,ISO 7730:1994を基にしている。
3.18 放射熱の非対称性 (radiant temperature asymmetry) 小さな平面領域の向かい合う面における平面放
射温度の差(ISO 7726:1998参照)。
3.19 評価騒音レベル,LAR (rating level,LAR) ある時間範囲の等価騒音レベルに,純音性及び衝撃性に
対する補正を加えた値。
備考 純音性に対する補正DLTは,主観的評価に従って0.5 dBとする。また,衝撃性に対する補正
DL1は,DL1=LLAeq−LAeq>2 dBの場合に行う。純音性及び衝撃性に対する補正は,ISO 11690-1
による。
3.20 相対湿度 (relative humidity) 湿潤空気中の部分的な水蒸気圧と,同じ温度及び同じ全体圧における
水蒸気飽和圧との比(ISO 7726:1998参照)。
3.21 残響 (reverberation) 音源を停止した後で密閉空間に持続して残る音。これは部屋の境界表面からの
音反射の結果として起こる。
3.22 乱流強度 (turbulence intensity) 局所的な気速の標準偏差と局所的な平均気速との比(ISO 7730:1994
参照)。
3.23 作業場 (workplace) 仕事をするための一人分のワークステーションの装備された場(JIS Z 8515参
照)。
3.24 ワークステーション (workstation) 中央処理装置の有無は問わず,ディスプレイ装置を構成する集合
体。キーボード,入力装置,操作者と機械とのインタフェイスを決定するソフトウェア,オプションの附
属品,周辺の装置及び作業環境を含む(JIS Z 8515参照)。
4. 指針の一般的原則
ワークステーション,作業装置及び作業環境の設計に関する人間工学的特性を改
善することは,ユーザーの能率改善並びに誤り及び不便性の低減によって,ユーザーが総合的に満足のい
く状態とすることに役立つ。作業環境の設計には,各個人が環境条件を適切に調整する手段を組み込むこ
とが望ましい。
装置の特性に及ぼす環境要因からの干渉は,可能な限り低く抑える状態を維持することが望ましい。ま
た,作業環境に及ぼす装置の不要な影響は,最小限に抑えることが望ましい。
備考 ここで使用している“干渉”とは,ある機器の機能が特定の環境要因からの影響によって損な
われることを意味する。
作業装置及び作業環境の特性については,次の各項目で規定する。
− 自然光及び人工照明
− 音及び騒音
− 機械的振動
− 電磁界及び静電気
− 温熱環境
− 空間の構成及び作業場の配置
備考 この規格では,装置及び環境から発生する電磁波放射によって起こる可能性のある健康への影
響については,扱わない。
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5. 自然光及び人工照明に関する指針
5.1 一般
一般のVDTを用いた視覚作業は,従来形のオフィス作業における視覚作業と三つの点で大き
く異なる。
− 主な視覚対象,すなわち表示面がほぼ鉛直である。
− 主な視覚対象は,環境に影響される可能性が高い(例えば,周囲の光によって起こる反射,コントラ
ストの低下及び色情報の損失がある。)
− 視線が高くなると,視覚環境の特性に対する配慮の重要性が増す。
5.2 基本事項
5.2.1 視覚作業 VDTを用いて行うオフィスにおける視覚作業では,基本的に,次の2種類を区別して
扱うとよい。
a) 表示画面に提示されるデータを扱う作業(例えば,VDT画面上のテキストを読み取る,図表を眺める,
工程を見る又は図記号類を知覚及び区別する。)
b) 印刷などによって提示されるデータを扱う作業(例えば,用紙に印刷されたテキストを読み取る,図
表を眺める,又はキーボード上の図記号類を知覚及び区別する。)
このように,個別に考慮されるべき種類の異なる視覚作業は,種々のユーザーの要求を満たすような照
明が必要なことを示している。照明システムは,表示画面及び印刷物などに対するユーザーの要求に一致
するように,十分な柔軟性をもつことが望ましい。
参考 a)は主に自発光形の視対象を用いる視覚作業,b)は主に反射形の視対象を用いる視覚作業であ
る。
ユーザーの視覚が不十分又は作業に対して適切に矯正されていない場合,正しい照明であっても補償で
きない場合がある。
5.2.2 基本的な設計目標 照明設備は,所定の機能を十分に満たすように設計し,作業環境と適合してい
ることが望ましい。これに関連する要素は,次による。
− 作業室内における,輝度及びコントラストの望ましい分布
− 水平面及び鉛直面の照度
− 水平面と鉛直面との照度比
さらに,次の項目について配慮する。
− 多くの作業環境の照明を,自然光及び人工照明の組合せによって作る。
− 窓は,次の二つの機能をもつ。
− 外を見ることができる。
− 室内を適度な輝度レベルにする。
− 人工照明の品質基準は,ISO 8995:1989の序文に記載されており,これには次の視覚人間工学上の目的
が含まれる。
− 作業過程において使用される視覚情報の知覚を最適化する。
− 作業性を適切なレベルに維持する。
− 最大限の安全性を保障する。
− 許容できる視覚快適性を提供する。
− 結果として得られる品質は,制御できない昼光によって影響される場合がある。
多くの状況において,作業組織又はユーザーの要求によって,ワークステーション及び作業装置の設置
