この規格ページの目次
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Z 8523 : 2007 (ISO 9241-13 : 1998)
JIS Z 8524 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−メニュー−対話
備考 ISO 9241-14:1997,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−
Part 14: Menu dialoguesが,この規格と一致している。
JIS Z 8525 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−コマンド対話
備考 ISO 9241-15:1997,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−
Part 15: Command dialoguesが,この規格と一致している。
JIS Z 8526 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−直接操作対話
備考 ISO 9241-16:1999,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−
Part 16: Direct manipulation dialoguesが,この規格と一致している。
JIS Z 8527 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−書式記入対話
備考 ISO 9241-17:1998,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−
Part 17: Form filling dialoguesが,この規格と一致している。
3. 定義
この規格の用語の定義は,次による。
3.1 閲覧型ヘルプ (browsable help) 現在の作業状況とは関係なく,独立にアクセスできるヘルプ。ユー
ザーは,ヘルプ項目の並び順を気にすることなく,アクセスしたいヘルプ項目に直接アクセスできる。
3.2 状況対応型ヘルプ (context-sensitive help) システム及びアプリケーションにおける現在の作業状況
に対応して,ヘルプ本文及び項目の範囲が導き出されるヘルプ。ユーザーの現在の作業,ユーザーによる
直前の入力,選択されたオブジェクト,現在の場所又はモードから作業状況を推定する。
3.3 エラー (error) ユーザーの目標と,システムの応答との間の不一致。エラーとしては,ナビゲーシ
ョンエラー,文法エラー,概念エラーなどがある。
3.4 エラー管理 (error management) エラーを検出,説明,又は復旧する場合にユーザーを支援する手
段。
3.5 エラー防止 (error prevention) エラー発生の可能性を,最小限にする手段。
3.6 フィードバック (feedback) ユーザー入力又はシステム内でのイベントに対する応答として,シス
テムからユーザーに提示される出力。
3.7 案内 (guidance) ユーザーが,意図どおりの結果を得るように補助する対話要素。案内を利用する
ことによって,ユーザーはシステム能力を知ることができ,目標達成計画を作成し,目標達成のための支
援を受け,エラー状況への対応が可能となる。
3.8 オンラインヘルプ (on-line help) プロンプト,フィードバック,状況情報及びエラーメッセージ以
外に与えられる,ユーザーの手引となる付加的な情報。この情報には,ユーザーが積極的に要求して取得
するもの,又はシステムから自動的に与えられるものがある。一般的には,システム及び対話の機能説明
情報,並びにこの情報をユーザーの作業を達成する上でいかに活用できるかという情報を提供する。
3.9 プロンプト (prompt) ユーザーからの入力を要求する,システム出力。
3.10 状態情報 (status information) システムの現在の状態を知らせる情報。
3.11 システム主導の案内 (system-initiated guidance) ユーザーが特に案内を要求しなくても,システム
からユーザーに提示される案内。
備考 システムからの案内に含まれるものとしては,プロンプト,フィードバック,状態情報などが
ある。
3.12 ユーザー向け案内 (user guidance) 通常のユーザーとコンピュータとの間の対話には含まれない追
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加情報で,ユーザーからの要求に応じて,又はシステムがユーザーに自動的に提供する案内。
3.13 ユーザー主導の案内 (user-initiated guidance) ユーザーが要求した場合だけ提供する案内。
