JIS A 8425-1:2019 土工機械―電機駆動式機械並びに関連構成部品及び装置の電気安全―第1部:一般要求事項 | ページ 5

                                                                                             17
A 8425-1 : 2019 (ISO 14990-1 : 2016)
導体として用いてはならない。ただし,金属ダクト及び全ての接続ケーブルの金属外装[例えば,ケーブ
ル外装,導線のさや(鞘)]は,保護等電位ボンディング回路に接続しなければならない。
電気機器が,蓋,扉又はカバープレートに取り付けられている場合,保護等電位ボンディング回路の導
通性を確保しなければならない。保護導体(を用いること)を推奨する。保護導体を用いない場合は,低
い抵抗になるように設計した締結部品,丁番又はしゅう動接点を用いなければならない。
損傷の危険にさらされるケーブル(例えば,可とう性の引きずりケーブル)の中の保護等電位ボンディ
ング導体は,その導通性を適切な方策(例えば,モニタ)によって確保しなければならない。
導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構に用いる保護導体の導通性に対する要求事項については,
11.6.2を参照する。
5.10.2.5 (保護等電位ボンディング回路からの)開閉機器の排除
保護等電位ボンディング導体を切り離すいかなる手段も備えてはならない。
これは,保護等電位ボンディング回路には,開閉機器又はOCP過電流保護機器を挿入してはならないと
いう意味である。
例外 囲いがある電気設備区域内にあり,工具を用いなければ切り離せない試験用又は測定用のリン
クは例外とする。
保護等電位ボンディング回路の導通が,取外し可能な集電子又はプラグ・ソケット対で切り離しできる
場合には,保護等電位ボンディング回路用接点は,(充電導体用接点よりも)接続時には先に閉じ,切り離
し時には後に開かなければならない。このことは,取外し可能のプラグインユニットにも適用する。
5.10.2.6 (保護等電位ボンディング回路に)接続する必要のない部分
危険源にならないように取り付けられている露出導電性部分は,保護等電位ボンディング回路に接続す
る必要はない。そのような部品としては :
− 接触部分が少ない,又は握ることができないほど小さい(約50 mm×50 mm未満)。
− 充電部との接触及び絶縁不良が起きないように配置してある。
この規定は,ねじ,リベット,銘板のような小部品にも適用し,エンクロージャ内の部品(例えば,コ
ンタクタ又はリレーの電磁石,及び機器の機械的部分)にも,大きさに関係なく適用する(JIS C
60364-4-41:2010の410.3も参照)。
5.10.2.7 保護導体の接続点
保護導体接続点を,その他の用途に用いてはならない。これらを,例えば,ケーブル保持金具を含め,
その他の器具又は部品を取り付ける又は固定するために用いてはならない。保護導体の接続点は,11.8.2
に従って識別しなければならない。
マーキングの要求事項は,JIS A 8425-2及びJIS A 8425-3に規定する。
電磁妨害による支障を防止するため,二重の保護導体の取り付けについてもJIS A 8316の電磁両立性要
求事項を適用することが望ましい。
5.10.3 機能等電位ボンディング
(制御回路の)共通導体に接続することによって,制御回路の絶縁故障による誤作動からの保護を達成
できる。
注記1 外部電源式機械については,JIS A 8425-2を参照する。
注記2 電源内蔵式機械(JIS A 8425-3参照)については,車台を共通導体と考えることができる。
5.10.4 充電部の接地又は短絡用の機器
高電圧の装置では,高電圧の装置の全ての充電部の接地用及び短絡用の機器は,次による。

――――― [JIS A 8425-1 pdf 21] ―――――

18
A 8425-1 : 2019 (ISO 14990-1 : 2016)
− IEC 61230に適合し
− 充電部で安全に動作できるように適切な数を用意する。
電磁妨害による支障を防止するための機能等電位ボンディングについては,5.10.1を参照する。

