JIS Z 8516:2007 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―作業環境に関する指針 | ページ 6

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Z 8516 : 2007 (ISO 9241-6 : 1999)
表 B.1 種々のオフィス作業のための構造部の遮音及び超えてはならない暗騒音レベル
(作業及び装置のない状態)に関する推奨事項(ISO l1690-1から引用)
作業の種類 遮音に関する音響上の 部屋の種類 暗騒音レベル,
推奨事項及び制約 LAeq,単位dB (A)
一時的な集中を伴う作業,隣接オフィスからの良好な通常のユーザー要求事項を 3540
場合によって反復性を伴う遮音 : 口話による非常に良もつ独立したオフィス
作業 好なコミュニケーション
一時的な集中を伴う作業,隣接作業域からの良好な騒通常のユーザー要求事項を 3545
場合によって機械化された音遮音及び隣接作業場からもつ複合したオフィス
作業 の十分な遮へい : 口話によ
る非常に良好なコミュニケ
ーション
大半が機械化された作業 隣接作業域からの十分な騒ユーザー要求事項が厳しく 4045
音遮音及び隣接作業場からない複合したオフィス
のわずかな遮へい : 機密性
を必要としない,口話によ
る非常に良好なコミュニケ
ーション
B.3.3 作業環境内の遮音 騒音発生源(例えば,会話,装置及び機械)から隣接する作業場に及ぶ音の伝
達を低減するためには,次の対策を講じるとよい。対策には,吸音性の天井,壁及び床を覆うこと,遮音
板,仕切り壁,ワークステーションのグループごとに適切な距離をとることなどがある(ISO 11690-1及
びISO 11690-2を参照)。
比較的大きな作業環境では,距離が倍になるごとに音レベルが4 dB5 dB減衰することが望ましい。
口話による良好なコミュニケーション及び適切な音響快適性を確保するために,残響を可能な限り低く
することが望ましい。250 Hz4 kHzの周波数範囲で,0.5秒1秒間の残響時間を目標にするとよい。
作業環境の最大推奨残響時間は,その音量に応じて異なる。表B.2は,その最大推奨時間を部屋の容積
の関数として示している。
残響時間が表B.2に示す制限値を超える場合は,まず天井の音響対策を施すことが望ましい。大きな作
業環境では,更に高度な処置が必要になる場合がある(ISO 11690-1を参照)。
表 B.2 部屋の容積の関数としての最大残響時間
最大推奨残響時間(秒)
部屋の容積 m3
会話 その他一般
50 規定なし 規定なし
100 0.45 0.8
200 0.6 0.9
500 0.7 1.1
1 000 0.8 l.2
2 000 0.9 1.3
B.3.4 機械及び装置からの発生騒音 作業環境において装置及び機械を入れ替えるとき又は購入すると
き,機械及び装置からの発生騒音に関する機械の説明書又は契約に示された情報がある場合は,それらを
利用することが望ましい(ISO 11690-1を参照)。

