JIS A 8425-1:2019 土工機械―電機駆動式機械並びに関連構成部品及び装置の電気安全―第1部:一般要求事項 | ページ 10

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14.7 低電圧及び高電圧装置への接近

  接近のための備えは,JIS A 8340-1及びJIS A 8302によることが望ましい。

15 取扱説明書及び技術文書

15.1 一般事項

  土工機械の電気装置の据付け,運転及び保全に必要な情報に関する規定については,この箇条15で規定
していない限り,JIS A 8340-1によることが望ましい。
注記 国によっては,単一又は複数の特定の言語が必要とされる。

15.2 提供情報

  電気装置とともに提供(納入)する情報(技術文書)には,次のことを含めなければならない。
1) 安全防護物,インターロック機能,及びガードインターロックに関する説明(相互接続図を含む。)。
2) 安全防護の説明及び安全防護を解除する必要がある場合(例えば,調整又は保守などのために)の
解除手段の説明。
3) 保護方策採用(実施)後も残留するリスクに関する情報,特別な訓練が必要かどうかの説明,及び
個人用保護具PPEが必要ならその仕様。

15.3 文書類

  全ての文書類に対する要求事項は,JIS B 9960-1:2011の17.3によることが望ましい。
電気装置に関する文書類は,組立て,製造試験及び確認を含む土工機械の製造のために十分なものでな
ければならない。
注記 引渡しを含む据付けについては,JIS B 9960-1:2011の17.4に注意を払う。

15.4 全体図及び機能線図

  作動原理の説明が必要な場合は,全体図を納入技術文書に含めなければならない。
機能線図は,全体図の一部としてもよく,追加として作成してもよい。
注記1 全体図は,詳細全てを示す必要はなく,電気装置(構成品)を機能の相互関係とともに記号
で表現する。
注記2 全体図の例は,IEC 61082-1に示されている。
注記3 機能線図の例は,IEC 61082-1に示されている。

15.5 回路図

  土工機械及び関連電気装置の電気回路を示す回路図は,納入技術文書に含めなければならない。
IEC 60617規格群に規定されていない図記号を使用する場合は,回路図又はその附属文書に個別に示し,
説明しなければならない。構成品及び機器の記号及び識別は,全ての文書上及び土工機械上で一致してい
なければならない。
導体は,11.8に従って識別しなければならない。
必要な場合には,ユニット間の相互接続用端子を示す図又は表を提供しなければならない。
この図は,簡略化のために回路図と併用してもよい。
この図又は表には,各ユニットの詳細回路図との参照関係を含めることが望ましい。
回路図は,回路の機能を明確に示すように,また,これによって保全及び故障診断ができるように,構
成しなければならない。機器に関する情報が,(回路図の)図記号では詳細には表現できない場合には,回
路図中の図記号の近くに書き入れるか,又は脚注で示さなければならない。
電気回路図のスイッチ(接点)記号は,全ての電源及び機械的(エネルギーの)供給源がオフで,土工

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機械及びその電気装置を正常に起動できる状態を示さなければならない。

15.6 運転取扱説明書

  文書の一般的な要求事項は,JIS A 8340-1によることが望ましい。
運転取扱説明書は,土工機械は1 000 mを超える標高では制約があることを説明しなければならない。
運転取扱説明書は,土工機械を水の噴射で清掃することのできない場所を特定しなければならない。
土工機械の技術文書には,電気関連の安全方策に特に注意を払った,電気装置の使用のための適切な手
順を含めなければならない。運転員のための適切な教育の計画を提案しなければならない。

15.7 整備解説書及びサービス文書

15.7.1  一般事項
保全及びサービスのための文書に対する一般的な要求事項は,JIS A 8340-1によることが望ましい。
整備解説書及びサービス文書は,電気及び電気安全に関する整備員の訓練水準を考慮しなければならな
い。
15.7.2 保全作業時の電気的危険源の低減
保全又はサービス用の文書は次の事項を含まなければならない。
− 意図しない接触及び電弧せん(閃)光及び爆発的電弧の影響を低減するための適切な電気関係個人用
保護具の装着について整備員を対象とした説明
− 残留電圧測定装置の正常機能を確認する方法
− サービス作業に先立つ残留電圧の放電の確認方法
− 主及び副の自動放電手段がいずれも故障したときの残留電圧の手動放電手順。残留電圧の手動での放
電のために機器が必要な場合は,その機器は,土工機械の製造業者が供給するか指定しなければなら
ない。
− 保全及びサービス作業を実施している最中に,特定の装置を不作動とする必要性及び危険となる可能
性のあるエネルギーの放出を防止するためのロックアウト/タグアウトの実行及び手順の仕様
− 感電,電弧せん(閃)光及び爆発的電弧の危険源を対象として,15.7.2.1及び15.7.2.3による情報
− 水の噴射によって清掃してはならない土工機械の箇所の仕様
− 機械の運転員及び整備員を対象として,IT装置の扱いで,日常整備の際に“最初の障害” を引き起
こすことがあることを考慮した説明
15.7.2.1 人体に及ぼす電気の影響についての説明
保全又はサービスのための文書は次の警告又は同等のものを記載しなければならない。
“電気との直接接触は,けが又は死亡の原因となることがある。この機械を整備するときは,この解説
書の全ての安全上の注意を守ること。”
15.7.2.2 応急手当の訓練の推奨
保全又はサービスのための文書は,次の事項又は同等の内容を記載することが望ましい。
“人体を電流が貫通して流れる最悪の生理学的影響は,心臓への影響である。この理由から,整備員は,
心肺そ(蘇)生法CPR,及び,自動体外式除細動器AEDの使用を含む応急手当の訓練を受けることが望
ましい。”
15.7.2.3 参考資料
電気装置の整備に関連する危険源について,製造業者は他の参考文献[46],[47],[49],[50],[66],[84],
[85],[86]及び[87]だけでなくJIS C 60364-4-41を調べることが望ましい。

