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A 1961 : 2015
A : 換気回数>0.5 h−1
B : 換気回数=0.5 h−1
C : 換気回数<0.5 h−1
図2−換気回数とホルムアルデヒド平衡濃度との関係
一般に,屋外のホルムアルデヒドの放散源は,室内空気のホルムアルデヒドの重要な放散源とはならな
い。ただし,強いホルムアルデヒド放散源が近くにある場合(例えば,交通量の多い道路)は,外気が影
響する可能性はある。
19851986年の間のドイツにおける典型的な300世帯の調査で,室内空気のホルムアルデヒドの中央値
は55 μg/m3であることが分かった[8]。数%の世帯において,ホルムアルデヒド濃度は100 μg/m3以上であ
った。英国,スウェーデン及びオーストラリアにおける最近の調査によってホルムアルデヒド濃度の中央
値は,およそ25 μg/m3であることが明らかになった。表B.2は,室内で測定した濃度の中央値及びその範
囲を,外気で観測された濃度と比較した例である。
20002005年の間に,日本国内で新築住宅のホルムアルデヒド濃度測定が実施された。ホルムアルデヒ
ド濃度が100 μg/m3を上回った住宅の割合は,2000年では28.7 %(809件/2 815件)であったが,2005
年には1.5 %(18件/1 181件)となった[9]。
4 測定法
4.1 一般事項
ホルムアルデヒドを測定するための方法は幾つかある。基本的に,目的に応じて異なっており,ポンプ
サンプリングによる短期間測定,ポンプ又はパッシブサンプラを使った長期間測定,連続測定,及び直読
式の検知管を使ったスクリーニングテストに分けることができる。また,高濃度の妨害物質(特殊な場合
オゾン,二酸化窒素など)の影響を考慮しなければならない。
ガイドライン値への適合性を調べるために使うことができる空気中のホルムアルデヒドを定量するため
の分析方法は,JIS A 1962に規定している。
4.2 短期間のモニタリング
短期間のモニタリングは一般に1時間未満で行う。
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JIS A 1962で規定した方法は,多成分系ガスの測定法であると考えることができる。ホルムアルデヒド
は,2,4-ジニトロフェニルヒドラジンと反応した後ヒドラゾンを形成し,高速液体クロマトグラフ(HPLC)
によって定量することができる。ホルムアルデヒドのほかに,他のアルデヒド及びケトンが同様に分析で
きる。ガイドライン値への適合性を調べるために,この方法を用いることができる。
4.3 長期間のモニタリング
長期間のモニタリングはなるべくJIS A 1963に規定しているパッシブサンプラを使って行う。サンプリ
ングは反応性のある吸着剤中へのガス拡散の原理による[10][11][12][13][14]。パッシブサンプラでは,ホル
ムアルデヒド濃度は数時間から数日の間にわたって測定することができる。測定結果は,平均値として得
られる。より長い期間のための測定結果が必要な場合,繰り返し測定を行う。また,24時間又はより短い
時間でサンプリングする場合,4.2で規定したポンプサンプリングが適用できる。
4.4 スクリーニングテストの方法
スクリーニングテストは,必ずしも十分とはいえないものの,迅速にホルムアルデヒド濃度が得られる
方法である。市販の検知管又はその他の直読式の器具は,比較的入手が簡単であり,追加測定の必要性に
ついて判断を与える。スクリーニングテストの結果は,追跡調査を行うべき範囲をどこまでにすべきかの
判断に役立つものとする。ある場合には追加の測定が不要となり,スクリーニングテストが結果となるか
もしれない(附属書E参照)。ガイドライン値の近く又はそれ以上のホルムアルデヒド濃度では,JIS A 1962
に規定する測定法によって,ガイドライン値に適合しているかどうか,又はどれぐらいのレベルでその値
を超えているかを測定する必要がある。
スクリーニングテストを用いる場合,適切な計画作成のための要求事項を考慮しなければならない。
5.2は必要とされる条件を示している。スクリーニングテストの例を,附属書Eに示す。
5 サンプリング方法
5.1 一般事項
選択された空気サンプリング方法は,解決すべき問題及び放散源の性質に依存する。表面の放散源から
の長期間で連続的な放散量は最も重要で,この規格で規定された方法は,この種の放散源だけに限定され
る。間欠放散源,例えば,たばこ煙が存在するか,又は少し前まで存在した場合は,それらをサンプリン
グ前に除かなければならない。そして,それらが放散するホルムアルデヒドは,換気の促進によって除去
しておくものとする。
5.2 測定の目的及び条件
5.2.1 一般事項
室内空気測定が実行される前に,その目的を明確に定めなければならない。測定は通常,次のような目
的で行われる。
a) 日本のガイドライン値への適合性を確認するため
b) HOガイドライン値への適合性を確認するため
c) 特殊条件下で放散する濃度を求めるため
d) 改修の効果を確認するため
e) 比較的長時間にわたる平均濃度を求めるため
5.2.2 日本のガイドライン値への適合性を確認するため
