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Z 9015-2 : 1999
指定されたロットサイズ及び限界品質の値を指標として,付表Aからサンプルサイズ (n) 及び合格判定
個数 (Ac) を求める。
1次的な指標は限界品質 (LQ) であるが,生産者/供給者はその品質水準で合格の確率が高いかどうか
についての目安を必要とする。生産者危険点に関する情報は付表D1に与えてある。またAc=0の抜取方
式に対して,比較的よいロットの合格の確率の情報は付表D2に与えてある。
3.4 手順B(付表Bを使用する)
抜取方式は,ロットサイズ,限界品質 (LQ) 及び検査水準から求められる(特に指定がなければ検査水
準IIを使用する)。
規定された限界品質は,付表B1付表B10の中から適切な表を選ぶ。各付表中で,指定されたロット
サイズ及び検査水準を指標としてサンプルサイズ (n) 及び合格判定個数 (Ac) を求める。
1次的な指標は限界品質 (LQ) であるが,生産者/供給者はその品質水準で合格の確率が高いかどうか
についての目安を必要とする。各付表中には,等価なAQL及びOC曲線の情報が与えてある。OC曲線は,
JIS Z 9015-1で使用するサンプル文字及び合格判定個数を指標としている。
付表B1付表B10に与えられたOC曲線は,二項分布(又はポアソン分布)に基づいているが実際の検
査特性はもっと判別力がよい。すなわち,表に示された確率が0.90%以上の所では実際の確率はもっと大
きく,0.10%未満の所では実際の確率はもっと小さい。
3.5 抜取検査手順のためのパラメータの選択
3.5.1 限界品質 (LQ)
AQLが生産者に対して,抜取検査でほとんどの場合に合格するような品質水準の目安を与えるのとは異
なって,LQは消費者に合格ロットの真の品質に対して信頼できる目安を与えるわけではない。このため,
LQは望ましい品質の最低3倍という現実的な選択をするのがよい。
こうすると生産者/供給者の両者に望ましい品質のロットについての情報を与えることができ,少なく
とも合格判定個数が3,5,10及び18の抜取方式の場合には,提出ロットに対する合格の確率を妥当な値
にすることができる。合格判定個数が1の抜取方式の場合には,ロットの品質はLQの0.1倍よりよい値
でなければならないし,合格判定個数が0の抜取方式の場合には,ロットの品質は完壁か又は合格の確率
が95%以上になるような値でなければならない。この限界品質の値は一組の標準値だけに限定されていて,
抜取方式はこの標準値で使用することになっている。限界品質として標準値でない値が既に規定されてい
る場合に,この抜取方式を導入しようとするときには,抜取方式を探すときに使用する限界品質 (LQ) の
標準値は,付表Cの第3列にある限界品質 (LQ) の非標準値を含む区間に対応するものを使用するとよい。
付表
Cの第2列には,付表B1付表B10中の抜取方式の消費者危険品質 (CRQ) (消費者危険10%に対する値)の情報を含んでいる。参考 原国際規格の付表Cには消費者危険5%に対する値も含んでいるが,JIS Z 9015-1で消費者危険
5%に対する付表を削除したので,この規格でも削除した。
例 限界品質が既に3.5%と規定されている。これは標準値ではないので付表Cを使用して標準値に
変換する。3.5%は,2.50%≦LQ<4.00%の範囲内にあるので,表を引くときに使用する限界品質
(LQ) の標準値は,これに対応する値,3.15%とする。
3.5.2 検査水準
JIS Z 9015-1の手順では,サンプルサイズが大きくなるほど消費者保護がよくなるが,この規格では,
消費者保護はほぼ一定に保たれており,サンプルサイズが大きくなるほど生産者に対して工程平均に余裕
を許すことになる。もし消費者が,時たまの悪いロットに対して限界品質の標準値による保護で満足する
――――― [JIS Z 9015-2 pdf 6] ―――――
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ならば,特にもし抜取検査のコストが生産者の負担ならば,検査水準は主として生産者の関心事である。
もし工程平均が限界品質よりずっと低ければ(品質が良ければ),小さいサンプルサイズを使用することが
できるであろう。逆に,もし消費者が,限界品質よりも実際の品質の方に関心があるならば,又はもし抜
取検査のコストが消費者の負担ならば,高い検査水準(特に検査水準III)は必ずしも有利ではない。この
ような理由で,この規格ではLQが5%を超えるものには,JIS Z 9015-1で与えられる検査水準IIIは同じ
ではない。サンプルサイズを小さくしなければならず,他のことは2次的な問題にすぎない場合には,検
査水準S−2を指定すればサンプルサイズは全ロットサイズに対して共通となり,サンプルサイズは限界
品質だけから決まることになる。
4. 合格及び不合格に対応するルール
4.1 サンプリング
3.によって抜取検査方式が決まったならば,指定されたサンプルアイテムをロットからランダムに抜き
取り,サンプル中の全アイテムを検査する。
4.2 合格
もしサンプル中に見いだされた不適合品の数(又は不適合の総数)が抜取検査方式で指定された合格判
定個数 (Ac) 以下ならば,ロットは合格とする。
4.3 不適合品
