JIS Z 8902:1984 規格概要
この規格 Z8902は、螢光を発する物体の色比較及び測色に使用するキセノン標準白色光源について規定。
JISZ8902 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8902
- 規格名称
- キセノン標準白色光源
- 規格名称英語訳
- Xenon standard white light source
- 制定年月日
- 1965年2月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 17.180.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1965-02-01 制定日, 1968-02-01 確認日, 1971-07-01 確認日, 1975-11-01 確認日, 1978-12-01 確認日, 1984-02-01 確認日, 1984-12-01 改正日, 1990-02-01 確認日, 1995-07-01 確認日, 2001-02-20 確認日, 2006-01-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 8902:1984 PDF [6]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 8902-1984
キセノン標準白色光源
Xenon Standard White Light Source
1. 適用範囲 この規格は,蛍光を発する物体の色比較及び測色に使用するキセノン標準白色光源につい
て規定する。この光源は,JIS Z 8720(測色用の標準の光及び標準光源)に規定する昼光に近似した常用
光源に相当する。
なお,蛍光を発しない物体の色比較及び測色にも準用することができる。
引用規格 :
JIS R 3202 フロート板ガラス及びみがき板ガラス
JIS R 6001 研摩材の粒度
JIS Z 8105 色に関する用語
JIS Z 8113 照明用語
JIS Z 8720 測色用の標準の光及び標準光源
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8105(色に関する用語)及びJIS Z 8113(照
明用語)によるほか,次による。
(1) 電流脈動率 ランプが点灯しているときの脈動電流の最大値をImax,最小値をIminとするとき,次式で
表される値。
Imax Imin
電流脈動率= 100 (%)
Imax
(2) 相対分光透過率 特定の波長の透過率を100とした場合の,各波長における透過率の相対値。
――――― [JIS Z 8902 pdf 1] ―――――
2
Z 8902-1984
3. キセノン標準白色光源 キセノン標準白色光源は,4.に示すキセノンランプと5.に示すフィルタを組
み合わせた光源装置とする。測色計算に用いる相対分光分布の値は,表1による。
表1 キセノン標準白色光源の相対分光分布
波長 相対分光 波長 相対分光 波長 相対分光 波長 相対分光
nm 放射強度 nm 放射強度 nm 放射強度 nm 放射強度
300 0.0 425 92.7 550 100.8 675 88.9
05 0.0 30 91.8 55 100.6 80 91.1
10 0.0 35 93.6 60 100.0 85 101.4
15 0.0 40 96.8 65 98.6 90 100.2
20 0.6 45 96.5 70 99.5 95 86.3
325 3.0 450 108.6 575 98.7 700 80.9
30 9.0 55 107.1 80 99.0 05 79.6
35 19.1 60 116.5 85 99.8 10 92.4
40 31.3 65 134.3 90 99.0 15 92.9
45 43.5 70 140.5 95 96.0 20 80.2
350 53.9 475 117.4 600 93.1 725 81.9
55 62.1 80 113.8 05 92.0 30 92.4
60 69.0 85 113.2 10 92.8 35 90.9
65 74.3 90 109.7 15 95.9 40 91.7
70 77.8 95 109.0 20 98.6 45 82.7
375 77.4 500 101.3 625 94.8 750 83.1
80 77.9 05 101.2 30 93.3 55 83.9
85 81.3 10 100.5 35 90.7 60 102.3
90 86.1 15 101.4 40 86.9 65 123.2
95 93.4 20 101.3 45 89.1 70 81.5
400 93.3 525 101.0 650 90.7 775 65.3
05 90.6 30 100.9 55 85.5 80 63.9
10 93.1 35 100.7 60 85.0
15 91.8 40 100.9 65 87.5
20 94.0 45 101.3 70 89.0
備考 相対分光分布は,分光放射強度の相対値で,560nmの値を100.0とする。
――――― [JIS Z 8902 pdf 2] ―――――
3
Z 8902-1984
4. キセノンランプ
4.1 キセノンランプの形式 キセノン標準白色光源に使用するキセノンランプは,直流点灯式短アーク
形で定格電力500Wとし,オゾン発生が少ないものとする。
4.2 キセノンランプの構造及び性能 キセノンランプの構造及び性能は,次による。
(1) キセノンランプの形状は,図に示すようなものとする。
図 キセノンランプの形状
(2) 陽極は,直径10mm,長さ20mmのロッド状タングステン電極とする。陽極の先端の傾斜部の角度は,
任意とする。
(3) 陽極・陰極間距離は,4.0±0.5mmとする。
(4) ランプ定格電流(1)は,23.0Aとし,このときのランプ電圧は21.5±1.5Vとする。
注(1) ランプ定格電流は,平均値指示の電流計で測定する。
(5) 有効寿命は,300時間以上とする。有効寿命は,波長300nmにおける分光放射強度(2)と波長560nmに
おける分光放射強度との比が,点灯初期の値に対して5%変化するまでの時間とする。
注(2) 分光放射強度は,ランプの管軸と陰極先端で直交する方向で測定する。
――――― [JIS Z 8902 pdf 3] ―――――
4
Z 8902-1984
4.3 キセノンランプの分光分布 キセノンランプの波長300780nmにおける相対分光分布の基準は,表
2による。
表2 キセノンランプの分光分布
波長 相対分光 波長 相対分光 波長 相対分光 波長 相対分光
nm 放射強度 nm 放射強度 nm 放射強度 nm 放射強度
300 52.0 425 94.8 550 100.4 675 95.6
05 54.7 30 93.9 55 100.4 80 98.4
10 56.8 35 95.9 60 100.0 85 109.9
15 59.7 40 99.1 65 98.8 90 108.9
