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A 4304 : 2016
a) 構造例1
b) 構造例2
c) 構造例3
図1−つかみ方式の調速機の構造例
――――― [JIS A 4304 pdf 6] ―――――
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A 4304 : 2016
図2−トラクション方式の調速機の構造例
6 性能
6.1 調速機による過速スイッチの作動
過速スイッチの接点が開くときの速度は,8.4.1の試験を行ったとき,3回の試験結果とも次の規定に適
合しなければならない。
a) 定格速度が45 m/min以下の場合 : 63 m/min以下。
b) 定格速度が45 m/minを超える場合 : 定格速度の1.3倍以下。ただし,6.2の非常止め装置の作動速度
に到達する前に作動する。
6.2 調速機による非常止め装置の作動
引抜き力発生機構が作動するときの速度は,8.4.2の試験を行ったとき,3回の試験結果とも定格速度の
1.15倍以上の速度で,かつ,次の規定に適合しなければならない。ただし,釣合おもり又はバランスウェ
イト用の非常止め装置の作動速度を,かご用の非常止め装置の作動速度より大きくする場合は,次のa) 及
びb) に規定する値の1.1倍以下とする。
a) 定格速度が45 m/min以下の場合 : 68 m/min以下。
b) 定格速度が45 m/minを超える場合 : 定格速度の1.4倍以下。
6.3 引抜き力
調速機ロープに作用する引抜き力は,8.4.3の試験を行ったとき,3回の試験結果とも箇条10で規定する
引抜き力の表示値の最小値以上でなければならない。
6.4 調速機ロープの安全率
調速機ロープの安全率は,8以上とし,安全率の計算方法は次による。
a) つかみ方式の調速機の場合 安全率は,調速機ロープの最小破断力を箇条10で規定する引抜き力の表
示値の最大値で除した値とする。
b) トラクション方式の調速機の場合 安全率は,調速機ロープの最小破断力を次の式によって求めた引
抜き力発生時に調速機ロープに作用する張力の最大値で除した値とする。
1
Tmax Mw Mr gn e
2
ここに, Tmax : 引抜き力発生時に調速機ロープに作用する張力の最大値
(N)
Mw : 緊張おもりの質量の最大値(kg)
Mr : 調速機ロープの質量の最大値(kg)
――――― [JIS A 4304 pdf 7] ―――――
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A 4304 : 2016
e : 自然対数の底(2.718)
μ : 調速機ロープと綱車溝の間の溝の形状を考慮した摩擦係
数の最大値(0.2)
θ : 調速機ロープの巻付け角(rad)
7 構造
調速機は次の構造とし,8.5の方法によって確認する。
a) 調速機は,調速機ロープ,調速機ロープによって駆動する綱車,綱車の回転によって慣性力を発生す
る振り子,過速スイッチ,及び引抜き力発生機構で構成し,綱車の回転速度で変化する振り子の変位
を利用して過速スイッチ,及び引抜き力発生機構を作動させる構造とする。ただし,かご用の調速機
に加えて,釣合おもり又はバランスウェイト用にも調速機を設ける場合には,釣合おもり又はバラン
スウェイト用の調速機には,過速スイッチを設けなくてもよい。
b) 綱車の材質は,鋼又は鋳鉄とし,引抜き力発生機構の調速機ロープつかみ部の材質は,鋼,鋳鉄,合
金鋼又は銅合金とする。
c) 過速スイッチは,自動復帰方式としてはならない。
d) 過速スイッチは,電気回路を開路する接点,及び外部から接点の開路動作を行う操作部をもつものと
する。接点が溶着した場合には,接点と操作部との間に開路できないような弾性体を介在することな
く,下降方向に対しては非常止め装置の作動速度に達する前までに,上昇方向に対しては6.2に規定
された速度に達する前までに,接点を直接的に開路する構造とする。
e) 調速機ロープには,最小破断力が明確な専用のワイヤロープを用いる。
f) 調速機ロープは,緊張用おもり付きプーリによって張力をかける構造とし,この緊張用おもり又はプ
ーリは,張力が失われないように適切にガイドする。調速機本体を張力装置の一部とすることもある
が,過速スイッチの作動速度,非常止め装置の作動速度及び引抜き力は,いずれも張力装置の動きに
よって変化しない構造とする。
g) 非常止め装置の作動に対応する回転方向を調速機に明示する。
h) 過速スイッチの作動速度,非常止め装置の作動速度及び引抜き力に対して調整可能とする部分につい
ては,調整禁止箇所を明示し,初期調整内容が判別できるような封印又は合いマークを施す。
8 試験方法
8.1 試験体
8.4に規定する試験を実施する場合の試験体は,次による。
a) 調速機1台とする。