ロットが合格となった場合でも,検査の途中で見いだされた不適合品はサンプルの一部であってもなく
ても不合格とする。
4.4 不合格及び再提出
もしサンプル中に見いだされた不適合品の数が合格判定個数 (Ac) より大きければ,ロットは不合格と
する。不合格ロットは次の条件を満足しない限り,再提出してはならない。
a) 所管権限者が同意した,及び
b) ロット中の全アイテムを再点検又は再試験し,すべての不適合品が除去され,又は適合品と置換され,
又はすべての不適合が修正された。
もし不合格ロットの再提出に所管権限者が同意した場合には,所管権限者は合否判定検査の方法(すな
わち,LQ及び/又は検査水準)及びすべての検査を行うか,不適合のあったクラスの検査又は不合格の
原因となったものに限るかを決める。
5. 2回及び多回抜取方式
付表D3及び付表D4には,付表B1付表B10に与えられた1回抜取方式に対応するJIS Z 9015-1の2
回及び多回抜取方式のサンプルサイズ及び合格・不合格判定個数のパターンを示す。サンプル文字はJIS Z
9015-1のものと一致している。また合格・不合格判定個数のパターンは対応する1回抜取方式の合格判定
個数で示してある。手順A及び手順Bの抜取方式のうち合格判定個数が0でないものは同じようなOC曲
線であるので,手順Aで用いられるこれらの2回及び多回抜取方式を対応する1回抜取方式の代わりに使
用することができる。使用者は,2回及び多回抜取方式の実施についてはJIS Z 9015-1の11.1.2及び11.1.3
を参照するとよい。
参考 JIS Z 9015-1では,2回及び多回抜取方式は修正されたので,この規格でも付表D3及び付表
D4を修正した。
6. この規格の使用法の説明のための例
――――― [JIS Z 9015-2 pdf 7] ―――――
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6.1 手順Aの例
ある消費者が,販売を計画している組立式本棚のキットに添付するための,10本のねじのパックのセッ
トの購入を希望している。セット中には正確に10本のねじが入っていることが望ましい。ねじの本数が足
りないパックがあっても1%以下のときには我慢するが不完全なパックのパーセントがずっと高いものを
合格とする危険は避けたい。生産計画は5 000キットで,ロットサイズは1 250である。
供給者は手順Aで限界品質の標準値3.15%を使用することに合意した。ロットサイズ1 250に対して選
ばれた抜取方式は,n=125,Ac=1である。
次に供給者は5 000キット全体に必要なパック全体を単一のロットとして供給したいと提案した。新し
い抜取方式は,n=200,Ac=3である。
単一のロットの方が試験するアイテムの割合が少なくなるが,それでもこの抜取方式では不適合品パー
セントが3.15%という悪いロットに対しては不合格の確率は高い確率が維持されている。一方品質が1%の
ロットの合格の確率は64%から86%に増加している。
6.2 手順Bの例
同じ消費者が,組立式本棚のキットの木製部品の購入を希望している。この部品とはプラスチック被覆
された標準サイズのチップボードのパネルである。供給者はこのパネルを定常的生産の一つとして生産し
ている。日曜大工用品店への供給の通常の流れでは,1 250キットに対して必要な7 500枚のパネルを1ロ
ットとみなしている。品質チェックによれば,プラスチックの表面きずは確率2.5%で発生している。本棚
のキットの生産工程中で表面きずのあるパネルははねることができるので多少の混入は許容できるが,も
し5%のパネルに表面きずがあれば生産に問題が起きるという結論を出した。
消費者と供給者は手順Bが適切だと合意し,限界品質の標準値5.0%,検査水準S−4を選んだ。ロット
サイズ7 500に対して選ばれた抜取方式は,n=80,Ac=1である。この抜取方式では現状の工程平均に対
する合格の確率は50%を切ってしまう。不合格ロットは使用前に全数検査することにしているので不合格
の確率がこんなに高いと検査コストは希望を超えることになる。
検査水準IIIを選べば,抜取方式は,n=315,Ac=10になる。現状の工程平均で生産したロットでも合
格の確率は80%より大きくなる。供給者の工程平均がよくて,例えば1%ならば検査水準S−4でも同程度
の合格の確率が得られるであろう。この例から,品質の良い供給者ならば同じ限界品質の判定基準に合致
するのにサンプルサイズを減らしてもやっていけるということが分かる。
7. JIS Z 9015-1との両立性
7.1 総論
この規格では,計数値抜取方式に固有な確率の制約下で,LQ指標の抜取方式を付表A及び付表Bに標
準化してあるが,これらの大部分は,JIS Z 9015-1中の既存のAQL指標の抜取方式から合理的に選択した
ものである。合格・不合格の判定ルールも類似しているし,ロットサイズのカテゴリーもJIS Z 9015-1と
同じにしてある。大きな相違点を7.2及び7.3に示す。
7.2 手順A(付表A参照)
単一特殊ロットで,抜取比 (n/N) が比較的大きい場合には,超幾何分布を使用する必要がある。この結
果,付表Aには39種類の(Ac=0の)抜取方式を追加してあるが,これらの抜取方式に対するOC曲線
のデータは付表D2に与えてある。付表A中の残りの80種類の抜取方式はJIS Z 9015-1から取り入れたも
のである。
7.3 手順B(付表B参照)
