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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
参照番号 : _ _ _ _ _
図19−上 : 文字入力用カーソルの例
下 : 直接操作用のポインタの例
6.2.8 アクティブなカーソル及び/又はポインタ
複数のカーソル及び/又はポインタを同時に表示する場合(例えば,コンピュータ支援による協同作業),
そのときに有効なカーソル・ポインタを,有効でないものと見分けが付くように表示することが望ましい。
6.2.9 複数のカーソル及び/又はポインタ
影響しあう複数のユーザー又は作業員が同時に同じ表示情報を使う場合,各ユーザーの扱うカーソル及
び/又はポインタをはっきりと見分けが付くようにすることが望ましい。
7 符号化手法
符号の構成又は符号化の規則は,想定しているユーザーを常に念頭に置いて,ユーザーの仕事及び期待
に適しているように設計することが望ましい。付加的な符号が必要な場合,ユーザーによる確認を受ける
ことが望ましい。概して,符号構成の規則をユーザーに説明するのがよい。
符号を用いることによって,設計者は,情報を文字及び/又は図形を用いる場合の短縮形(又は略記形)
で表現できるので,それは,視覚表示面上の乱雑さ[整とん(頓)のなさ,間隔取りのまずさ,不必要な
情報の表示]を改善する助けとなる。符号の利用は,また,情報入力の速度を高め,誤りを減らすことで
ユーザーの作業成績を向上させることにもつながる。符号化の仕方がまずいと,ユーザーとシステムとの
対話は遅くなり,誤りやすくなる。
7.1 符号についての全般的推奨事項
ここで推奨事項は,情報をどのように符号化して表現するかについての手引を与える。どんな種類の符
号を使用するかは,想定するユーザー,ユーザーの仕事,及び/又はアプリケーションとの関係で決める
のがよい。符号の適切さは,想定ユーザーの技能水準を初めとする多くの要因によって異なる。
7.1.1 符号の見分けやすさ
用いる符号は,お互いに見分けやすいものがよい。
例 あるアプリケーションでは,どの符号にも共通する余分な部分を削って,符号同士を見分けやす
くしている(A13404,A13402とせず,に,A-04,A-02とする。)。
7.1.2 符号化方式の一貫性
符号には,一貫して同じ意味,又は同じ機能をもたせて使用するのがよい。
注記 一人のユーザーが幾つかのアプリケーションを使用する場合,どのアプリケーションでも同じ
意味又は同じ働きをもたせた符号を一貫して使用すると,作業成績の向上に役立つ。
7.1.3 符号の意味の分かりやすさ
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符合には,できる限り分かりやすい意味もたせるのが望ましい。符号表現した情報とその意図した意味
との間で明確な連想が成立するときに,符号の分かりやすさは向上する。記憶符号は意味が分かりやすい
ので,任意に付けた符号を使うよりも記憶符合を用いるのがよい。符号の意味が分かりやすいと,作業成
績は,速く正確なものとなる。
UN -United Nations
C
CC -Copyright
図20−意味の分かりやすい符号
7.1.4 符号の説明の得やすさ
符号の意味がユーザーにとって自明でない場合,符号の意味についての説明を得やすくするのがよい。
7.1.5 規格又は慣習的な意味の利用
符号の割り当ては,確立した規格又は想定したユーザー集団が,慣習的に用いる意味に従っているのが
よい(例えば,郵便番号)。
例1 米国では,下がったスイッチは“Off”の意味をもつ。
英国では,上がったスイッチは“Off”の意味をもつ。
例2 横方向のスライダでは,右端を最大値としている。
7.1.6 符号化の規則
具体的に符号を決める上での規則を確立することが望ましい。この規則を一貫して,あいまいさのない
ように適用するのがよい。
7.1.7 情報がないことを表す符号の積極的利用
ユーザーの仕事において,情報のないことが意味をもつならば,その情報を表す符合を表示しないより
も,情報がないことを示す何らかの符号を使用するのがよい。
例 ネットワークとの接続が切れたとき,ネットワーク接続を表現するアイコンを画面から消すので
はなく,その上に“×”印を付けて表示しておく。
7.2 英数字符号化
推奨事項7.2.17.2.3は,情報の英数字を用いた符号化についての手引を与える。
7.2.1 文字列の長さ
英数字列は,なるべく6文字以下で,短い方がよい(分かりやすく,一意性があり,更に補助的な符号