b) 使用するものと同じ種類の調速機ロープ1本とする。
c) トラクション方式の調速機の場合,調速機に組み合わせて使用する形式の緊張用おもり組立品1セッ
ト又は相当する張力装置とする。
8.2 試験装置
試験には,次の機能をもつ装置を用いる。
a) 調速機の綱車を任意の速度で回転させることができる装置。
b) 過速スイッチの作動速度及び非常止め装置の作動速度を測定することができる測定装置。
c) トラクション方式の場合,所定のロープ張力を与えることができる装置。
――――― [JIS A 4304 pdf 8] ―――――
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A 4304 : 2016
d) 調速機ロープに引抜き力以上の張力を与えることができる装置。
e) 引抜き力を測定できる測定装置。
8.3 測定機器の精度
試験には,特に理由のない限り,測定値に対して次の精度をもつ測定機器を用いる。測定値を記載する
桁数は,測定機器の精度に応じた桁数とする。
a) 速度 : ±1 %
b) 力 : ±1 %
c) 長さ又は距離を測定する場合には,次による。
1) IS B 7512若しくはJIS B 7522に規定する巻尺又はこれらと同等以上のもの。
2) IS B 7516に規定する直尺又はこれと同等以上のもの。
3) IS B 7507に規定するノギス又はこれと同等以上のもの。
8.4 試験手順
8.4.1 過速スイッチの作動速度試験
a) 調速機の綱車を任意の速度で上昇方向及び下降方向に回転させ,過速スイッチが作動し,接点が開く
ときの速度を各3回測定する。
b) 作動速度に達するまでの加速度は,慣性効果を除くためにできるだけ小さくする。
8.4.2 非常止め装置の作動速度試験
a) 調速機の綱車を任意の速度で下降方向に回転させ,非常止め装置の作動速度として引抜き力発生機構
が作動するときの速度を3回測定する。
b) 作動速度に達するまでの加速度は,慣性効果を除くためにできるだけ小さくする。
8.4.3 引抜き力試験
非常止め装置を作動させるために調速機ロープに作用する引抜き力の試験は,次による。
a) つかみ方式の調速機の場合 引抜き力発生機構に調速機ロープをつかませ,調速機ロープに作用する
引抜き力を3回測定する。
b) トラクション方式の調速機の場合 調速機ロープを調速機の綱車に巻き掛け,調速機ロープに作用す
る引抜き力を3回測定する。このとき,製造業者の指定がない限り調速機ロープの巻付け角は180°
とし,使用条件に合わせたロープ張力相当の張力を掛けなければならない。
8.5 構造試験
箇条7のa) g) に規定する構造に適合しているか否かを構造図,外形図などによって確認する。
9 検査
9.1 検査方法
検査は,形式検査とし,箇条8に規定した試験による確認を行い,箇条6及び箇条7に適合したものを
合格とする。
なお,検査に用いる値は,試験結果に対して測定機器の精度を含めたものとする。
9.2 検査成績書
形式検査成績書には,少なくとも次の内容を記載する。
a) 調速機の形式名
b) 製造業者名及びその住所
c) 規格番号及び年号
――――― [JIS A 4304 pdf 9] ―――――
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A 4304 : 2016
d) 検査成績書番号及び作成日
e) 試験日及び試験場所
f) 調速機の用途(かご用,釣合おもり用など)
g) 引抜き力発生方式(つかみ方式又はトラクション方式)
h) 調速機によって作動する非常止め装置の方式(早ぎき非常止め装置,次第ぎき非常止め装置など)
i) 調速機が適用されるかご,釣合おもり又はバランスウェイトの定格速度及び作動速度の設定値
j) 調速機作動時の引抜き力の設定値
k) 適用する調速機ロープの構成,ロープ径及びロープ最小破断力
l) 調速機の構造及び作動機構を示す構造図及び外形図
m) 張力装置を含めた調速機及び非常止め装置の作動機構図の例
なお,トラクション方式の場合は,緊張おもり及び調速機ロープの最小質量,最大質量を明記する。
n) 使用した測定機器及びその精度の一覧
o) 試験条件及び検査結果(過速スイッチの作動速度,非常止め装置の作動速度,引抜き力,調速機ロー
プの安全率,構造など)
10 表示
調速機には,少なくとも次の事項を見やすい箇所に,容易に消えない方法で表示しなければならない。
a) 規格番号及び年号
b) 製造業者名又はその略号
c) 形式名
d) 過速スイッチの作動速度及び非常止め装置の作動速度の上限値
e) 調速機作動時の引抜き力の設定値の最小値及び最大値
f) 適用する調速機ロープの構成及びロープ径
JIS A 4304:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.140 : 建築物の付帯施設 > 91.140.90 : リフト.エスカレータ