5.11 保護特別低電圧PELV使用による保護

5.11.1  一般要求事項
PELVは,間接接触及び限られた(接触)面積の直接接触による感電から人を保護する。PELV回路は,
次の条件を全て満足する必要がある。
a) 直流公称電圧12 V及び24 Vの蓄電池/オルタネータを電源とする回路では,
− 土工機械の通常の使用の間ずっと,蓄電池はエンクロージャによって不用意な接触から保護されて
いなければならない。
− 蓄電池の端子は,日常保全の間ずっと,工具の接触から保護しなければならない。
− オルタネータ,スタータ及びスタータソレノイドのような他のヒューズのない端子も,日常保全の
間ずっと,工具の接触から保護しなければならない。
− その他の充電表面で暴露されるものはヒューズで保護しなければならず,その暴露面積は,50 mm
×50 mm未満でなければならない。
b) ) 以外の回路では,公称電圧は次の値を超えない。
− 装置を通常乾燥した場所で用いるとき,及び人体と充電部との間に広い面接触が予想されないとき
は,交流25 V(実効値)又は直流60 V(リップルなし)。
− その他の場合は,交流6 V(実効値)又は直流15 V(リップルなし)。
注記 “リップルなし”は,ここではリップル電圧の基本波成分実効値が10 %を超えないリップル
量と定義する。
c) 回路の一方の側又は回路の供給電源の1点を保護等電位ボンディング回路と接続する。
d) ELV回路の充電部は,他の充電回路から電気的に分離する。この電気的分離は,少なくとも安全絶
縁変圧器(JIS C 61558-1及びJIS C 61558-2-6参照)の一次回路と二次回路との間に要求される分離
条件を満たさなければならない。
e) 各PELV回路の導体は,他のいかなる回路の導体からも物理的に分離する。この要求事項が実際的で
ないときは,5.3の絶縁手段を適用する。
f) PELV回路用プラグは,他の電圧系統のコンセントに挿入できてはならず,出力コンセントは,他の
電圧系統のプラグの挿入を許さない。
5.11.2 保護特別低電圧PELVの電源
PELVの電源は,次のいずれかでなければならない。
− JIS C 61558-1及びJIS C 61558-2-6に適合する安全絶縁変圧器
− 安全絶縁変圧器と同等の安全度をもつ電源(例えば,絶縁変圧器と同等の絶縁巻線をもつ電動発電機)
− 電気化学的電源(例えば,蓄電池),又は,PELVより高い電圧回路から独立しているその他の電源(例
えば,発動発電機)
− 出力端子の電圧が,内部に障害があった場合にも常に5.11.1の規定値を超えないようにする方策を規
定している適切な規格に適合する電子回路電源

――――― [JIS A 8425-1 pdf 22] ―――――

                                                                                             19
A 8425-1 : 2019 (ISO 14990-1 : 2016)

6 電気火災の危険源に対する保護

6.1 一般要求事項

6.2 電気火災の危険源の評価

  電気的危険源のリスクアセスメントは,火災に関連するリスクを含めなければならない。火災の危険源
及び電気装置に関する情報は,IEC 60695規格群に含む。リスクアセスメントは,JIS A 8340-1:2011の4.20.1
に適合する可燃性物質を考慮する必要はない。
電気装置は,火災の原因及び火災として燃え広がることへの寄与の両方の面で吟味しなければならない。

6.3 発火の防止

  IEC 60695-1-20,IEC 60695-1-21及びIEC 60695-1-30は,非金属部品及び材料の発火性及び燃焼性に関
する指針を与える。構成部品に関する規格は,大抵は,そのような懸念を扱い,通常は,(火災危険性評価
を扱う)一般的なIEC 60695規格群に優先して適用する。

6.4 火災の広がりの最小化

  火災の広がりの最小化は,発火の防止に加える二次的な保護手段である。発火が起こると発火領域を適
切に囲ったり,周囲の部品の燃焼性を制限したり,その両方の手段で,発火の結果として火災が広がるの
を最小化する。構成部品に関する規格は,大抵は,そのような懸念を扱い,通常は,(火災危険性評価を扱
う)一般的なIEC 60695規格群に優先して適用する。