を追加する余地をもったものがよい。)。
注記 短さ,分かりやすさなどの要因間で,折り合いを付けることは避けられない(例えば,文字数
を最小限にとどめようとすると,補助的な符号を追加する余地はなくなる。)。
7.2.2 英字符号・数字符号
想定したユーザーのある仕事で数字符号の方が分かりやすいことが明確でない限り,一般に数字符号よ
りも英字符号を用いる方がよい。
例 http://123.45.78.112ではなく,http://www.iso.ch/を用いる。
7.2.3 大文字の使用
英字符号を入力に使用するときは,ユーザーの期待に反しない限り,大文字と小文字とを区別しないこ
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7.3 英数字符号の略記
略記に関する推奨事項7.3.17.3.5は,入力する情報に主に適用する。各推奨事項は,情報を簡潔に短縮
表現するための,及び混同を避けるための手引を与える(JIS Z 8525の6.2参照)。
7.3.1 略記の長さ
略記は,できるだけ短いものがよい。長さは,略記しようとする語の数及びそれらの類似性によって決
まる。
7.3.2 不ぞろいな長さの略記
同一の長さの略記符号のうち,ある略記符号を更に短くしても混同を生じるおそれがなければ,必要打
けん(鍵)数を減らせるように,略記符号の短縮を許すことが望ましい。
7.3.3 切り詰め
混同を生じない場合は,切り詰めによる符号化を検討する。
例 コマンドの先頭3文字を使う(例えば,abbreviationをabbと略記する。)。
7.3.4 符号化規則の例外
略記符号が,情報の符号化に用いた規則から外れる場合(例えば,同一語,誤解を生じやすい符号),そ
の例外を最小限にとどめるのがよい。規則に外れる略記が,10 %を超える場合,情報符号化の規則を変更
することが望ましい。
7.3.5 慣習上の及び仕事と結びついた略記
ユーザーの期待に合わせるため,必要な場合,慣習的な及び仕事と結びついた略記を用いるのがよい。
7.4 図による符号化
この箇条の図による符号化に関する推奨事項7.4.17.4.6は,記号の設計の仕方及び図による符号化の有
効性を高めるための手引を与える。
7.4.1 図形符号の段階数
段階又は等級を図形で符号化する場合,表現しようとする段階の数は最小限にとどめるのがよい。
例 大きさによる符号化は3段階までとする。
7.4.2 アイコンの作り方
アイコンは分かりやすく,かつ,見分けやすいように作ることが望ましい。表しているものが容易に,
かつ,明確に理解できることが望ましい。
注記 ISO 11581-1は,アイコンの作り方を扱っている。アイコンの例は,ISO 11581-2を参照。
7.4.3 三次元符号化
情報の種類の違いをユーザーが見分けやすいように,奥行きを感じるような三次元図形手法を用いるこ
とを検討するのがよい。
7.4.4 幾何図形
グラフィックディスプレイ上の情報の種類の違いを,ユーザーが見分けやすいように,幾何図形による
符号化を検討するのがよい。
表示する情報の種類ごとに,独特な見分けやすい幾何図形を用いるのがよい。表示する情報の種類は,
最小限にとどめるのがよい。
7.4.5 線分による符号化
線分の外観を用いて符号化する場合,線形状の種類(例えば,実線,破線,点線)及び線幅(太さ)は,
はっきりと区別できることが望ましい。
注記 線分による符号化は,例えば,地図及びグラフで使われる。線の形状と幅とを組み合せた場合,
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8種類程度は区別できる。
7.4.6 線の向き(図21参照)
方角又は数値を表すのに線の向きを用いる場合には,方角又は数値が正確に識別できるように,関係付
けのワクとなる情報を添えることが望ましい。
0 km/h 300 km/h
図21−線の向きを見分けやすくする枠組み情報の例
7.5 色彩符号化
色による符号化に関する推奨事項7.5.17.5.10では,色を用いた画面設計及び色の使い方に関する手引
を与える。この箇条では,色の使い方を扱い,JIS Z 8518では,主として色の見え方に影響する要因を扱
う。
7.5.1 補助的な色彩符号
幾つかの特定の色が区別しにくい人,又は全く色に基づく区別のできない人がいるので,色を符号化の
唯一の手段として用いないことが望ましい。色は,補助的な符号として用いるのに適している。色は,そ
の他の符号化手法と組み合わせて,重複して使用するのがよい。
7.5.2 色使いの意図の明示
色の見境いのない使用は,画面を乱雑にし,画面上の色による他の符号化の有効性を低下させるおそれ
