JIS A 1416:2000 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法 | ページ 3

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i) R が (R max−15dB) より大きい場合,試験報告書にその旨を明記する[9.の1)参照]。ドア,窓,ガラ
ス及び外周壁部材を対象とする場合(附属書3参照)を除いて,計算による補正は適用しない。
j) 試料が試験開口より小さい場合,予備試験を実施し,周囲の隔壁を透過するエネルギーが試料を透過
するエネルギーに比べて小さいことを確認する必要がある。その方法を附属書5に示す。

5.2.2 ドア,窓,ガラス及び外周壁部材

5.2.2.1 一般事項

a) ドア,窓,ガラス,外周壁部材などの試料は,間仕切壁(5.2.1参照)と同じ方法で試験する。試料が
試験開口部より小さい場合には,試料に比べて十分遮音性能が高い隔壁を試験開口に設置し,その隔
壁に設けた試験開口に測定対象の試料を取り付ける。この隔壁及び他の側路伝搬による透過音は,試
料を通る透過音に比べて無視できる程度に小さくすることが望ましい。それができない場合は,試験
結果を補正する(附属書3参照)。
b) サッシ,ドアなどのように基本的に開閉することを前提とした試料を対象とする場合には,通常の方
法で開閉できるように設置し,試験の直前に5回以上開閉する。
c) ガラス,窓,ドアなどの試料面積Sは,試料を設置する開口部調整壁の試験開口の面積とする。
d) 特定のガラス窓や部材,特に合わせガラスを組み込んだ製品の遮音性能は,測定中の室温の影響を受
ける。この種の試料を対象とする場合,音源室,受音室の温度が20±3℃の範囲の状態で試験を実施
することが望ましい。また,試験の前には試料を24時間以上,その状態に保つことが望ましい。測定
時の温度は,実際の使用状況と同じであることが望ましい。
備考1. 窓,ドア及び面積が小さい外周壁部材などの音響透過損失は面積に依存する。したがって,
実際に使用されるときの面積が試験の際の面積と異なる場合,遮音性能がかなりの程度異な
ることがある。
2. ガラスのような均質な試料で面積の比が2倍以下であれば,JIS A 1419-1で規定する重みつ
き音響透過損失 (Rw) で評価した結果に3dBを超える差は生じない。
測定試料より大きい面積で実際に使用したときには,一般に遮音性能は低めとなる。したが
って,正確で信頼性の高い性能を知るためには,実際に使用される面積で試験を行うことが
必要である。
3. 試料が正方形である場合,同じ面積で長方形の場合に比べて遮音性能の測定値が低めとなる
ことがある。

5.2.2.2 窓の設置

a) 取付け方法は,できるだけ実際の施工方法と同じとする。試験開口に取り付ける場合,試料の両側の
ニッシェは異なる深さとし,その比は実際の取付け方法と大きな相違がない限り2 : 1とするのが望ま
しい。この比が異なる場合,測定結果が異なることがある。
b) 試料と試験開口の間のすき間(試料の周囲の約1013mmのすき間)には吸音材料(ミネラルウール
など)を充てんし,両側を弾性シール材を用いて密封する。ただし,特に製造業者の指定がある場合
にはそれによる。

5.2.2.3 ガラスの設置

a) 試料の両側のニッシェの深さが2 : 1の比となる位置に試料を設置する。試験開口の内面と試料との間
に約10mmのすき間をあけ,そこに附属書2に規定するパテを充てんする。
b) 2本の木製押縁 (25mm×25mm) を用いて試料を固定する(図2参照)。押縁は12mm以上15mm以下
の幅でガラスの周囲を覆うものとする。試料と押縁との間には,附属書2に規定するパテを約5mm

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の厚さで充てんする。
備考 上に述べた試料の設置方法は,試験を行ううえで実際的であり,気密性を保ち,高い再現性を
得るうえで有効であるが,実際の取付け方法とは異なる。したがって,この方法で測定された
ガラスをはめ込んだ窓の音響透過損失は必ずしも測定結果と一致するわけではない。その場合
には,窓としての試験を行うべきである。
図2 ガラスの取付け詳細図
この例は,二重構造の開口部調整壁(附属書2参照)の(小さいほうの)開口に複層ガラスを直接
取り付けた様子を示している。

6. 試験方法

6.1 音源室における音の発生

a) 音源室内で発生する音は,定常で測定対象周波数範囲の全体にわたって連続的なスペクトルをもつも
のとする。フィルタを用いる場合には,1/3オクターブバンドフィルタを使用する。ホワイトノイズ
などの広帯域ノイズを用いる場合には,受音室内で高音域において十分な信号対雑音比が確保される
ようにスペクトルを調整する方法をとってもよい。音源室における音圧のスペクトル特性として,隣
り合う周波数帯域のレベル差が6dB以上となってはならない。