変更が発生する場合がある。適切に設計された照明システムでは,ワークステーションの配置,装置及び
。
――――― [JIS Z 8516 pdf 7] ―――――
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作業空間の配置が頻繁に変更されることが考慮されている。
5.3 作業空間の輝度分布
視野内の輝度分布を,次の項目を考慮して選択することが望ましい。
− 視覚条件の改善
− グレアの回避
− 関連する作業対象物の知覚
− 顔など三次元の対象物のモデリングの改善
− 輝度分布のバランスの適切性
− 視覚によるコミュニケーションの改善
− 安全性が損なわれない作業性
受入れ可能な視覚条件を確保するには,精神物理学上の理由からも,視野内の輝度分布のバランスを取
ることが有効である。
照明に関する更に詳細な情報は,照明の種類を選択するための指針(A.8参照)と併せて,附属書Aに
記載する。
5.4 グレアの制限
作業装置及び作業環境の適切な設計並びに設置によって,グレアを回避することが
望ましい。グレアは,次の2種類がある。
− 直接グレア
− 反射グレア
直接グレアとは,照明器具及びその他の発光表面(例えば,ランプ,照らされている天井,天空,反射
しているガラス面をもつ隣接の建物のような障害物)から発生するグレア(ISO 8995:1989参照)を指す。
グレアは,視野内の輝度差と視線の移動による輝度差とが著しく大きいことによって起こる。これは,大
きな部屋の広い天井及び壁,並びに直近及び周辺にある物の両方に関係する。悪影響の程度は,視野内の
妨害となる物の見掛けの大きさ,輝度,位置及び目の順応状態に依存する。
反射グレアとは,反射光によって起こるグレアのことである(ISO 8995:1989参照)。これは,もとの対
象物の明りょう(瞭)な像を生じる鏡面反射,又は輝度の高い拡散反射が原因で起こる場合がある。反射
グレアは,作業性及び快適性の両方に悪影響を与える場合がある。反射画像によって,表示画面上又はそ
の他の視対象上の表示が見えにくくなると作業性が悪影響を受ける場合がある。さらに,画像のコントラ
ストは,可読性又は可視性を損なうまで低下する場合がある。快適性は,反射画像による輝度のアンバラ
ンスによって直接的に,又は見えにくさによって間接的に,影響を受ける場合がある。
反射グレアを回避するには,所定の作業及び環境に適する反射防止処理を施したディスプレイを使用す
ることが望ましい(JIS Z 8517参照)。
JIS Z 8517では,VDTを三つのクラスで規定している。クラスIのVDTは,一般的なオフィス用途に
適する。クラスIIのVDTは,すべてではないが,ほとんどのオフィス環境に適する。
クラスIIIのVDTは,特別に制御された光環境を必要とする。受入れ可能な視覚条件を達成するために
は,使用するディスプレイのクラスに従って視環境を制御するか,又は視環境を考慮に入れて適切なクラ
スのディスプレイを選択することが望ましい。
グレアを制限するための手法は,A.3に記載する。
作業装置又は作業環境の特性が異なるため,特定のワークステーションに適用する適切な手法は,異な
る場合がある。
グレアを制限するために選択した手法は,快適な姿勢を取れるようにするものであることが望ましい。
これは,グレアを制限する手法が,ユーザーの姿勢を拘束しないようにすることを意味する。
――――― [JIS Z 8516 pdf 8] ―――――
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窓に関しては,窓からのグレアを制限するための適切な手段を講じることが望ましい。その手段として
は,ユーザーが制御でき,外が見えるようなものを選択するのがよい。
VDT上の反射グレアを回避又は低減するために,種々の手法を適用してもよい。特定のユーザーの要求
及び特定のワークステーションの状況に合わせて,適切に組み合わせた手法を選択することが望ましい(附
属書A参照)。これらの手法は,単独に又は互いに組み合わせて使用してもよい。
反射グレアを回避する手法を適用する場合,VDTと環境との間の適切な調和が,一つの要素だけで得ら
れるとは限らない。
図A.2に示す種々の手法に留意することが望ましい。ディスプレイのタイプ[例えば,表示面が曲面の
陰極線管(CRT),フラットパネルディスプレイ]が異なれば,同じレベルの視覚的快適性を確保するため
に,異なる手段が必要になる場合があり,一般的に望ましい解決法としては,適切な反射防止処理を施し
ているポジティブ表示を使用するのがよい。作業空間を計画する場合は,人工照明によるグレアの制限(照
明器具設計,照明器具の適正な配置)を考慮することが望ましい。特定の状況で照明に合った他の手段が
ない場合は,可動仕切り壁又はこれと同様な方法で,グレアの発生源をディスプレイの位置から遮断する
のがよい。
ディスプレイ及び/又はワークステーションの正しい配置によるグレアの制限は,A.3に記載する手段
の中から,取ることができる手段を適用することによって実現できる。
複数のディスプレイを使用する場所では,この規格に規定する手段の組合せが必要になる場合がある。
6. 音及び騒音に関する指針
6.1 基本事項
ここでは,視覚表示装置を用いる作業について,ワークステーション及び作業室の音響
特性を改善するための指針を提供する。
騒音という用語は,特定の情報伝達に使用される音響事象(例えば,言葉による伝達及び警告信号)と
