JIS A 1417:2000 建築物の空気音遮断性能の測定方法 | ページ 2

                                                                    A 1417 : 2000 (ISO 140-4 : 1998)
備考 原国際規格ISO 140-4に引用規格として記載されているISO 140-3 : 1995, Acoustics−
Measurement of sound insulation of buildings and of building elements−Part 3 : Laboratory
measurements of airborne sound insulation of building elementsは,ここに記載したJIS A 1416
と同等である。
JIS A 1419-1 建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第1部 : 空気音遮断性能
備考 原国際規格ISO 140-4に引用規格として記載されているISO 717-1 : 1996, Acoustics−Rating of
sound insulation in buildings and of building elements−Part 1 : Airborne sound insulationは,こ
こに記載したJIS A 1419-1と同等である。
JIS C 1502 普通騒音計
備考 原国際規格ISO 140-4に引用規格として記載されたIEC 60651, Sound level metersのType2及
びIEC 60804, Integrating−averaging sound level metersのType2に関する引用事項は,こ
こに記載したJIS C 1502の該当事項と同等である。
JIS C 1505 精密騒音計
備考 原国際規格ISO 140-4に引用規格として記載されたIEC 60651, Sound level metersのType1及
びIEC 60804, Integrating-averaging sound level metersのType1に関する引用事項は,ここ
に記載したJIS C 1505の該当事項と同等である。
JIS C 1515 音響校正器
備考 ここに記載したJIS C 1515の該当事項は,IEC 60942 : 1988, Sound calibratorsと同等である。
JIS Z 8401 数値の丸め方

2.2 国際規格

    ISO 140-2 : 1991, Acoustics−Measurement of sound insulation in buildings and of building elements−Part
2 : Determination, verification and application of precision data
ISO 140-5 : 1998, Acoustics−Measurement of sound insulation in buildings and of building elements−Part
5 : Field measurements of airborne sound insulation of facade elements and facades
ISO 3382 : 1997, Acoustics−Measurement of the reverberation time of rooms with reference to other
acoustical parameters
参考 現在のところ,ISO 140-2,ISO 140-5及びISO 3382に対応するJISはない。
IEC 61260 Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters
参考 現在のところ,この国際規格に対応するJISはない。

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1 室内平均音圧レベル (average sound pressure level in a room)

    対象とする室内における空間的及
び時間的な平均2乗音圧を基準音圧の2乗で除した値の常用対数を10倍した値。単位はデシベル (dB)。
空間的な平均は,音源近傍の直接音領域,壁などの室境界の近傍音場を除いた空間全体について行う。

3.2 室間音圧レベル差 (level difference)

    音源室内,受音室内のそれぞれにおいて測定される室内平均
音圧レベルの差で,次の式で表される。単位はデシベル (dB)。
D=L1−L2 (1)
ここに, Ll : 音源室内における室内平均音圧レベル (dB)
L2 : 受音室内における室内平均音圧レベル (dB)

――――― [JIS A 1417 pdf 6] ―――――

                                                                                              3
A 1417 : 2000 (ISO 140-4 : 1998)

3.3 規準化音圧レベル差 (normalized level difference)

   n 室間音圧レベル差の値から受音室の等価吸音
面積 (A) と規準化のための等価吸音面積 (A0) の比の常用対数を10倍した値を差し引いた値で,次の式で
与えられる。単位はデシベル (dB)。
A
Dn D 10 log 10 (2)
A0
ここに, A0=10m2とする。

3.4 標準化音圧レベル差 (standardized level difference)

   nT 室間音圧レベル差に受音室の残響時間 (T)
と基準の残響時間 (T0) の比の常用対数を10倍した値を加えた値で,次の式で与えられる。単位はデシベ
ル (dB)。
T
DnT D 10 log10 (3)
T0
ここに, 住宅の居室についてはT0=0.5sとする。
備考1. 一般的な住宅居室における残響時間が室容積,周波数によらず0.5秒に近いことから,残響時
間に関する標準化における基準の残響時間を0.5秒とする。
2. 基準の残響時間を0.5秒として標準化することは,次の式で示される値を基準の等価吸音面
積 (m2) として規準化することと等価である。
A0=0.32V
ここに, Vは室容積 (m3) である。

