この規格ページの目次
4
Z 8781-6 : 2017
観察する際の観察条件によって知覚される明度成分の大きさが変化することを補正するための係数。
3.28
クロマのパラメータ係数,kC(chroma parametric factor)
観察する際の観察条件によって知覚されるクロマ成分の大きさが変化することを補正するための係数。
3.29
色相のパラメータ係数,kH(hue parametric factor)
観察する際の観察条件によって知覚される色相成分の大きさが変化することを補正するための係数。
4 標準条件
CIEDE2000は,次の標準条件で観察する物体に適用する。
・ 照明光 : CIE標準イルミナントD65の相対分光放射照度を模擬した光源
・ 照度 : 1000 lx
・ 観測者 : 正常色覚
・ 背景 : 均一で,L*=50の無彩色
・ 観察モード : 物体色
・ 試料の大きさ : 視角4°を超える試料の対
・ 試料の間隔 : 試料の縁を直接接するように配置
・ 試料の色差 : CIELABの単位で05の範囲
・ 試料の表面状態 : 視覚的に識別できるパターンがないか,又は均一な同種の色
標準条件から明らかに逸脱した使用条件の場合は,材質の影響又は実験における変動を補正するために,
箇条6に規定する係数を用いてもよい。
5 計算方法
この規格における全ての角度は,度(°)を用いる。二つの試料のL*,a*,b*及びC*abは,JIS Z 8781-4
の箇条4(計算方法)によって計算する。
CIEDE2000の計算には,式(1)式(7)によって計算した量を用いる。
L L* (1)
a 1 Ga (2)
b b* (3)
/1
C a2 b2 (4)
b
arctan a >0 及び b ≧0 の場合
a
b
arctan 360 a> 0及び b <0 の場合
a
h b (5)
arctan 180 a <0 の場合
a
90 a 0 及び b >0 の場合
270 a 0 及び b <0 の場合
h 0 a 0 及び b 0 の場合 (6)
――――― [JIS Z 8781-6 pdf 6] ―――――
5
Z 8781-6 : 2017
7
C*ab
G 5.0 1 7 (7)
C*ab 257
ここに, C*ab : 色差対の二つの試料の C*ab の算術平均値
式(5)のh'は,a'b'平面におけるa'軸の正方向を0°とした0360°の範囲で,点(a',b')に対応する角
度である。a'=b'=0の場合は,h'は不定であり,式(6)で示すように0とする。
注記1 L',a',b',C'及びh'の値は,色差計算のためだけに用いるもので,均等色空間を表すもので
はない。色差の計算結果の報告には,L*,a*,b*,C*ab及びhabの値を用いる。
添字0(通常,参照試料)及び添字1(通常,試験試料)によって示す二つの試料の差は,式(8)式(14)
によって求める。
ΔL L1 L0 (8)
ΔC C1 C0 (9)
12
ΔH 2 C0C1 sin Δh (10)
ここに,
Δh 0 C0 C
1 0 の場合 (11)
Δh h1 h0 C0 1
C 0 及び h1h0 ≦180 の場合 (12)
Δh h1h0 360 C0 C
1 0 及びh1 h0 >180の場合 (13)
Δh h1h0 360 C0 C 0及び h1 h0 180 の場合 (14)
1 <
注記2 式(11)式(14)については,h'0と h'1とが異なった象限にあるか,又はクロマの一つが0であ
るときの計算には注意が必要である。その方法については,シャルマ(Sharma)らの方法(参
考文献参照)に基づく。
注記3 情報技術,その他の分野では,添字0又は添字1の代わりに,参照試料をr,試験試料をt
とすることがある。同様に,工業分野における小色差の評価では,参照試料をs(標準 : standard),
試験試料をb(バッチ : batch)とすることがある。バッチは,ロットと同義語である。
二つの試料の間のCIEDE2000の色差ΔE00は,式(15)によって求める。
2 2/1
2 2
ΔL ΔC ΔH ΔC ΔH
ΔE00 RT (15)
kLSL kCSC kHSH kCSC kHSH
2
.0015 L 50
SL 1 (16)
20 L 50
SC 1 .0045C (17)
SH 1 .0015CT (18)
T 1 .017 cos h30 .024 cos 2h.032 cos 3h6 .020 cos 4h63 (19)
RT sin 2 R (20)
2
30 exp h 275 / 25 (21)
7
C
RC 2 7
(pdf 一覧ページ番号 )
C 257
――――― [JIS Z 8781-6 pdf 7] ―――――
6
Z 8781-6 : 2017
ここに, L : 参照試料と試験試料とのCIEDE2000明度の算術平均値
C : 参照試料と試験試料とのCIEDE2000クロマの算術平均値
h : 式(23)式(26)によって求めたCIEDE2000色相角の算術平均値
kL,kC,kH : 箇条6のパラメータ係数
注記4 色差については符号が考慮されないため,二つの試料のどちらを色差成分の計算の参照試料
として用いてもよい。したがって,色差対に対応する試料の参照試料と試験試料の役割とを
入れ替えても,色差は等しい。
色差対の色相角が異なった象限にある試料の場合,例えば,色差対の色相角がそれぞれ,30°及び300°
である場合,その平均色相角は単純平均である165°ではなく,次に示す,シャルマ(Sharma)らが提案
した方法(参考文献参照)を用いて345°となる。
h h0h1 h0 h1 ≦180及び C0 1
C 0 の場合 (23)
h h0 h1 360 / h0 ,
h1 >180 h0 h1 <360 及び C0 C 0 の場合 (24)
1
h h0 h1 360 / h0 ,
h1 >180 h0 h1 ≧ 360 及び C0 C 0 の場合 (25)
1
h h0h1 C0 1
C 0 の場合 (26)
注記5 CIE 142:2001には,ラー(Luo)らによる計算例(参考文献参照),及びシャルマ(Sharma)