があるため,避けた方がよい(JIS Z 8518の箇条6参照)。
7.5.3 情報分類の補足説明
色を主要な符号として用いる場合,各色は,一つの種類の情報だけを表現するのがよい。もし,同じ色
を複数の種類の情報を表すのに用いた場合には,想定した意味をユーザーが理解しにくくなる場合がある。
例 特別なシステムでは,危険な状況を示すメッセージすべてを一つの範ちゅうとして扱っているも
のがある。それらのメッセージでは,すべて背景色として赤を用いている。
7.5.4 色の慣習的使用
なじみのある色を用いる符号化の方式を採用することが望ましく,その場合,全体の関連を考慮に入れ
る必要がある(例えば,赤=警告,黄=注意,緑=順調又は稼動中)。色使いは,仕事上の慣例及び文化的
慣習と両立していることが望ましい。
7.5.5 使用する色数
色彩符号化を使用する場合,用いる色は,ユーザーが確実に見分けることができるものがよい。白,黒
の他に最大6色までが,適切な色数である(JIS Z 8518の箇条6参照)。この最大数は,同じ画面上のイメ
ージ及び図形表示に使われる色は含まない。
7.5.6 彩度の高い青
暗い背景上に文字及び記号を表示する場合,彩度の高い青を避けることが望ましい(面積が小さく彩度
の高い青は,背景と区別しにくく,目の焦点を合わせにくい場合が多い。)(JIS Z 8518の6.7参照)。
――――― [JIS Z 8522 pdf 24] ―――――
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7.5.7 単色の装置上で用いる色の選択
情報をカラーVDT及び単色VDTの両方で表示する場合,単色VDTに表示した場合でも情報が見分けら
れるような輝度をもつ色を選ぶことが望ましい。
7.5.8 色による立体視
赤,青などの可視波長領域の両端近くにある彩度の高い色は,予期しない奥行き知覚を生じたり,目の
調節を過度に必要とするため,文字を読み取る作業においては,文字の近くに置いたり,背景色として用
いないことが望ましい(JIS Z 8518の6.7参照)。
7.5.9 前景色
無地の背景(すなわち,白,灰及び黒,JIS Z 8518の3.1参照)上で使う前景色として,ユーザーが前
景色と背景色とを見分けやすいように,1976 CIE UCS色度図上で背景色と離れた位置にある色を選ぶのが
よい。
例 明るい黄を青と組み合せて使う。
7.5.10 背景色
高い彩度の色及び明るい白は,背景色としては避けるのがよい。
注記 適切な背景色は,例えば明るい灰。
7.6 標識
この箇条中の標識を用いた英数字情報の強調表示に関する推奨事項7.6.17.6.4は,標識として利用する
特殊記号の選び方及び置き方についての手引を与える。
7.6.1 特殊記号の標識としての利用
特定の英数字項目に対して注意を向ける手段として,標識(例えば,*印)を検討してみるとよい(図
22参照)。
注記 標識は,永続的な選択を表すためにも使われる。
地域 都道府県 市区
北海道 北海道 *札幌市
北海道 函館市
関東 東京都 *世田谷区
群馬県 高崎市
神奈川県 *横浜市
東海 静岡県 静岡市
九州 鹿児島県 国分市
*印は重点化地域
図22−標識使用の例
7.6.2 選択されていることを表す標識
単一選択と複数選択とで異なる標識を使用するのがよい。
7.6.3 標識記号の独特で一貫性のある使い方
標識の使い方は一貫していることが望ましい。標識として用いる記号は,標識以外の他の目的に使用し
ないこと,及び他の標識との混同が生じかねない状況下では,使用しないことが望ましい。
7.6.4 標識を付ける位置(図23参照)
標識を付ける位置は,対象となる項目の近くがよい。しかし,標識は,表示項目の一部であるかのよう
――――― [JIS Z 8522 pdf 25] ―――――
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JIS Z 8522:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9241-12:1998(IDT)
JIS Z 8522:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.180 : IT端末設備及びその他の周辺設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 8522:2006の関連規格と引用規格一覧
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