3.5 準音響透過損失 (apparent sound reduction index)

   ' 測定対象の壁又は床を透過する音響パワー
(W2) 以外に,側路伝搬又はその他の影響による透過パワー (W3) の影響が無視できない場合,透過パワー
全体 (W2+W3) に対する測定対象の壁又は床に入射する音響パワー (W1) の比の常用対数の10倍で,次の
式で与えられる。単位はデシベル (dB)。
W1
R 10 log 10 (4)
W2 W3
一般に,受音室に透過する音響パワーは,測定対象の壁又は床を直接透過するパワーだけでなく,側路
伝搬によるパワーなども含まれる。そのような場合にも,音源室,受音室ともに拡散音場であると仮定し
て,次の式によって準音響透過損失を算出する。
S
R D 10 log 10 (5)
A
ここに, D : 室間音圧レベル差 (dB)
S : 測定対象の壁又は床の面積 (m2)
A : 受音室の等価吸音面積 (m2)
ドアを対象とする場合には,Sはドア(枠を含む)を取り付ける開口部の面積とする。その場合,ドア
以外の周辺部の壁を通しての音の透過が無視できる程度に小さいことを確認しておく必要がある。
平面的又は断面的に二室が千鳥状の配置となっている場合には,Sは両室に共通の壁又は床の面積とす
る。共通の部分の面積が10m2未満の場合には,試験報告書にその旨を記述する。このような場合,V/7.5
の値をSとする。ただし,Vは受音室の容積 (m3) で,受音室は必ず容積が小さいほうの室とする。
備考1. 現場における測定結果と実験室における測定結果の比較は,共通部分の面積Sが10m2に近い
場合にだけ行うべきである。
2. 準音響透過損失を求める場合,実際の音の透過条件によらず,二室に共通の壁又は床の部分
に入射する音響パワーによって受音室に透過する音響パワーが決まると仮定している。

――――― [JIS A 1417 pdf 7] ―――――

                                                                    A 1417 : 2000 (ISO 140-4 : 1998)
音源室,受音室の両方で拡散音場の仮定が成り立つ場合には,準音響透過損失は測定の方向にはよらな
い。

4. 測定装置

 測定には,6.で述べる測定方法に適したものを用いる。
音圧レベルの測定には,JIS C 1502に規定する普通騒音計又はJIS C 1505に規定する精密騒音計を用い
る。測定に先立って,JIS C 1515に規定する音響校正器を用いてマイクロホンを含めた測定装置全体の感
度を校正する。平面進行波音場における測定用に校正されている騒音計を用いる場合には,拡散音場補正
を行う必要がある。
周波数分析には,IEC 61260に規定するオクターブ又は1/3オクターブバンドフィルタを用いる。
備考 JIS C 1502又はJIS C 1505及びIEC 61260の規定に適合するリアルタイム型周波数分析器を使
用してもよい。
残響時間の測定に用いる装置は,ISO 3382の規定による。
音源装置に必要とされる要件は,6.2及び附属書1に述べる。

5. 測定条件

 同じ形状・寸法をもつ音源室及び受音室で家具・じゅう(什)器などが全く置かれていな
い状態で測定を行う場合には,それぞれの室に拡散体(家具や板状材料など)を設置することが望ましい。
拡散体としては,1m2以上の面積をもつものを34個用いればよい。

