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成することが望ましい。また,グレアを制御する手段が制約を受ける場合,例えば,衛生上などの理由が
あり,機器の表面をつや消しではなく滑らかにする必要がある場合,図A.2に示す手段を適切に組み合わ
せることによってグレアを排除することが望ましい。
A.4 入射光の指向性 表面,対象物又は表面構造を容易に認識できるようにするためには,一定度合い
の入射光の指向性が必要とされる適切なモデリング効果を,照明で達成することが望ましい。モデリング
効果は,照明を受ける物の陰影によって生じる。
照明が拡散し過ぎていると,影がなくなるために不快感が起こる可能性があるので,これを回避するこ
とが望ましい。これとは逆に,照明の指向性が強過ぎる(指向性の強い光に比べて拡散性の光が極端に弱
い場合)と,コントラストが強くなり過ぎ,目障りな輪郭が見える許容できない影ができる。
適切な照明の設置は,直接照明と拡散照明とのバランスのとれた比を生み出す。このようにして,適切
なモデリング効果を誘導する。
A.5 色の使用 作業室の配色及び,光源の演色又はその分光分布は,色の付いた情報の認識に影響を及
ぼし,集中力を促進し,作業性の低下を防止し,誤りを少なくするとともに,ストレスを緩和する。これ
に加えて,安全及び信号のために色を正しく用いることによって,事故の防止を支援することができる。
作業室の配色は,推奨される反射係数によって規定された制限範囲内で,自然光及び人工照明を考慮し
て決定することが望ましい。壁を床よりも明るくし,天井を壁よりも明るくするとよい。
光源,照明器具及び部屋の表面の色は,信号及び安全のために用いられる各色を識別できるように選択
することが望ましい(色に関する詳細な情報については,JIS Z 8501を参照)。
部屋の表面が広い場合,背景色として飽和度の低い淡色を選択することが望ましい。より小さい対象物
の配色には,飽和度がより高い色合いを採用するとよい。
実施する作業の性質が単調なものである場合は,より鮮やかで,かつ,刺激的な色を環境の中に導入す
るとよい。
A.6 演色及び相関色温度 演色及び相関色温度の選択は,タスクの要求及び主観的な感覚に依存するの
と同様に,発光源,照明のレベル,部屋及びその中の備品の色に依存する。
適切な色を決めるためには,演色評価数Raが80を超える照明器具を使用することが望ましい。
色でコード化された物体又はダイヤグラム(例えば,制御盤又は安全標識)が,並びに安全及び信号に
用いられる色が正しく認識されるように,スペクトル色と演色のレベルとを適切に選択することが望まし
い。
A.7 フリッカの知覚 人工照明によるフリッカの知覚を回避するためには,フリッカの臨界周波数を十
分に超える状態で点灯することが望ましい。人工照明によるフリッカの知覚は,例えば,次の手段を使用
することによって低減又は除去できる。
− 進相・遅相フィルタ
− 三相回路
− 高周波点灯用安定器
最近の研究において,フリッカの臨界周波数を若干超えて照明設備を使用すると,人が光の揺らぎを感
じる問題が起こることが示されている。このため,周波数の十分高いランプ安定器を使用することが望ま
。
――――― [JIS Z 8516 pdf 21] ―――――
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しい(Wilkins et al,1988参照)。
A.8 照明の選択
A.8.1 基本事項 照明の選択は,A.1A.7,及び次の基本事項を留意して行うことが望ましい。
− 昼光を使用するか,又は人工照明及び昼光を組み合わせて使用する。
− 昼光を利用できない時間及び場所において,又は視覚作業で人工照明が要求されるときは(クリーン
ルームなど),人工照明だけを使用する。
− 視覚作業及び全般照明から生じる要求。
− 部屋の特性,例えば,物理的寸法,作業で必要な調光のしやすさなど。
照明技術の品質基準及び経済性が許容する範囲で,直接照明,間接照明又はこの両者の組合せを選択す
ることができる。
照明技術に対する品質基準の適用については,A.8.2.1A.8.2.4による。
A.8.2 全般照明 全般照明の機能は,直接グレア及び反射グレアを制限するとともに,良好なコントラス
ト,バランスのとれた輝度比,良好な演色などの要素を考慮に入れて,部屋全体を良好に照明することで
ある。
ある特定の部屋又は部屋の区域で行う視覚作業に対応する照明のレベルを各ワークステーションで確保
するために,問題がなければ全般照明を使用し,場合によっては,全般照明を補完する局所的全般照明を
使用することが望ましい。この場合,作業のための照度が全般照明によって提供される照度の2倍以上に
ならないことが望ましい。
個々のワークステーションと同様に,部屋全体にも良好な視覚条件を提供することが望ましい。
備考 部屋の区域とは,同類の作業が一群のワークステーションで行われている部屋の一領域である。
A.8.2.1 直接照明 照明器具の光及び輝度分布は,視覚快適性を達成するうえで考慮すべき重要な要素で
ある。ワークステーションが照明器具の並びに沿って配置されている場合,作業面を直接的に照明する(直
射)照明器具を配置すると,最良の視覚条件が達成される(反射グレア及び直接グレアが最小限に抑えら
れる。)。
視対象の表面に光沢がある場合,直接照明が適さない場合がある。
A.8.2.2 直接照明・間接照明 直接照明・間接照明を利用すると,天井から反射される光の影響で,照明
される箇所の直接照明による輝度が相対的に低下するので,ワークステーション配置を照明設備から独立
させる度合いを高めることができる。この種の照明器具を適用できれば,サイズ及び場所の制限をあまり
受けることなくワークステーションを配置できる。
照明器具からの光の一部は天井の方向に向けられる。作業空間で適当にバランスのとれた輝度分布を確
保するためには,天井自体がグレアの発生源になるほど天井の最大輝度を高くしないことが望ましい。
A.8.2.3 間接照明 この特性を備える照明器具は,その光を天井の方向に向ける。照明器具からの光はほ
とんど作業場に直接的に当たらない。照明設備について全く考慮をしないワークステーションの配置を行
わなければならない場合に,この特性を備える照明器具を適用できる。
