JIS A 8425-1:2019 土工機械―電機駆動式機械並びに関連構成部品及び装置の電気安全―第1部:一般要求事項 | ページ 4

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る特別な機器又は工具を用いてバイパス(無効化)できるものであってもよい。
− 断路器をオフし,かつ,オフ状態にロックできるか,又は,インターロックがバイパ
スされている間は,部外者が勝手に断路器をオンできない。
− 扉を閉じたときは,インターロックが自動的に復帰する。
− 装置を(電源に)接続した状態で調整を行うときに,人が触れるおそれがある充電部
は,直接接触に対する保護等級が最低限IP2X又はIPXXBとなっていて,エンクロー
ジャ内の扉に取り付けた充電部は,直接接触に対する保護が最低限保護等級IP1X又
はIPXXAとなっている。
箇条15に適合する適切な情報が電気機器に備えられている。
c) 充電部は,直接接触に対する保護が最低限保護等級IP2X又はIPXXBで,鍵又は工具を用いずに,及
び充電部を自動的に切り離すことなしにエンクロージャを開けることができる場合 この保護手段
としてバリアを設ける場合には,その取外しに工具を必要とするようにするか,又は,バリアを取り
外したときにそのバリアで保護されていた充電部を自動的に(電源から)切り離すかのいずれかとし
なければならない。例えば,コンタクタ又はリレーのような機器の手動操作によって危険源が発生す
ることがあるならば,取り外しに工具を必要とするバリア又はオブスタクルによって防止することが
望ましい。

5.3 絶縁物による(充電部の)保護

  絶縁物で保護する充電部は,破壊しなければ除去できない絶縁物で完全に覆わなければならない。
注記 塗料,ワニス,ラッカーの塗布及びこれらに類する方法を用いるだけでは,感電保護は,一般
に不十分であると考えられる。

5.4 残留電圧に対する保護

  電気装置から電源電圧を取り除いたときに(例えば,切り離し又は発電機の停止),機器内の残留電圧は,
表1の値に適合しなければならない。規定する時間の限度に適合するための放電速度が装置の意図する機
能を妨げる場合は,そのコンデンサを収容するエンクロージャ自体又はその近傍のよく見える場所に,(感
電の)警告を表示しなければならない。警告は,コンデンサのエンクロージャを開ける前に必要な(放電)
時間を記さなければならない。充電電荷が60 C以下の構成部品にはこの要求事項は適用しない。高電圧
機器にはIEC 60871-1:2014の箇条21を適用しなければならない。
表1−残留電圧放電要求事項
機器の形式 最大放電時間 制限時間での最大電圧
低電圧 10 s 60 V
高電圧 10 min 75 V
いかなる場合でもエンクロージャを開ける前に確実に放電するために,整備員に規定の放電時間まで待
機するよう警告する16.2.1に適合する目立つマーキングを設けることが望ましい。この規定時間は,残留
電圧60 V以下又は残留電荷60 μC以下となるまで放電するのに必要な時間を超えることが望ましい。この
時間は最長5分以内がよい。
整備解説書は,整備に先だって残留電圧の放電を確認する方法を記載しなければならず,そうしなけれ
ばならない必要性を強調しなければならない。整備解説書は,整備担当者に対して適切な個人的保護具
(PPE)を着用し,残留電圧測定装置が正常に作動していることを確認するよう指示をしなくてはならな
い。

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整備解説書は,自動放電手段の故障の場合に残留電圧を手動で放電する手順を記載しなければならない。
手動放電のために機器が必要ならば,その機器を備えておくか,土工機械の製造業者が指定しなければな
らない。
低電圧の装置で,プラグ又はコネクタを用いる方法で切り離す際に充電部に近づく場合,60 V超の充電
部電圧は,切り離し後1秒以内に60 V以下に低下しなければならない。代替方法として,最低限保護等級
IP2X又はIPXXBの水準の直接接触に対する保護を備えなければならない。エネルギー貯蔵装置(例えば,
バッテリ又は電気二重層コンデンサ)は,警告マーキングを備えていればこの要求から除外する。

