JIS A 5207:2019 衛生器具―便器・洗面器類 | ページ 3

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8.2 性能試験

8.2.1  大便器の性能試験
8.2.1.1 洗浄性能試験
大便器の洗浄性能試験は,次による。
a) 試験条件
1) タンク使用の場合 製造業者が定める水位に調整を行い,止水栓を全閉する。
2) 洗浄弁使用の場合 給水圧力(流動時)が0.1 MPa以下で,洗浄弁を大便器に接続した状態とし,
最大瞬間流量100 L/分以下,かつ,製造業者公称水量となるように調整する。
3) 専用洗浄弁式便器の場合 給水圧力(流動時)が0.1 MPa以下で,器具が制御を行う瞬間流量及び
水量で試験を実施する。
b) 試験操作 トラップを満水にした後,周縁射水部の下方約30 mmの洗浄面周囲にインキで幅約50 mm
の線を帯状に描き,タンク式又は専用洗浄弁式で,大小洗浄がある場合は小洗浄で,それ以外の場合
は大洗浄で,直ちに水を流し,洗浄面にインキの跡が残るか調べる。
なお,インキは,大便器の色によって判別しやすい色のインキを用いる。
8.2.1.2 排出性能試験
大便器の排出性能試験は,次による。
a) 試験用紙 JIS P 4501に規定するトイレットペーパー(1枚重ね)又はそれと同等のトイレットペーパ
ー。
b) 代用汚物
1) 代用汚物A 長さ約760 mmに切った試験用紙を,直径が約50 mm75 mmの球状に緩く丸めたも
のを7個使用する,又はそれと同等以上の条件のものを代用汚物Aとして用いてもよい。
2) 代用汚物B 直径が約19 mm,比重0.850.95の樹脂の球100個を使用する,又はそれと同等以上
の条件のものを代用汚物Bとして用いてもよい。
3) 代用汚物C 長さ約760 mmに切った試験用紙を,直径が約50 mm75 mmの球状に緩く丸めたも
のを3個使用する,又はそれと同等以上の条件のものを代用汚物Cとして用いてもよい。
c) 試験条件
1) タンク使用の場合 d)の2) 及び3) の場合は,製造業者が定める水位に調整を行い,止水栓を全閉
にする。d)の4) の場合は,給水を接続し給水圧力(流動時)が0.1 MPaで,製造業者が定める水位
に調整を行う。
2) 洗浄弁使用の場合 給水圧力(流動時)が0.1 MPa以下で,洗浄弁を大便器に接続した状態とし,
最大瞬間流量100 L/分以下,かつ,製造業者公称水量となるように調整する。
3) 専用洗浄弁式便器の場合 給水圧力(流動時)が0.1 MPa以下で,瞬間流量及び水量の調整は不要
とする。
4) 排水芯調整式便器の場合 壁仕上げ面から排水穴位置までの寸法は,洗浄性能が最も低い寸法3) で
行う。
注3) 最も低い寸法とは,可変範囲の最大寸法及び最小寸法で排出試験を行い,性能の低い方を
いう。
d) 試験操作
1) ボールパス性能試験 幼児用を除く大便器は直径44 mm以上,幼児用の大便器は直径38 mm以上
の変形のない球を排水路に投入し,トラップ内を通過させ,便器外に排出されるか調べる。

