この規格ページの目次
JIS Z 8526:2006 規格概要
この規格 Z8526は、直接操作対話を設計するうえでの手引きとなる事項について規定。
JISZ8526 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8526
- 規格名称
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―直接操作対話
- 規格名称英語訳
- Ergonomics -- Office work with visual display terminals (VDTs) -- Direct manipulation dialogues
- 制定年月日
- 2006年5月20日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 9241-16:1999(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 13.180, 35.180
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 2006-05-20 制定日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 8526:2006 PDF [29]
Z8526 : 2006(ISO 9241-16 : 1999)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本人間工学会(JES)/財団法人日本規格協
会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審
議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
制定に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9241-16:1999,Ergonomic
requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part 16: Direct manipulation dialoguesを基礎
として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS Z 8526には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考)適用可能性及び適合を査定する手順例
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS Z 8526 pdf 1] ―――――
Z 8526 : 2006 (ISO 9241-16 : 1999)
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1. 適用範囲・・・・[1]
- 2. 引用規格・・・・[2]
- 3. 定義・・・・[3]
- 4. この規格の適用・・・・[4]
- 4.1 直接操作対話が適切な場合・・・・[4]
- 4.2 推奨事項の適用・・・・[5]
- 4.3 製品の評価・・・・[5]
- 5. 一般・・・・[6]
- 5.1 比ゆ表現・・・・[6]
- 5.2 直接操作で使用するオブジェクトの外観・・・・[7]
- 5.3 フィードバック・・・・[8]
- 5.4 入力装置・・・・[9]
- 6. オブジェクトの操作・・・・[10]
- 6.1 全般・・・・[10]
- 6.2 ポイントし,選択する動作・・・・[11]
- 6.3 ドラッグ動作・・・・[13]
- 6.4 オブジェクトの寸法変更動作・・・・[15]
- 6.5 回転・・・・[15]
- 7. テキストオブジェクトの直接操作に関する追加推奨事項・・・・[16]
- 7.1 ポイント動作及び選択動作・・・・[16]
- 7.2 テキストの寸法変更動作・・・・[16]
- 8. ウィンドウの直接操作に関する追加推奨事項・・・・[16]
- 8.1 総説・・・・[16]
- 8.2 ポイント動作及び選択動作・・・・[17]
- 8.3 ウィンドウの寸法変更・・・・[17]
- 9. コントロールアイコンの直接操作についての追加推奨事項・・・・[18]
- 9.1 ポイント動作及び選択動作・・・・[18]
- 附属書A(参考)適用可能性及び適合を査定する手順例・・・・[19]
――――― [JIS Z 8526 pdf 2] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 8526 : 2006
(ISO 9241-16 : 1999)
人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−直接操作対話
Ergonomics-Office work with visual display terminals (VDTs)- Direct manipulation dialogues
序文
この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 9241-16,Ergonomic requirements for office work
with visual display terminals (VDTs)−Part 16: Direct manipulation dialoguesを翻訳し,技術的内容及び規格票
の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
