JIS Z 8732:2000 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法―無響室及び半無響室における精密測定方法 | ページ 4

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Z 8732 : 2000 (ISO/DIS 3745 : 2000)

10. 記録事項

 この規格の要求事項に従って行ったすべての測定について,適用できる次の情報を収集,
記録する。

10.1 測定対象音源

a) 測定対象音源の記述(寸法を含む)
b) 作動条件
c) 設置条件
d) 試験室内の音源の位置
e) 測定対象に幾つかの騒音源があるときには,測定中に作動する音源の記述

10.2 音響環境

a) 試験室の寸法;壁,天井及び床の仕上の記述;音源及びその他の室内容物の位置を示すスケッチ
b) 附属書A又は附属書Bによる試験室の音響特性の適応性
c) 温度 (℃),相対湿度 (%) 及び大気圧 (Pa)

10.3 測定器

a) 測定に使用した装置(名称,型式,製造番号及び製造業者名)
b) 測定システムの周波数特性
c) マイクロホンの校正方法及び校正の年月日,場所

10.4 音響データ

a) マイクロホン経路又は配列の位置及び向き(必要ならばスケッチ)
b) 適用した場合には,マイクロホンの周波数特性,通過帯域でのフィルタの周波数特性,暗騒音などに
対する各周波数帯域ごとの補正値 (dB)
c) 特性音圧レベル(その他の重み付けはオプション)及び各対象周波数帯域の音圧レベルについて算
出した表面音圧レベルLpf(dB,基準値20 懿
d) 使用したすべての周波数帯域について算出した音響パワーレベル[dB,基準値1pW (=10−12W) ]及
びA特性音響パワーレベル
e) 使用したすべての周波数帯域について算出した音響エネルギーレベル[dB,基準値1pJ (=10−12J) ]及
びA特性音響エネルギーレベル
f) 測定を行った年月日及び時刻
g) 騒音の主観的印象の記述(可聴離散周波数音,スペクトル成分,時間特性など)
h) 必要な場合,指向指数及び指向係数(附属書I参照)

11. 報告事項

 報告書には,報告した音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルはこの規格の方法に完
全に適合しているかどうかを記述する。報告書には,音響パワーレベルは1pWを基準にしたデシベル値で
あり,音響エネルギーレベルは1pJを基準にしたデシベル値であることを記述する。

――――― [JIS Z 8732 pdf 16] ―――――

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Z 8732 : 2000 (ISO/DIS 3745 : 2000)
附属書A(規定) 無響室及び半無響室の一般的適性試験方法

A.1 一般事項

 一般に,自由音場又は半自由音場についての要求事項は,点音源から放射される音につい
ての逆二乗則からの音圧の許容偏差によって与えられる。

A.2 測定器

A.2.1 一般事項

 マイクロホン及びケーブルを含む測定システムはJIS C 1505に規定するクラス1の要求
事項に適合するものとする。使用するフィルタは,IEC 61260に規定するクラス1の要求事項に適合する
ものとする。

A.2.2 試験用音源の種類と位置

 室中央(半無響室の場合は反射面上)に設置したスピーカを含む電気音
響システムには,十分な出力レベル,高安定性及び本質的に全指向性をもつものを使用する。
周波数範囲ごとに,次のように異なったスピーカを使うことを推奨する。スピーカの最大寸法は次によ
る。
<400 Hz 直径25cmの導電形スピーカ(半無響室の場合には反射面上8cm以内に設置する)
4002000 Hz 直径10cmの2つの導電形スピーカを向き合うように組み合わせてボルト止めにし,呼吸
球として作動するように電気的に接続する。その他の方法としては,前項のスピーカの寸
法を小さくしたものを使用する(半無響室の場合には反射面上2cm以内に置く)
>2000 Hz 細い円管(直径1cm以下)を音の出口とした密閉形スピーカシステム(半無響室の場合に
は反射面から0.5cm以内に置く)

A.3 試験用音源及びマイクロホンの設置

A.3.1 無響室

 試験用音源は,その音響中心が測定球面の中心に一致し,さらに望ましくはそれが室の中
心に一致するように設置する。
備考 試験用音源の音響中心が明確に同定できないときには,スピーカの開口中心を音響中心とみな
す。

A.3.2 半無響室

 試験用音源の音響中心が反射床面から0.1波長以内になるように,音源を反射床面上に置
く。このためには,試験音源を反射床面に作ったピット内に置くか,又は反射床面のすぐ上に置くことを
推奨する。

A.3.3 マイクロホンの移動

 マイクロホンの移動は,試験用音源の音響中心から少なくとも5つの異なっ
た方向の直線経路について行う。基本的なマイクロホン経路は,音源から室の隅に向かう直線である。半
無響室の場合には,反射床面に非常に近く,平行な経路を避ける。

A.4 試験方法

A.4.1 試験音の発生

 A.2及びA.3に示す電気音響システムを,測定対象音源の対象周波数範囲にわたる離
散周波数で作動させる。125Hz未満及び4 000Hzを超える中心周波数としては,1/3オクターブ間隔の周波
数を使用する。1254 000Hzについてはオクターブ間隔の周波数を使用する。
備考 測定対象音源が広帯域音だけを放射するときには,離散周波数の代わりに1/3オクターブの帯
域雑音を用いてもよい。

――――― [JIS Z 8732 pdf 17] ―――――

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Z 8732 : 2000 (ISO/DIS 3745 : 2000)

A.4.2 音圧レベルの測定

 マイクロホンは,各周波数についてA.3.3に示す経路に沿って移動させる。音圧
レベルの測定は,スピーカの音響中心から0.5mの位置と測定球面又は半球面の間で行う。測定点の間隔
は試験周波数の音の1/4波長以下とする。しかし,1 000Hz以上の周波数では,0.1m程度の間隔とする。
測定点の数は,マイクロホン経路の各方向について10点以上とする。
そのほかには,マイクロホンを連続移動して音圧レベルを記録する。この場合,マイクロホン移動シス
テムからの反射を注意深く避ける。