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Z 8516 : 2007 (ISO 9241-6 : 1999)
発生騒音のデータは,種々の発生騒音値からなる。例えば,表示されているA特性音響パワーレベル,
発生したA特性音圧レベルなどである。このデータは,非常に大きな離散音又は衝撃音が発生騒音の中に
存在するかどうかを示すことがある(ISO 9296,ISO 7779及びISO 4871を参照)。
B.3.5 作業場の騒音 困難で複雑な作業の場合は,評価騒音レベルを35 dB (A)55 dB (A)よりも低くす
ることを推奨する。
作業の音響要求事項及び種類に応じて,暗騒音レベルは表B.1に示す値を超えないことが望ましい。
作業場で口話によるコミュニケーションが必要な場合は,音響要求事項,並びに会話における発声に必
要な努力及び口話の明りょう性(信号対騒音比)の品質に応じて,騒音レベルが表B.3に示すレベルを超
えないことが望ましい[ISO 9921-1,Lazarus (1986),Lazarus (1987)を参照]。
音響情報を妨害なく入力するためには,マイクロフォンのA特性信号対騒音比が30 dBに達することが
望ましい。電話の場合の品質について推奨される最大騒音レベルを表B.4に示す。
表B.3 作業場の推奨最大騒音レベル(話し手の努力,口話によるコミュニケーションの
品質及び会話での当事者間の距離の関数)(ISO 9921-1から引用)
会話にお 会話レベル, 推奨最大騒音レベルLAeq
ける発声 LSA, 口話によるコミュニケーション
に必要な 1 mのとき 信号対騒音比LSA-LAeq
努力 dB
完全=18 非常によい=12 よい=7 満足=2
1m 2m 4m lm 2m 4m 1m 2m 4m 1m 2m 4m
かなり 66 48 42 36 54 48 42 59 53 47 64 58 52
やや 60 42 36 30 48 42 36 53 47 41 58 52 46
不要 54 36 30 24 42 36 30 47 41 35 52 46 40
備考1. LSAは話し手の口から1 m離れた聞き手の耳に伝わる音声LSA, 1mと等価なA特性音圧レベルであり,LAeq
は調節のない評価騒音レベルに相当する。
2. メートル単位で表している欄(1 m,2 m,4 m)は,コミュニケーションを行う者同士の距離を示す。
表 B.4 妨害騒音の騒音レベルと音響媒体(例えば,電話)を用いた口話による
コミュニケーションの品質との関係(ISO 9921-1から引用)
騒音レベルLAeq dB 口話によるコミュニケーションの品質
< 40 完全
40 45 非常によい
45 50 よい
50 55 満足
55 65 多少制約がある
65 80 困難
> 80 不満足

――――― [JIS Z 8516 pdf 27] ―――――

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Z 8516 : 2007 (ISO 9241-6 : 1999)
附属書C(参考)全身振動の測定,評価及び判定
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
人への振動の機械的伝達を決定する測定量は,身体の3方向の加速度(ISO 2631-1参照)及び1日の暴
露時間である。
振動はその方向別に測定し,その生物学的影響に従って周波数荷重した加速度の2乗平均平方根(r.m.s)
値で評価する。振動に関連し,視覚能力の低下が予測される作業場では(例えば,環境又は作業の性質に
よって),小形の加速度計を使用し,目の近くの前額部で,y軸及びz軸方向の加速度測定を追加すること
を推奨する。
参考 この推奨事項は,ISO 2631-1の規定する要求事項の範囲を超えている。
狭帯域周波数分析器は,視覚作業性を損なうおそれの程度に関する情報を提供することができる。
機械的振動によって生じる障害の程度は,ISO 2631-1の各表及び各図に規定されている振動の暴露限界
値とr.m.s.値とを比較することによって評価できる。振幅の大きい個々の衝撃又は短期振動については,別
途評価が必要になる場合がある。振動暴露限界値の境界は,三つの主要基準,すなわち,疲労,能率の低
下,健康・安全性及び快適性の低下に関連する。
何らかの作業性の障害又は妨害若しくは迷惑を回避するという点で,最大評価振動強度Kr(ISO 2631-2
参照)に関する指標ガイド値を用いて,上記の限界値を大幅に下回っているかどうかを判定するのがよい。
これは,特に,大半が知的な作業である作業場,及び視覚情報の記録又は微妙な動作を伴う作業場に適用
される。このような作業場では,暴露限界境界の基本となる条件と比較して,健康に対する全く異なる影
響が予測されるので(例えば,視覚作業性を維持するために絶えず行われる補正の結果として),最大推奨
値を更に低くすることが望ましい。