この規格は,直接操作とよばれる方式を採用した対話(以下,直接操作対話という。)を人間工学の見地
から望ましいものに設計する上での推奨事項を扱う。直接操作対話では,ユーザーは,物理的実体を扱う
のと似た方法で,表示されたオブジェクトに対し働きかける形で,仕事の遂行に必要な種々の作業を行う。
この規格は,次の人を対象とする。
a) ユーザインタフェースの設計者 : この規格を開発過程で適用する。
b) 購買担当者 : 製品購入段階でこの規格を参照する。
c) 評価担当者 : 製品がこの規格に適合することを確かめる責任がある。
d) ユーザインタフェース開発ツールの設計者 : ユーザインタフェース開発ツールの開発者の作ったツー
ルをユーザインタフェースの設計者が利用する。
e) ユーザー : この規格を適用することで実現される恩恵を得る。
この規格は,直接操作対話に関する多数の推奨事項からなり,その多くは条件付き推奨事項である。条
件付き推奨事項とは,無条件にどのような場合にも当てはめようとするのではなく,その推奨事項を当て
はめることがふさわ(相応)しい特定の状況“例えば,ある種のユーザー,仕事(task),作業環境及び採
用技術”においてだけその推奨事項を満たしているかどうかを検討すればよい事項である。
JIS Z 8520: 1999の人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−対話の原則では,直接操作対話を設
計するときにも重視すべき対話の原則を規定している。これらの原則は,設計者及び評価者に対して,こ
の規格中の推奨事項の説明では理解しきれない人間工学的な根拠を提供しており,この規格中の優先度を
考慮すべき各推奨事項間の折り合いを付けるのに役立てることができる。しかし,折り合いを付ける上で
は,これら対話の原則以外の考慮も同様に必要である。
1. 適用範囲
この規格は,直接操作対話を設計するうえでの手引きとなる事項について規定する。直接
操作対話では,ユーザーは,オブジェクトに対して,又は操作すべきオブジェクトを表現したものに対し
て,直接的に働きかける。働きかけ方の具体的な例としては,例えば,入力装置を介してオブジェクトを
指し示したり,オブジェクトを移動したり,オブジェクトの物理的特性(又は値)を変更するなどがある。
この場合のオブジェクトは,典型的には,抽象的なソフトウェア構成要素又は機能を具象的に表現したも
――――― [JIS Z 8526 pdf 3] ―――――
2
Z 8526 : 2006 (ISO 9241-16 : 1999)
のであり,図表現であることが多い。大別すると次の2種類に分類できる。
a) 仕事オブジェクト ユーザーが仕事を遂行する上で,扱う実世界の人工物(例えば,書類,ペン,ス
パナ,グラフ)を比ゆ的に表現したもの。
b) インタフェースオブジェクト ユーザーが,アプリケーション又はシステムを利用していく上での操
作を行えるように,ユーザインタフェース中にとり入れたオブジェクト。実世界のオブジェクトの場
合もあるが,ユーザーの実際の仕事目的とは直接的に関連しない比ゆ表現である(例えば,ボタン,
スライダ,ウィンドウ,画面)。
オブジェクトそのものと,そのオブジェクトの表示された表現の両方を,両者の明確な区別が必要な場
合を除いて,ともにオブジェクトと呼ぶ。
立体視を利用するインタフェース,又は仮想現実形のインタフェースは,この規格では扱わない。
参考1. 直接操作という用語は,実際上,グラフィカルユーザインタフェース(GUI)と同義に用い
ることが多い。しかし,GUIでは,直接操作対話と併せて,メニュー対話又はコマンド対話
のような他の対話技法をも組み込むことがしばしばある。GUIは,直接操作の特徴を多く備
えてはいるが,GUIにおけるユーザーの入力すべてを直接操作とみなせるわけではない。例
えば,ある文書を印刷しようとして,その文書のアイコンをプリンタアイコン上へと移動さ
せることよりは,“印刷”と見出しのついた押ボタンをマウスでクリックする方が直接操作と
しての意味合いは弱い。
この規格は,直接操作対話の使いやすさの問題を扱う。GUI要素についての推奨事項は,直接操作の働
きに明確にかかわるものだけを規定する。
参考2. 逐次に段階を踏んで入力していく直接操作対話の性質が効率的ではない場合もある(例えば,
文字“d”で始まる名前をもつファイルすべてを削除したい場合。)。したがって,コマンド入
力又はメニュー対話などのより適切な他の対話手法を併用して,直接操作を補うこともある。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 9241-16:1999,Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part
16: Direct manipulation dialogues (IDT)
2. 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8524 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−メニュー対話
備考 ISO 9241-14 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part
14: Menu dialoguesからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
ISO 9241-12 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part 12:
