JIS Z 8736-1:1999 音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定 | ページ 2

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Z 8736-1:1999 (ISO 9614-1:1993)
表1 バイアス誤差係数K
測定精度 バイアス誤差係数dB
精密級(グレード1) 10
実用級(グレード2) 10
簡易級(グレード3) 7
この規格では,それぞれの測定点における時間平均値が,平均化時間
3.13 定常信号 (stationary signal)
を測定面上のすべての測定点における測定に要する時間に延長した場合にその点で測定される値と等しけ
れば,信号は定常であるとみなす。反復的又は周期的な信号でも,個々の測定点における測定時間を信号
の繰返し周期の少なくとも10倍以上にとれば,定常とみなしてよい。
3.14 音場指標 (field indicator) 1F4 附属書A参照。
4. 一般測定条件
4.1 騒音源の大きさ 騒音源の大きさは,制限しない。騒音源の範囲は,測定面の設定によって決まる。
4.2 音源の発生騒音の特性 被測定音源の発生音は,定常(3.13参照)でなくてはならない。音源の作
動状態が周期性をもって段階的に変化し,その段階ごとに明確な定常的な状態があれば,この規格によっ
てその作動条件ごとに音響パワーレベルを測定することができる。非定常的な外部の騒音源の作動が予測
できる場合には,その作動時間中の測定は避ける(附属書Bの表B.3参照)。
4.3 測定の不確かさ この規格では,表2に示す3段階の測定精度が設定されている。この表に示され
ている測定の不確かさは,測定に伴うランダム誤差と必要な測定精度に応じた係数K(表1参照)の選択
によって決まるバイアス誤差の最大値とを考慮して設定されている。ただし,これらの値には,IEC 61043
で規定されている測定器の性能の許容誤差,並びに被測定音源の設置・取付方法及び作動条件の変化によ
る影響は含まれていない。
50Hz以下については,測定の不確かさを決めるデータが十分でない。そこでこの規格では,A特性の値
は,オクターブバンドで63Hz4kHz,1/3オクターブバンドで50Hz6.3kHzまでの成分を含むものとし
ている。31.540Hzまで,及び810kHzまでの周波数範囲に著しく高いレベルがなければ,オクターブ
バンドで63Hz4kHz,1/3オクターブバンドで50Hz6.3kHzまでの帯域ごとの値から計算したA特性の
値は正しいと考えてよい。この点を確認するためには,上記の帯域外でA特性の重み付けをしたバンドレ
ベル値が合成計算で求めたA特性の値から6dBを減じた値以上となっていないことを確かめる。上記の範
囲より狭い周波数範囲についてA特性音響パワーレベルを求める場合には,その周波数範囲を明記する必
要がある(10.5参照)。
騒音源の音響パワーレベルの測定精度は,音源の近傍音場,周囲の騒音,被測定音源自体の吸音性,及
び音響インテンシティ場のサンプリングの仕方などの測定方法による。そのため,この規格では,設定し
た測定面上の音場の特性を表す指標を調べるための初期測定を規定する(附属書A参照)。この初期測定
の結果に基づいて,所定の精度を確保するために必要な方法を表B.2及びB.3表によって選ぶ。
A特性音響パワーレベルの値だけを求める場合には,A特性の重み付けをした帯域ごとのパワーレベル
のうち,最大の値よりも10dB又はそれ以上小さい帯域は無視して計算してもよい。そのような帯域が二
つ以上ある場合には,それらの合成レベルが最大値よりも10dB以上小さい場合には無視してもよい。A
特性音響パワーレベルの値だけを求める場合,A特性の重み付けをしたバンドパワーレベルがA特性の重
み付けをしたオーバーオール値よりも10dB以上小さい帯域は,測定精度に影響しない。