5.5 バリアによる保護

  バリアによる保護の要求事項は,JIS C 60364-4-41:2010のA.2による。
注記 鍵又は工具を使用しなくても取り外すことができる場合を除いて,バリア,その他のもので,
指定試験プローブの貫通を防止又は制限するものは,エンクロージャに取り付けられたもので
あれ内部機器によって形成されるものであれ,エンクロージャの一部とみなされる。

5.6 人体が届かないところへの配置による保護又はオブスタクルによる保護

  人体が届かないことによる保護又はオブスタクルによる保護についての要求事項は,それぞれJIS C
60364-4-41:2010のB.3及びB.2の関連事項を適用する。

5.7 低電圧エネルギー貯蔵装置及び関連バスに対する特別の考慮

  運用中にも通電された状態の低電圧エネルギー貯蔵装置とバス装置とは,不用意な接触に対する保護を
備えなければならない。エネルギー貯蔵装置は,箇条6のその他の要求事項を満足する電気的エンクロー
ジャに収容しなければならない。ただし,低電圧であり,危険な電流値でも運用が許容されている装置は
除外される。保護手段は,e) のほかにa) d) のうちの1個以上の方法とするか又は,同等の水準で危険
源を低減する方法でなければならない。
a) 複数のエネルギー装置を結合するバス装置では電気結合を行う範囲を除き,全ての部位で絶縁材料に
よって被覆又は覆う。
b) 結合部を埋め込むか,分離するか,又は埋め込みかつ分離して,露出した充電又は電位差のある構成
部品の間での不意の接触を低減する。
c) 垂直に取り付けられたバスバーのように,工具が落下しても直接接触しないように離れるような方法
でバス装置を取り付ける。
d) エネルギー貯蔵装置を,より小形で危険源として小規模となる副次構成要素に分割するための接触式
のリレー,ナイフスイッチ又は同様の装置でバス装置を相互接続する。
e) 警告ラベル,整備解説書又はその両方で次の事項を示す。
− 短路の危険源
− 短絡を防止する方法(絶縁工具及び絶縁手袋の使用)
− 適切な個人用保護具の使用
エネルギー貯蔵装置の端子は
− 完全に覆うか,又は
− 端子間若しくは双方の端子に絶縁バリヤを配置するか,又は
− その双方とする。

5.8 接触電圧の発生防止

5.8.1  一般事項
危険な接触電圧の発生を防止する方策には,クラスII装置の使用又はこれと同等の絶縁,及び電気的分

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離がある。
5.8.2 クラスII装置構成又は同等の装置による保護
この保護方策は,人が接触できる部分に基礎絶縁の障害によって接触電圧が発生することを防止するこ
とが目的である。
この保護は,次の方策のうち,一つ以上によって実施することができる。
− クラスIIの電気機器又は器具(二重絶縁,強化絶縁又はIEC 61140に適合する同等の絶縁)
− IEC 61439-1に適合する全体絶縁を施した開閉装置及び制御装置の使用
− JIS C 60364-4-41に適合する追加絶縁又は強化絶縁の使用
5.8.3 電気的分離による保護
この電気的分離による保護の方策は,回路の充電部の基礎絶縁が破壊されて露出導電性部分に接触電圧
が発生することを防止することを目的とする。これにはJIS C 60364-4-41:2010のC.3の要求事項を適用す
る。

