JIS A 8340-4:2011 土工機械―安全―第4部:油圧ショベルの要求事項 | ページ 2

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油圧ショベルは,JIS A 8922に規定する運転員保護ガードを装着できるように設計しなければならない。
製造業者は,保護ガードをオプションで準備していることを使用者に知らせ,使用者は用途に応じたリス
クに従って選択しなければならない。
解体工事における油圧ブレーカ作業など,破片の飛来による危険が生じる場合は,運転室の前面に安全
ガラスを使用し,及び/又はキャブなし機械においてもこのような危険を防止するための適切な保護装置
を備えなければならない。
注記 労働安全衛生規則第153条に,JIS A 8922に規定する運転員保護ガードのレベルIより要求エ
ネルギーが若干大きいヘッドガードの規定がある。
4.3.2.2 横転時保護構造
横転時保護構造は,JIS A 8340-1の4.3.3にかかわらず,次による。
超小旋回形ショベル及び運転質量が2 200 kg以下の後方超小旋回形を除くミニショベルには,JIS A 8921
に適合する横転時保護構造(以下,TOPSという。)を装備する。
4.3.3 運転座席
4.3.3.1 ミニショベルの座席調整
JIS A 8340-1の4.4.1.3のミニ土工機械に関する規定は,運転質量(JIS A 8320参照)が2 200 kgを超え
るミニショベルにだけ適用する。
4.3.3.2 拘束装置(シートベルト)
JIS A 8340-1の4.4.1.5は,運転質量が2 200 kgを超えるTOPS付きミニショベル,及び運転質量が
6 000 kgを超える油圧ショベルに適用する。
4.3.3.3 振動
JIS A 8340-1の4.4.1.4は,油圧ショベルには適用しない。
4.3.4 後窓
油圧ショベルの後窓には,JIS A 8340-1の4.3.2.7のデフロスタ及び4.3.2.9のウインドワイパ及びウォッ
シャの規定を適用しない。

4.4 操縦装置

  操縦装置は,JIS A 8340-1の4.5.1によるほか,次による。
a) ブームスイング及び/又はオフセット操作ペダルは,運転員の右足の届くところにペダルが位置し,
− 横踏式では,ペダル右側を下方に動かすとブームが時計回りに回転し,ペダル左部を下方に動かす
と反時計回りに回転するものとする。
− 縦踏式では,ペダル位置がブームフート中央より左にある場合は,ペダル前部を下方に動かすとブ
ームが時計回りに回転し,ペダル後部を下方に動かすと反時計周りに回転するものとする。ペダル
位置がブームフート中央より右にある場合は,逆回りに回転するものとする。
ペダルの位置がブームフート中央のすぐ近くにあるなど,誤操作を誘発する位置にあってはならな
い。
b) IS A 8340-1の4.6.1によるほか,次による。
− 走行及び操向用操作装置の動作は,上部旋回体が通常の走行方向でない場合は,意図した方向と一
致する必要はない。
− 走行装置,作業装置及びブレーキの各操作部分は,運転のために必要な視界を妨げてはならない。
c) IS A 8340-1の4.6.2は,JIS A 8319に従って測定した走行速度が30 km/hを超える油圧ショベルにだ
け適用する。

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4.5 旋回ブレーキ

  旋回ブレーキは,附属書JBによる要求事項に適合しなければならない。

4.6 安定性及び安全装置

4.6.1  一般
安定性及び安全装置は,JIS A 8340-1の4.11によるほか,この規格の4.6.24.6.4による。
次に規定した全ての定格容量は,機械が水平かつ堅固な地盤上における試験及び/又は計算に基づくも
のである。
定格荷重及び作業装置の大きさ及び/又は容量の決定には,作業装置及びクイック着脱装置(装着して
いる場合)の質量とともに,負荷の質量,密度及び重心の位置を考慮しなければならない。
十分な安定性を保つために,意図した運転における定格荷重は,4.6.2による。
4.6.2 バケット及びショベル用途
バケット及びショベル用途に用いる油圧ショベルの定格容量は,次の二つの値のいずれか小さい方とす
る。
a) 最も不利な位置におけるISO 10567:2007の3.8に従った定格転倒荷重
b) SO 10567:2007の3.11(ただし,“lift”は“持上げ”とする。)に従った油圧持上げ能力
バケット又はショベルの定格容量は,JIS A 8403-4又はJIS A 8421-3による。
注記 バケットを特殊な用途に用いる場合は,バケット質量,定格容量及び土壌の比重を考慮しなけ
ればならない。
4.6.3 林業用途(Log application)
(対応国際規格ではこの用途を規定しているが,国内にはない仕様に関する規定のため不採用とした。)
4.6.4 マテリアルハンドリング用途
4.6.4.1 一般
マテリアルハンドリング時の取扱物の定格荷重及び/又は容量は,4.6.4.2による。
4.6.4.2 定格荷重及び/又は容量
マテリアルハンドリングにおける各種用途の定格荷重及び/又は容量は,ISO 10567:2007の3.13(ただ
し,“lift”は“持上げ”とする。)に従った定格持上げ能力を基に,扱い得る物体の長さ,形状,比重及び
関連する法規などを考慮して,製造業者が決める。
4.6.4.3 定格荷重及び/又は容量の表示
各種用途のマテリアルハンドリングに応じた定格荷重及び/又は容量を,運転室に表示する。
4.6.4.4 つかみ具の安全性
つかみ具は,次の条件を満たさなければならない。
− 運転席からつかみ具の開閉を操作でき,つかみ力はつかみ物を空中に保持できる大きさとする。
− つかみ装置は意図しない緩みを防止する設計とする。
4.6.4.4A 長尺作業装置付き油圧ショベルの安定性及び安全装置
スーパロングフロント,伸縮アーム,テレスコピッククラムシェル及び解体ロングフロント付き油圧シ
ョベルの安定性及び装備しなければならない安全装置は,附属書JCの規定による。
4.6.4.5 その他の用途(Other applications)
(対応国際規格ではこの用途を規定しているが,国内では上記以外の派生機械はないため,不採用とし
た。)