この照明の効率は部屋の特性,その中でも特に天井の反射特性及び天井の高さに大きく依存する。
照明器具に幅広い光分布があり,天井に拡散反射特性があることが重要である。
備考 高光沢の天井は,高い光源輝度を反射することがあるので,グレアの原因となる。完全な間接
照明にすると,影がほとんどなくコントラストに乏しい環境となる。
――――― [JIS Z 8516 pdf 22] ―――――
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A.8.2.4 全般照明及びワークステーションの個別照明 全般照明に加えてワークステーションの個別照
明を使用することは,ユーザー及び/又は作業の特性から生じる特定の作業場における特殊ニーズに応じ
た照明を提供するうえで適切な方法である。
ワークステーションの個別照明の機能は,ユーザーのすぐ近くの環境に照明を行うことである。個別照
明の利点は,次による。
− 個々のワークステーションにおける照度及び方向性を個別に調節できる。
− ユーザーは,個別又は変更される作業の要求に,照明条件を適応させることができる。
− 視力の個人差から生じる個人の要求に対応できる。
ワークステーションの照度をユーザーが行う特定の作業で要求されるレベルまで引き上げるためには,
局部照明を必要なところには用意することが望ましい。ワークステーションの個別照明は,全般照明とは
別個に調整する。その配置については,直接グレア,反射グレア若しくは過度のコントラストが起こらな
いこと,又は他のワークステーションで作業を行う人が悪影響を受けないことが望ましい。
。
――――― [JIS Z 8516 pdf 23] ―――――
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附属書B(参考)音の測定及び評価手法
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
B.1 騒音の測定 評価騒音レベル(LAR)とは,騒音受音の特性値である。評価騒音レベルは,規定の時
間間隔について定義される(ISO 1996-1,ISO 9612及びISO 11690-1,-2参照)。評価騒音レベルを決定す
る場合は,測定対象となる作業場の人と人とのコミュニケーション(会話及びコミュニケーション信号)
の目的で使用される音響事象を全く考慮しない。
評価騒音レベル及び発生騒音値を求めるときの基本的な音響量は,IEC 60651及びIEC 60804に基づい
た計測器によって測定可能なA特性音圧レベル(LPA)並びに等価連続A特性音圧レベル(LAeq)である。
B.2 騒音源 騒音によるうるささは,特に,機械,装置及び内部設備(空調機)からの発生騒音,並び
に外部からの機械及び交通騒音の影響の結果として生じる。会話,コンピュータの音響音声入力/出力,
電話による会話,確認応答信号などの隣接した作業場から発生する情報を含む音も頻繁に影響を及ぼすが,
場合によっては,公衆が発生する騒音が作業を妨害することもある。
A特性音響パワーレベル(LWA)は,情報技術・電気通信装置からの発生騒音の主な指標である。これ
は他の発生量,すなわちオペレータ又は周辺の人の位置におけるA特性音圧(LPA)によって補完される
(ISO 7779)。
製品の説明書には,ISO 9296に規定された発生騒音値を含めることが望ましい。
さらに,衝撃音及び非常に大きな音に関する騒音の特性を記載することが望ましい。
B.3 作業環境の騒音レベル
B.3.1 音響環境条件の制御 特定の作業環境における具体的な問題に対して,種々の手段を講じることが
できる(図B.1を参照)。特定の状況に対して適切な手段を決定するためには,問題の性質を分析すること
が望ましい(例えば,電話を使用するには余りにも騒々しい環境)。実施可能な適切な対策(例えば,会話
周波数の音レベルを低減する。)を選択するときには,起こり得る副次的な悪影響に留意することが望まし
い。
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構造部の遮音 外部からの騒音に対する
保護
装置からの発生騒音の 内部発生源からの騒音に
低減 対する保護
評価騒音レベルの低減
吸音性の向上 すべての発生源からの騒
音に対する保護
周辺騒音レベルの低減 作業性の向上,健康障害の
軽減
音響環境の制御 信号対騒音比の最適化 会話周波数域の音レベ 口話によるコミュニケー
ルの低減 ションの改善
吸音性のよい天井 コミュニケーションの改
善,健康障害の軽減
仕切り壁 健康障害の軽減及び不要な
コミュニケーションの低減
作業室内の音の低減
適切な距離 不要なコミュニケーショ
ンの低減
残響の低減 コミュニケーション及び
音響快適性の改善
図 B.1 音響環境条件の制御,制御分野,措置及び達成すべき主目標
B.3.2 構造部の遮音 外部から作業環境に侵入してくる騒音に対して保護を行うためには,構造部(壁,
天井及び窓)によって構造物及び大気を通じて伝わる音を十分遮音することが望ましい。部屋の大きさ,
作業及び内部騒音(以下,暗騒音と呼ぶ。)レベルに差異があるので,構造部に適合させる音響要求事項を
適切な条件に適応させてよい(表B.1を参照)。
遮音システムに適合させる要求事項を,暗騒音と関連付けて選択することができる。
。
――――― [JIS Z 8516 pdf 25] ―――――
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JIS Z 8516:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9241-6:1999(IDT)
JIS Z 8516:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.180 : IT端末設備及びその他の周辺設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 8516:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC61000-4-8:2016
- 電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験