A.4.3 逆二乗則からの偏差の算出

A.4.3.1 逆二乗則による音圧レベル推定式

 A.4.2に示す測定点で測定した音圧レベルから,測定の各方向
ごとに,逆二乗則に基づく音圧レベルの推定値を次の式(A.1)によって算出する。
a
Lp r =2010 (A・1)
r−r0
ここに,
2
N N
2
ri −N ri
i=1 i=1
a= N N N
ri qi−N riqi
i=1i=1 i=1
N N N N
2
ri riqi− ri qi
i=1i=1 i=1 i=1
r0=− N N N
ri qi−N riqi
i=1i=1 i=1
qi=100.05Lpi
ri : 測定球面又は測定半球面の中心からi番目の測定点までの距離
(m)
Lpi : i番目の測定点における音圧レベル (dB)
N : 各測定方向における測定点の数
備考 式(A.1)の適用に対しては,次の事項が重要な前提になる。
音源の強さ“a”は,正の値のみをもつ。
音響中心は音源の近傍にあることを保証することが要求される。これは,r0が音源寸法の2
倍以下である
ことを意味する。

A.4.3.2 逆二乗則からの偏差

 逆二乗則に基づく音圧レベルの推定値を使って,すべての測定点における音
圧レベルの逆二乗則からの偏差を次の式によって算出する。
△Lpi=Lpi−Lp (ri) (A.2)
ここに, △Lpi : 逆二乗則からの偏差 (dB)
Lpi : i番目の測定点における音圧レベル (dB)
Lp (ri) : 逆二乗則から推定した距離riにおける音圧レベル (dB)

A.5 評価方法

 A.4.3.2によって算出した偏差は,附属書表A.1に示す値を超えないものとする。
附属書表A.1の偏差は,測定球面又は半球面の許容半径及び測定表面を選定できる音源の周りの最大空
間を決定する。こうして求めた測定面が実際の測定対象音源の近距離音場の外側にあれば,この測定面は

――――― [JIS Z 8732 pdf 18] ―――――

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Z 8732 : 2000 (ISO/DIS 3745 : 2000)
この規格による音響パワーレベルの算出に適している。
附属書表A.1 理論的逆二乗則からの測定音圧レベルの最大許容偏差
試験室の種類 1/3オクターブバンド周波数 許容偏差
Hz dB
無響室 ≦630 ±1.5
8005 000 ±1.0
≧6 300 ±1.5
半無響室 ≦630 ±2.5
8005 000 ±2.0
≧6 300 ±3.0

――――― [JIS Z 8732 pdf 19] ―――――

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Z 8732 : 2000 (ISO/DIS 3745 : 2000)
附属書B(規定) 特定騒音源の音響パワーレベル算出
を目的とした他の適正試験方法

B.1 一般事項

 自由音場又は反射面上の自由音場を与える環境は,この規格に従って行う測定に使用され
る。
試験室は十分大きく,半無響室の反射面を除いて反射物の影響のない室とする。
試験室は,次のような測定面を与える必要がある。
a) 室の境界面からの望ましくない音の反射がない音場にあること。
b) 試験対象音源の近距離音場の外側にあること。
望ましくない環境の影響を求め,自由音場又は半自由音場の条件をチェックするための方法をこの
附属書に記述する。半無響室における測定のためには,反射面はB.2の要求事項を満足するものとす
る。

B.2 反射面の特性

 半無響室の場合,測定は一つの表面が反射性である試験室の反射面上で行う。
備考 特に反射面が地面又は試験室表面の一部分でないときには,その面が振動によって無視できな
い音を放射しないように注意する。

B.2.1 寸法

 反射面は,それに対する反射面の投影よりも外側に対象周波数範囲の最低周波数の半波長以
上大きいものとする。

B.2.2 吸音率

 反射面の吸音率は,対象周波数範囲において0.06以下とする。
備考 要求事項は,気密コンクリート構造又は20kg/m2以上の軽量構造によって適合する。

B.3 異なった半径の二つの測定球面又は半球面を使う方法(2表面法)

B.3.1 試験音源

 一般に,測定対象機械を適正試験の音源として使用する。
ある場合には,附属書A.2.1に規定するスピーカによる電気音響システムをこの方法に使用してもよい。

B.3.2 試験方法

 音源を囲む二つの球面(無響室)又は半球面(半無響室)を選定する。第一の面は,音
響パワーレベル算出のための7.2による測定面とする。第一の面の面積をS1とする。面積S2の第二の面は,
第一の面と幾何学的に相似で,さらに離れて位置し,音源に関して対称とする。両表面において,4.3に規
定する暗騒音の規定を満足するものとする。
第二の面におけるマイクロホン位置は,第一の面上のマイクロホン位置に対応させる。面積比S2/S1は2
以上とし,4以上であることが望ましい。
両表面S1及びS2についての平均音圧レベルの測定から,各周波数ごとに次の値を算出する。
S2
=Lp1−Lp2−10 log 10 (B.1)
S1
ここに, Lp1 : S1上の平均音圧レベル (dB)
Lp2 : S2上の平均音圧レベル (dB)
下であれば,試験室及び測定面S1は,この規格の目的に対して
適当であると判断される。

――――― [JIS Z 8732 pdf 20] ―――――

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JIS Z 8732:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO/DIS 3745:2000(IDT)

JIS Z 8732:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8732:2000の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC1505:1988
精密騒音計
JISC1515:2020
電気音響―音響校正器