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表2 音響パワーレベル測定における不確かさ
オクターブバンド 1/3オクターブバンド 標準偏差 : s(1)
中心周波数 中心周波数 精密級(グレード1)実用級(グレード2)簡易級(グレード3)
Hz Hz dB dB dB
63125 50160 2 3 −
250500 200630 1.5 2 −
1 0004 000 8005 000 1 1.5 −
6 300 2 2.5 −
A特性(2) − − − 4(3)
注(1) 音響パワーレベルの真値は,95%の信頼度で測定結果を中心として±2sの範囲内にあると期待される。
(2) 63Hz4kHz又は50Hz6.3kHz
(3) 種々の測定器が用いられるので,この値は暫定的な値とする。
5. 音響環境条件
5.1 測定環境条件 測定環境は,IEC 61043に規定する測定器による音響インテンシティ測定の原理が満
たされる条件を備えていなければならない。また,5.25.4に規定する条件を満たす必要がある。
5.2 外来インテンシティ
5.2.1 外来インテンシティのレベル あらゆる方法によって,許容限界以上に精度を低下させる外来イン
テンシティを最小にする(附属書AのA.2.2及び附属書B参照)。
備考 被測定音源の一部が吸音性材料でできている場合には,外来インテンシティによって音響パワ
ーレベルの測定に誤差を生じることがある。被測定音源の音を停止することができる場合につ
いては,この種の測定誤差の評価のしかたを附属書Dに示す。
5.2.2 外来騒音の変動の程度 外来騒音の変動の影響を調べるために,音場の時間的変動性を表す指標
F1が規定された限度を超えていないことを確認する(表B.3参照)。
5.3 風,気流,振動及び温度 インテンシティプローブの周辺の気流の条件が,測定器製造業者が規定
する測定器の使用範囲を超えている場合には,測定を行ってはならない。そのような条件の規定がない場
合,平均風速が2m/sを超える条件では測定を行わない(附属書C参照)。屋外の測定では,常にウインド
スクリーンを使用する(IEC 61043参照)。平均流速が2m/s以上の気流中やその周辺,又は振動が大きな
場所にプローブを設置してはならない。
備考1. 風速は,平均値を中心として変動するので,平均風速が許容値に近い場合,音響パワーレベ
ルは過大に測定されやすい。
2. 周辺の気温に比べて温度が著しく異なる物体に対しては,20mm以内にプローブを近づけて
はならない。周辺の気温より著しく高温の条件,特にプローブの部分で大きな温度こう(勾)
配ができているような条件でプローブを使用することはなるべく避ける。
3. 気圧及び気温によって空気の密度及び音速が変化する。したがって,測定器に対するこれら
の要因の影響を十分に考慮し,校正時に適切な補正を行う必要がある(IEC 61043参照)。
5.4 周囲の状況 測定環境は,測定の時間内でできるだけ一定の条件に保たなければならない。この条
件は,音源が純音成分を含んでいる場合に特に重要である。測定の再現性(ISO 5725に規定)を調べ,測
定の間に測定環境に何らかの変化があった場合には必ず記録しておく。いずれの測定点についても,測定
中に測定者がプローブ軸の方向又は近傍に立たないようにする。被測定音源の近くにあるものは,できる
だけ移動する。

