JIS Z 8736-2:1999 音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第2部:スキャニングによる測定 | ページ 3

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Z 8736-2 : 1999 (ISO 9614-2 : 1996)
8.3.2 測定器の性能の検討 すべての測定周波数帯域について,A.2.1の式(A.1)によって音場指標FpIを
求め,B.1の方法によって評価する。FpIが10dB以下となるようにあらゆる努力をする。
8.3.3 負となる部分音響パワーの検討 すべての測定周波数帯域について,A.2.2の式(A.2)によって指標
F+/-を求め,B.1.2によって評価する。グレード3の精度の測定では,F+/-による評価は必す(須)条件では
ない。
8.4 追加試験 グレード2の精度の測定では,全周波数帯域で基準1,2及び3のすべてが満たされてい
れば,初期測定で求められた音響パワーレベルを最終結果としてよい。グレード3の精度の測定では,基
準1と3が満たされていればよい。これらの条件が満たされていない場合には,B.2に示す方法の中から
適切な改善手段を選ぶ。変更した測定条件で,ノーマル音響インテンシティレベルと音圧レベルを測定す
る。その結果について,FpIとF+/-を再び求め,B.1に従って評価し,必要に応じてB.2に従って適切な手
段をとる。B.1に示す条件が満たされるまで,以上の手順を繰り返す。それでも必要な基準を満足しない
場合には,測定不可能とし,その理由を記録する。
9. 音響パワーレベルの算出
9.1 面要素ごとの部分音響パワーの計算 それぞれの面要素ごとに,式(12)によって周波数帯域ごとに部
分音響パワーを計算する。
Pi=〈Ini〉Si (12)
ここに, Pi : i番目の面要素の部分音響パワー
Ini 1 Ini 2 i番目の面要素で測定されたノーマル音響インテンシ
Ini ティ成分の面上の平均値
2
Si : i番目の面要素の面積
〈Ini(1)〉,〈Ini(2)〉 : i番目の面要素について,2回のスキャニングによって測定さ
れた〈Ini〉の値
面要素iについてのノーマル音響インテンシティレベルLIniがXX dBと表される場合,Iniの値は,Ini=I0
×10xx/10によって計算する。また,面要素iについてのノーマル音響インテンシティレベルLIniが(−) XX dB
と表される場合,Iniの値は,Ini=−I0×10xx/10によって計算する。ここに,I0は,基準の音響インテンシテ
ィ (=10-12W/m2)。
備考1. 〈Ini(1)〉,〈Ini(2)〉がレベル値で与えられた場合,B.1.3の基準3を満足する場合には,これら
の量の算術平均値を〈Ini〉の計算に用いてもよい。
2. A特性音響パワーレベルを求める場合には,ノーマル音響インテンシティレベルLI, niはA特
性の重み付けをした値とする。
9.2 騒音源の音響パワーレベルの計算 周波数帯域ごとに,音源の音響パワーレベルLwを式(13)によっ
て計算する。
N
Pi
LW 10 log dB (13)
i1
P0
ここに, N : 面要素の総数
Pi : 式(12)で計算されたi番目の面要素の部分音響パワー
P0 : 基準の音響パワー (=10-12W)
N
1の値が負となる場合には,その周波数帯域についてはこの規格を適用
もし,いずれかの周波数帯域で i
iP
することはできない。

――――― [JIS Z 8736-2 pdf 11] ―――――

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10. 報告事項 この規格による測定では,次の事項をまとめて報告する。
10.1 測定 測定日時・場所
10.2 被測定音源
a) 形式
b) 技術データ
c) 寸法
d) 製造業者
e) 製造番号
f) 製造年月
g) 被測定音源の仕様(諸元及び表面の材質なども含む。)
h) 周期性,純音性の有無,変動性などを含む被測定音源の定性的な特性
i) 設置条件
j) 作動条件
10.3 音響環境
a) 測定環境 :
− 室内の場合には,周壁の位置及び特性を記述する。
− 屋外の場合には,周囲の地形を示すスケッチを付け,試験環境を物理的に記述する。
b) 気温 (℃),気圧 (Pa),及び相対湿度 (%)
c) 必要な場合には,平均風速及び風向
d) 試験環境における変動要因,並びに外来インテンシティ及び過度の残響の影響を抑えるために用いた
装置又は方法
e) 気流に関する定性的記述
10.4 測定器
a) 使用した測定器(名称,形式,製造番号,製造業者,プローブの構成などを含む。)
b) 測定器の校正及び現場での点検方法
c) 測定器の校正及び確認を行った場所及び日時
d) 使用したウインドスクリーンの形状
e) EC 61043に従った音圧−残留インテンシティ指数
10.5 測定方法
a) スキャニング装置及びプローブの設置又は支持方法
b) 幾何学的配置及び速度を含むスキャニングの方法
c) 測定面及びそれを分割した面要素の定量的記述。各面要素については番号及び面積を示し,更に図を
添付する。
d) 個々の面要素上における平均化時間
e) 測定精度を向上させるためにとった方法
10.6 音響データ
a) 音響パワーレベルを求めた各測定周波数帯域における測定面上の一連の測定結果から算出した音場指
標FpI(グレード2,グレード3)及びF+/-(グレード2)の表
b) 被測定音源の全測定周波数帯域における音響パワーレベルを示す表。A特性音響パワーレベルを求め

