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JIS A 1962:2015 規格概要
この規格 A1962は、空気中のホルムアルデヒド(HCHO)及びその他のカルボニル化合物(アルデヒド及びケトン)の定量について規定。
JISA1962 規格全文情報
- 規格番号
- JIS A1962
- 規格名称
- 室内及び試験チャンバー内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の定量―ポンプサンプリング
- 規格名称英語訳
- Determination of formaldehyde and other carbonyl compounds in indoor air and test chamber air -- Active sampling method
- 制定年月日
- 2005年11月1日
- 最新改正日
- 2019年10月25日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 16000-3:2011(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 13.040.20
- 主務大臣
- 国土交通
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 2005-11-01 制定日, 2011-11-29 確認日, 2015-03-25 改正日, 2019-10-25 確認
- ページ
- JIS A 1962:2015 PDF [41]
A 1962 : 2015
pdf 目 次
ページ
- 序文・・・・[1]
- 1 適用範囲・・・・[1]
- 2 引用規格・・・・[2]
- 3 原理・・・・[3]
- 4 測定下限及び干渉・・・・[3]
- 4.1 概要・・・・[3]
- 4.2 オゾンの干渉・・・・[4]
- 5 安全対策・・・・[5]
- 6 装置(一般的な実験室装置)・・・・[5]
- 6.1 サンプリング・・・・[5]
- 6.2 試料の調製・・・・[6]
- 6.3 試料の分析・・・・[7]
- 7 試薬・・・・[8]
- 8 試薬及びカートリッジの調製・・・・[8]
- 8.1 2,4-ジニトロフェニルヒドラジンの精製・・・・[8]
- 8.2 DNPH-ホルムアルデヒド誘導体の調製・・・・[9]
- 8.3 DNPH-ホルムアルデヒド標準液の調製・・・・[9]
- 8.4 DNPH-コーティングシリカゲルカートリッジの準備・・・・[10]
- 9 操作・・・・[11]
- 9.1 サンプリング・・・・[11]
- 9.2 プロセスブランク・・・・[13]
- 9.3 試料の分析・・・・[13]
- 10 計算・・・・[19]
- 11 性能基準及び品質保証・・・・[20]
- 11.1 概要・・・・[20]
- 11.2 標準操作手順(SOPs)・・・・[21]
- 11.3 HPLCシステムの性能・・・・[21]
- 11.4 試料の損失・・・・[21]
- 11.5 測定計画・・・・[21]
- 12 精度及び不確かさ・・・・[21]
- 13 試験報告書・・・・[22]
- 附属書A(参考)精度及び不確かさ・・・・[23]
- 附属書B(参考)DNPH-カルボニル化合物誘導体の融点・・・・[25]
- 附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[28]
- 附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表・・・・[30]
(pdf 一覧ページ番号 1)
――――― [JIS A 1962 pdf 1] ―――――
A 1962 : 2015
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS A 1962:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(pdf 一覧ページ番号 2)
――――― [JIS A 1962 pdf 2] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
A 1962 : 2015
室内及び試験チャンバー内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の定量−ポンプサンプリング
Determination of formaldehyde and other carbonyl compounds in indoor air and test chamber air-Active sampling method
序文
この規格は,2011年に第2版として発行されたISO 16000-3を基とし,国内の実情を反映させるため,
技術的内容を変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附
属書JBに示す。
この規格は,JIS A 1961で規定する室内の空気を調べるために意図している。この規格は,ホルムアル
デヒド及び他のカルボニル化合物についても適用でき,13種類のアルデヒド及びケトンについて実証され
ている。ホルムアルデヒドは一つの炭素,一つの酸素及び二つの水素原子をもつ最も単純なカルボニル化
合物である。ホルムアルデヒドは単分子の状態で,無色で,刺激性があり,反応性のガスである。それは
尿素ホルムアルデヒド樹脂の接着剤及び断熱発泡体の生産で使用されている。パーティクルボード及び壁
断熱材からの放散が室内空気中のホルムアルデヒドの主要な放散源である。
ホルムアルデヒドは,これをより低い蒸気圧の誘導体に換える反応媒体に通気することによって効率的
にサンプラに捕集され,容易に分析することができる。この規格は,ホルムアルデヒド及び他のカルボニ
ル化合物を,吸着剤にコーティングした2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)と反応させることに
よって,それらに対応するヒドラゾンに変換し,高い検出感度及び精度,そして正確さで,回収・定量す
ることができる。溶剤,接着剤,化粧品及び他の放散源から空気中に放散していると思われる他のカルボ
ニル化合物についても,この規格を使って定量される。
この規格では,使用する試薬(DNPH-ホルムアルデヒド誘導体)及びカートリッジは自作を前提として
いるが,品質及び性能が確認されたものであれば市販品を用いてもよい。
ホルムアルデヒドとその他の幾つかのカルボニル化合物は高い毒性をもつ[15]。
1 適用範囲
この規格は,空気中のホルムアルデヒド1)(HCHO)及びその他のカルボニル化合物1)(アルデヒド及び
ケトン)の定量について規定する。この方法は,主にホルムアルデヒドの定量に特定されるが,若干の変
更によって少なくとも他の12種類の芳香族及び飽和脂肪族,不飽和脂肪族カルボニル化合物を検出し,定
量することができる。この方法はおよそ1 μg/m31 mg/m3の濃度範囲のホルムアルデヒド及び他のカルボ
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A 1962 : 2015
ニル化合物の定量に適している。このサンプリング方法では,時間加重平均値(TWA,Time Weight Average)
が得られる。この方法は,空気中のホルムアルデヒドを定量する際に,長時間[124時間,低流量(例