4. この規格の適用
4.1 ユーザー向け案内の適切性
ユーザー向け案内は,ユーザーの作業の達成を助ける面で,あらゆる
種類の対話方式,すなわちあらゆる種類の対話及び状況に適切に当てはめることができる。
4.2 推奨事項の適用
本体の5.10.のそれぞれで全般的な人間工学的設計目標を規定している。上記全
般的目的を達成するための具体的な推奨事項は,適切と思われる具体的な状況(ユーザー,作業,環境及
び技術)で個別に適用することが望ましい。個々の推奨事項は,推奨事項の内容説明,例(適切なものが
あれば),及び備考(適切なものがあれば)の三つの要素で構成する。推奨事項に付随する例では,一般的
に推奨事項を実現する実装方法を示すが,好ましい解決方法を示す場合もある。
推奨事項は,個別にその適用性を評価し,適用可能であると判断できる場合には,該当するユーザー向
け案内に取り入れる。ただし,ユーザー向け案内に取り入れることによって,設計目的からのずれを引き
起こしたり,全体としてユーザビリティを損なわないことが明白な場合に限る。その推奨事項の適用可能
性を判断するには,関係する箇条又は細分箇条への記載順で評価することが望ましい。適用可能な推奨事
項が条件を満たしていることを判断するには,評価者が製品の評価を行うか,又は製品の代表的ユーザー
がユーザー向け案内に沿って作業を達成する状況を観察する。適用可能性の決定を行うための手続きと,
推奨事項の遵守とを判定するためのサンプル手続きを附属書Aに示す。
4.3 製品評価
仮に,製品がこの規格の適用可能な推奨事項を満たしていると主張するのであれば,ユ
ーザー向け案内の要求仕様を定める手順及びユーザー向け案内を開発及び/又は評価した手順を具体的に
示さなければならない。この手順を記述する詳細度については,当事者間で協議して決めるものとする。
この規格のユーザーは附属書Aで示した手順を使うことも,開発環境及び/又は評価環境に合わせて別
の手順を作成することもできる。
5. 各案内に共通する推奨事項
5.1 説明
この箇条ではユーザー向け案内(プロンプト,フィードバック,状態情報,エラーの管理及
びオンラインヘルプ)に適用可能な一般推奨事項について規定する。
5.2 一般推奨事項
5.2.1 ユーザー向け案内は,その他の表示情報と,明確に区別が付くことが望ましい(グラフィックオブ
ジェクト及び符号化技法を使用する場合の視覚情報の提示に関する推奨事項は,JIS Z 8527の6.及び7.を
参照。)。
例 ユーザーが案内を要求した場合には,背景色が異なるダイアログボックスを別ウィンドウで表示
する。
5.2.2 システム主導の案内が,現在のシステム状態又はユーザーの操作に適用できなくなっている場合に
は,その情報を画面上から消去することが望ましい。
5.2.3 ユーザー主導の案内は,常にユーザーの制御下にあることが望ましい。
5.2.4 ユーザー向け案内の内容は,一般的な情報よりもその作業状況に関連した具体的な情報であること
が望ましい。
例 日付の入力が誤っている場合には,“日付は131までの範囲でなければならない”とし,“無効
なデータ”という表現をしない。
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5.2.5 ユーザー向け案内は,ユーザーの作業及び対話の継続を乱さないことが望ましい。
5.2.6 特別な注意が必要であることをユーザーに警告するためには,明確なメッセージ又は符号化技法を
一貫して用いることが望ましい。
参考 例えば,消費者用警告図記号(JIS S 0101:2000)では,消費者に誤解なく理解されるように,
禁止・注意・指示図記号には,一貫した基本型状,及び色を用いている。禁止図記号は円を基
本型状とし,円及び内部の斜線部分は赤とし,その他は白とする。注意図記号は三角を基本型
状とし,三角の枠部分は黒とし,内部は黄色とする。指示図記号は,円を基本型状とし,円の
内部を青で塗りつぶす。
5.2.7 ユーザーの熟練度合いによってシステムとの対話方法が変えられるのであれば,ユーザーが受け取
りたい案内のレベルを指定できることが望ましい。
5.3 ユーザー向け案内の言葉遣い
5.3.1 “どのように実行するか”を先に述べるのではなく,“結果がどうなるか”を先に述べることが望
ましい。
例 “画面を消去するには,[RETURN]キーを押してください。”とし,“[RETURN]キーを押すと,
画面が消去されます。”としない。
5.3.2 ユーザー向け案内では,仕事を進めているのがシステムではなくユーザーであると感じさせる言葉
遣いとすることが望ましい。
例 “変更内容を保存するには,[OK]を押してください。”とし,“システムは,[OK]を押した場
合だけ,変更内容を保存します。”としない。
5.3.3 ユーザー向け案内では,避けるべきことよりも実行すべきことを強調するため,肯定文で表現する
