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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
に見えない方がよい。ユーザーが両者を明確に識別できるように,標識とその標識を付ける項目とを設計
し,配置するのがよい。
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12ポイント
16ポイント
24ポイント
ゴシック
明朝
等幅ゴシック
等幅明朝
行書体
ポップ体
図23−標識を付ける位置
7.7 その他の符号化手法
その他の符号化手法に関する推奨事項では,情報の提示に採用できる幾つかの符号化手法について規定
する。
7.7.1 点滅による符号化
符号としての点滅は,表示する項目にユーザーの注意を向けることが仕事上重要である場合に,適用を
検討するとよい。点滅するカーソルを使用する場合は,同時に使用する点滅符号は,一つだけとするのが
よい。点滅させる速さについては,JIS Z 8513の5.22参照。
7.7.2 点滅による強調表示
点滅によって強調表示を行うとしていて,項目の読み取りが重視される場合,強調表示には,点滅によ
る弊害を緩和する他の方法を検討するのがよい。
注記 点滅する項目は,読みにくく,多用すると疲労のもととなる。
例 項目をある記号で標識付けし,項目ではなく標識の方を点滅させる。この手法によれば,視認性
を損なわずに注意を引くことができる。
7.7.3 大きさによる符号化
大きさによる符号化,すなわち,表示文字又は記号の大きさ(高さ及び幅)を変えることによる符号化
手法は,表示画面の密度が低い場合にだけ検討するのがよい。
注記 2,3種の大きさの違いであれば,通常,情報分類のためにはすぐに見分けが付きやすい。
7.7.4 輝度による符号化
輝度による符号化は,二種類の表示項目を見分ける必要があるアプリケーションに対してだけ使用する
ことが望ましい(すなわち,明るさを高輝度及び通常輝度の二値符号として扱う。)(JIS Z 8513の5.21参
照)。
7.7.5 明暗反転
明暗反転を使用する場合には,ユーザーの注意をひく必要のある項目に対して使用するのがよい。明暗
反転は,常に一貫した目的で使用するのがよい(JIS Z 8513の5.19参照)。
7.7.6 下線
下線を付ける場合には,項目の強調及び/又は明示用とするのがよい。項目の視認性を低下させないよ
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うな下線付けが望ましい。
7.7.7 図中領域の符号化 (coding of areas)
もし,図中において領域の区別が必要な場合,対象領域を色分けするのではなく,他の符号化法(ハッ
チング,濃淡,網掛けなど)を用いて塗りつぶすことを検討するとよい。色と模様とを組み合わせた冗長
な符号化も,検討するのがよい。
――――― [JIS Z 8522 pdf 27] ―――――
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附属書A
(参考)
適用可能性及び適合を査定する手順例
序文
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
A.1 一般
この附属書は,この規格中の適用可能な推奨事項が,満たされているかを決める手順の例を示す。記載
してある手順は,手引として提供するものであり,この規格そのものの代用として使用すべき厳密な手順
ではないことを留意することが望ましい。この手順は,二つの段階からなる。
1) どの推奨事項が該当するかを判定する。
2) 該当する推奨事項へ適合しているかを判定する。
インタフェースの設計は,仕事,ユーザー,環境及び利用可能な技術に依存する。したがって,この規
格は,インタフェースの設計及び利用の状況の知識なしには適用不可能であって,全部をそのまま当ては
める規範的規則群として使うように意図したものではない。それよりも,設計者が,仕事の内容,及びユ
ーザーの要求事項についての適切な知識をもち,技術の使い方を理解していることを前提としている(こ
れには,必要に応じて資格をもつ人間工学専門家との相談又は,実際のユーザーで実験する場合もある。)
評価手順は,代表的ユーザーの分析,その代表的及び重要な仕事の分析,並びに代表的利用環境の分析
に基づくことが望ましい。評価は,一般に次の二つの場合に分けられる。
a) どんなユーザーがどんな仕事で用いるかが分かっている場合,代表的な利用環境で,かつ,代表的な
及び重要な仕事を行っている状況下で,評価者が製品を評価する又は製品の典型的ユーザーを観察す
る。
b) どんなユーザーがどんな仕事で用いるかが具体的に分からない場合,評価対象となる製品中の情報の
提示について,状況を限定せずすべての観点から,評価者が評価する。
評価対象となっている製品が,ある推奨事項を満たしているかどうかの判定は,上記の評価の中で情報
の提示を扱った状況に基づくのがよい。この規格中の推奨事項を満たすもの以上に優れたものであること
を示すことのできる情報提示のあり方も,この規格の推奨事項を満たすものとして受け入れる。
この規格を使用する場合,次の項目を列挙して,対象とする情報の提示が,推奨事項を満たしているか
を示してもよい。
− 適用可能かを判定するのに用いた方法(A.3に記載),
− 適合しているかを判定するのに用いた方法(A.5に記載),
− その結果。
A.2 適用可能性
推奨事項の適用可能性は,次の二つの要因に基づく。
a) 条件部分が含まれていれば,その条件部分の条文が成立するかどうか。条件部分の条文が成立すると
きにはその推奨事項を適用し,成立しないときにはその推奨事項を適用しない。
b) 設計環境 ユーザー集団が未知である,仕事に差異がある,オフィスに騒音が多い,画面の解像度が
異なる,ポインティングデバイスが用意されていないなどの,ユーザー,仕事,環境及び技術上の制
――――― [JIS Z 8522 pdf 28] ―――――
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約で,ある推奨事項が必ずしも適用できるとは限らない場合がある。しかし,設計環境が,ある推奨
事項で言及しているユーザー特性,仕事,又は技術上の特徴に該当すれば,その推奨事項は,適用可
能とする。