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b) 音源の音響パワーは,すべての周波数帯域で受音室内の音圧レベルが暗騒音のレベルよりも15dB以
上大きくなるように設定する。この条件が実現できない場合には,6.5に示す補正を行う。
c) 複数のスピーカからなる音源を用いる場合には,すべてのスピーカを同相で駆動する,又は附属書4
の1.3に規定する方法によって放射特性が均一で全指向性となるようにする。複数の音源を用いる場
合には,同じ型のものを使用し,それぞれに同種で無相関の信号を入力し,同一レベルで駆動する。
音源スピーカを連続的に移動させる方法を用いてもよい。1個の音源を使用する場合には,音源設置
位置は少なくとも2か所とする。それらの音源設置位置を同じ室に設けるか,又は音源室と受音室を
交互に逆にして1か所又はそれ以上の音源位置で測定を繰り返す。試料の一方の面が他方の面に比べ
て吸音性が著しく高い場合には,吸音性の高い面が音源室側となるようにする(5.2.1参照)。
備考 タイプI試験室を用いる場合は,附属書4の1.3の音源スピーカの放射特性に関する規定は適
用しない。
d) 音源スピーカは,音場ができるだけ拡散性となるように,また,試料に強い直接音が入射しないよう
な場所に設置する。音源室及び受音室の音場は,音源のタイプ及び位置に大きく依存する。音源スピ
ーカの特性の測定及び設置は,附属書4の規定に従って行う。音源スピーカを連続移動させる方法は,
附属書4の2.5に示す。

6.2 室内平均音圧レベルの測定

6.2.1 一般事項

 6.2.2に示す固定マイクロホン法又は移動マイクロホン法によって,音源室及び受音室
内の平均音圧レベルを測定する。

6.2.2 マイクロホンの設置方法

 次の方法のうちのいずれかによる。
a) 固定マイクロホン法 音源室及び受音室内で,室境界,拡散体などから0.7m以上離れ,さらに音源
室の場合には音源から1m以上離れた空間内に,互いに0.7m以上離れた5点以上の測定点を空間的に
均等に分布させる(附属書4参照)。
b) 移動マイクロホン法 音源室及び受音室内で,1m以上の回転半径をもつマイクロホン移動装置を用
いて測定を行う。その場合,室境界,拡散体などから0.7m以上離れ,さらに音源室の場合には音源
から1m以上離れた空間内でマイクロホンを連続的に回転させる。その回転面は床面に対して傾斜さ
せ,また,各壁面に対しても10°以上の角度となるようにする。回転周期は15秒以上とする。

6.2.3 平均化時間

a) 固定マイクロホン法による場合 各マイクロホン位置における音圧レベルの平均化時間は,6.3に示す
測定周波数帯域において,中心周波数が400Hz以下の周波数帯域で6秒以上,500Hz以上の周波数帯
域では4秒以上とし,その間の等価音圧レベルを測定する。タイプI試験室を用いる場合には,上記
の平均化時間をそれぞれ15秒と10秒以上とする。
備考 等価音圧レベルとは,各周波数帯域ごとの音圧レベルの平均化時間にわたるエネルギー平均値
で,騒音計の積分平均機能を利用することによって自動的に測定することができる。
b) 移動マイクロホン法による場合 平均化時間は,マイクロホン移動装置の周期以上かつ30秒以上とし,
回転周期の整数倍とする。
備考 この方法による場合,必ず積分平均機能を備えた騒音計を用いて平均化時間における等価音圧
レベルを測定する。

6.3 測定周波数範囲

 室内平均音圧レベルの測定は,次の中心周波数の周波数帯域について行う。
100Hz,125Hz,160Hz,200Hz,250Hz,315Hz,400Hz,500Hz,630Hz,800Hz,1 000Hz,1 250Hz,1 600Hz,
2 000Hz,2 500Hz,3 150Hz,4 000Hz及び5 000Hz

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備考 低周波数帯域の測定が必要な場合には,中心周波数50Hz,63Hz及び80Hzの帯域について測定
を追加する。附属書7に低周波数帯域の測定における注意事項を示す。

6.4 残響時間の測定及び等価吸音面積の算出

6.4.1 残響時間の測定

a) 受音室内の1点に音源スピーカを設置し,室内に均等な分布となるように3点以上の測定点を設ける。
すべての測定点は,音源スピーカ,壁などの室の境界面から1m以上離す。
b) SO 3382に規定するノイズ断続法 (interrupted noise method) 又はインパルス応答積分法 (integrated
impulse response method) によって,1/3オクターブバンドごとに残響減衰曲線を求める。測定周波数
帯域ごとの測定回数は,ノイズ断続法による場合には各測定点において3回以上とする。
c) 測定された残響減衰曲線の傾きから残響時間を読み取る。その際,残響減衰曲線の初期レベルに対し
て−5dBから少なくとも−25dBまでの減衰に最小2乗法による直線回帰などの手法を適用して残響時
間を求める。
なお,タイプI試験室を用いる場合には,評価する減衰の範囲を−5dBから−35dBまでとすることが
望ましい。
備考 タイプII試験室において6.2.2の要件を満足する場合,回転周期を30秒以上とした移動マイク
ロホンを用いてもよい。ただし,その場合の測定はノイズ断続法によるものとし,回転周期と
音の発生の周期に配慮して受音箇所が均等に分布するようにする。