ことが望ましい。しかし,原則に対する例外であることを明示しようとする場合,又は避けるべきことに
重点を置く場合には否定文を使うことが望ましい。
例1. カーソルの左の文字を消去するのに,後退キー(削除キーではなく)を用いる。
例2. “バックアッププログラムの稼動中は,テープドライブを使用しないでください。” とし,“デ
ータは,バックアッププログラムが稼動しているとき以外に,ディスク又はテープに保存でき
ます。” とはしない。
5.3.4 ユーザー向け案内は,一貫した文法構造を用いた言葉遣いによることが望ましい。
例 選べる選択肢は, 選べる選択肢は,
ファイルを表示する ファイルを表示する
ファイルを印刷する とし, ファイル印刷 としない。
ファイルを消去する ファイルの消去
5.3.5 ユーザー向け案内が文章(文字表示又は音声)を含む場合,簡潔な文章で述べることが望ましい。
5.3.6 ユーザー向け案内は,日本語として不自然でない限り,能動態で述べることが望ましい。
5.3.7 ユーザー向け案内で用いる用語は,仕事を遂行するユーザー層が使用している典型的な用語を用い
るのが望ましい。
備考 必ずしも仕事にふさわしくない設計者の用語を用いることを避け,仕事を遂行するユーザーの
用語を用いる。
5.3.8 ユーザー向け案内の文章表現では,次のことに配慮し,情緒的な表現を省いた用語を用いることが
望ましい。
− ユーザーに対して命令的な表現をしない。
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− 不適切な擬人化をしない。
6. プロンプト
6.1 説明
プロンプトは,システム側で入力の準備が整っていることを明示する。プロンプトには,総
称的なものと具体的なものとがある。総称的なプロンプトは,システムが入力を待っていることだけを示
し,待っている入力の種類は明示しない(例えば,DOSの“>”,UNIXの“$”などのコマンドプロンプ
ト記号)。具体的なプロンプトは,システムがユーザーの入力を待っていることとともに,その時点で妥当
な入力の種類をも指摘する(例えば,“開きたいファイルの名前をタイプしてください : ”)。
6.2 プロンプト表示の推奨事項
プロンプトに関する推奨事項の多くは,書式記入対話に出てくる“見
出し”に対しても等しく当てはまる(詳細は,JIS Z 8527の5.3を参照)。
6.2.1 プロンプトは,対話システムが受け入れる入力の種類を,暗示的に(総称型プロンプト),又は明
示的に(詳細型プロンプト)示すことが望ましい。
6.2.2 次のような状況では,詳細型プロンプトを表示することが望ましい。当てはまる状況が多いほど詳
細型プロンプトが適している。
a) ユーザーはシステムに不慣れで,対話の進め方に関する情報が必要であるとき。
b) 妥当な入力の範囲が狭いとき。
c) 仕事の要件上(例えば,複雑な仕事である,一定の手順に従う必要がある,エラーを最小限にとどめ
ることが求められる),ユーザーが入力するときに案内が必要であるとき。
6.2.3 次のような状況では,総称型プロンプトを表示することが望ましい。当てはまる状況が多いほど総
称型プロンプトが適している。
a) 詳細型プロンプトを表示するには状況が適切でない。
b) ユーザーによる入力範囲が広く,それらの情報すべてを表示するには表示領域が不足である。
備考 総称型プロンプトを採用する場合には,ユーザーの違い(すなわち,プロンプトによく慣れて
いるユーザー及び不慣れなユーザー)を考慮に入れることが重要である。
6.2.4 プロンプトが複雑又はユーザーがプロンプトを理解できない場合,プロンプトに関するオンライン
ヘルプが得られるようにすることが望ましい。
6.2.5 仕事上特定の操作順序を必要とする場合には,その都度必要なプロンプトを与えることが望ましい
(JIS Z 8522の6.2.5を参照)。
6.2.6 データ又はコマンドの入力に対するプロンプトは,入力欄に隣り合った標準的な場所に表示するこ
とが望ましい。
例 左から横書きの言語では,入力欄の左にプロンプトを提示する。
6.2.7 ユーザーに入力を促す情報に対して既定値が決められている場合,その値を視覚的に明示すること
が望ましい(JIS Z 8527の6.1.3を参照)。
例 ログイン時に表示するウィンドウの数は? 2
6.2.8 データ入力欄の様式に,一貫性及び他と区別できる特徴をもたせ,どのようなデータを入力するの
かの手掛かりを与えるプロンプトとすることが望ましい(JIS Z 8527の5.3.7参照)。
例 日付を入力する : 年 月 日
6.2.9 プロンプトへの応答を助けるため,入力欄中の,求める入力の種類に対応した位置にカーソルを自
動的に配置することが望ましい。
例 縦に並べた数値データは右寄せとなるように配置する。すなわち,カーソルを入力欄の右端に置
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Z 8523 : 2007 (ISO 9241-13 : 1998)
