JIS A 1416:2000 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法 | ページ 2

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て測定された結果を側路伝搬や損失係数など遮音性能に影響を与える他の要因を考慮しないで実際の建物
に適用してはならない。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの
規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付
記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

2.1 日本工業規格(日本産業規格)

    JIS A 1419-1 建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第1部 : 空気音遮断性能
備考 原国際規格ISO 140-3に引用規格として記載されているISO 717-1 : 1996, Acoustics−Rating of
sound insulation in buildings and of building elements−Part 1 : Airborne sound insulationは,こ
こに記載したJIS A 1419-1と同等である。
JIS A 1440 コンクリート床上の床仕上げ構造の軽量床衝撃音レベル低減量の実験室測定方法
備考 原国際規格ISO 140-3に引用規格として記載されているISO 140-8 : 1997, Acoustics−
Measurement of sound insulation in buildings and of building elements−Part 8 : Laboratory
measurement of the reduction of transmitted impact noise by floor coverings on a heavy
weighted floorは,ここに記載したJIS A 1440と同等である。
JIS C 1505 精密騒音計
備考 原国際規格ISO 140-3に引用規格として記載されたIEC 60651, Sound level metersのタイプ1
に関する引用事項と,この規格が同等である。
JIS C 1515 音響校正器
備考 IEC 60942 : 1988, Sound calibratorsがこの規格と一致している。
JIS Z 8401 数値の丸め方

2.2 国際規格

    ISO 140-2 : 1991, Acoustics−Measurement of sound insulation in buildings and of building elements−Part 2 :
Determination, verification and application of precision data
参考 現在のところ,この国際規格に対応するJISはない。
ISO 3382 : 1997, Acoustics−Measurement of the reverberation time of rooms with reference to other
acoustical parameters
参考 現在のところ,この国際規格に対応するJISはない。
IEC 61260 Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters
参考 現在のところ、この国際規格に対応するJISはない。

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 室内平均音圧レベル (average sound pressure level in a room) 対象とする室内における空間的及
び時間的な平均2乗音圧を基準音圧の2乗で除した値の常用対数を10倍した値。単位はデシベル (dB)。
空間的な平均は,音源近傍の直接音領域,壁などの室境界の近傍音場を除いた空間全体について行う。
3.2 音響透過損失 (sound reduction index) 試料に入射する音響パワー (W1) と試料を透過する音響
パワー (W2) の比の常用対数の10倍で,次の式で与えられる。単位はデシベル (dB)。
W1
R 10 log10 (1)
W2

――――― [JIS A 1416 pdf 6] ―――――

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この規格では,Rは次の式によって算出する。
S
R L1 L2 10 log10 (2)
A
ここに, L1 : 音源室における室内平均音圧レベル (dB)
L2 : 受音室における室内平均音圧レベル (dB)
S : 開放した試験開口に等しい広さの試料の面積 (m2)
A : 受音室の等価吸音面積 (m2)
備考1. 式(2)は試験室が完全な拡散音場で,かつ試料だけを通して受音室へ音が透過すると仮定する
ことによって式(1)から導かれる。
2. 音響透過損失は,音響減衰指数ともいう。
参考 ここで定義する量の英語名としては,原国際規格では,“sound reduction index”が用いられてい
るが,一般的にはその他に“sound transmission loss”も広く用いられている。我が国で広く用い
られている“音響透過損失”は後者に相当する。前者の英語名に相当するのは“音響減衰指数”
である。
3.3 準音響透過損失 (apparent sound reduction index) ´ 測定対象試料を透過する音響パワー (W2) 以
外に,側路伝搬又はその他の影響による透過パワー (W3) の影響が無視できない場合,試料に入射する音
響パワー (W1) と透過パワー全体の比の常用対数の10倍で,次の式で与えられる単位はデシベル (dB)。
W1
R 10 log10 (3)
W2 W3
一般に,受音室に透過する音響パワーは,試料を直接透過するパワーだけでなく,側路伝搬によるパワ
ーなども含まれる。そのような場合にも,音源室,受音室ともに拡散音場を仮定して,次の式によって準
音響透過損失を算出する。
S
R L1 L2 10 log10 (4)
A
側路伝搬などがある場合にも,上記のとおり,準音響透過損失を算出する際には受音室に透過する音響
パワーは試料に入射するパワーに対して求めるものとする。

4. 測定装置

a) 測定装置は,6.の要件を満たす必要がある。
b) 音圧レベルの測定には,JIS C 1505に規定する精密騒音計を用いる。音源室と受音室の両方で拡散音
場周波数特性の異なるマイクロホンを用いる場合には,測定装置の拡散音場校正を行う。
c) 音圧レベルの絶対値が必要とされる場合には,測定に先立ってJIS C 1515に規定する音響校正器を用
いてマイクロホンを含めた測定装置全体の感度を校正する。
d) 周波数分析には,IEC 61260に規定する1/3オクターブバンドフィルタを用いる。
e) 残響時間の測定に用いる装置は,ISO 3382の規定による。
f) 音源装置に必要とされる要件は,6.1と附属書4による。