Presentation of information
ISO 9241-13 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs)−Part 13: User
guidance
ISO/IEC 11581-1 Information technology−User system interfaces and symbols−Icon symbols and
functions−Part 1: Icons−General
ISO/IEC 11581-2 Information technology−User system interfaces and symbols−Icon symbols and
――――― [JIS Z 8526 pdf 4] ―――――
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Z 8526 : 2006 (ISO 9241-16 : 1999)
functions−Part 2: Object icons
ISO/IEC 11581-3 Information technology−User system interfaces and symbols−Icon symbols and
functions−Part 3: Pointer icons
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 属性(Attribute) オブジェクトの,又はオブジェクトを表現したものの固有の特性(例えば,色)。
何らかの状況においては,ユーザーの動作によって変更可能なものもある。
3.2 選択リスト(Choice list) ユーザーがその中から選択できる幾つかの項目を含むリスト。
備考 選択リストには,項目を一つしか選択できないものと複数の項目を選択できるものとがある。
項目数は常に一定である場合も,対話途中で変化する場合もある。
3.3 クリック動作(Clicking) ポインティングデバイスのボタンを押し,指している選択領域からポイ
ンタを移動させずに,すぐにボタンを離す動作。
3.4 コントロ−ル(Control) ダイアル,ラジオボタンなどの物理的なコントロールに似せた図形で,
データその他のオブジェクト,又はそれらオブジェクトの属性を,ユーザーが直接的に操作するのに使う
もの。
3.5 カーソル(Cursor) 文字を入力する位置を視覚的に示すもの。
3.6 直接操作(Direct manipulation) 画面上のオブジェクトに対して,ユーザー自身が直接働きかけて
いるとユーザーに感じさせるような対話手法。例えば,入力装置を使ってオブジェクトを指し示す,オブ
ジェクトを移動させる,及び/又はオブジェクトの物理的特性(又は値)を変化させる対話手法。
3.7 ドラッグ動作(Dragging) オブジェクト又はオブジェクトの一部分とポインタとを結合させて,そ
のオブジェクトを移動又は変化させること。
3.8 ダブルクリック動作(Double clicking) 所定の時間内で二度続けてポインティングデバイスのボタ
ンを押しすぐ離す動作。
3.9 ハンドル(Handle) オブジェクトの制御に用いる箇所を図的に示すもの。常時表示されるものと,
状況に応じて一時的に表示されるものとがある。
3.10 アイコン(Icon) オブジェクト,動作又は機能を表現する画面上の図形。
3.11 入力フォーカス(Input focus) ある入力装置からのユーザーの入力が向けられるオブジェクトを指
摘する表示。
3.12 比ゆ表現(Metaphor) ユーザーにとってなじみがあり,ユーザーがそれに基づいてシステムの働
き,振る舞い及び構成を予測できるような概念及び性質の利用。
3.13 オブジェクト(Object) 対話中でユーザーに対して提示される実体。
備考 仕事に関連した実体(例えば,手紙,注文,電子部品,結線図)と,ユーザインタフェースに
関連した実体(例えば,アイコン,ウィンドウ,押しボタン)との双方ともオブジェクトとみ
なす。オブジェクトの種類には,テキストオブジェクト,図オブジェクト及びコントロールオ
ブジェクトがある。ユーザーが直接的に操作できるオブジェクトもある。
3.14 ペイン(Pane) ウィンドウ枠内の作業領域。
備考 ペインを更に分割して,一つのウィンドウ内で複数個のペインを作る場合もある。
3.15 ポインタ(Pointer) ポインティングデバイスの操作に応じて,画面上を移動する図形記号。
備考 ポインタを画面上に表示された要素の位置まで動かし,直接操作を開始することで,ユーザー
はその要素とのやり取りを行う。
――――― [JIS Z 8526 pdf 5] ―――――
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JIS Z 8526:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9241-16:1999(IDT)
JIS Z 8526:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.180 : IT端末設備及びその他の周辺設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.180 : 人間工学
JIS Z 8526:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8524:1999
- 人間工学―視覚表示装置を用いるオフィス作業―メニュー対話