JIS Z 8522:2006 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―情報の提示 | ページ 7

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
したようにこの方法は,試作品又は実際のシステムが利用でき,予想される又は実際のユーザー層を代表
するユーザーが被験者として参加できる場合に最適である。多種の試験手続を使用できるが,どの場合で
も,被験者は,ユーザーの母集団を代表するもので,結果をユーザー母集団全体に向けて一般化できるほ
ど十分な人数とする必要がある。情報の提示を用いるユーザーの仕事の成績を分析して,条件付き推奨事
項に適合しているかを決めることができる。
通常,経験的評価では,そのテスト結果と情報の提示に関する推奨事項との比較によって適合性を判定
する。しかし,有効性の観点から,テスト結果を評価することも時々必要である。
適用可能性
ユーザー,
仕事,技術,
この箇条は その理由を
及び環境に 次の箇条へ
該当するか?しない 記載する
ついての
資料 該当する
要求事項は条
否 件部を含む?
含む
条件は成立 成立しない理由と適用
するか? 否 しないこととを記載
成立する
適用できないと判
要求事項は適
用可能か? 断した方法を記載 次の要求事項へ

可能
適用可能と判断した方法を
記載する
適合しているかを検討する部分
適合を検討する方法
を決め,記載する
決めた方法で適合を
判定する
図A.1−決定の手順(評価の状況)
A.6 手順
あるアプリケーションをこの規格中の推奨事項に照らして評価する場合に,図A.1の手順に従って行っ
てもよい。

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
A.6.1 “もし−の場合”型の条件付き推奨事項
a) 適用可能性 条件付き推奨事項は,推奨事項の本文中に,又は箇条の標題部に,“もし−の場合”型の
条件をもつ。各条件付き推奨事項では,“もし−の場合”型の条件が成立するかを調べる方法として表
A.1“適用可能性”欄中に提案されている方法を用いて,“もし−の場合”型の推奨事項が適用できる
かどうかを決める。さらに,複数の条件付き推奨事項が該当する場合,そのうちどれを選択するかは,
提案されている方法によって決めるのがよい。
b) 適合性 a)によって適用すると決めたすべての推奨事項に対し,表A.1“適合”欄中に提案された方法
によって適合の検討を行う。
A.6.2 他の条件付き推奨事項
a) 適用可能性 “もし−の場合”型でない条件付き推奨事項は,一般にすべての情報の提示に当てはま
る。多くの推奨事項の箇条は,その箇条が当てはまる情報提示にだけ適用可能である。
注記 例えば,図形オブジェクトに関する推奨事項は,図形オブジェクトを表示する場合だけ適用
可能であり,図形オブジェクトを表示しない場合には適用可能ではない。
b) 適合性 a)で適用可能と判定された“もし−の場合”型でない推奨事項では,A.6.1 b)に記載したよう
な推奨事項への適合についての情報が必要である。推奨事項に従わないそれなりの理由がある場合,
その理由及び選択設計案は,この規格を使用する上で重要である。
上に記載した手順を適用する手助けとして,表A.1にチェックリストを記載する。
A.7 チェックリスト
表A.1のチェックリストは,この規格中の各条件付き推奨事項の適用可能性と適合とを決定する場合に,
情報の提示を扱う設計者と評価者との補助となるよう意図したものである。このチェックリストは,この
規格中のすべての推奨事項の縮約版を含み,適用可能性を決定する上での助けとなる論理的構造を提供す
る。条件付き推奨事項の多くは,複数の代替的解決案を認めている。チェックリストでは,そのような相
互依存性を,論理接続詞を表す“及び”,“又は”という語で記載している。この記載は,箇条中の条件付
き推奨事項についてだけ行い,箇条間の関係については記載しない(箇条には,その箇条に適用可能な度
合いに応じて固有の“及び”が付けられているとみなす。)。選択が互いに排他的でない場合には,“及び/
又は”を用いる。
A.7.1 チェックリストの説明
A.7.1.1 推奨事項の列
チェックリストの先頭列は,縮約版の条件付き推奨事項からなり,箇条ごとに分かれ,“及び”などの語
で結ばれている。各条件付き推奨事項には,箇条の番号が付けられているので,ユーザーは,容易に各条
件付き推奨事項の全文を本体の箇条で参照することができる。
A.7.1.2 適用可能性の列
チェックリストの適用可能性部分の先頭2列は,適用可能かどうかの結果を,“可”,“否”欄にチェック
マークで示し記録する。さらに,各条件付き推奨事項に対する適用可能性を調べるにはどの方法が適切か
を示し,設計者又は評価者が用いた方法にチェックマークを付ける列を提供する。ある推奨事項の適用可
能性を調べるのに適切ではない方法の欄に網掛けを施して,使いやすくしてある。
適用可能性を調べる方法の記号は,
S=システム文書の分析
D=資料的論拠
O=観察