6.4.2 等価吸音面積の算出

 受音室の等価吸音面積は,測定した残響時間の平均値を用いて,次の式によ
って算出する。
.016V
A (7)
T
ここに, A : 等価吸音面積 (m2)
V : 受音室の容積 (m3)
T : 受音室の残響時間 (s)
備考 等価吸音面積は,小数点以下1けたまで求める。

6.5 暗騒音の影響の補正

 受音室における測定結果に対して,室外からの騒音,受音システムにおける
電気的ノイズ又は音源室と受音室間の電気的なクロストークなどが影響していないことを確認するために
暗騒音のレベルを測定する。後者の影響を調べるためには,マイクロホンをダミーマイクロホンに置き換
えたり,スピーカを等価抵抗に置き換える方法をとる。移動マイクロホン法による場合には,移動装置を
作動させその周期以上の時間を測定する。
暗騒音のレベルが透過音に暗騒音が加わったレベルに対して少なくとも6dB以上(15dB以上が望まし
い。)低くなるようにする。この差が15dB未満で6dB以上の場合には,暗騒音の影響を除去した透過音の
音圧レベルを次の式によって求める。その差が6dBよりも小さい場合には,式(9)における補正値Lcを1.3dB
とし,Rの値は参考値として記録する[9.の1)参照]。
L 10 10Lb/ 10 )
log10 (10Lsb/ 10 (8)
ここに, L : 補正された透過音の音圧レベル (dB)
Lsb : 暗騒音の影響を含む音圧レベルの測定値 (dB)
Lb : 暗騒音の音圧レベル (dB)
備考 暗騒音の影響の補正は,次の式によって行ってもよい。
L LsbLC (9)
ここに, Lcは暗騒音補正値(正の値)で,表1によって与えられる。

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表1 暗騒音補正値Lc (dB)
Lsb−Lb(dB) 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
6dB未満 1.3
6.0 1.3 1.2 1.2 1.2 1.1 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0
7.0 1.0 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.8 0.8 0.8 0.8
8.0 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6
9.0 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
10.0 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4
11.0 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3
12.0 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2
13.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
14.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1
15.0dB以上 補正なし

6.6 音響透過損失の算出

a) 固定マイクロホン法による場合は,音源室と受音室のそれぞれについて,測定周波数帯域ごとに,す
べての測定点において測定された音圧レベルのエネルギー平均値 (L) を次の式によって算出する。
n
1
L 10 log10 10Li / 10

(pdf 一覧ページ番号 )

                                     ni 1
ここに, Li : i番目の固定測定点における音圧レベルの測定値 (dB)
n : 固定測定点の数
b) 試料の音響透過損失は,固定マイクロホン法による場合の音源室及び受音室における式(10)による室
内平均音圧レベル,又は移動マイクロホン法による場合の音源室及び受音室内でマイクロホンを移動
することによって測定された室内平均音圧レベル,及び受音室の等価吸音面積から,式(2)によって算
出する。
c) 1条件の音源室と受音室の関係において,又はその方向を逆転させて測定を繰り返した場合には,各
周波数帯域におけるすべての測定結果の算術平均値を求める。
備考1. 音響透過損失は,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
2. 音響透過損失の測定結果をオクターブバンドに換算する場合には,1/3オクターブバンドの測
定結果からオクターブバンドごとの値を次の式によって算出する。
3
1 R1 / ,3 j / 10
R/1 1 10 log10 10 (11)
3 i 1
ここに, 1/1R : 音響透過損失のオクターブバンド換算値 (dB)
3/1R : 当該オクターブバンドに含まれる1/3オクターブバンド
ごとの音響透過損失 (dB)

7. 測定精度

 測定方法はISO 140-2の規定に適合するように十分な反復性をもたなければならない。測
定の手順や測定装置を変更した場合には,ISO 140-2に従って測定精度を確認する必要がある。

8. 結果の表示

 音響透過損失の測定結果は,図及び表で示す。図では,横軸に1/3オクターブの幅が5mm
になるように中心周波数をとり,縦軸には,音響透過損失を10dBが20mmになるようにとる。同一試料
に関する測定結果は各周波数ごとに点で示し,順次,直線で結ぶ。

――――― [JIS A 1416 pdf 15] ―――――

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JIS A 1416:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 140-1:1997(MOD)
  • ISO 140-3:1995(MOD)

JIS A 1416:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1416:2000の関連規格と引用規格一覧