5. 試験装置

 測定に用いる試験装置は,試験室,音源装置及び受音装置で構成される。

5.1 試験室

 試験室は,5.1Aに規定するタイプI試験室(残響室)又は5.1Bに規定するタイプII試験室
のいずれかを用いる。

――――― [JIS A 1416 pdf 7] ―――――

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備考 この規格では,タイプI試験室(残響室)とタイプII試験室の区別をする必要がない場合には,
単に“試験室”という。また,音源側試験室,受音側試験室をそれぞれ“音源室”,“受音室”
と呼ぶ。

5.1A タイプI試験室(残響室)

a) 長い残響時間をもち十分な拡散音場が得られる室とする。音源室及び受音室の容積は,少なくとも
100m3とし,150m3以上とするのが望ましい。また,両室の容積が10%以上異なっていることが望ま
しい。
b) 音源室と受音室は隣接して作り,その隔壁に試料取付け用開口部(5.1C参照)を設ける。試料面を通
しての音の伝搬以外の側路伝搬による寄与ができるだけ小さくなるような構造とする。
参考 原国際規格にはタイプI試験室に関する規定はないが,我が国ではJIS A 1416 : 1974(1994改
正)の規定に基づく残響室が広く用いられており,タイプII試験室への移行には多くの時間と
経費を要することから,タイプI試験室(残響室)の規定を加えた。なお,材料などの一般的
な遮音性能を表す指標として音響透過損失を測定する場合には,原則としてタイプI試験室を
用いる。

5.1B タイプII試験室

a) 音源室及び受音室の容積は50m3以上とし,両室の容積は10%以上異なっていることが望ましい。試
料面を通しての音の伝搬以外の側路伝搬による寄与ができるだけ小さくなるような構造とする(附属
書5参照)。
b) 音源室及び受音室ともに室の寸法比は,低周波数帯域における固有周波数ができるだけ一様に分布す
るように設定する。
c) 測定対象が壁や床構造である場合,試料が隔壁全面又は天井全面を試料面となる。すなわち,試験開
口を側壁から側壁及び/又は床から天井までを試験開口とすることが望ましい(5.1C参照)。その場
合,構造上の配慮及び/又は実際の建物に相似させるために,開口部にはり(梁)又は柱を付加して
もよい。
d) 音圧レベルの空間的変動が大きい場合は,卓越した強い定在波が存在することを示している。このよ
うな場合には,拡散板を設置する必要がある。その設置位置及び必要な数は,実験的に決定する。そ
の場合,拡散板の数を増やしながら音響透過損失の測定を行い,ある程度以上増やしても結果に変化
がないことを確認する。
e) 通常の試験条件として,極端に長い又は短い残響時間とすべきではない。低周波数域における残響時
間が2秒以上又は1秒以下となっている場合には,音響透過損失の測定結果が残響時間に依存してい
るか否かを確かめる必要がある。拡散板を設置してもその傾向がみられる場合には,低周波数域にお
ける残響時間 (T) が次の式を満たすように室内等価吸音面積を調整する。
1 T (2V / 503/2)

(pdf 一覧ページ番号 )

                      ここに,     V :  試験室の容積 (m3)
f) 受音室における暗騒音は,音源室における音源のパワー及び測定試料の遮音性能を考慮して,透過音
の測定に影響を与えないレベルに抑える。
g) 実験室における音響透過損失を測定するための試験装置では,いかなる間接経路による伝搬も試料を
直接透過する音に比べて無視できる程度に小さくすることが望ましい。これを実現するためには,音
源室と受音室とを構造的に十分絶縁する,又は両室のすべての内面を側路伝搬を十分に減少する仕上
げ材で覆う方法をとる。

――――― [JIS A 1416 pdf 8] ―――――

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h) 側路伝搬によって決まる測定可能な最大音響透過損失R'maxの推定方法を附属書1に示す。
i) 音響透過損失の測定値は,試料を取り囲む構造の内部損失にも依存するので,周囲の構造と測定対象
試料の質量の比を考慮する必要がある。試料の面密度が150kg/m2未満の場合には特に考慮する必要は
ないが,それ以上の場合には,周囲の構造におけるパワーの消散の影響がないように,試料の損失係
数( 椀 ‰ 湟 上となっていることを確かめておくことが望ましい。
min .001 /3.0 f (6)
ここに, f : 測定周波数 (Hz)
j) 上記の条件を調べる場合には,質量400±40kg/m2のれんが又はブロック壁で,片面をプラスター仕上
げした試料を用いる。試料の損失係数の測定方法を附属書6に示す。

5.1C 試験開口部

a) タイプI試験室,タイプII試験室ともに,試験開口の面積はおおよそ10m2とし,短辺の寸法が2.3m
以上で長方形とすることが望ましい。床構造の空気音遮断性能測定のための試験開口の面積は,10m2
から20m2の間とし,短辺の寸法が2.3m以上で長方形とすることが望ましい。
b) 対象としている最低の周波数における自由屈曲波の波長が試料の最小寸法の半分より短い場合には,
上記の寸法より小さい面積の試験開口を用いてもよい。しかし,試料の面積が小さくなればなるほど,
測定結果は試料端部の拘束状況や音場の局所的な変動の影響を受けやすくなり,音響透過損失が試料
寸法にも依存する傾向が強くなる。可能であれば,附属書2に記述されるガラス測定用試験開口を用
いるのが望ましい。