き,数字を入力するにつれて入力データが左へと移動する。文字データは左寄せとなるように配
置する。すなわち,カーソルを入力欄の左端に置き,文字を入力するにつれてカーソルが右へと
移動する。
7. フィードバック
7.1 説明
フィードバックは,ユーザーの入力に対する情報を提供する。仕事,システムの状態,ユー
ザーの入力の違いに応じてフィードバックは異なる。フィードバックの例は,次のようなものがある。
− ユーザーがキーボードを打つごとに画面上に表示される文字。
− コマンドが受け入れられ,処理されていることを示すメッセージの提示。
− 図形要素を修正するコマンドに応じた図形データ領域の明らかな変化。
− ユーザーがヘルプキーを押したときのヘルプウィンドウの提示。
− マウスの動きに応じた画面上のポインタの移動。
7.2 フィードバックに関する推奨事項
7.2.1 ユーザーのすべての入力に対し,知覚可能なフィードバックをシステムから即時に与えることが望
ましい(JIS Z 8525の7.1及びJIS Z 8527の7.1を参照)。
例 セキュリティの問題で文字表示を行わないなどの理由がない限り,キーボードからの入力は,打
けん(鍵)ごとに150 ms以内に画面に表示する。
参考 ISO 9241-15の7.9は存在しないため,内容が該当するJIS Z 8525の7.1を参照とした。
7.2.2 通常の仕事の範囲内でのフィードバックは,ユーザーの注意を仕事からそらせない控え目なもので
あることが望ましい。
備考 この推奨事項は,削除の際の確認,安全上重要な事項に関する警告などのユーザー向け案内の
メッセージには該当しない。このような場合には,ユーザーの適切な対応を引き出すためにユ
ーザーの仕事の流れを止める必要がある。
7.2.3 どのような種類のフィードバックをシステムからユーザーに与えるかについては,次の点を考慮に
入れることが望ましい。
a) ユーザーの特性 : ユーザーの身体能力に適した感覚を利用してフィードバックを与えることが望まし
い(例えば,目の見えない人向けのフィードバックでは,視覚表示に加えて音声も与える。)。
b) ユーザー層 : 初心者向けのフィードバックは,熟練者向けのフィードバックよりも多くの説明情報を
含むことが望ましい。
c) 仕事上の要求 : フィードバックは,仕事で要求される注意の度合いと調和していることが望ましい。
例 画面から目をそらすことが必要な仕事では,音声,音信号などの視覚にたよらない種類のフィー
ドバックを提示する。
d) システムの能力 : 特定のハードウェアを前提としないフィードバックの与え方が望ましい(例えば,
システムが音声出力機能をもたない場合には,音声出力をフィードバックの唯一の提示手段としな
い。)。
7.2.4 システムの状態又はモードが変化した場合,システムはその状態を明示することが望ましい。
例 ユーザーがシステムへの割り込みコマンドを実行した場合,システムの状態変化を明示する。
7.2.5 ユーザーがある項目を選択して何らかの操作を行おうとする,又はそれを実行しようとする場合,
その項目を強調表示することが望ましい(JIS Z 8524の7.1.4を参照)。
7.2.6 遠隔の処理装置が利用できる場合(例えば,文書を遠隔のプリンタで印刷する。),遠隔処理の要求
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JIS Z 8523:2007の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9241-13:1998(IDT)
JIS Z 8523:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.180 : IT端末設備及びその他の周辺設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 8523:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8522:2006
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―情報の提示
- JISZ8524:1999
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―メニュー対話
- JISZ8525:2000
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―コマンド対話
- JISZ8526:2006
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―直接操作対話
- JISZ8527:2002
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―書式記入対話