JIS A 8425-1:2019 土工機械―電機駆動式機械並びに関連構成部品及び装置の電気安全―第1部:一般要求事項 | ページ 3

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A 8425-1 : 2019 (ISO 14990-1 : 2016)
修正)。
注記 コンジット及びケーブルトランキングシステムも,ダクトの一形式である。
3.3.5
機能等電位ボンディング(functional equipotential bonding)
安全以外の運転上の目的の等電位ボンディング(IEV 195-01-16参照)。
3.3.6
高電圧(high voltage, HV)
交流実効値1 000 Vを超え,36 kV以下又は直流1 500 Vを超え36 kV以下の電圧。
注記 この規格で高電圧として定義する電圧範囲は,法令など国内基準の各種電圧範囲とは異なる。
3.3.7
低電圧(low voltage)
交流実効値50 Vを超え,1 000 V以下又は直流75 Vを超え1 500 V以下の電圧。
注記 この規格で低電圧として定義する電圧範囲は,法令など国内基準の各種電圧範囲とは異なる。

3.4 リスク関連用語及び定義

3.4.1
故障(failure)
要求される機能を遂行する能力が機器からなくなること(IEV 192-03-01を修正)。
注記1 故障後,その品目は障害(状態)(3.4.2)となる。
注記2 “故障”は事象であって,状態を意味する“障害”とは区別される。
注記3 ここに定義する概念は,ソフトウェアだけで構成される品目には適用しない。
3.4.2
障害(fault)
要求される機能を実行できない機器の状態(JIS B 9960-1:2011の3.26を修正)。
注記 障害は,しばしばその品目自体の故障の結果であるが,事前の故障がなくても存在する事例
がある。
3.4.3
危険源(hazard)
身体的障害又は健康障害を引き起こす根源(JIS B 9700:2013の3.6を修正)。
注記1 危険源という用語は,危険の発生源(例えば,機械的危険源,電気的危険源など)を明瞭に
し,又は潜在的な危害の性質を明瞭にするために修飾語を付けて用いられることがある(例
えば,感電の危険源,切断の危険源,毒性の危険源,火災による危険源など)。
注記2 この定義において,危険源は次のものを想定している。
− 機械(3.5.2)の意図する使用の期間中,恒久的に存在するもの(例えば,危険な動きを
する要素の運動,溶接工程中の電弧,不健康的な姿勢,騒音放射,高温など),又は,
− 予期せずに現れ得るもの(例えば,爆発,意図しない起動及び予期しない起動の結果と
しての押し潰しの危険,破損の結果としての放出,加速度又は減速度の結果としての落
下など)。
3.4.4
リスク(risk)
危害(身体的傷害又は健康障害)の発生確率と危害のひどさとの組合せ(JIS B 9700:2013の3.12を修正)。

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3.4.5
安全防護物(safeguard)
危険源(3.4.3)から人を保護するためのガード,保護機器又は保護機能(JIS B 9960-1:2011の3.49を修
正)。
3.4.6
安全防護(safeguarding)
本質的安全設計方策によって合理的に除去できない危険源(3.4.3),又は十分に低減できないリスク
(3.4.4)から人を保護するための安全防護物の使用による保護方策(JIS B 9700:2013の3.21参照)。

3.5 その他各種用語及び定義

3.5.1
電気作業員(electrically instructed person, instructed person)
電気が引き起こすリスクに気づき,危険源を回避できるように,電気取扱者から適切な助言又は指示を
受けた者(IEV 826-18-02を修正)。
3.5.2
機械類(machinery, machine)
連結された部分又は構成品の組合せで,そのうちの少なくとも一つは適切な機械アクチュエータ,制御
回路及び動力回路を備えて動くものであって,特定の用途に合うように結合されたもの(JIS B 9700:2013
の3.1を修正)。
注記 “機械類”という用語は,全く同一の目的を達成するために完全な統一体として機能するよう
に配列され,制御される複数の機械の集合体に対しても用いる。
3.5.3
(回路の)過負荷(overload)
障害には至らないが回路における電気的定格値を超える電流と時間とに関する事象(JIS B 9960-1:2011
の3.40を修正)。
注記 過負荷を過電流の同義語として用いることは望ましくない。
3.5.4
電気取扱者(electrically skilled person, skilled person)
電気に起因する危険源を回避できるように教育・訓練を受け,従事経験をもつ者(IEV 826-18-01を修正)。