5.9 電源の自動遮断による保護

  この保護方策は,絶縁不良発生時に保護機器の自動作動によって導体を電源から遮断することを目的と
する。この遮断は,接触電圧が危険を及ぼす前に十分短い時間内に行わなければならない。TN接地系統
に適用する許容遮断時間を附属書Bによる。
(この方策は,)次の事項の協調を必要とする。
− 電源系統及び接地系統(電源内蔵式の機械では車台への等電位ボンディング)
− 保護等電位ボンディング系の関係部品のインピーダンス
− 保護機器の特性
この方策は,露出導電性部分の保護等電位ボンディング及び次のa) c) のいずれか一つからなる。
a) N接地系統の場合,絶縁不良発生時に電源を自動的に遮断するOCP過電流保護
b) T接地系統の場合,充電部から露出導体又は接地(電源内蔵式の機械では車台)への絶縁不良発生時
に電源を自動的に遮断する漏電保護機器(漏電遮断器)
注記1 TT接地系統の場合,漏電遮断器を設ける場所について,電気装置の使用者と供給者とが事
前に合意する必要があると考えられる(JIS A 8425-2及びJIS A 8425-3の各調査書参照)。
電気装置への電源供給回路(電気装置の外)に漏電遮断器が設けられていない場合,又は
設けられている漏電遮断器がJIS B 9960-1:2011の附属書JAの規定を満足しない場合は,
漏電遮断器を電気装置内に設けることが必要になる。電源系統に二つ以上の漏電遮断器が
存在する場合は,各保護機器の特性(感度電流,遮断時間など)の協調が必要になる。
注記2 5.8の方策を採用して,接触電圧の発生を防止できる場合は,漏電遮断器を用いるか用い
ないかは,規定していない(5.1参照)。
c) T接地系統の場合
1) 充電部から露出導体又は接地(電源内蔵式の機械では車台)への最初の障害(漏電)を検出する絶
縁監視,又は,
2) 自動的電源遮断を促す漏電保護機器のいずれか。
上記1) に関しては,絶縁監視機器は,視覚及び/又は聴覚による警報信号を,漏電が続いてい
る限り発し続けなければならない。この“最初の障害”は,15.7.2によって機械の運転員及び整備
員に(あらかじめ)警告しておかなければならない。
注記 地絡(電源内蔵式の機械では車台への地絡類似障害)ポイントを発見する手段を備えること

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が保全作業に有益な可能性がある。
JIS C 60364-1は,交流1 000 V及び直流1 500 Vまでを対象とし,TN,TT及びIT接地系統を定義して
いる。ただし,この規格では,TN接地系統,TT接地系統及びIT接地系統の適用分野を36 kVの交流又は
直流まで拡大する。例えば,機械の運用を継続中に聴覚的又は視覚的警報を不作動とするような予見し得
る誤使用(の可能性)を考慮しなければならない。
上記のa) による自動遮断を備えていても,B.1に規定する遮断時間を上回る場合,B.3の規定を満たす
追加の等電位ボンディングを備えなければならない(附属書B参照)。

5.10 等電位ボンディングによる保護

5.10.1  一般要求事項
保護等電位ボンディング(5.10.2参照)は,漏電時の間接接触による感電から人を保護する。
機能等電位ボンディング(5.10.3参照)は,(上記とは)目的が異なり,絶縁不良又は電磁妨害の結果と
して起こる土工機械の作動に与える悪影響を最小にすることを目的とするものである。通常,機能等電位
ボンディングは,保護等電位ボンディング回路に接続することによって達成される。しかしながら,保護
等電位ボンディング回路に加えられる電気的妨害のレベルが十分には低くなく,電気装置の正常な作動を
乱すおそれがある場合は,機能等電位ボンディング回路を別の機能接地用導体又は車台の等電位ボンディ
ング導体に接続してもよい。
5.10.2 保護等電位ボンディング回路
5.10.2.1 一般要求事項
保護等電位ボンディング回路は,次のもので構成する。
− PE端子(又は,電源内蔵式機械の場合は車台への保護等電位ボンディング端子)
− 土工機械の装置内の保護導体(回路の一部である場合は,しゅう動接点も含む。)
− 露出導電性部分及び電気装置の導電性構造部分
− 土工機械の構造部分を形成する様々の導電性部分
保護等電位ボンディング回路の全ての部分は,そこを流れる地絡又は車台への電流によって生じる最大
の熱的ストレス及び機械的ストレスに耐えなければならない。
電気装置又は土工機械の構造部分の電気抵抗値が,露出導電性部分に接続される最小保護導体の電気抵
抗値を上回る場合は,追加の保護ボンディング導体を備えなければならない。追加保護ボンディング導体
の断面積は,主保護導体の断面積の50 %以上としなければならない。
IT系統の電源を用いる場合は,土工機械の構造部は保護等電位ボンディング回路の一部となるようにし
て,更に絶縁監視機器を備えなければならない[5.9 c) を参照]。
クラスII又は同等の装置(5.8.2参照)と考えられる装置の導電性構造部分は,保護等電位ボンディング
回路に接続する必要はない。全ての(電気)装置がクラスII又は同等である場合は,土工機械の構造を形
成する様々の導電性部分を,保護等電位ボンディング回路に接続する必要はない。
5.10.2.2 保護導体
保護導体は,11.8.2によって識別しなければならない。
(保護導体は,)銅導体とすることが望ましい。銅以外の導体を用いる場合は,その導体の単位長の電気
抵抗が,許容される銅導体の単位長の抵抗を超えてはならない。
低電圧装置の場合,保護導体の断面積は,次の要求事項によって決定しなければならない。
− IEC 60364-5-54:2011の543,又は
− 該当するならば,IEC 61439-1,