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6. 測定器
6.1 一般事項 IEC 61043の規定に適合する音響インテンシティ測定器及びプローブを用いる。グレード
1及びグレード2の精度の測定には,クラス1の測定器を用いなければならない。IEC 61043に従って,
大気圧及び気温に応じて測定器の感度を調整する。この規格による測定に用いる測定器の音圧−残留音響
インテンシティ指数を測定周波数帯域ごとに記録しておく。
6.2 校正及び測定現場におけるチェック プローブを含む測定器は,IEC 61043に適合していなければな
らない。少なくとも年に一度は,認定された校正機関において所定の方法に従った校正を行い,IEC 61043
に適合していることを確認する。その結果は,10.3に従って記録しておく。
一連の測定に先立って,測定器が正常に作動していることを確かめるために,測定器製造業者の指示に
従って現場における点検を行う。そのような方法が指定されていない場合には,6.2.1及び6.2.2の方法に
よって,運搬中などに起こり得る測定器の異常の有無を調べる。
6.2.1 音圧レベル JIS C 1515に規定するクラス0,1又は1Lの音響校正器を用いて,インテンシティプ
ローブを構成する二つの音圧マイクロホンを校正する。
6.2.2 音響インテンシティ 測定面上で,ノーマル音響インテンシティが測定面全体の平均値よりも大き
い位置にインテンシティプローブをその軸が面に垂直になるように置く。その状態で,ノーマル音響イン
テンシティレベル(3.5参照)を測定する。次に,インテンシティプローブを測定軸に対して180°回転さ
せる。その場合,プローブの音響中心は前と同じ点に保つ。この状態でインテンシティを再び測定する。
回転の際にプローブが同じ位置を保つようにスタンドに取り付ける。測定器が適合しているためには,以
上のようにして測定したオクターブバンド又は1/3オクターブバンドの最大レベルに関して,二つのInの
符号が反対で両者のレベル差が1.5dB未満でなければならない。
7. 騒音源の設置及び作動
7.1 一般事項 被測定音源を通常の使用状態に近い形で適切に設置する。特殊な機械又は装置で特別の
試験要項がある場合には,それに従って設置する。
7.2 被測定音源の作動及び設置条件 特殊な機械又は装置で,個々の試験要項で作動及び設置条件につ
いて指定がある場合には,それによる。試験要項がない場合には,通常の使用条件を代表する定常状態で
大きな負荷の条件で被測定音源を作動する。
代表的な音源の作動条件は,次のとおりとする。
a) 通常の使用状態で,音の発生が最大となる負荷条件(そのような使用の確率が10%以上の場合)
b) 最大負荷の条件
c) 無負荷(アイドリング)の条件
d) 擬似負荷条件(通常の作動条件を代表する負荷ではなく,擬似的な負荷条件で,音の発生が最大とな
る条件が望ましい。)
e) その他,特に指定された負荷及び作動条件
主たる作動条件としては,a)又はb)が適切である。その他の条件は,追加的な条件である。
8. ノーマル音響インテンシテイレベルの測定
8.1 平均化時間 インテンシティの測定結果において,最大誤差5%を95%信頼度で保つためには,ガウ
ス分布をもつホワイトノイズの場合,バンドパスフィルタを含む測定器に要求される平均化時間は,次の
式の条件を満たす必要がある。

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BT≧400
ここに, B : フィルタの通過帯域幅 (Hz)
T : 平均化時間 (s)
狭帯域周波数分析の結果からオクターブバンド又は1/3オクターブバンドの値を合成して求める方式の
測定器については,IEC 61043の等価平均化時間及び平均回数に関する規定を参照。周期的な繰返し音の
場合には,特別な注意が必要である。
8.2 初期測定 初期測定として,被測定音源を取り囲んで設定した測定面上のノーマル音響インテンシ
ティを測定する。この測定面が不適切と判断された場合,附属書Bに示す方法によってその設定を変更す
る。
備考 測定面は,図1に示すような幾何学的に単純で面積が計算しやすい形状の中から選ぶとよい。
図1 初期測定のための測定面の例
測定面と被測定音源の表面との平均的な距離は,音源の全放射音響パワーに対する寄与が小さいことが
あらかじめ確かめられている部分を除き,0.5m以上とする。測定面の一部がコンクリートや,石ばりなど
の反射性の面(残響室法吸音率で0.06以下)面であってもよい。ただし,そのような面上では,インテン
シティ測定は行わない。また,それらの面は,式(6)による音源の音響パワーの計算には含めない(3.6.2
参照)。
音場の定常性を調べるために,初期測定面上に代表的な測定点を設定する。すべての測定周波数帯域に
ついて,附属書AのA.2.1に従って指標F1を計算する。音場の時間的変動性が表B.3に示す値以上となっ
ている場合には,それを小さくするために,表B.3に従って適切な手段をとる。
被測定音源を停止できる場合,測定面全体にわたってできるだけ均一に配置した5点における騒音レベ
ルが,音源を停止したときに10dB以上下がれば,外部の騒音の影響は小さいと判断してよい。
備考 この条件は,測定面外部に被測定音源に連動した他の音源があり,その音が無視できない場合
には適用できない。
音響パワーを測定するすべての周波数帯域について,少なくとも1m2当たり1点,かつ,できるだけ均
一に設定した最小10点の測定点で,測定面上のノーマル音響インテンシティレベル及び音圧レベルを測定
する。外部の騒音の影響が無視できない場合,かつ,それによって50以上の測定点が必要となる場合には,
測定点の総数が50を下回らないという条件で,2m2当たり測定点1点としてもよい。外部の騒音の影響が
小さく,測定面の面積が50m2以上の場合には,50の測定点を測定面上にできるだけ均一になるように設
定する。
すべての測定周波数帯域について,附属書Aに従ってF2,F3及びF4を計算し,その結果を附属書Bの
B.1に示す評価基準に代入する。各周波数帯域で基準を満足している場合には,表2に示す不確かさの範
囲で,初期測定で求められた音響パワーレベルを最終結果としてよい。
B.1.1の基準1が満たされない測定周波数帯域内に帯域がある場合には,次に示す手順のうちのいずれか
を選ぶ。
a) それらの周波数帯域で,音響パワーレベル測定の精度の不確かさが目的とする精度のグレードに対し

