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Z 8736-2 : 1999 (ISO 9614-2 : 1996)
図B.1 測定精度を確保するための方法
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Z 8736-2 : 1999 (ISO 9614-2 : 1996)
附属書C(参考) 気流が音響インテンシティ測定に及ぼす影響
風のある屋外,冷却ファンの気流に近い場所などでの測定では,音響インテンシティプローブが気流に
さらされる。原理的には,定常的な気流の中でp-p形プローブを用いて音響インテンシティ測定を行うこ
とは不可能である。しかし,低マッハ数 (Ma<0.05) の気流中では,極めてリアクティブな音場を除いて,
測定誤差は無視できる程度である。それよりも,非定常な気流(乱れ)の影響によってより大きな誤差が
生じる。
プローブに当たる気流は乱れを含んでおり,プローブの存在自体が乱れを発生させる。気流の乱れに伴
う流体の運動量の変動によって圧力が変動する。これらは音響現象ではなく,その音場の音圧の変動とは
無相関である。しかし,これらの変動は,気流中に置かれた圧力に感度をもつトランスデューサによって
同時に検知され,その出力信号から音響的な圧力変化だけを区別することはできない。気流の乱れは,気
流の平均速度にほぼ近い速度で移動し,その中には可聴周波数の音の波長に比べて寸法がはるかに小さい
渦が含まれており,それによって気流の乱れの中の空間的な圧力こう(勾)配は音波の中の圧力こう(勾)
配に比べてはるかに大きい。したがって,気流の乱れによる粒子速度は,音波による粒子速度よりもはる
かに大きい。このようにして,気流の乱れによって擬似的な音響インテンシティが生じる。
ウインドスクリーンを装着することによって,圧力トランスデューサを気流から守ることができる。気
流の乱れの移動速度が小さいことから,ウインドスクリーンの外表面に作用する気流の乱れの圧力及び速
度の変動は,圧力トランスデューサが装着されている中心部に伝搬しにくい。一方,それに比べて音波の
減衰ははるかに小さい。このような原理によって,ウインドスクリーンが気流に対して効果を発揮する。
しかし,ウインドスクリーンの効果にも限界があり,極めて強い気流の乱れの影響まで除去することは
できない。また,低い周波数で寸法が大きな乱れは,高い周波数で寸法が小さい乱れに比べて減衰が小さ
い。自然風及びファンが発生する気流の乱れは,周波数が高くなるに連れて急速に小さくなるので,イン
テンシティ測定に対する影響は低周波数(おおよそ200Hz以下)で大きい。
気流の乱れの大きさ及び周波数成分は,その発生過程に大きく依存するので,現場におけるインテンシ
ティ測定の際に生じる様々な不安定な気流の流れをすべて制御することは不可能である。気流の乱れによ
る圧力変動の実効値は,平均流速の二乗に比例して増加するので,平均流速に対して一律の安全側の限界
を設定する。
一般的な目安として,オクターブ又は1/3オクターブバンドごとのインテンシティレベル又は粒子速度
レベルが大きい状態が続くか,又は低周波数(100Hz以下)で大きくなる場合,音圧レベルも同様の傾向
を示すか,耳で聞いても低周波数成分が大きいことがはっきり分かる場合以外は,気流の影響を受けてい
る危険性がある。インテンシティレベル及び粒子速度レベルの不安定性を見ることも,音響インテンシテ
ィが気流の乱れによる擬似的なインテンシティの影響を含んでいるかどうかを判断する定性的な方法であ
る。低周波数の大きな規模の気流の乱れによる圧力変動は,インテンシティプローブの二つのマイクロホ
ンの距離では強い相関性をもっているので,二つのマイクロホンの出力のコヒーレンスを調べてみても,
気流の乱れによる影響の有無を調べることは難しい。気流の乱れによる重大な悪影響として,音響インテ
ンシティの測定におけるダイナミックレンジを狭くすることがあり,その影響は特にオートレンジ方式の
測定器を用いる場合に著しい。
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Z 8736-2 : 1999 (ISO 9614-2 : 1996)
附属書D(参考) 測定面内の吸音の影響
断熱処理,吸音処理などによって,被測定音源が大きな吸音性をもっている場合,及び音場指標FpIが
3dB以上となっている場合には,測定される全体のパワーに対する吸収される音響パワーの影響を調べる
必要がある。
被測定音源を停止させることができる場合には,これを直接調べることができる。音源を停止したとき
に,その他の外来騒音には変化がないとすれば,被測定音源を取り囲んで設定した測定面上の音響インテ
ンシティをこの規格によって測定し,式(9)によって計算すれば,音源によって吸収される音響パワーレベ
ルLw, absが直接測定できる。被測定音源を停止させたときに,外来騒音が変化してしまう場合には,測定
面上のレベルが本来の外来騒音による場合と同じ程度になるような外来騒音を人為的に付加することによ
って,音源によって吸収される音響パワーを近似的に求めることができる。
次の条件が満たされていれば,音源自体による吸音の影響は無視できる。
Lw−Lw, abs≧KdB (D.1)
ここに, Lw : 音源が作動しているときの全音響パワーレベル[式(13)によ
る。]
Lw, abs : 停止した音源が吸収する音響パワーレベル[式(13)による。]
K : 表1によって与えられる値
上記の条件が満たされていない場合には,外来インテンシティのレベルを下げる,又は外部の音源から
測定面を遮へいするなどの手段をとる必要がある。
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Z 8736-2 : 1999 (ISO 9614-2 : 1996)
附属書E(参考) 測定面の設定及びスキャニングの方法
音響インテンシティ法による音響パワーレベル測定における被測定音源を取り囲む測定面上での,その
面に垂直なインテンシティ成分の測定である。この方法による場合の測定誤差は,測定システムと信号処
理に伴う誤差,及び音場のサンプリング(スキャニング)の際の誤差が主要なものである。この附属書で
は,音場のサンプリングの一般的な方法を示す。これらの方法及びこの規格で規定するスキャニングの方
法によれば,測定誤差を最小に抑えることができ,表2に示す測定精度が得られる。
測定面は,スキャニングが容易になるように,また,外来インテンシティ及び音源の近距離音場の影響
が最小になるように設定することが望ましい。円筒ダクトの周辺のように,二次曲面上でスキャニングを
行う場合には,図E.1に示すように,プローブをダクトの軸に平行に移動させるとよい。その場合,スキ
ャニング経路は直線とし,プローブの向きは各直線区間のスキャニングの間中,一定に保つ。測定面を曲