20 62.3 45 98.5 70 100.0 95 94.3
325 64.5 450 110.3 575 99.6 700 88.7
30 66.4 55 108.3 80 100.1 05 87.6
35 69.1 60 117.4 85 101.3 10 102.1
40 71.4 65 134.9 90 100.9 15 103.1
45 73.5 70 140.8 95 98.2 20 89.5
350 75.2 475 117.5 600 95.5 725 91.8
55 77.2 80 113.8 05 94.7 30 104.4
60 79.6 85 113.1 10 95.8 35 102.9
65 81.7 90 109.3 15 99.2 40 104.3
70 84.0 95 108.6 20 102.4 45 94.4
375 84.9 500 100.8 625 98.8 750 95.4
80 86.8 05 100.6 30 97.6 55 96.9
85 88.1 10 99.8 35 95.3 60 118.8
90 90.1 15 100.6 40 91.6 65 143.5
95 95.8 20 100.6 45 94.2 70 95.4
400 94.8 525 100.4 650 96.2 775 77.0
05 91.8 30 100.3 55 90.9 80 75.7
10 94.7 35 100.2 60 90.7
15 93.7 40 100.4 65 93.7
20 96.1 45 100.8 70 95.5
備考 相対分光分布は,分光放射強度(2)の相対値で,560nmの値を100.0とする。
4.4 キセノンランプの点灯及び使用条件 キセノンランプの点灯及び使用条件は,次のとおりとする。
(1) キセノンランプは,陽極を上方にし,管軸を鉛直にして点灯する。
(2) ランプ始動後5分以上経過してから使用する。
(3) 電流脈動率は,17%以下とする。
(4) 強制空冷などによる冷却を行ってもよいが,それによるランプ電圧の変化は,4.2(4)の範囲であること。
5 フィルタ
5.1 フィルタの種類 キセノン標準白色光源に使用するフィルタは,JIS R 3202(フロート板ガラス及び
みがき板ガラス)に規定するフロート板ガラス又は磨き板ガラスとする。
5.2 フィルタの分光透過率 フィルタの波長334.1nmにおける相対分光透過率は,25±10%とし,
波長300780nmにおける相対分光透過率の基準は,表3による。
備考 相対分光透過率は,560nmの値を100.0%とする。
――――― [JIS Z 8902 pdf 4] ―――――
5
Z 8902-1984
表3 フィルタの相対分光透過率
単位 %
波長 相対分光 波長 相対分光 波長 相対分光 波長 相対分光 波長 相対分光
(nm) 透過率 (nm) 透過率 (nm) 透過率 (nm) 透過率 (nm) 透過率
300 0.0 400 98.5 500 100.5 600 97.5 700 91.2
305 0.0 405 98.7 505 100.6 605 97.2 705 90.8
310 0.0 410 98.3 510 100.7 610 96.9 710 90.5
315 0.1 415 97.9 515 100.7 615 96.6 715 90.1
320 0.9 420 97.8 520 100.7 620 96.3 720 89.6
325 4.6 425 97.8 525 100.6 625 95.9 725 89.3
330 13.5 430 97.8 530 100.6 630 95.6 730 88.5
335 27.6 435 97.7 535 100.5 635 95.2 735 88.4
340 43.9 440 97.7 540 100.5 640 94.9 740 87.9
345 59.2 445 98.0 545 100.5 645 94.6 745 87.6
350 71.7 450 98.4 550 100.4 650 94.2 750 87.1
355 80.4 455 98.8 555 100.2 655 94.0 755 86.6
360 86.7 460 99.3 560 100.0 660 93.7 760 86.1
365 90.8 465 99.6 565 99.8 665 93.4 765 85.8
370 92.7 470 99.8 570 99.6 670 93.2 770 85.3
375 91.2 475 99.9 575 99.2 675 92.9 775 84.9
380 89.7 480 100.0 580 98.9 680 92.6 780 84.4
385 92.3 485 100.2 585 98.5 685 92.3
390 95.6 490 100.4 590 98.1 690 92.0
395 97.5 495 100.4 595 97.7 695 91.5
5.3 フィルタの使用条件 フィルタの使用条件は,次のとおりとする。
(1) フィルタの温度は,100℃以下にする。
(2) 光を拡散光として使用する場合には,フィルタの一面をJIS R 6001(研摩材の粒度)に規定する粒度
#100#400の研磨材で砂ずりする。
(3) 砂ずり面は,光源側に向けることが望ましい。
6. 附属装置
6.1 反射がさ キセノン標準白色光源の光源装置に反射がさを用いるときは,次の条件を満足すること
が望ましい。
(1) 反射がさの反射面の分光反射率は,十分高くかつ波長に対する選択性が少ないこと。
(2) 反射がさの反射面は,拡散性であること。
6.2 障害防止装置 キセノンランプ始動時の高圧パルス電圧によって発生する電波,電源サージなどか
ら周辺の電子装置などを保護するために,電磁シールドやサージ吸収回路などの障害防止装置を付加する
ことが望ましい。
7. 表示 キセノン標準白色光源用のキセノンランプには,XS又はXL-Sの記号及び定格電力値並びに製
造業者名又はその略号を表示する。
例 : XS500
XL-500S
――――― [JIS Z 8902 pdf 5] ―――――
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JIS Z 8902:1984の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.180 : 光学及び光学的測定 > 17.180.20 : 色及び光の測定
JIS Z 8902:1984の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISR3202:2011
- フロート板ガラス及び磨き板ガラス
- JISR6001:1998
- 研削といし用研磨材の粒度
- JISZ8105:2000
- 色に関する用語
- JISZ8113:1998
- 照明用語
- JISZ8720:2012
- 測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源