日本のガイドライン値への適合性を確認するための方法について,次に示す。
新築住宅の測定においては,15分間以上換気後に対象室内を5時間以上密閉し,その後おおむね30分
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間空気をサンプリングする。サンプリング時刻は,午後23時頃が望ましい。換気後の密閉期間中は,外
気に面した開口部は全て閉鎖し,それ以外の室内の建具及び扉,並びに作り付けの家具,備品などの扉は,
全て開放とする。
なお,常時換気システムのある場合は,全てのサンプリング期間中,システムを稼動させてもよい。ま
た,その際,常時換気システムに関連した開口は,密閉期間中でも閉鎖する必要はない。
居住状態にある住宅の測定においては,日常生活を営みながらの状態で,24時間のサンプリングをする。
5.2.3 WHOガイドライン値への適合性を確認するため
室内の空気について1987年に発表されたホルムアルデヒドに関するWHOガイドライン値には,特定の
サンプリング条件が示されていない。
ホルムアルデヒドは急性の刺激物であるから,次の条件に従って,4.1に記載された測定法で測定し,
WHOガイドライン値への適合性を短期間の測定によって判定する。
サンプリングの前に,自然換気によって換気している部屋のドア及び窓を全開にして15分間換気し,そ
の後少なくとも8時間(なるべく一晩)閉鎖する。その際,ドア及び窓の隙間にテープを張るなどして気
密性を高めることはしない。その後,ドア及び窓を閉じたまま30分間にわたってサンプリングを行う。
換気の効果に関する情報を得るため,サンプリング後5分間,ドア及び窓を開けることによって部屋を
換気する。その後ドア及び窓を再び閉め切り,1時間後に,更にサンプリングを行う。
常時換気システムによって換気されている部屋であれば,サンプリングに先立って,その部屋の一般的
な換気動作条件で,3時間運転しなければならない。同様に,特に換気に関する指示通達が出されている
部屋(例えば,学校,幼稚園)に対しては,測定の前に,代表的な運転条件で,規定どおりに運転しなけ
ればならない。
居住者が通常でない特定の条件下で苦情を訴える場合は,解明のため,その条件下でも測定を行うこと
が望ましい。
圧縮木製品(接着剤及び樹脂で生産された)が室内空気中のホルムアルデヒドの主な放散源であるなら,
ホルムアルデヒド濃度は,室温及び相対湿度に大きな影響を受ける。他の要因が一定の条件下であれば,
1 ℃の室温上昇が数%のホルムアルデヒド濃度の増加を引き起こす(図1参照)。
測定は,通常の室内環境条件下で行うことが不可欠である。なおかつ,室内の条件は,快適と感じる範
囲の中であることが望ましい。
測定は,居住者が存在しているときに行うことができる。
5.2.4 特殊条件下で放散する濃度を求めるため
極端な条件下でのホルムアルデヒドの濃度レベルの情報を得ることが求められる場合もある。このよう
な極端な条件は第一に,通常の快適と感じる範囲外の温度又は相対湿度が著しく高い室内環境条件(例え
ば,真夏の晴れた条件)下で部屋が使われることが想定される場合である。第二に,殺虫剤使用のような
一時的な放散源からのホルムアルデヒドの放散も特殊条件に該当する。結果として,より高いホルムアル
デヒド濃度になることが予想される条件下では,短期間の測定(30分)が望ましい。
5.2.5 改修の効果を確認するため
改修の効果を確認するため,サンプリング条件は改修前と同じにしなければならない。
5.2.6 比較的長時間にわたる平均濃度を求めるため
サンプリング継続時間は通常24時間以上とする。居住者は換気及び生活行動を通常どおりに続けること
が望ましい。
調査の前に普段どおりの生活行動を居住者に求め,内容を記録しておくことが望ましい。サンプリング
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の間の変化の状況も記録しなければならない。
5.3 サンプリング時期
サンプリングをする時期は目的に依存する。
短時間の妨害要因(例えば,放散源の強度変化又は換気)によって起こる濃度変化と同じように,より
長い時間(例えば,季節の変化による温度及び湿度の変化。箇条3参照。)にわたって生じる濃度変化も重
要である。
圧縮木材製品が主な放散源である場合,ホルムアルデヒド濃度が平衡に達するために必要な時間は,図
2の中に示される換気回数との関係図を用いて推定することができる。
図C.1は,一般に,換気を促進した後の2時間の密閉では,特にホルムアルデヒド濃度が高い場合,平
衡に達するのに十分ではないことを示している。
5.4 サンプリングの時間及び頻度
サンプリングの時間は,目的及び定められた空気のサンプリング体積に対する分析方法の定量下限の両
方によって決める。ガイドライン値への適合性を確認するために,サンプリング継続時間は30分とするこ
とが望ましい。
サンプリング頻度,回数は,サンプリングの目的及び測定の不確かさの両方から決める(5.6参照)。
5.5 サンプリング場所
大きい建物では,どの部屋でホルムアルデヒド測定を行うかは事前に決定すべきである。部屋を選ぶと
きの主な判断基準は,苦情の有無又は部屋の使用状況による。比較的大規模な建物でも,個人用アパート
でも,最初から全ての部屋を調査することは一般に行われない。測定開始前に,ホルムアルデヒドを測定