えば,0.1 L/min)でサンプリングする場合]又は短時間[560分,高流量(例えば,1 L/min)でサンプ
リングする場合]のサンプリングに使用できる。この規格は,ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合
物のサンプリング並びに分析操作について規定する。すなわち,2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)
でコーティングされた吸着剤カートリッジに空気から捕集後,紫外線吸収検出器付き高速液体クロマトグ
ラフ(HPLC)で定量する方法が述べられている[12] [16]。
ここで説明した方法は,より長鎖及び不飽和のカルボニル類の定量には適していない。
この規格では,次のカルボニル化合物が定量可能である。
アセトアルデヒド,アセトン,ベンズアルデヒド,ブチルアルデヒド,カプロンアルデヒド,2,5-ジメ
チルベンズアルデヒド,ホルムアルデヒド,イソバレルアルデヒド,プロピオンアルデヒド,m-トルアル
デヒド,o-トルアルデヒド,p-トルアルデヒド,バレルアルデヒド
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 16000-3:2011,Indoor air−Part 3: Determination of formaldehyde and other carbonyl compounds
in indoor air and test chamber air−Active sampling method(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
注1) 国際純正及び応用化学連合(IUPAC)の規則に従った命名法の代わりに,この規格では慣用名
を用いている。対応する名称は,次のとおりである。
この規格での名称 IUPAC命名法による名称
アセトアルデヒド : エタナール
アセトン : 2-プロパノン
ブチルアルデヒド : ブタナール
カプロンアルデヒド : ヘキサナール
ホルムアルデヒド : メタナール
イソバレルアルデヒド : 3-メチルブタナール
プロピオンアルデヒド : プロパナール
m-トルアルデヒド : 3-メチルベンズアルデヒド
o-トルアルデヒド : 2-メチルベンズアルデヒド
p-トルアルデヒド : 4-メチルベンズアルデヒド
バレルアルデヒド : ペンタナール
警告 この規格を使用する者は,一般的な実験操作に精通している必要がある。
また,この規格を使用する上で安全上の問題があったとしても,その全てに対処するもので
はない。適切な安全衛生の習慣を確立し,そして,使用する前に規定の適用範囲を決定するこ
とはこの規格の使用者の責任である。
2 引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8180 塩酸(試薬)
――――― [JIS A 1962 pdf 4] ―――――
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A 1962 : 2015
JIS K 8223 過塩素酸(試薬)
JIS K 8480 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(試薬)
JIS K 8872 ホルムアルデヒド液(試薬)
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
注記 対応国際規格 : ISO/IEC 17025,General requirements for the competence of testing and calibration
laboratories(IDT)
3 原理
この規格には,2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)試薬をコーティングしたシリカゲルを充し
たカートリッジを通して空気を吸引する方法が記載されている。この方法の原理は,図1で示される反応
に従って,酸の存在下でジニトロフェニルヒドラジン及びカルボニル化合物の特異反応によって安定な誘
導体を形成することに基づく。このDNPH誘導体は紫外線吸収検出器又はフォトダイオードアレイ検出器
付きHPLCを用いて,元のアルデヒド及びケトンとして分析される。9.3.5に記載したように,他の化合物
についても定量可能である。
この規格は,市販されているクロマトグラフ用シリカゲルカートリッジに酸性化したジニトロフェニル
ヒドラジンをコーティングすることによって,サンプリング用カートリッジを調製する方法を示している
が,代わりに市販のコーティング済みのジニトロフェニルヒドラジンシリカゲルを利用してもよい。これ
らは均一に製造されており,ブランク値が低いのでその使用が推奨される。ただし,市販のカートリッジ
を使用する場合,この規格の基準を満足することを実証しなければならない。市販のカートリッジのもう
一つの長所は,大きな粒径のシリカゲルを使っているため,カートリッジを通過するときの圧力降下が小
さい点である。これら圧力降下の小さいカートリッジは電池駆動小形採取ポンプを使って空気をサンプリ
ングする場合に適している。
カルボニル化合物 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン DNPH誘導体
(DNPH)
(アルデヒド類又はケトン類)
R,R' : アルキル基又は芳香族基
図1−2,4-ジニトロフェニルヒドラゾンを生成するカルボニル化合物の反応
4 測定下限及び干渉
4.1 概要
この規格では,サンプリング流量は1.5 L/minまでが検証されている。この流量限界は主に,シリカゲル
カートリッジの粒径(55105 μm)によるものであり,そこを通過するときの圧力降下が大きくなる(1.0
L/minの場合で>8 kPa)ことによる。これらのカートリッジは,一般に電池駆動小形採取ポンプには適合
しない。
この固体吸着剤によるサンプリング操作は,ホルムアルデヒドのサンプリング及び分析に特有のもので
ある。この方法によって,他のアルデヒド類又はケトン類を分析する際,このHPLC条件では,ある特定
の異性体のアルデヒド類又はケトン類が分離できないことがある。ホルムアルデヒドのDNPH誘導体と保
――――― [JIS A 1962 pdf 5] ―――――
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JIS A 1962:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 16000-3:2011(MOD)
JIS A 1962:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.040 : 気質 > 13.040.20 : 雰囲気
JIS A 1962:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8223:2016
- 過塩素酸(試薬)
- JISK8480:2020
- 2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(試薬)
- JISK8872:2008
- ホルムアルデヒド液(試薬)
- JISQ17025:2018
- 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項