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4.6A 騒音

4.6A.1 外部放射音響パワーレベル
外部放射音響パワーレベルは,JIS A 8340-1の4.13.2.1によるほか,次による。
作業環境によって要求される低騒音型の油圧ショベルは,その騒音の測定値が表0Aに示す基準値以下
でなければならない。
表0A−低騒音型油圧ショベルの判定基準値
エンジン出力(kW) 音響パワーレベル[dB(A)]
P< 55 99
55≦P<103 104
103≦P<203 106
203≦P 106
超低騒音型油圧ショベルの判定基準値(音響パワーレベル)は,低騒音型のそれより6 dB(A)を超えて
低くなければならない。
4.6A.2 運転員位置における放射音圧レベル
運転員位置における放射音圧レベルは,JIS A 8317-2に従って測定する。

4.7 履帯式ミニショベルの駐車ブレーキ

  履帯式ミニショベルは,通常の駐車ブレーキ装置を用いるほか,アタッチメント(例えばバケット)又
は特殊なアタッチメント(例えばブレード)を,機械を動かないようにするために用いることができる。

4.8 脚式油圧ショベル特有の要求

(Specific requirements for walking excavators) (対応国際規格ではこの要求を規定しているが,国内にはない仕様のため不採用とした。)

5 安全要求事項・安全方策の検証

(Verification of safety requirements and/or protective measures) (対応国際規格ではこの項を規定しているが,JIS A 8340-1を適用するため不要とした。)

6 使用上の情報

6.1 取扱説明書

  取扱説明書は,JIS A 8340-1の6.2によるほか,次による。
− マテリアルハンドリング用途に要求される機械構成(ブーム及びアームの長さ,必要な場合には,追
加カウンタウエイトの質量など)の説明
− 履帯式ミニショベルの駐車方法
− それぞれの用途における機械の安定に関する説明
− 保護ガードを追加し,使用する場合(例えば解体作業など)の安全指示(4.3.2.1参照)
− 保護ガードなしのミニショベル(1 500 kg以下)は,落下物の危険がある場所で使用してはならない
ことの指示
− TOPS付きミニショベルの運転時は,必ずシートベルトを締め,保護帽を着用しなければならないこ
との警告(4.3.3.2参照)
− 運転質量が6 000 kgを超える油圧ショベルの運転中は,安全のためシートベルトを締め,保護帽を着
用するよう推奨する記述(4.3.3.2参照)
− クイック着脱装置の正しい搭載及び装置が適切に装着されたことの確認方法に関する注意事項

――――― [JIS A 8340-4 pdf 8] ―――――

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− 上部旋回体が通常の走行方向でない場合は,走行及び操向用操縦装置の操作方向と機械の動作とは,
意図した方向と一致しないことの注意
− 長尺作業機付きの場合の安全注意事項

――――― [JIS A 8340-4 pdf 9] ―――――

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附属書JA
(参考)
油圧ショベル特有の重大な危険源のリスト
JIS A 8340-1の附属書JAに示す危険源リストのほか,次のリストを追加して適用する。
番号1) 危険源 JIS B 9700-1 JIS B 9700-2 JIS A 8340-4
危険源,危険状態及び危険事象
1 次の事項から起こる機械的危険源
− 機械部品又は作業機器 4.2 4.2
例えば,
− アタッチメント,クイック着脱装置及び 4.6.2,4.6.4
/又は作業装置
− マテリアル及び木材ハンドリング 4.6.4
1.1 押しつぶしの危険源 4.2.1 4.2.1 4.6.1,4.6.4
4 騒音から起こる危険源 4.5 4.2.2, 4.6A
4.3 c),
4.4 c),
4.8.4,5.4.2
16 機械の安定性の欠如/転倒 4.2.2 4.6,5.2.6 4.6.1,4.6.4.4A
16.1 バケット,フォーク,マテリアルハンドリン 4.6.2,4.6.4
グ,木材ハンドリング及びその他の用途にお 4.6.4.4A,附属書JC
ける過荷重運転
移動性によって付加される危険源,危険状態及び危険事象
18 走行機能に関連したもの
18.4 走行機能 4.4
18.6 減速,停止及び固定するための能力が不十分 4.7
19 機械上の作業位置(運転席含む)に関連したもの
19.4 運転/作業位置における機械的危険源
a) 転覆 5.2 附属書JC
b) 物体の落下,物体が貫通 5.2 4.3.2.1
c) 旋回ブレーキ 4.5,附属書JB
d) 保護ガード 5.2 4.3.2.1
e) 横転時保護構造(TOPS) 5.2 4.3.2.2
19.7 不適切な座席 4.3.3
22.3 (機械の)救出及びけん引から起こる危険源 5.5.5
24 運転員などに対する指示が不十分(取扱説明 箇条6
書,標識,警告及び表示)
持上げによって付加される危険源,危険状態及び危険事象
25 機械的危険源及び危険事象
25.1 次の事項から起きる荷の落下,衝突,機械の
転倒
25.1.3 不適切なつか(掴)み装置/附属装置 4.6.4
注1) 番号はJIS A 8340-1の附属書JA参照。

――――― [JIS A 8340-4 pdf 10] ―――――

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JIS A 8340-4:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 20474-5:2008(MOD)

JIS A 8340-4:2011の国際規格 ICS 分類一覧

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