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て表2に示されている値を超えている旨を10.5に従って報告する。
b) 表B.3に従って測定精度を高めるための方法をとる。
B.1.2の基準2が満たされない測定周波数帯域がある場合,8.3又は8.4に従って別の方法をとる。
8.3 初期測定面上の追加測定点の数を最小にするためのオプション
8.3.1 部分音響パワーの集中に関する検討 B.1.2(基準2)による検討の結果,(一つ又は複数の)周波
数帯域で,初期測定面上における音場不均一性指標F4が,サンプリング誤差が所定の精度の範囲に入って
いることを保証する値を超えていても,ノーマル音響インテンシティ測定が最適となるように測定点の配
列を変更することによって,初期測定で設定した測定面のままで追加的な測定を最小限にすることができ
る場合もある。その可能性は,8.3.2の手順によって調べる。
8.3.2 正の部分音響パワーの集中 次の手順によって,測定点の配列を選択的に変更することによってノ
ーマル音響インテンシティのサンプリングを最適化できる可能性を調べる。B.1.1の基準1を満たしている
が,B.1.2の基準2を満たしていない場合で,さらに幾つか,又はすべての測定周波数帯域でF3−F2≦1dB
の場合には,部分面積の和が測定面全体の半分以下であり,しかもその和の面積を音源の音響パワーの大
部分が通過するようにすることが可能である。
そのような面要素の測定点を選択的に増やすことによって,一般に音響パワー測定の精度が向上する。
その可能性については,B.1.3に示す計算方法によって調べることができる。
部分音響パワーの集中が生じていることが確認された場合には,B.1.3の計算手順によって音響パワーの
大部分が通過する一群の面要素上に追加すべき測定点の数を求め,その数の測定点を一群の面要素の上に
各面要素の面積に応じて一様に設定する。ノーマル音響インテンシティレベルの測定は,新たに設定した
測定点についてだけ行えばよい。式(11)及び式(12)によって,部分音響パワー及び音源の音響パワーレベル
を計算し,最終結果の測定精度を表2に従って評価する。
上述のような選択的な測定点の変更が不可能な場合には,B.2及び表B.3に従って,他の適切な方法を
とる必要がある。
8.4 追加試験 B.1による評価で,初期に設定した測定点の配列,又は8.3.2に述べた手順によって変更
した測定点の配列によっても,所定の測定精度が得られない場合には,B.2によって適切な処置をとる必
要がある。変更された測定面又は測定点について,ノーマル音響インテンシティレベルと音圧レベルとを
測定する。音場指標F2,F3及びF4を再び計算し,B.1に従って評価する。B.2によって,以後の手段をと
る。
B.1に示すように,必要な測定精度が得られるまで以上の手順を繰り返す。それでも基準を満たすこと
ができない場合には,測定不可能とし,その理由を記述しておく。
9. 音響パワーレベルの算出
9.1 面要素ごとの部分音響パワーの計算 測定面のそれぞれの面要素について,式(11)によって周波数帯
域ごとに部分音響パワーを計算する。
Pi=Ini・Si (11)
ここに, Pi : 面要素iについての部分音響パワー
Ini : 測定点iにおいて測定された符号付きノーマル音響インテン
シティ
Si : 面要素iの面積
面要素iについてのノーマル音響インテンシティレベルLI, niがXX dBと表される場合,Iniの値は,次の

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JIS Z 8736-1:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9614-1:1993(IDT)

JIS Z 8736-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8736-1:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC1515:2020
電気音響―音響校正器