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15.8 部品表

  部品表を備える場合には,少なくとも,保全又はサービスに必要な予備品又は交換品で,構成部品,機
器,ソフトウェア,試験装置,技術文書を含むものを発注するために必要な情報を含めなければならない。

16 マーキング

16.1 一般事項

  警告標識,銘板,マーキング及び識別プレートは,運転環境に十分耐えるものでなければならない。
図記号については,ISO 7000を,安全標識についてはISO 7010を,機械安全ラベルについては,ISO 9244
をそれぞれ調べることとする。
例外 押しボタンのマーキングは14.5.2.2によらなければならない。

16.2 警告標識

  土工機械に関する一般的な危険源に関して,安全標識はISO 9244によらなければならない。土工機械で
使用する低電圧の危険源に関しては,警告標識はこの箇条16に追加的に適合しなければならない。
注記 ISO 9244への適合によって,機械の安全ラベルは,少なくとも二区画を含むことが要求される。
二区画だけが使用されるときは,典型的には,一つの区画は特定の危険源を警報し,他の区画
は危険源を避ける方法を示す。二区画の例は,16.2.2に示す。
16.2.1 感電の危険源
感電のリスクをもつ電気装置を内蔵していることを明示していないエンクロージャには,安全標識ISO
7010-W012をマーキングしなければならない。
この警告標識は,はっきり見えるようにエンクロージャの扉又はカバーに表示しなければならない。
次の場合には,この警告標識を省略してもよい。
− 電源断路器を備えているエンクロージャ
− オペレータインタフェース装置又は操作盤
− それ自体がエンクロージャをもつ単体機器(例えば,位置センサ)
16.2.2 高温の危険源
リスクアセスメントによって,高温の表面による危険源の可能性に対して警告する必要がある場合,ISO
9244の適切な図記号を使用しなければならない。
注記 ISO 9244:2008のFigure C.16は,完全形の安全ラベルの例を示す。このラベルは二区画からな
り,一つの区画は高温の表面の警告を示し,他の区画は回避の例を示す(高温の)表面からの
距離を維持する。
16.2.3 磁場の危険源
リスクアセスメントによって磁場の危険源の可能性に対する警告が必要なことが示された場合,ISO
7010-W006の警告表示を使用しなければならない。磁場がペースメーカの使用者に対して危険源となる可
能性を含むような性質になりがちな場合は,その危険源に対して警告しなければならない。
16.2.4 電弧のせん(閃)光の危険源
リスクアセスメントによって,危険な電弧のせん(閃)光にさらされる可能性に対して警告が必要なこ
とが示された場合,開閉装置,操作盤,電動機中央制御装置のように充電状態で試験,調整,サービス又
は保全が必要となりがちな電気機器にはISO 9244の適切な図記号を使用しなければならない。
マーキングは,電弧の発生となる可能性のある箇所を囲うエンクロージャの外面に目を引くように表示
しなければならない。マーキングは起こり得るインシデントのエネルギー又は個人保護具の必要性の程度

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を表記しなければならない。
16.2.5 残留電圧の危険源
残留電圧を放電するための時間を与えるよう整備員に警告するはっきりした警告マーキングを15.7.2に
従って備えなければならない。

16.3 機能の識別

  制御機器,表示機器及び画像機器(特に安全に関するもの)に対する機能の識別の要求事項は,JIS A
8340-1によることが望ましい。

16.4 装置のマーキング

16.4.1  一般事項
マーキングは,JIS A 8340-1の一般要求事項によることが望ましい。
16.4.2 危険電圧の表示(全ての機械)
整備を行っている最中に,エンクロージャ内部の充電部に指が触れる可能性がある場合は,エンクロー
ジャの外側に,内側の危険電圧をマーキングしなければならない。そのようなエンクロージャの例として
は,(電気機器用)キャビネット,制御装置エンクロージャ,電動機接続エンクロージャ及び類似品がある。