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2) 大洗浄排出性能試験 トラップを満水にした後,代用汚物Aを一度に便器内に投入し,直ちに大洗
浄を行い,代用汚物Aが完全に便器外へ排出されるか調べる。次に,トラップを満水にした後,代
用汚物Bを一度に便器内に投入し,直ちに大洗浄を行い,便器から排出された代用汚物Bの数を調
べる。
3) 小洗浄排出性能試験 小洗浄付きの場合,トラップを満水にした後,代用汚物Cを一度に便器内に
投入し,直ちに小洗浄を行い,代用汚物Cが完全に便器外へ排出されるか調べる。
4) 小洗浄りゅう(溜)水入れ替わり性能試験 小洗浄付きの場合,濃度5 %(質量分率)塩化ナトリ
ウム水溶液でトラップを満水にし,直ちに小洗浄を行い,タンクへの給水が完了するなど洗浄動作
が完了してからりゅう(溜)水をかくはん(攪拌)し,りゅう(溜)水面中央の濃度を測定し,次
の式で入れ替わり率を計算する。
濃度5 %(質量分率)塩化ナトリウム水溶液は,水道水に相当する品質の水を使用し,JIS K 8150
に規定する塩化ナトリウムを用いて調製した後に濃度を測定し,換算される塩化ナトリウム濃度が
規定の濃度であることを確認する。
Z1−Z2
Q 100
Z1
ここに, Q : 入れ替わり率(%)
Z1 : 洗浄前濃度(5 %)
Z2 : 洗浄後濃度(%)
8.2.1.3 水封性能試験
大便器の水封性能試験は,次による。
a) 試験操作
1) 繰返し耐久性試験 機械式排出機構便器の場合,大便器のトラップ単体又は製品のいずれかを選択
し,トラップを20万回作動させた後,排水トラップの深さ及び動作状況を調べる。
2) 耐劣化性試験 機械式排出機構便器の場合,ゴム試験部品を用いて,環境(空気)温度100 ℃の劣
化促進試験を500時間行う。その後,排出機構に取り付け,動作状況を確認する。
なお,ゴム試験部品とは,トラップを構成するゴムの可動部品をいう。
3) 耐酸性試験 機械式排出機構便器の場合,JIS K 8180に規定する塩酸を用いて調製した濃度10 %
(質量分率)の塩酸水溶液20 mLをトラップりゅう(溜)水量と同等分の水量で希釈を行う。次に,
トラップのゴム試験部品を希釈液で満水にして,500時間経過後に動作状況を調べる,又はその希
釈溶液中にゴム試験片を浸せき(漬)させ,500時間経過後に試験片の基準長さの変化を調べる。
なお,ゴム試験片とは,ゴム試験部品と同じ材質で,JIS K 6251の6.2(ダンベル状試験片)で規
定するダンベル状3号形試験片をいう。
4) 耐アルカリ性試験 機械式排出機構便器の場合,JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて
調製した濃度2 %(質量分率)の水酸化ナトリウム水溶液10 mLをトラップりゅう(溜)水量と同
等分の水量で希釈を行う。次に,トラップのゴム試験部品を希釈液で満水にして,500時間経過後
に動作状況を調べる,又はその希釈溶液中にゴム試験片を浸せき(漬)させ,500時間経過後に試
験片の基準長さの変化を調べる。
なお,ゴム試験片とは,ゴム試験部品と同じ材質で,JIS K 6251の6.2(ダンベル状試験片)で規
定するダンベル状3号形試験片をいう。

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8.2.1.4 耐漏水性能試験
大便器を水平にして,トラップを満水にし,10時間以上放置して水面の低下によって漏水の有無を調べ
るか,又はそれと同等以上の精度のある試験方法によって漏水の有無を調べる。
8.2.1.5 耐漏気性能試験
大便器を水平にして,トラップを満水にし,排水穴を閉じて排水路内に最低245 Paの空気圧を与え,漏
気の有無を調べるか,又はそれと同等以上の精度のある試験方法によって漏気の有無を調べる。
なお,試験箇所が目視できる構造の場合は,試験によらず,漏気が発生する切れの有無を目視で調べる。
8.2.1.6 防露性能試験
温湿度変動(調整)が“±1.0 ℃,±3.0 %RH”と同等以上の精度の設備を使用して,室温30 ℃,相対
湿度75 %に設定し,供試品に水を入れない状態で,供試品表面温度が室温と同温になるまで放置する。
洗浄弁式及び専用洗浄弁式の場合は,給水圧力(流動時)が0.2 MPa,止水栓は常時全開で,温調装置
から給水装置に水温20 ℃±2 ℃の水を供給し,1回予備洗浄する。タンク式の場合は,給水圧力(流動時)
が0.2 MPaで,タンク内に温調装置から20 ℃±2 ℃の水を規定水量給水し,給水完了後直ちに1回予備
洗浄する。
同様の条件で,給水が完了したところで,直ちに1回目の本洗浄を行う。次に,10分ごとに本洗浄操作
を1回ずつ計3回行い,合計4回の本洗浄終了時から2時間経過後,結露水の床への滴下の有無を確認す
る。
8.2.1.7 洗浄水量測定方法
供試便器の排水口部に容器を置き,排水口から出た水を受けてその量を測定するか,又はそれと同等以
上の精度のある測定方法によって測定する。また,給水方式の違いによる洗浄水量測定方法は,次による。
なお,いずれの場合も3回測定し,平均値を算出して,洗浄水量とする。四捨五入して小数点1位まで
確認する。
a) タンク使用の場合 給水圧力(流動時)が0.2 MPaで,製造業者が定める水位に調整の後,1回の洗
浄操作を行い,洗浄水量を測定する。
b) 洗浄弁使用の場合 給水圧力(流動時)が0.2 MPaで,ノンホールドタイプの洗浄弁によって,大便
器を接続した状態とし,最大瞬間流量100 L/分以下で,かつ,製造業者公称水量となるように調整
した状態で1回の洗浄操作を行い,洗浄水量を測定する。
c) 専用洗浄弁式便器の場合 給水圧力(流動時)が0.2 MPaで,1回の洗浄操作を行い,洗浄水量を測
定する。
8.2.1.8 壁掛大便器の耐荷重試験
供試品を固定し,前リム縁から135 mmの位置に45 mm×45 mmの角材を置き,その中央部に2 200 N
の力を10分間加え,破損しないかを確認する。
8.2.2 小便器の性能試験
8.2.2.1 洗浄性能試験
小便器の洗浄性能試験は,次による。
a) 試験条件 給水圧力(流動時)が0.1 MPa以下で,洗浄弁を小便器に接続した状態とし,瞬間流量を
調整する必要がある場合は,最大瞬間流量15 L/分以下,かつ,製造業者公称水量となるように調整
する。瞬間流量を調整する必要がない場合は,止水栓を全開かつ製造業者公称水量となるように調整
する。
b) 試験操作 洗浄面の中央部にインキで幅約50 mmの線を帯状に描いて直ちに水を流し,洗浄面にイン