――――― [JIS Z 8516 pdf 28] ―――――

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Z 8516 : 2007 (ISO 9241-6 : 1999)
附属書D(参考)温熱環境
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
表D.1及び表D.2に示す値は,温暖な気候帯及び衣服に関する特別な規定がない作業域に適用可能であ
る。温暖な気候帯以外の国では,ここで考慮する以外のこと,例えば,作業室内での微生物発生温度の低
下又は建物及びその換気システム内のかびの発生などが重要になる場合がある。衣服についての特別な規
定は,ユーザーの衣服管理を簡単にすることができる。これらの理由から,作業環境の計画及び評価をす
る場合には,関連するすべてについて考慮することが望ましい。
D.1 温熱快適感に関する推奨値 表D.1は,冬期及び夏期に温熱的快適感を満足させるうえで個人パラ
メータ及び環境パラメータに関する推奨値を示す。ユーザーの80 %以上が,この温熱条件を受容できる
と推測される。この推測値は,ISO 7730:1994の附属書Aに基づいており,い(椅)子作業及び50 %の相
対湿度の場合の代謝率を想定している。
表D.1 個人パラメータ及び環境パラメータの推奨値
パラメータ 冬期 夏期
個人パラメータ
衣服の断熱性 1.0 clo a) 0.5 clo a)
活動レベル 1.2 met
全体的な温熱感覚に対する環境パラメータ
PMV指標 −0.5 PPD指標 <10 %
局所的な温熱感覚に対する環境パラメータ
放射温度の非対称性b)
− 冷たい垂直面(壁,及び窓) <10 K
− 暖かい水平面(天井) <5K
垂直気温差 <3 K
気流に関する不満足率 <15 %
平均気速c) <0.13 m/s at 20 ℃
注a) 1 clo=0.155 m2 ℃/W
b) 暖かい垂直面及び冷たい水平面についての推奨要求は厳しいものではなく,これはISO 7730には
含まれていない。
c) 空気温度は作用温度と等しく,また,乱流強度は40 %として仮定している。
他の受容レベルのパラメータ値は,ISO 7730の規定に従って推測できる。表D.2は三つの分類区分につ
いての推奨値を示す。表D.2では,分類区分Bが表D.1に相当する。各分類区分の差異は,作用温度の範
囲である。すなわち,在室人員の最大数が満足する温度は,全分類区分で同一である。

――――― [JIS Z 8516 pdf 29] ―――――

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Z 8516 : 2007 (ISO 9241-6 : 1999)
表 D.2 PMV指標及びPPD指標の三つの分類区分についての
個人パラメータ及び環境パラメータ間の関係
パラメータ 冬期 夏間
個人パラメータ
衣服の断熱性 1.0 clo a) 0.5 clo a)
活動レベル 1.2 met
環境パラメータ
分類区分 A B C A B C
PMV指標 ±0.2 ±0.5 ±0.7 ±0.2 ±0.5 ±0.7
PPD指標 % <6 <10 <15 <6 <10 <15
作用温度 ℃ 22±1.0 22±2.0 22±3.0 24.5±0.5 24.5±1.5 24.5±2.5
注a) 1 clo=0.155 m2 ℃/W
D.2 温熱パラメータの推測及び測定
D.2.1 個人パラメータ 個人のパラメータは,ISO 7730の規定によるか又はISO 8996の規定中のより詳
細な情報を使用して,活動レベルを推測できる。ディスプレイワークステーションのい(椅)子作業につ
いては,値1.2 metの使用を提案している。
衣服の断熱性は,ISO 7730の規定によるか又はISO 9920の規定より詳細な情報を使用して推測できる。
冬には値1.0 clo,夏には0.5 cloを使用することを提案している。
D.2.2 環境パラメータ 環境パラメータは,ISO 7726の規定に基づいて測定することが望ましい。
腹部の高さ,すなわち,いすの場合,床から通常0.6メートル,立位の場合,床から通常1.1メートルに
おいて,作用温度(PMV-PPD指標),放射温度の非対称性及び湿度を測定する。気流及び直気温差を評価
するためには,頭及び足首の高さ,すなわち,いすの場合,床から通常1.1メートル及び0.1メートル,
立位の場合,床から通常l.7 メートル及び0.1 メートルの気温において,平均気速及び乱流を測定する。

――――― [JIS Z 8516 pdf 30] ―――――

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JIS Z 8516:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9241-6:1999(IDT)

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