ある推奨事項が,適用可能であるかを決める上で利用できる方法には,次のものがある。
− システム資料の分析
− 資料的論拠
− 観察
− 分析的評価
− 経験的評価
A.3では,適用可能性の判定手法について詳しく記載する。
A.3 適用可能性の判定手法
A.3.1 システム資料の分析
システム資料の分析とは,情報の提示について全般的又は具体的に記述する文書の分析を指す。それら
には,システム及びユーザー要求事項を含んだ設計資料,操作説明書,ユーザーの手引などが含まれる。
A.3.2 資料的論拠
資料的論拠とは,仕事の要求事項若しくは特性,作業の流れ,ユーザーの技能・適性・習慣又は癖,類
似システムの設計からの試験データなど,資料化された関連する情報すべてを指す。このような情報は,
ある推奨事項が適用可能かどうかの判定に役立つ情報として使えることもある。
A.3.3 観察
観察とは,ある観察可能な特徴をもつかについて,情報の提示を検討又は点検することを意味する。観
察は,情報の提示を系統立てて調べ,ある条件付き推奨事項の適用可能性に関連する特徴をもつかを判定
するのに必要な技能をもっていれば,だれにでも可能である。もともと自明であり,観察結果は,別の人
間によって直ちに確認できる。
A.3.4 分析的評価
分析的評価とは,適切な専門家による情報の提示についての“有識者的”判断のことである。この方法
は,一般に,他の情報及び知識の文脈の下でだけ判断できるような特徴の評価に使われる。他にも,分析
的評価は,システムが設計文書の形でだけ存在したり,経験的評価に適したユーザー母集団が得られなか
ったり,時間及び資源に限りがある場合に適切であろう。分析的評価は,ある推奨事項が適用可能かどう
かを決定するのに使うことができる。
分析的評価は,情報の提示に関連する特徴を判断できる技能及び経験をもつ適切な資格者ならだれでも
行うことができる。それらの特徴が人間工学的原理の適用にかかわる場合は,専門家はソフトウエアでの
人間工学の問題を扱うことに通じている必要がある。特徴が,作業環境,システム特性及びその他の設計
の側面にかかわる場合は,判定者は,その関連領域の専門家である必要がある。
A.3.5 経験的評価
経験的評価とは,代表的な最終ユーザーを用いた推奨事項の適用可能性を判定するための試験手続の適
用を指す。この方法は,プロトタイプ又は実システムが利用でき,予想される又は実際のユーザー層を代
表するユーザーが参加できる場合に最適である。多種の試験手続を使用できるが,どの場合でも,被験者
は,ユーザーの母集団を代表するもので,結果をユーザーの母集団全体に一般化できるほど十分な人数と
する必要がある。
経験的評価は,試験方法とその評価方法に関する適切な技能をもつ者が実施すべきであることを留意す
――――― [JIS Z 8522 pdf 29] ―――――
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るのがよい。
A.4 適合性
ある推奨事項が,A.2に記載した判定基準に基づき適用可能な場合,次にその推奨事項が満たされてい
るか否かを判定する必要がある。適合性は,次に挙げる幾つかの方法を用いて決定する。
注記 各推奨事項について適合性を決める上で適した方法は,表A.1のチェックリスト中に推奨事項
ごとに掲げてある。
a) 測定
b) 観察
c) 資料的論拠
d) 分析的評価
e) 経験的評価
適用可能性の判定結果は,しばしば適合性を判定する上で重要であることを注意しておく。A.5に種々
の適合性の判定手法について詳しく記載する。
A.5 適合性の判定手法
A.5.1 測定
測定とは,情報の提示に関する何らかの変量を測定すること,又は算出することを指す。このような特
性の例として,システム応答時間がある。適合性は,測定から得られた値を,推奨事項での値と比較する
ことで判定する。
A.5.2 観察
観察とは,ある観察可能な条件が満たされているかを確認するため,情報の提示を検討又は点検するこ
とを意味する。観察は,情報の提示を系統立てて調べ,観察可能な特徴についての条文に従っているかを
判定できる技能をもつ者であればだれでも可能である。観察された特徴と推奨事項とを比較して,適合性
を判定する。
A.5.3 資料的論拠
適合性を判定する場合の資料的論拠とは,条件付き推奨事項に対して,情報の提示が適合しているかに
関連した資料化された情報すべてを指す。そのような情報には,ユーザーの習慣又は癖,プロトタイプで
の試験データ,類似システムの設計からの試験データなどが含まれる。
A.5.4 分析的評価
A.3.4に記載したように分析的評価とは,情報の提示についての適切な専門家による“有識者的”判断の
ことである。この方法は,他の情報及び知識の文脈でだけ判断できるような特徴の評価に用いる。他にも,
分析的評価は,システムが設計文書の形でだけ存在したり,経験的評価用にユーザー母集団が得られなか
ったり,時間及び資源に制約がある場合に,適合性を判定する適切な方法となる。
A.3.4に記載したように分析的評価は,情報の提示に関連する特徴を判断できる技能及び経験をもつ適切
な資格者ならだれでも行うことができる。適合性を判定する場合には,専門家は,設計案の適切さ及び使
いやすさを確実に判断するのに必要な,技能及び知識をももたねばならない。分析的評価は,設計の筋道
の正しさを検証できても設計結果の正当性を検証できないことを注意するとよい。結果の正当性は,経験
的評価を用いてだけ検証できる。
A.5.5 経験的評価
経験的評価とは,推奨事項の適合性を代表的なユーザーを用いて判定する試験手続である。A.3.5に記載
――――― [JIS Z 8522 pdf 30] ―――――
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JIS Z 8522:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9241-12:1998(IDT)
JIS Z 8522:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.180 : IT端末設備及びその他の周辺設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 8522:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称