16.5 略号(参照指定)

  全てのエンクロージャ,アセンブリ,制御機器及び構成品には,明瞭にマーキングするか,技術文書の
使用を通じて識別しなければならない。略号のマーキングは,技術文書に使用されるものと一般性のある
略号でなければならない。

16.6 保護等電位ボンディング端子

  保護等電位ボンディング端子は,5.10.2.6に従ってマーキングしなければならない。

17 試験

17.1 一般事項

  この規格は,土工機械の電気装置の検証に対する一般的要求事項を規定するものである。これらの要求
事項は,型式(認証)試験及び日常(点検の際の)試験のいずれにも適用する。低電圧の機械では,型式
試験と日常試験とは単一の試験のことがある。電源内蔵式土工機械についての記載では,“接地”という意
味は,土工機械の車台への接続の意味と理解する。
a) g) の検証は必ず行わなければならない。現場での組立てを実施する場合,低電圧の接続を含み,そ
れによって,低電圧電気系統への損傷があり得るとき,現場組立ての説明書は,a) f) の検証試験を含ま
なければならない。ただし,単純なプラグ・ソケット対の接続で,現場での検証が必要とされないものを
除く。
a) 電気装置がその技術文書に適合することの検証
b) 保護等電位ボンディング回路の導通
c) 電源自動遮断による間接接触保護を採用している場合は,電源自動遮断による保護の条件
d) 絶縁抵抗試験
e) 定格電圧又は1 000 Vのいずれか高い方での耐電圧試験
f) 残留電圧に対する保護
g) 機能試験
これらの試験を実施するときは,a) ) の順序で行うことを推奨する。
電気装置を変更したときは,17.8を適用しなければならない。

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試験は,関連するIEC規格による測定機器を用いて行わなければならない。17.3及び17.4の試験に使
用する測定機器は,IEC 61557規格群に適合したものでなくてはならない。
検証確認及び試験結果は,文書化しなければならない。

17.2 保護等電位ボンディング回路の導通

  この細分箇条に示す試験は,土工機械の各保護等電位ボンディング回路に対して行わなければならない。
PE端子と各保護等電位ボンディング回路のポイントとの間の各保護等電位ボンディング回路の抵抗値
を,0.2 Aから約10 Aの間の電流で測定しなければならない。
試験電流は,最大無負荷電圧24 Vの電気的に分離された交流電源又は直流電源(例えば,SELV電源。
JIS C 60364-4-41:2010の413.1参照。)から得なければならない。
PELV電源を用いると測定結果を誤ることがあるため,PELV電源は用いないほうがよい。
抵抗測定値は,試験対象の保護等電位ボンディング回路の長さ,断面積及び材質に対応した範囲になけ
ればならない。
注記 導通性試験を大きな電流で行うと,特に,低抵抗値を測定する場合は,試験結果の精度がよく
なる。

17.3 電源自動遮断による保護が達成される条件

  電源自動遮断によって間接接触に対する保護を備える場合,電源自動遮断の条件は,検証しなければな
らない。
検証の際に,燃焼及び化学的危険源のような機械の危険源及び機械特有の電気関連危険源を避けるよう
な手段を実施しなければならない。
検証は,安全上の注意事項を守りつつ実施し,機械及びその電気装置を破壊するものであってはならな
い。
注記 TT,TN及びIT電源自動遮断の検証法は,JIS C 60364-6に注意を払う。
17.3.1 一般事項
自動遮断による間接接触保護を採用している場合は,電源自動遮断による保護の条件を検証しなければ
ならない。
注記 TN接地系統の検証は,17.3.2に規定する。追加の情報並びにTT接地系統及びIT接地系統につ
いては,JIS C 60364-6を参照する。
17.3.2 故障ループインピーダンス及びTN接地系統の過電流保護機器の適切性の検証
この試験は,電源自動遮断によって保護される条件を検証するための試験である。この試験を測定によ
って実施するときは,常に17.2の試験の後に実施しなければならない。
注記1 保護等電位ボンディング回路に断路又は導通不良がある状態でループインピーダンスの試験
を行うと,試験実施者その他に危険状態を招くことがあり,また,電気機器を破壊すること
もあり得る。
電源導体の接続,及び外部保護導体と土工機械のPE端子との接続を検査によって検証しなければなら
ない。
電源自動遮断の条件が附属書Bに適合することを,1) 及び2) によって検証しなければならない。
1) 故障ループインピーダンスを,次のいずれかによって検証する。
− 計算による。
− B.3に従って測定する。
2) 関連する過電流保護機器の設定値及び特性が,附属書Bの要求事項に適合していることを確認する。

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JIS A 8425-1:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14990-1:2016(IDT)

JIS A 8425-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧

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