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A=分析的評価
E=経験的評価
DM=その他の方法
他の方法を使用した場合(DMにマークした場合)は,その方法を注釈列に記載してもよい。用いた手
法列にマークを記入することは,このチェックリストでは任意とする。
A.7.1.3 適合の列
チェックリストの適合の部分は,各条件付き推奨事項に適合するか決定するのに,どの方法が適切かを
示し,設計者又は評価者が用いた方法にチェックマークを付ける列を提供する。推奨事項に該当しない方
法には網掛けを施して,使いやすくしてある。適合しているかどうかの検査結果が,肯定的な場合には“適”
列にチェック,否定的な場合には“否”列に印を付ける。
適合を調べる方法の記号は,
M=測定
O=観察
D=資料的論拠
A=分析的評価
E=経験的評価
DM=その他の方法
注記 この規格を用いる場合,チェックリストの本来の意図に外れない限り,附属書中のチェックリ
ストを自由に複製してよいし,記入完了したチェックリストを出版してもよい。
適用可能性と同様,他の方法を使用した場合(DMにマークした場合)は,その方法を注釈列に記述す
る。適用可能性で指摘したように,用いた手法列にマークを記入することは,このチェックリストでは任
意とする。
A.7.1.4 注釈
注釈列は,各条件付き推奨事項に関する付加的な意見及び注釈を記入する。また,別の方法を使用した
場合(DMにマークした場合),その方法の説明を記入する,査定時の情報(専門家の名前,資料的論拠の
表題など)を示すなどに使ってもよい。適切な方法が複数該当する状況の場合,どの方法をどんな理由で
採用したかを注釈列で説明するとよい。この説明には,情報の提示の推奨事項,及び該当する対話の原則
と関連付けて採用理由を述べるとよい。
A.7.2 要約データ
このチェックリストの利用の仕方として,評価結果を適合指数(AR : Adherence Rating)値で要約してもよ
い。ARは,適用可能な推奨事項のうちの,適合している項目の割合である(すなわち,“適”欄のチェッ
ク数を“可”欄のチェック数で除したもの)。AR値だけでなく,その他のデータ(すなわち,“適”の数
及び“可”の数)をも報告することを強く推奨する。しかし,AR値は,計数値に基づく算術的な結果に
過ぎず,各項の重み(それ自体での,及び利用の状況下での)を考慮しなければ,適用可能な推奨事項が,
どれほど適合しているかの信頼すべき測定値とはなり得ないことに注意するとよい。

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
表A.1−適用性及び適合のチェックリスト
注釈
適用可能性 適合
(資料源を含む)
本体の項番及び推奨事項
結果 用いた手法 用いた手法 結果
可否 S D O A E DM M O D A E DM 適否

5 情報の組織化

5.3 ウインドウに関する推奨事項

5.3.1 複数ウインドウの使用
多種の情報源の情報を扱う場合,複
数のウインドウ,又は複数の入出力
領域をもつ単一ウインドウを用い
る。
5.3.2 ウインドウ固有の識別名
各ウインドウに独特なウインドウ
名称を与える(例えば,扱うファイ
ル名,アプリケーション名)。
5.3.3 ウインドウパラメタの既定値
作業する上での操作量を減らせる
ようなウインドウの大きさ及び位
置。
5.3.4 一貫したウインドウの外観
(アプリケーション内)
同種のウインドウには,一貫した外
観をもたせる。
5.3.5 一貫したウインドウの外観
(アプリケーション間)
同時に使う同種のウインドウには,
一貫した外観をもたせる。
5.3.6 ウインドウの主・派生関係の識別
主ウインドウ・派生ウインドウ間の
関係を見て分かるようにする。
5.3.7 ウインドウコントロールの識別
働きが異なる(例えば,閉じる,大
きさを変える)ウインドウの制御要
素は,互いに見分けやすいものと
し,一貫した位置に置く。
5.3.8 重なり形ウインドウ配置
次の場合に採用する。
ウインドウの大きさ,数,内容,並
べ方などが作業上限定されている。
及び/又は
表示寸法が小さい,解像度が低いな
どで,タイル形では適切な情報が与
えにくい。
記号
可=適用可能 S=システム文書の分析 A=分析的評価 M=測定
否=適用外 D=資料的論拠 E=経験的評価 適=適合
O=観察 DM=その他の方法 否=不適合

――――― [JIS Z 8522 pdf 34] ―――――

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Z 8522 : 2006 (ISO 9241-12 : 1998)
表A.1−適用性及び適合のチェックリスト(続き)
注釈
適用可能性 適合
(資料源を含む)
本体の項番及び推奨事項
結果 用いた手法 用いた手法 結果
可否 S D O A E DM M O D A E DM 適否
5.3.9 タイル形ウインドウ配置
次の場合に採用する。
ウインドウの大きさ,数,内容,並
べ方などが作業上限定されていな
い。
及び/又は
表示情報を絶えず目にする必要が
ある(重要情報,仕事に必すな情
報)。
及び/又は
重なり形ウインドウを表示処理す
る負担が大きく,システムの応答が
遅くなり,ユーザーの作業達成が妨
げられる。
5.3.10 ウインドウ配置の選択
仕事に適していれば,好みの配置形
式を選べるように。
5.4 表示領域
5.4.1 一貫した表示領域の位置
アプリケーション中の対話で使う
表示領域(識別,入力/出力,制御
及びメッセージ領域)の位置は,一
貫している。
5.4.2 表示情報の密度
表示する情報の密度は,乱雑と感じ
ない程度である。
5.5 入出力領域
5.5.1 必す(須)情報
ある仕事に必要な情報すべてを,可
能なら,入出力領域中に表示する,
それには :
a) 必すな情報を各作業段階に応じ
て区分する。及び/又は
b) 作業の進行が容易で,分かりや
すいように情報を区分する。
及び/又は
c) 仕事の成績を低下させないよう
に,情報を区分する。
記号
可=適用可能 S=システム文書の分析 A=分析的評価 M=測定
否=適用外 D=資料的論拠 E=経験的評価 適=適合
O=観察 DM=その他の方法 否=不適合

――――― [JIS Z 8522 pdf 35] ―――――

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JIS Z 8522:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9241-12:1998(IDT)

JIS Z 8522:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8522:2006の関連規格と引用規格一覧

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規格名称