6. 測定方法

6.1 一般事項

 測定は,オクターブバンド又は1/3オクターブバンドごとに行う。これのうち,いずれに
よるかは測定の目的に応じて事前に決定する。

6.2 音源室における音の発生

 音源室内で発生する音は,定常で測定対象周波数範囲の全体にわたって
連続的なスペクトルをもつものとする。音源側にフィルタを用いる場合には,オクターブバンド測定又は
1/3オクターブバンド測定の別に,オクターブバンド又は1/3オクターブバンドフィルタを使用する。ホワ
イトノイズなどの広帯域ノイズを用いる場合には,受音室内で高音域において十分な信号対雑音比が確保
されるようにスペクトルを調整する方法をとってもよい。いずれの場合にも,音源室における音圧のスペ
クトル特性として,隣り合う周波数帯域のレベル差が6dB以上となってはならない。
音源の音響パワーは,すべての周波数帯域で受音室内の音圧レベルが暗騒音のレベルよりも10dB以上
大きくなるように設定する。この条件が実現できない場合には,6.6で述べる補正を行う。
音源は,附属書1で述べる方法によって放射特性が均一で全指向性となるようにする。複数のスピーカ
ユニットからなる音源を用いる場合には,すべてのスピーカユニットを同相で駆動する。複数の音源を用
いる場合には,同じ型のものを使用し,それぞれに同種で無相関の信号を入力し,同一レベルで駆動する。
音源室と受音室の容積が異なる場合,標準化音圧レベル差を求めるためには,容積が大きい室を音源室と
することが望ましい。準音響透過損失を求める場合には,容積が大きいほうの室を音源室として音源位置
を少なくとも2か所以上として測定する,又は音源室と受音室を逆にして1か所又はそれ以上の音源位置
で測定を繰り返す方法をとる。
音源スピーカは,音場ができるだけ拡散性となるように,また,音の透過に大きな影響を与える測定対
象の部位及び側路伝搬の原因となる箇所に強い直接音が入射しないような場所に設置する。音源室及び受
音室の音場は,音源のタイプ及び位置に大きく依存する。音源スピーカの特性の測定及び設置は,附属書
1の規定に従って行う。

――――― [JIS A 1417 pdf 8] ―――――

                                                                                              5
A 1417 : 2000 (ISO 140-4 : 1998)

6.3 室内平均音圧レベルの測定

 次に示すいずれかの方法によって,音源室及び受音室内の室内平均音
圧レベルを測定する。

6.3.1 固定マイクロホン法

 音源室及び受音室内で,室境界,拡散体などから0.5m以上離れ,更に音源
室の場合には音源から1m以上離れた空間内に,互いに0.7m以上離れた5点以上の測定点を空間的に均等
に分布させる。

6.3.2 移動マイクロホン法

 音源室及び受音室内で,0.7m以上の回転半径をもつマイクロホン移動装置
を用いて測定を行う。その場合,室境界,拡散体などから0.5m以上離れ,更に音源室の場合には音源か
ら1m以上離れた空間内でマイクロホンを連続的に回転させる。その回転面は床面に対して傾斜させ,ま
た,各壁面に対しても10°以上の角度となるようにする。回転周期は15秒以上とする。

6.3.3 平均化時間

a) 固定マイクロホン法による場合 各マイクロホン設置位置における音圧レベルの平均化時間は,6.4
に示す測定周波数帯域において,オクターブバンド測定の場合には中心周波数が250Hz以下の周波数
帯域では3秒以上,500Hz以上の周波数帯域では2秒以上,1/3オクターブバンド測定の場合には,中
心周波数が400Hz以下の周波数帯域では6秒以上,500Hz以上の周波数帯域では4秒以上とし,その
間の等価音圧レベルを測定する。
備考 等価音圧レベルとは,各周波数帯域ごとの音圧レベルの平均化時間にわたるエネルギー平均値
で,騒音計の積分平均機能を利用することによって自動的に測定することができる。積分平均
機能を備えていない騒音計を用いる場合には,指示値の平均を読み取る。
b) 移動マイクロホン法による場合 平均化時間は,マイクロホン移動装置の周期以上かつ30秒以上とし,
回転周期の整数倍とする。
備考 この方法による場合,必ず積分平均機能を備えた騒音計を用いて平均化時間における等価音圧
レベルを測定する。