3.6 略語

EMM       土工機械
ELV 特別低電圧
PE 保護接地システム(電源内蔵式機械の場合は車台への保護等電位ボンディング)
PELV 保護特別低電圧
SELV 安全特別低電圧
PPE 個人用保護具
TN TN接地系統(JIS C 60364-1に規定する接地系統)
TT TT接地系統(JIS C 60364-1に規定する接地系統)
IT IT接地系統(JIS C 60364-1に規定する接地系統)
OCP 過電流保護[例えば,ヒューズ,サーキットブレーカ,(電流)制御系統をもつ固体素子]
AC 交流

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DC 直流

4 一般要求事項

4.1 全般

  電気装置関連の危険源によるリスクは,機械のリスクアセスメントの全要求事項の一部として評価しな
ければならない。適切なリスク評価手法はJIS B 9700に規定されている。附属書Aは,土工機械の電気装
置の使用(又は誤使用),保全,整備に関連する重要な危険源,危険状態のリストを記述する。
設計及び開発の過程で,危険源及びその危険源から生じるリスクを同定しなければならない。
危険源及びリスクは,次の優先順序又は階層によって対処しなければならない。
a) 本質安全設計によって危険源を取り除き,又は,リスクを十分に低減させる。そのような方法が実際
的でない場合は,
b) 更なるリスク低減のために安全防護物のような保護方策を備えなければならない。そのような方法が
実際的でないか,又は,依然として更なるリスク低減が必要な場合は,
c) 警告手段のような追加手段を備えなければならない。
d) 土工機械の運用及び保全の際のリスクを低くするような作業手順を運転取扱説明書及び整備マニュア
ルに含めなければならない。
安全手段は,設計段階で取り入れてもよい(推奨),又は,使用者が一部手段を適用するよう説明される
ようにしてもよい。

4.2 運搬の便宜のための手段

  使用者又は整備員が,輸送又は整備のために重い又はかさばる電気装置を取り外すように指示されてい
るか,又は取り外す必要がありそうな場合,つり上げ用のアイ,フォークの差し込み箇所,又は同様の適
切な手段を備えなければならない。

4.3 運搬及び保管のための準備

  土工機械の電気装置は,運搬中及び保管中の影響に耐えるように設計するか,又は,適切に保護しなけ
ればならない。4.5.1に規定する事項よりも一層厳しい湿度,振動及び衝撃並びに温度からの損傷に対する
保護手段を用いなければならない。

4.4 (電気)構成部品及び機器

  電気装置に用いる電気部品は,次の事項を満足しなければならない。
− 意図する用途に適している。
− 定格値の範囲内で適用し,供給者の使用上の指示に従って使用する。
注記1 意図する用途への適合とは,関連する日本工業規格(日本産業規格)又は国際規格があれば,それらに適合し
ていることを含む。
電気構成部品に関するIEC規格が存在しない場合,相当する国際規格又はその他の類似の規格の関連す
る要求事項を適用することを推奨する(例えば,スイッチトリラクタンスモータにはIEC 60034規格群の
電動機に関する規格の適切なパート)。
注記2 低電圧よりも更に低電圧の電源につな(繋)ぐ特定低電圧ELVの電気部品で,(より高電圧
の系統からの)漏えいの可能性がない場合は,この規格の適用範囲外である。
高電圧機器
工場製で,型式試験済みの高圧開閉器を使用する場合は,適切な規格(例えば,IEC 62271-1,IEC
62271-200及びIEC 62271-201)に適合しなければならない。

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4.5 意図する運転環境

4.5.1  一般
電気装置は,運転を意図する用途の物理的環境及び運転条件に適していなければならない。ISO
15998:2008の4.6に規定する環境条件及び運転条件の基準の適用を推奨する。ISO 15998の代わりにISO
19014を適用してもよい。JIS A 8425-2及びJIS A 8425-3の各調査書に基づいて供給者と使用者との合意が
必要になることがある。
注記 ISO 15998:2008の4.6は次の事項を対象としている。
− 周囲温度範囲
− 湿度
− 外郭による保護等級(IPコード)(4.5.4参照)
− 電磁両立性(EMC)
− 振動及び衝撃
外部充電装置は,土工機械の製造業者によって対象機に適合するものとして検証しなければならず,又
はJIS A 8425-2:2019の4.3の規定に従って検証しなければならない。
4.5.2 暴露
この規格の対象となる土工機械は,いずれも屋外使用に適していなければならない。土工機械は,また,
屋内使用用に設計してもよい。屋外使用に適応するための要求事項は,使用休止期間の屋外保管への適応
を含む。
結露による悪影響は,結露の防止又は水抜きのような必要な方策を用いてこれを防止しなければならな
い。
4.5.3 標高
土工機械の電気装置は,海抜1 000 mまでの標高で正常に作動しなければならない。土工機械が1 000 m
を超える標高で使用できるか否かを取扱説明書に記述しなければならず,その場合,標高1 000 mを超え
たときの土工機械の制約事項を明確に説明・記述しなければならない。
4.5.4 (汚染物の)侵入からの保護
土工機械の電気装置は,運転環境で存在し得るほこり,酸,腐食性ガス及び塩分を含む有害な固体及び
液体の汚染物の侵入から保護しなければならず,又は,それに耐えるようにしなければならない。
空冷のグリッド抵抗器は,ぬ(濡)れたときに乾燥させるための特別の手段が必要となることがある。