――――― [JIS Z 8736-2 pdf 12] ―――――

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る場合には,基準1及び基準2の両方又は一方を満たさない周波数帯域の寄与は計算の際に除外する。
その場合,4.3によってその寄与を無視してもよい場合以外は,その旨を明記する。
c) 必要と思われる場合には,6.2.2に示したプローブを反転させる方法による現場での検討の結果
10.7 音響パワーレベル測定精度のグレード 最終的な測定における測定精度を必ず明記する(表2参照)。
限られた周波数範囲でだけ音響パワーレベルの測定精度がいずれかのグレードに適合している場合には,
10.6 b)によってその旨を報告する。

――――― [JIS Z 8736-2 pdf 13] ―――――

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Z 8736-2 : 1999 (ISO 9614-2 : 1996)
附属書A(規定) 音場指標の計算
A.1 一般事項 各測定面及び面要素について,音響パワーレベルを求める各測定周波数帯域について,
音場指標FpI及びF+/-をA.2に示す計算式によって求める。
備考 グレード3の精度の測定の場合,F+/-は評価する必要はない。
A.2 音場指標の測定
式 (A.1) によって
A.2.1 符号付き音圧−インテンシティ指標 (sound field pressure-intensity indicator)
音圧−インテンシティ指標FpIを計算する。
FpI 寰
Lp LW 10 log
S
dB (A.1)
S0
N
ここに, 寰 1
Lp 10 log 10 Si 10 1.0Lpi
dB
S i
N
S : 測定面の全面積 iS
i1
S0 : 基準の面積 (=1m2)
備考 すべての面要素の面積が等しい場合には,FpIはJIS Z 8736-1におけるF3に相当する。
A.2.2 負性音響パワー指標 (negative partial power indicator)
Pi
F/ 10log10 dB (A.2)
Pi
ただし,Pi及び|Pi|は3.6.1の方法で求める。
備考 すべての面要素の面積が等しい場合には,F+/-はJIS Z 8736-1におけるF3−F2に相当する。

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附属書B(規定) 必要な測定精度を得るための手順
B.1 必要とされる条件 この規格による測定で,初期に設定した測定面上での音場の条件に大きなばら
つきが見られる場合もあり得る。音響パワーレベル測定における不確かさの上限を保証するために,音場
及び周囲環境条件との関連で,測定器及び設定した各種の条件(測定面,距離,スキャニングの方法など)
の妥当性を調べておく必要がある。その一般的な手順を図B.1に示す。
B.1.1 測定装置の検討 測定面がこの規格による音源の音響パワーレベル測定に適しているためには,各
周波数帯域で,3.12に規定した測定器のダイナミック性能指数Ldの値が附属書AのA.2.1に定義した指標
FpIの値よりも大きくなくてはならない。
基準1 Ld>FpI (B.1)
設定した測定面がこの基準を満たさない場合には,表B.1及び図B.1によって適切な改善方法をとる。
B.1.2 負となる部分音響パワーの限度 グレード2の精度の測定では,次の条件を満たす必要がある。
基準2 F+/-≦3dB (B.2)
備考 グレード3の精度の測定では,この基準は必ずしも必す(須)条件ではない。
B.1.3 部分音響パワーの繰返し(再現)性の検討
基準3 |LWi (1)−LWi (2) |s (B.3)
ただし,sの値は,表2に示すとおりである。
B.2 測定精度向上のための手段 表B.1は,設定した測定面又は面要素がB.1の条件を満たさない場合
にとるべき改善手段を示したものである。
表B.1 測定精度を向上させるためにとるべき方法
基準 方法の記号 方法
FpI>Ld a 音源から測定面までの平均距離を半分にする(ただし,100mm以上。)。
かつ 又は また,スキャニング線密度を2倍にする。
F+/->3dB b 遮音板を用いて,強い外部音源から測定面を遮へいする。
又は 測定音場内で音源から離れた場所に吸音を付加して,残響音場の影響を減
f 少させる。
FpI>Ld a 音源から測定面までの平均距離を半分にする(ただし,100mm以上。)。
かつ 又は また,スキャニング線密度を2倍にする。
F+/-≦3dB f 測定音場内で音源から離れた場所に吸音を付加して,残響音場の影響を減
少させる。
|LWi (1) −Lwi (2) |>s c 音場の時間的変動の原因を調べ,それを減少させる。それが不可能な場合
d には,同じ面要素上で,スキャニング線密度を2倍にする。
|Lwi (1) −LWi (2) |>s e スキャニング線密度は同じに保って,音源から測定面までの平均距離を2
かつ 倍にする。
F+/-≦1dB

――――― [JIS Z 8736-2 pdf 15] ―――――

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JIS Z 8736-2:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9614-2:1996(IDT)

JIS Z 8736-2:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8736-2:1999の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC1515:2020
電気音響―音響校正器