6.4 測定周波数範囲

 室内平均音圧レベルの測定は,次の中心周波数の周波数帯域について行う。
オクターブバンド測定 : 125Hz,250Hz,500Hz,1 000Hz及び2 000Hz
1/3オクターブバンド測定 : 100Hz,125Hz,160Hz,200Hz,250Hz,315Hz,400Hz,500Hz,
630Hz,800Hz,1 000Hz,1 250Hz,1 600Hz,2 000Hz,2 500Hz及
び3 150Hz
備考1. オクターブバンド測定の場合には中心周波数4 000Hzの帯域,1/3オクターブバンド測定の場
合には中心周波数4 000Hz及び5 000Hzの帯域についても測定しておくことが望ましい。
2. 低周波数域の測定が必要な場合には,オクターブバンド測定による場合は中心周波数63Hz
の帯域,1/3オクターブバンド測定による場合は中心周波数50Hz,63Hz及び80Hzの帯域に
ついて測定を追加する。

6.5 残響時間の測定及び等価吸音面積の算出

6.5.1 残響時間の測定

a) 受音室内の1点に音源スピーカを設置し,室内に均等な分布となるように3点以上の測定点を設ける。
すべての測定点は,音源スピーカ,壁などの室の境界面から1m以上離す。
b) SO 3382に規定するノイズ断続法 (interrupted noise method) 又はインパルス応答積分法 (integrated
impulse response method) によって,オクターブバンド又は1/3オクターブバンドごとに残響減衰曲線
を求める。測定周波数帯域ごとの測定回数は,ノイズ断続法による場合には各測定点において3回以
上とする。

――――― [JIS A 1417 pdf 9] ―――――

                                                                    A 1417 : 2000 (ISO 140-4 : 1998)
c) 測定された残響減衰曲線の傾きから残響時間を読み取る。その際,残響減衰曲線の初期レベルに対し
て−5dBから少なくとも−25dBまでの減衰に最小2乗法による直線回帰などの手法を適用して残響時
間を求める。
備考 残響時間 (s) は,小数点以下2けた目をJIS Z 8401によって丸め,小数点以下1けたまで表す。

6.5.2 等価吸音面積の算出

 受音室の等価吸音面積は,残響時間の測定結果の平均値を用いて次の式によ
って算出する。
.016V
A (6)
T
ここに, A : 等価吸音面積 (m2)
V : 受音室の容積 (m3)
T : 受音室の残響時間 (s)
備考 等価吸音面積は,小数点以下2けた目をJIS Z 8401によって丸め,小数点以下1けたまで表す。

6.6 暗騒音の影響の補正

 受音室における測定結果に対して,室外からの騒音,受音システムにおける
電気的ノイズ,音源室と受音室間の電気的なクロストークなどが影響していないことを確認するために,
必ず暗騒音のレベルを測定する。
暗騒音のレベルが測定信号に暗騒音が加わったレベルに対して,少なくとも6dB以上(10dB以上が望
ましい)低くなるようにする。この差が6dB以上の場合には,暗騒音の影響を除去した音圧レベルを次の
式によって求める。その差が6dBよりも小さい場合には,この補正計算を行わず,音圧レベルの測定結果
は参考値として記録する。
L 10Lb / 10
10 log10 10Lsb / 10 (7)
ここに, L : 補正された音圧レベル (dB)
Lsb : 暗騒音の影響を含む音圧レベルの測定値 (dB)
Lb : 暗騒音の音圧レベル (dB)
備考 暗騒音の影響の補正は,次の式によって行ってもよい。
L=Lsb−LC (8)
ここに, LCは暗騒音補正値(正の値)で,表1によって与えられる。
表1 暗騒音補正値LC (dB)
Lsb−Lb (dB) 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
6.0 1.3 1.2 1.2 1.2 1.1 1.1 1.1 1.0 1.0 1.0
7.0 1.0 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 0.8 0.8 0.8 0.8
8.0 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.6 0.6 0.6 0.6
9.0 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
10.0 0.5 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4
11.0 0.4 0.4 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3
12.0 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.2
13.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
14.0 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.1 0.1 0.1
15.0dB以上 補正なし

6.7 室間音圧レベル差の算出

6.7.1 固定マイクロホン法による場合

 音源の設置位置ごとに,音源室,受音室のそれぞれについて,測
定周波数帯域ごとに,すべての測定点において測定された音圧レベルのエネルギー平均値 (L) を次の式に
よって計算する。

――――― [JIS A 1417 pdf 10] ―――――

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  • ISO 140-4:1998(MOD)

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