面にすると,スキャニングの間中,プローブの向きを連続的に変えなければならないので,このような経
路の設定はできるだけ避けるべきである。
測定面とそれを分割した面要素及びスキャニングパターンは,被測定音源の形状及び周囲の条件を考え
て,本体の7.2の規定の範囲で適切に設定する。図E.1に示すように,平面からなる各面要素が,全体と
して面上のすべての点が音源の表面から等距離に近くなるように測定面を設定するとよい。
図E.1
すべての面要素は,スキャニング線の密度が一様となり,プローブの軸を常に測定面に垂直に保って一
定の速度で容易に楽にスキャニングできるように設定する。直線スキャニング経路端の曲線は,端部の寄
与が過大となり,面上の平均化において誤差を生む。スキャニング経路上全体で,速度が一定になるよう
に万全の注意を払う必要がある。
積分時間をあらかじめ離散的な値に設定する方式の測定システムを使用する場合,一つの面要素上での
スキャニングの終了時点と積分の終了時点の時間差がなるべく短くなるようにする。
それと同時に,設定された経路を正しく守る,プローブの移動速度を一定に保つ,スキャニング線の密
度を一様にする,プローブの向きを面に垂直に保つ,などにも細心の注意を払わなければならない。しか
し,これらのうちの一つの条件にあまり注意しすぎると,他の点がおろそかになりがちとなるので,この
点にも注意する必要がある。
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Z 8736-2 : 1999 (ISO 9614-2 : 1996)
附属書F(参考) 文献
[1] ISO 3740 : 1980, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Guidelines for the use of
basic standards and for the preparation of noise test codes
[2] ISO 3741 : 1988, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods for
broad-band sources in reverberation rooms
[3] ISO 3742 : 1988, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods for
discrete-frequency and narrow-band sources in reverberation rooms
[4] ISO 3743-2 : 1994, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−
Engineering methods for small, movable sources in reverberant fields−Part 2 : Methods for special
reverberation test rooms
[5] ISO 3744 : 1994, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−
Engineering method in an essentially free field over a reflecting plane
[6] ISO 3745 : 1977, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Precision methods for
anechoic and semi-anechoic rooms
[7] ISO 3746 : 1995, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−
Survey method using an enveloping measurement surface over a reflecting plane
[8] ISO 3747 : 1987, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Survey method using a
reference sound source
[9] ISO 5725-1 : 1994, Accuracy (trueness and precision) f measurement methods and results−Part 1 : General
principles and definitions
[10] ISO 7574-1 : 1985, Acoustics−Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values
of machinery and equipment−Part 1 : General considerations and definitions
[11] ISO 7574-4 : 1985, Acoustics−Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values
of machinery and equipment−Part 4 : Methods for stated values for batches of machines
[12] ISO/TR 7849 : 1987, Acoustics−Estimation of airborne noise emitted by machinery using vibration
measure-ment
[13] ISO 9614-1 : 1993, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound intensity
−Part1 : Measurement at discrete points
[14] ISO 12001 : 1996, Acoustics−Noise emitted by machinery and equipment−Rules for the drafting and
presentation of a noise test code
――――― [JIS Z 8736-2 pdf 20] ―――――
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JIS Z 8736-2:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 9614-2:1996(IDT)
JIS Z 8736-2:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.01 : 音響測定及び雑音除去一般
JIS Z 8736-2:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器