――――― [JIS Z 9015-2 pdf 8] ―――――
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付表B中のすべての抜取方式はJIS Z 9015-1から取り入れたものであるが,その際目盛をずらして,指
定された限界品質 (LQ) における消費者危険を合わせて(通常10%以下にして)ある。JIS Z 9015-1の検
査水準も取り入れてある(3.5.2参照)が,Ac=0の抜取方式は付表Bには含まれていない。それはもし
Ac=0の抜取方式の使用が必要な場合には付表Aが使用できるからである。
参考 上記の関係を補足するために付表D5及び付表D6が与えてある。
付表A 限界品質 (LQ) を指標とする1回抜取方式(手順A,主抜取表)
ロット 限界品質 (LQ) (不適合品パーセント)
サイズ 0.50 0.80 1.25 2.0 3.15 5.0 8.0 12.5 20.0 31.5
16 n * * * * * * 17* 13 9 6
25 Ac 0 0 0 0
26 n * * * * * 28* 22 15 10 6
50 Ac 0 0 0 0 0
51 n * * * 50 44 34 24 16 10 8
90 Ac 0 0 0 0 0 0 0
91 n * * 90 80 55 38 26 18 13 13
150 Ac 0 0 0 0 0 0 0 1
151 n 200* 170* 130 95 65 42 28 20 20 13
280 Ac 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
281 n 280 220 155 105 80 50 32 32 20 20
500 Ac 0 0 0 0 0 0 0 1 1 3
501 n 380 255 170 125 125 80 50 32 32 32
1 200 Ac 0 0 0 0 1 1 1 1 3 5
1 201 n 430 280 200 200 125 125 80 50 50 50
3 200 Ac 0 0 0 1 1 3 3 3 5 10
3 201 n 450 315 315 200 200 200 125 80 80 80
10 000 Ac 0 0 1 1 3 5 5 5 10 18
10 001 n 500 500 315 315 315 315 200 125 125 80
35 000 Ac 0 1 1 3 5 10 10 10 18 18
35 001 n 800 500 500 500 500 500 315 200 125 80
150 000 Ac 1 1 3 5 10 18 18 18 18 18
150 001 n 800 800 800 800 800 500 315 200 125 80
500 000 Ac 1 3 5 10 18 18 18 18 18 18
500 001 n 1 250 1 250 1 250 1 250 800 500 315 200 125 80
以上 Ac 3 5 10 18 18 18 18 18 18 18
備考* 全数検査する(限界品質はロット中の不適合品個数が1未満であることを意味するか,又は適用で
きる抜取方式がない)。
*
もしサンプルサイズがロットサイズ以上になれば,全数検査する。
――――― [JIS Z 9015-2 pdf 9] ―――――
付表B1 限界品質0.50に対する1回抜取方式(手順B,主抜取表)
Z9
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検査水準に対するロットサイズ JIS Z 9015-1の1回抜取方サンプ合格の確率 (%) の特定値に対応する工程品質
各検査水準に対する,限界品
01
式(なみ検査) ル文字の値1)(不適合品パーセント) 質 (LQ) での消費者危険
5-
2:
( 戀 儀 ‰湧Y
1
S−1S−3 S−4 I II III AQL n Ac 95.0 90.0 50.0 10.0 5.0 S−1I II III
999
8013) 8013) 8013) 8013) 8013) 0.065 800 1 P 0.044 4 0.066 5 0.210 0.485 0.592 9.1 9.1 9.1
以上 以上 以上 500 000 150 000
500 001 150 001 0.10 1 250 3 Q 0.109 0.140 0.294 0.534 0.619 13.0 13.0
以上 500 000
500 001 0.10 2 000 5 R 0.131 0.158 0.283 0.463 0.525 6.7
以上
注1) 工程品質の値は2項分布に基づいている。
2) 超幾何分布による消費者危険の正確な値はロットサイズによって変わる。ここには各検査水準の最大値を与えてある。
3) 801未満のロットに対しては全数検査する。
OC曲線
(OC曲線は1回抜取方式に対するものである。サンプル文字及びAcで識別する。)
――――― [JIS Z 9015-2 pdf 10] ―――――
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JIS Z 9010:1999の国際規格 ICS 分類一覧
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