5.1C.1 ドアなどの構成部材

 ドアなどの構成部材を試験する場合,試験開口は10m2以下の面積としても
よい。その場合,ドアの下端を試験室の床に近づける。
参考 タイプI試験室において,試料の下端を試験室の床に近接できない場合,試験開口部の下辺を
利用して,試料の音源側と受音側の両側に幅1.2m以上の仮設の床(面密度7kg/m2以上の反射
性のパネルを用いる。)を設置する。

5.1C.2 窓及びガラス

a) ガラス又は窓の構成部材を試験する場合,試験開口は10m2以下の面積としてもよい。その場合,試験
開口部に設置した開口部調整壁に試料を取り付ける。開口部調整壁は,次の要件を満たす必要がある。
1) 開口部調整壁の遮音性能は,各々の測定周波数において,壁を透過する音響エネルギーが試料を透
過する音響エネルギーより少なくとも6dB,できれば15dB以上,小さくなるようにする(側路伝
搬を含む開口部調整壁の遮音性能の試験方法は,附属書3による。)。
2) 開口部調整壁の総厚は,500mm以下とする。
3) 取付け位置は試料の両側のニッシェが異なる深さとなるようにし,望ましくはその比がほぼ2 : 1
となるようにする。ニッシェの周りは,すべての測定周波数における吸音率が0.1以下の材料で仕
上げる。
参考 ニッシェとは,開口に試料を設置した際に試料の両側にできるくぼみをいい,ニッシェの深さ
とは,開口周囲の試験室壁面から試料表面までの距離をいう。
b) ガラス測定用の試験開口の寸法は1 250mm×1 500mmとし,それぞれの寸法の許容範囲は±50mmで,
寸法比を同じに保つことが望ましい。窓についても同じ寸法とすることが望ましいが,具体的な寸法
は実際の建物に応じて決める必要がある。
c) 窓又はドアの場合は,実際の現場で用いられる部材の代表的な寸法を選定してもよい。

――――― [JIS A 1416 pdf 9] ―――――

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d) ガラス測定用の試験開口は,両側と上端に6065mmの段差をつける。ガラスは,図1に示すように
小さいほうの開口に取り付ける。窓の測定用試験開口には段差はなくてもよいが,証明を目的とする
場合には段差のある開口を選択するほうがよい。
e) 試験開口と試験室の側壁,床又は天井からの最小距離は500mmとし,開口部調整壁面内における試
験開口の位置は非対称とすることが望ましい。
f) 試験開口をもつ開口部調整壁の適切な構造の一例を,附属書2に示す。
備考 ガラスの遮音測定における試験条件の詳細な規定は,異なる実験室で得られる試験結果の比較
を容易にするためである。
図1 ガラスを取り付ける試験開口の寸法(水平断面)

5.2 試料

 試料の音響透過は,試験時及び試料の養生や調整をする間の試験室の温度と相対湿度の影響
を受ける。このような各状態における温湿度条件を試験報告書に明記する。

5.2.1 間仕切壁

a) 間仕切壁の寸法は5.1Cに述べたとおり,個々の試験装置の試験開口部の寸法によって決める。
b) 間仕切壁の周囲や接合部では,通常の接合及び密閉状態を忠実に再現し,実際の構造に近い状態で設
置することが望ましい。設置状態を試験報告書に明記する。
c) 堅い壁や床の音響透過損失は,周囲の構造体との結合状態に大きく依存する。設置状態を厳密に記述
するためには,その状態における損失係数を測定し(附属書6参照)報告することが望ましい。
d) 試料を音源室と受音室の間の開口部に設置する際には,その試料の実際の使用状態と異なる場合を除
き,両側のニッシェの深さの比はおおむね2 : 1になるようにする。
e) 試料の片方の面が他の面より著しく吸音性が高い場合,吸音性の高いほうの面が音源室側となるよう
に設置し,音源室内に拡散板を設置する。
f) 5.1A及び5.1Bの要件を満たす実験室は,側路伝搬音が試料を透過する音に比べて無視できることを
確認する必要がある。これを確かめるために,その試験装置のR maxの値を測定する。試験開口部に遮
音性能の高い構造物を設置して行うR maxの測定は,附属書1による。
g) 試料のR の測定値が (R max−15dB) より小さい場合には,側路伝搬の影響は無視でき,測定結果を音
響透過損失Rとしてよい。
h) が (R max−15dB) を超える場合には,附属書5に示す方法によって側路伝搬の影響を調べる必要が
ある。必要な場合には,側路伝搬を抑制する手段をとる。

――――― [JIS A 1416 pdf 10] ―――――

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JIS A 1416:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 140-1:1997(MOD)
  • ISO 140-3:1995(MOD)

JIS A 1416:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1416:2000の関連規格と引用規格一覧