する部屋を決める必要がある。部屋の選択をするときには,その部屋の用途を第一の要素として考慮する。
居住時間が比較的長い部屋(例えば,居間,寝室,教室,保育室,事務所)は,特に関心の対象となる。
部屋の選択は,例えば,スクリーニングテストの結果を参考にして行うことができる(4.4参照)。
部屋の中でのサンプリング場所も,結果に影響する。想定される放散源,例えば,パーティクルボード
から作られた家具類の近くでのサンプリング結果は,同じ部屋の他の場所でのサンプリング結果より高い
濃度を示すことがよくある。放散源を突きとめるためには,放散源に近い場所及び放散源から遠い場所の
両方でサンプリングを行うことが有効である。潜在的な放散源を特定するために行われる家具類内の測定
結果は,ガイドライン値への適合性を確認するために用いてはならないが,記録することは重要である。
ガイドライン値への適合性を確認するときは,サンプリング場所は,壁から1 m以上離し,高さ0.75
1.5 mにすることが望ましい。
なお,事務所では11.2 m,幼稚園及び学校では座っているときの高さにしなければならない。このよ
うな状況下では,一般的にサンプリングは部屋ごとに1か所で十分である。日の当たる場所,暖房装置の
近く,顕著なドラフト又は吹出し口の近くは,測定結果に影響を与える可能性があるので,避けることが
望ましい。
居室におけるパッシブサンプラの場所による影響調査によって,サンプラを設置する高さが0.752 m
の間ならば,測定に影響を及ぼさない。ホルムアルデヒドの強い放散源(表面処理していないパーティク
ルボードのような)及び開いた窓の周囲の近い場所を避ければ測定に影響を与えないことが分かっている
[16]。
5.6 結果及び不確かさの報告
サンプリング計画では,どの測定パラメータを測定報告の中の結果として使うか,どのような不確かさ
を記述するか決めることが必要である。一つの値だけでなく,他のパラメータ(平均値,百分率)が結果
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を特徴づけるために使われる。
サンプリング及び分析における不確かさは不可避である。それらは測定の数が常に限定されていること
及び定量に不確かさがあることによって起きる。さらに,測定できるサンプリング場所は,必ずしも調査
対象の部屋又は建物の代表的位置であるとは限らない(不確かさに関する一般的な情報は,GUMを参照
すること)。
測定の不確かさを決めるために,次のことは有用である。
− 繰返し測定
− 測定の標準偏差
− 測定範囲
測定作業時に明らかである関連する作業特性の説明は,測定報告に含めることが望ましい。最も重要な
パラメータは次のとおりである。
− 校正曲線
− 検出下限及び定量下限(ISO 6879:1995参照)
パッシブサンプラを用いる場合,結果の計算に用いた換算式も示すことが望ましい。
結果は,正確性を伴った報告とすることが望ましい。その正確さは,用いた方法に関係する不確かさの
レベルで評価される。
上記の操作特性から得られた不確かさから,経験を積んだ試験所では小数点第三位まで測定結果
(mg/m3)が得られるはずである。
表D.1に,信頼区間が測定の回数によってどのように変化するかを示す[15]。もし2回,3回,5回又は
10回の測定が実行されるなら,ホルムアルデヒド濃度が120 μg/m3(0.1 ppm)で5 μg/m3の標準偏差を仮
定し,2回,3回,5回又は10回の測定を行った場合の信頼区間を示している。式(1) は信頼区間[I(n)]
を計算するために用いる。
s
I(n) t (1)
n
ここに, t : t分布値(95 %)
s : 標準偏差
n : 測定の回数
5.7 測定値の品質保証
依頼者の測定に関する品質要求は,測定計画に明示されなければならない。
サンプリング方法を準備する場合,事前に次の質問に答えることが望ましい。
− 測定機関は文書化された品質保証システムをもっているか。
− 用いられる校正方法はどのようなもので,どれぐらいの頻度で,そしてどれぐらいの範囲か。
− 比較測定は必要か。
− 不確かさはどのように決めるか(例えば,GUMに従って。)。
− 測定機関は共同比較実験に参加しているか。
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JIS A 1961:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16000-2:2004(MOD)
JIS A 1961:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.20 : 雰囲気
JIS A 1961:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1960:2015
- 室内空気のサンプリング方法通則
- JISA1962:2015
- 室内及び試験チャンバー内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の定量―ポンプサンプリング
- JISA1963:2015
- 室内空気中のホルムアルデヒドの定量―パッシブサンプリング