らによる実用的な計算方法(参考文献参照)に関する注記及び数学的見解が記載されている。
注記6 染料又は顔料の配合のレシピを決める場合に,色調の分類及び特定の差を大きさ及び方位と
して決定する方法を附属書Aに示す。
注記7 CIEDE2000は,国際的に公認されたものであるが,実地応用が異なると,ΔL*,ΔC*ab,ΔH*ab
について異なる重みを用いることが必要になることがある。CIEDE2000とは異なる重みを用
いる例を,附属書JAに示す。
6 パラメータ係数
実験的な観測及び材質の変化は,視覚的な色差に影響する要因となる(CIE 101,1993)。係数のkL,kC
及びkHは,これらの影響を補正するために用いる。
標準的な観察条件の下では,これらの係数には1を割り当てる。これらの係数は,定義した標準的観察
条件からの実験条件の隔たりを補正するために用いる。ただし,利用者は,綿密な実験的裏付けなしに,
これらの係数を安易に適用しないのがよい。また,典型的な実験条件に合致する係数を特定の産業分野で
独自に定義しても差し支えない。
――――― [JIS Z 8781-6 pdf 8] ―――――
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Z 8781-6 : 2017
附属書A
(参考)
微小色空間における色の三属性
配合予測又は処方予測と呼ばれる,所望の発色となるように染料又は顔料の配合のレシピを決める場合
に,色調の分類及び特定の差を,大きさ及び方位として決定する場合がある。その場合,色差を明るさ,
クロマ及び色相成分に分けるような特定の用途において,参照の周辺の微小空間でだけ有効な式(15)に代
えて,三つの項で表した式を用いることができる。ノブス(Nobbs : 2002)によって提案された次の式(A.1)
(A.9)を用いて求める。
kCSC kHSH
tan 2 RT 2 (A.1)
kHSH kCSC
ここに, φ : −90°から90°までの間。
注記1 kHSH kCSC のとき,2φは90°となり,φは45°に等しい。
C C cos H sin (A.2)
H H cos C sin (A.3)
2 kHSH
SC kCSC (A.4)
2 kHSH RT kCSC tan
2 kCSC
SH kHSH (A.5)
2 kCSC RT kHSHtan
ΔL
ΔL00 (A.6)
kLSL
ΔC
ΔC00 (A.7)
SC
ΔH
ΔH00 (A.8)
SH
2 2 2 /1 2
ΔE00 ΔL00 ΔC00 ΔH00 (A.9)
注記2 式(A.9)は,式(15)を用いて求めた結果と同一の色差値を与える。しかし,色の三属性におけ
る微小色空間の定義は,それぞれの色中心が異なっている。
――――― [JIS Z 8781-6 pdf 9] ―――――
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Z 8781-6 : 2017
附属書JA
(参考)
心理メトリック量に重み付けを伴う色差の計算方法
JA.1 概要
この附属書は,CIELAB色空間による色差と知覚される色差との関係において,より良い相関を得るた
めに,CIEDE2000と同様に,心理メトリック量の差ΔL*,ΔC*ab又はΔH*abに異なる重みを用いて色差を
計算する方法について記載するものである。この附属書で記載するCIE94及びCMC(l:c)は,CIE 116及び
ISO 105-A02に定める表示方法(参考文献参照)に一致する。
CIEDE2000は,国際的に公認されたものであるが,実地応用が異なると,ΔL*,ΔC*ab又はΔH*abについ
て異なる重みを用いることが必要になることがあり,CIE94及びCMC(l:c)が使用されている。
JA.2 CIE94による色差
CIE94による色差は,式(JA.1)によって求める。
12
2 2 2
ΔL* ΔC*ab ΔH *ab
ΔE94 (JA.1)
SL SC SH
ここに, ΔE94 : CIE94による色差
ΔL* : CIELAB表色系における二つの物体色のCIE1976明度
の差
ΔC*ab : CIELAB表色系における二つの物体色のCIELABクロ
マの差
ΔH*ab : CIELAB表色系における二つの物体色のCIELAB色相
差で,JIS Z 8781-4の式(21)式(23)によって計算した
値
C*ab : CIELAB表色系における二つの物体色(0,1)の
CIELABクロマの幾何平均の値,
(C*ab,0・C*ab,1)1/2
SL : CIELAB明度に関して,知覚される色差との相関を補
正するための重み付け関数
SL = 1
SC : CIELABクロマに関して,知覚される色差との相関を
補正するための重み付け関数
SC = 1+0.045 C *ab
SH : CIELAB色相差に関して,知覚される色差との相関を
補正するための重み付け関数
SH = 1+0.015 C *ab
JA.3 CMC(l:c)による色差
CMC(l:c)による色差は,式(JA.2)によって求める。
12
2 2 2
ΔL* ΔC*ab ΔH *ab
ΔECMC l:c (JA.2)
lSL cSC SH
――――― [JIS Z 8781-6 pdf 10] ―――――
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JIS Z 8781-6:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/CIE 11664-6:2014(MOD)
JIS Z 8781-6:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.180 : 光学及び光学的測定 > 17.180.20 : 色及び光の測定
JIS Z 8781-6:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8113:1998
- 照明用語
- JISZ8781-4:2013
- 測色―第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間