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高電圧装置の場合,保護導体の断面積Sの最小値は,使用される地絡電流によって決定しなければなら
ない。
a) 地絡電流IE≦100 Aの場合,S=Sminとする。
− 銅の場合 Smin=16 mm2,
− アルミニウムの場合 Smin=35 mm2
− 鋼材の場合 Smin=50 mm2.
b) 地絡電流IE>100 Aの場合 S=Smin (IE/100)2.
5.10.2.3 大きな漏えい電流
接地漏えい電流は,“絶縁故障(障害)がない状態で設備の充電部から流れる電流”と定義される(IEV
442-01-24)。この電流は,使用しているコンデンサによって発生する容量性成分をもつことがある(JIS B
9960-1:2011の8.2.8の注記1)。
注記 IEC 61800規格群の関連規定を満たす可変速電動機システムのほとんどは,接地漏えい電流が
交流3.5 mAを超える。可変速電動機システムの接地漏えい電流を確認するために,IEC
61800-5-1にタイプ試験として接触電流測定法が定義されている。
接地漏えい電流が電源に対して,交流又は直流で10 mAを超える電気装置(例えば,可変速電動機シス
テム及び情報技術装置)では,保護等電位ボンディング回路は,次のa) c) の条件の一つ以上を満たさな
ければならない。
a) 保護導体の断面積を銅導体では10 mm2以上,アルミニウム導体では16 mm2以上としなければならな
い。
b) 保護導体の断面積が,銅導体では10 mm2,アルミニウム導体では16 mm2に満たない部分には,専用
の接地端子を備え,保護導体の断面積が,銅導体では10 mm2以上,アルミニウム導体では16 mm2以
上の箇所に届くまでは,導体の組合せでこの要求を満足するような第2の保護導体を備えなければな
らない。
c) 保護導体の導通性が失われたときは,電源を自動遮断する。
大きな漏えい電流の影響は,大きな漏えい電流をもつ装置の入力電源を,分離巻線をもつ専用の電源変
圧器から供給することによって,その装置内だけに制限することができる。この場合,保護等電位ボンデ
ィング回路は,装置の露出導電性部分及び変圧器の二次巻線にも接続しなければならない。装置と変圧器
二次巻線との間の保護導体は,5.10.2.3に記載する配置の幾つかを満たさなければならない。
5.10.2.4 保護等電位ボンディング回路の導通
全ての露出導電性部分は,5.10.2.6に規定するものを除いて,5.10.2.1に従って保護等電位ボンディング
回路に接続しなければならない。
どのような理由(定期保全)で電気装置の部分を取り外した場合でも,残った部分の保護等電位ボンデ
ィング回路は,その導通が失われないような構成でなければならない。
注記 この要求事項において,車体又は主要な電気的エンクロージャのような土工機械への主要な等
電位ボンディング接続箇所を含む構造又は部分は,それを取り外すと土工機械を停止させる効
力のある場合は,取り外しの対象となる電気部品とは考えない。
保護等電位ボンディング及び接続部は,電流容量が,機械的,化学的,電気化学的な影響によって劣化
しないように設計しなければならない。アルミニウム又はアルミニウム合金のエンクロージャ及び導体を
用いる場合は,電食の可能性について特に考慮することが望ましい。
金属製の可とう性ダクト又は非可とう性ダクト,及び金属のケーブル外装は,保護等電位ボンディング

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