は異なり,妨害要因となるか又は不必要で有害な影響を与える音響事象に使用する。騒音の影響は,次の
ように分類してもよい。
− 聞き取りにくさ
− 中枢神経系及び自律神経系の望ましくない反応
− 言葉又は他の手段による伝達の妨害
− 作業性及び認知機能の低下
− うるささ
作業場での騒音によるうるささ及び望ましくない影響は,評価騒音レベル(LAR)によって評価すること
が望ましい(ISO 9612参照)。さらに,騒音を評価する場合は,騒音に含まれる情報及び作業の性質を考
慮するのがよい。
作業性の低下,うるささ,及び神経系の反応など,騒音の望ましくない影響が増すにつれて,行われる
作業が,より難しく,複雑となる可能性がある。これらの影響によって,注意及び集中の持続が必要な,
情報の迅速な呼び出し,保持及び取り込みのプロセスなどの記憶プロセスの能力が低下し,複雑な処理が
困難になる。情報を含む音(音声及び時間の流れを識別できる機械音を含む。)では,低い騒音レベルでも,
作業性を損なうことがある。望ましくない音としての人の声は,音によるコミュニケーション及び短期記
憶に関連する知的能力を妨げる。騒音,特に情報を含む音は,結果として,注意力を乱し,言葉によるコ
ミュニケーションを妨害することになる。これは,対面だけではなく電話などを介した間接的なコミュニ
ケーションの場合にも生じる。
。
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Z 8516 : 2007 (ISO 9241-6 : 1999)
参考 作業場が複数あるオフィスでは,他の作業場から発生するすべての音を,その作業環境から排
除する必要はない。静か過ぎる環境では,近くの会話及び装置から発生する低レベルの音であ
っても,騒音となり得るからである。
建物の換気施設及びオフィス構造は,異なる機構によって騒音の原因となる。建物の換気施設に関して
は,グリル及びダンパーを通過して供給される空気,換気システムを通して伝達されるファンの騒音,及
び換気システムで結ばれる場所間の漏話がある。オフィスの構造に関しては,仕切り壁を通り抜ける騒音,
並びに天井及び床を通して伝わる漏話がある。
6.2 騒音の影響の低減
望ましくない影響を回避するために,作業場の評価騒音レベルLARを十分低く
して,想定された作業を実行できるようにすることが望ましい。
特定の作業について超えないことが望ましい作業場の騒音レベル[35 dB (A)55 dB (A)]は,ISO 11690-1
に規定されている。これを達成するために,作業装置からの騒音が,作業性を低下させないように十分低
いことが望ましい。しかし,例えば,多くの人が電話を使用する必要のある場所のような環境では,この
ような一般的な尺度を適用できない場合があり,そこで,このような場合は,一つだけ要因(例えば,外
部音源からの騒音)を特定し,該当するユーザーの要望(例えば,言葉によるコミュニケーションの改善,
不要なコミュニケーション及び不快感の低減)に対して,適切な騒音制御手段を考慮することが望ましい。
騒音制御の基本事項は,図1による。
種々の制御手段とその導入による具体的な目標との関係は,図B.1による。
作業室の装置及び機器を交換又は購入する場合は,これらの装置及び機器の騒音が記された仕様書のデ
ータを考慮することが望ましい。さらに,想定される作業に対して許容される評価騒音レベルとなるよう
に,作業室の音響設計を行うことが望ましい。
適切な制御手段の選定は,実施する作業及び騒音の特性に依存する。騒音制御の戦略及び手段は,ISO
11690-1及びISO 11690-2に規定している。
音及び騒音の測定並びに評価手法を含む詳細な説明は,附属書Bを参照。
音源の騒音制御 伝達経路の騒音制御 受音点での騒音制御
騒音の低減 伝達損失及び/又は挿入損失の増加
騒音受音と騒音ばく(曝)露の低減
参考 ISO l1690-2:1996の図1から引用
図 1 騒音制御の基本事項
7. 機械的振動に関する指針
7.1 基本事項
機械的振動(ISO 2041参照)とは,周期的に起こる物理的な位置の変化である。これは
ユーザー,作業装置又はその部品の機能に,悪影響又は障害を与える可能性がある。これらの影響は,一
般的に研究されている(附属書C参照)。
オフィス作業に関係する作業環境での振動例として,空調システム,インパクト形プリンタ及び振動の
原因となりやすい機械・施設の近くにワークステーションを配置することがある。
7.2 機械的振動による影響の低減
――――― [JIS Z 8516 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8516:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9241-6:1999(IDT)
JIS Z 8516:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.180 : IT端末設備及びその他の周辺設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 8516:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC61000-4-8:2016
- 電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験