4.6 電源

  電気装置は,いずれかの電源条件で,正常に動作しなければならない。
− JIS A 8425-2に規定する,外部電源式機械(単一又は複数の外部発電装置による単一又は複数の土工
機械)。
− JIS A 8425-3に規定する,電源内蔵式機械。
− 使用者の規定するもの。

5 感電の危険源に対する保護

5.1 一般事項

  土工機械の電気装置は,感電から人を保護する対策を備えなければならない。このような保護手段は5.2
5.11に規定する対策で構成しなければならない。組立品に含む充電部に全ての人が接触し得る場合は,
5.2又は5.3及び適切であれば5.4の規定を適用しなければならない。

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例外 これらの推奨手段が実際的でない場合は,JIS C 60364-4-41又はIEC 61140に含む他の方策を
採用してもよい。
電気回路又は部分には,それぞれ間接接触に対する5.8及び/又は5.9による保護を備えなければならな
い。
注記 機器の等級分類クラスとその保護手段とについては,IEC 61140に示す。

5.2 エンクロージャによる保護

  充電部は,箇条4,箇条12及び箇条14の関連する要求事項に適合したエンクロージャ内に配置しなけ
ればならない。そのエンクロージャが提供する直接接触に対する保護は,最低限,保護等級IP2X又はIPXXB
でなければならない。
注記 エンクロージャによる保護については,その保護等級をJIS C 0920の(IP2Xなど)IPコード
によって記述している。
例外1 エンクロージャの上面に容易に人が近づくことができる場合,その上面は,直接接触に対す
る保護が最低限保護等級IP4X又はIPXXDでなければならない。
例外2 充電部を含む組立品に人が誰でも近づくことができる場合,直接接触に対する保護が最低限
保護等級IP4X又はIPXXDでなければならない。
例外3 空冷式のグリッド抵抗器は,雨又はほこりにさらされたときに,取り付けられた位置で危険
状態を発生させない限り,最低限保護等級IP2X又はIPXXBに適合することだけが要求され
る。IP2X又はIPXXBが実際的ではない場合は,JIS A 8307:2006の10.7の挟まれに対する要
求事項を適用することは許容される。じんあい(塵挨)の堆積を防ぐために,必要な場合は,
運転取扱説明書に通常の保全手順を規定しなければならない。
次のa) c) のいずれかの条件を満たさない限り,エンクロージャを開ける(すなわち,扉,蓋,カバー
などを開く)ことが可能であってはならない。
a) アクセスには鍵又は工具を必要とする場合 装置を電源に接続した状態で調整を行うときに,人が触
れるおそれのある充電部は,直接接触に対する保護が,最低限保護等級IP2X又はIPXXBでなければ
ならない。
エンクロージャ内の扉に取り付けた充電部の直接接触に対する保護は,最低限保護等級IP1X又は
IPXXAでなければならない。
b) エンクロージャを開ける際に,内部の充電部は,(電源から)自動的に切り離される場合 この方策
の事例は,断路器がオフ(不導通)状態にあるときだけ扉が開き,扉が閉じているときだけ断路器を
オン(導通)にすることができるような断路器として作用するインターロックがある。
断路器に直接インターロックされていない,扉の背後にある充電部にアクセスすることは,電気取
扱者に限らなくてはならない。
断路器をオフした後も充電している部分は,直接接触に対する保護が最低限保護等級IP2X又は
IPXXBでなければならない。このような部分には,16.2.1に規定する警告標識をマーキングしなけれ
ばならない(色による導体の識別については11.8参照)。
例外1 このマーキングの要求は,次の場合は除外してよい。
− インターロック回路の部分としてだけ充電する可能性があり,かつ,充電の可能性が
あることが11.8による色によって見分けられる部分。
− エンクロージャ内に単独で取り付けられている入力電源断路器の電源端子。
例外2 このインターロックは,次の条件を満たす場合は,供給者からだけ購入できる又は指定す

――――― [JIS A 8425-1 pdf 15] ―――――

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JIS A 8425-1:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14990-1:2016(IDT)

JIS A 8425-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8425-1:2019の関連規格と引用規格一覧