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キの跡が残るか調べる。
8.2.2.2 排出性能試験
直径18 mm以上の変形のない球を排水路に投入し,トラップ内を通過させ,便器外に排出されるか調べ
る。ただし,着脱式トラップは,着脱部を外した状態で実施する。
8.2.2.3 耐漏水性能試験
小便器を水平にして,トラップを満水にし,10時間以上放置して水面の低下によって漏水の有無を調べ
るか,又はそれと同等以上の精度のある試験方法によって漏水の有無を調べる。
8.2.2.4 耐漏気性能試験
小便器を水平にして,トラップを満水にし,排水穴を閉じて排水路内に最低245 Paの空気圧を与え,漏
気の有無を調べるか,又はそれと同等以上の精度のある試験方法によって漏気の有無を調べる。
なお,試験箇所が目視できる構造の場合は,試験によらず,漏気が発生する切れの有無を目視で調べる。
8.2.3 洗面器及び手洗器の性能試験(耐荷重試験)
供試品を固定し,前リム縁中央部に1 100 Nの力を10分間加え,破損しないかを確認する。

9 検査

9.1 一般事項

  器具の検査は,次の形式検査4) と受渡検査5) とに区分し,この検査項目を箇条8などの試験で行った
とき,箇条5箇条7などの規定に適合したものを合格とする。
なお,受渡検査の抜取検査方法は,合理的な抜取検査方式とする。
注4) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうかを判定する検査。
5) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。

9.2 形式検査

  器具の形式検査は,次による。
なお,括弧は該当箇条である。
a) 大便器の検査
1) 洗浄性能検査(5.1.1)
2) 排出性能検査(5.1.2)
3) 水封性能検査(5.1.3)
4) 耐漏水性能検査(5.1.4)
5) 耐漏気性能検査(5.1.5)
6) 防露性能検査(5.1.6)
7) 洗浄水量測定(5.1.7)
8) 壁掛大便器の耐荷重検査(5.1.8)
9) 形状及び寸法検査(6.1)
10) 外観検査(陶器)(7.2.1)
11) インキ浸透度検査(陶器)(7.2.2)
12) 耐急冷性検査(陶器)(7.2.3)
13) 耐貫入性検査(陶器)(7.2.4)
14) 機械的強度検査(樹脂)(7.3.1)

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15) 強度耐久性検査(樹脂)(7.3.2)
16) 耐汚染性検査(樹脂)(7.3.3)
17) 耐酸性検査(樹脂)(7.3.4)
18) 耐アルカリ性検査(樹脂)(7.3.5)
b) 小便器の検査
1) 洗浄性能検査(5.2.1)
2) 排出性能検査(5.2.2)
3) 水封性能検査(5.2.3)
4) 耐漏水性能検査(5.2.4)
5) 耐漏気性能検査(5.2.5)
6) 形状及び寸法検査(6.1)
7) 外観検査(7.2.1)
8) インキ浸透度検査(7.2.2)
9) 耐急冷性検査(7.2.3)
10) 耐貫入性検査(7.2.4)
c) 洗面器及び手洗器の検査
1) 洗面器及び手洗器の耐荷重検査(5.3)
2) 形状及び寸法検査(6.1)
3) 外観検査(7.2.1)
4) インキ浸透度検査(7.2.2)
5) 耐急冷性検査(7.2.3)
6) 耐貫入性検査(7.2.4)
d) 掃除流しの検査
1) 形状及び寸法検査(6.1)
2) 外観検査(7.2.1)
3) インキ浸透度検査(7.2.2)
4) 耐急冷性検査(7.2.3)
5) 耐貫入性検査(7.2.4)

9.3 受渡検査

  器具の受渡検査は,次による。
a) 耐漏水性能検査(5.1.4,5.2.4)又は耐漏気性能検査(5.1.5,5.2.5)
b) 外観検査(7.2.1)

10 表示

  この規格の全ての要求事項に適合した器具には,1製品ごとに次の事項を表示しなければならない。こ
の場合,器具を施工後も認識できる箇所に,容易に消えない方法で表示する。
なお,器具において複数の種類を共用する場合は,種類の記号を併記してもよい。
a) 種類の記号
b) 材質(樹脂の場合だけ表示する。)
c) 製造業者名又はその略号

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