7 熱的危険源に対する保護

  熱的危険源に対する保護は,JIS A 8340-1によることが望ましい。
注記 ISO 13732-1及びISO/TS 13732-2を参照する。

8 機械的危険源に対する保護

  機械的危険源に対する保護は,JIS A 8307及びJIS A 8340-1によることが望ましい。

9 異常作動の危険源に対する保護

9.1 一般要求事項

  この箇条では,表A.1の番号3に列挙するような異常作動の危険源に対する保護の要求事項を規定する。

9.2 過電流保護(OCP)

9.2.1  一般要求事項
土工機械内の回路電流が,構成部品の定格値又は導体の許容電流のいずれか小さい方を超える可能性が
ある場合には,過電流保護を備えなければならない。定格値又は設定値に関しては,9.2.4を参照する。
中性線の断面積がその相導体の断面積と同等以上である場合には,この中性線には過電流保護を設けな
くてよい。
注記 IT接地系統では中性線を用いないことが望ましい。さもなければ,中性線にはIEC
60364-5-52:2009の524及びJIS C 60364-4-43:2011の431.2.2を参照する。
交流電源回路の中性線及び直流電源回路の接地(又は電源内蔵式機械では車台への接続)側導体は,そ
れに関連する全ての充電導体が断路する前に断路してはならない。
9.2.2 変圧器
変圧器は,その製造業者の指示に従って過電流保護しなければならない。これに加えて変圧器の保護は,
励磁突入電流による不要なトリップを防止し,二次側の端子間が短絡したとき,巻線温度が変圧器の絶縁

――――― [JIS A 8425-1 pdf 23] ―――――

20
A 8425-1 : 2019 (ISO 14990-1 : 2016)
種別による許容値を超えることを防止しなければならない。
9.2.3 過電流保護(OCP)の履行
過電流保護の定格遮断容量は,過電流保護の設置点において回路を流れ得る故障電流以上としなければ
ならない。短絡電流に,電源以外(例えば,電動機,力率改善用コンデンサ)から流れ込む電流が含まれ
る場合は,これらの電流を考慮してOCPを設計又は選定しなければならない。
必要な遮断容量をもつ別の過電流保護(例えば,電源導体の保護のための過電流保護)が,電源側に配
置されている場合には,(当該電気装置の過電流保護の)遮断容量は,(その外部過電流保護の遮断容量よ
り)小さくてもよい。この場合,直列になった二つの過電流保護機器の通過エネルギー(I2t)が,負荷側
の過電流保護及びそれによって保護される導体を損傷しない範囲内になるように二つの過電流保護機器の
特性の協調をとらなければならない(IEC 60947-2:2013のAnnex A参照)。
注記 このように過電流保護の協調をとることによって,両方の過電流保護が正しく作動する。
ヒューズを過電流保護として用いる場合には,(その国で)容易に入手できる種類を選ぶか,又は使用者
が予備品として入手できるようにしなければならない。
9.2.4 過電流保護機器の定格及び作動電流設定値
ヒューズの定格電流又は過電流保護の作動電流の設定値は,可能な限り小さくしなければならないが,
予想される過電流(例えば,電動機の始動時及び変圧器の励起時)に対して適切でなければならない。過
電流による損傷(例えば,接点溶着)から開閉機器を保護することを考慮しなければならない。
過電流保護の定格電流又は作動電流設定の所要値は,保護する導体の許容電流と最大許容遮断時間tと
から,回路内の他の電気機器との協調を考慮して11.4に従って,決定する。
9.2.5 過電流保護機器の配置
過電流保護は,次の条件が満足されない限り,導体断面積の減少又はその他の変化によって下流側への
導体電流容量が減少する場所に配置しなければならない。
− 全ての導体の電流容量が,少なくとも負荷の電流容量以上である。
− エンクロージャ又はダクトで保護するなどして,短絡する可能性が少ない方法で導体を付設する。

9.3 異常温度保護

  発熱する抵抗その他の回路で,著しく高温となり危険状態を招く可能性があるもの(例えば,短時間定
格部品の長時間使用又は冷却媒体の喪失による。)には,適切な制御応答を伴う検出手段を設けなければな
らない。

9.4 地絡(電源内蔵式機械では車台への接続)(漏電)電流保護

  過電流保護の検知レベルよりも小さい地絡(電源内蔵式機械では車台への接続)(漏電)電流による装置
の損傷を低減するために,地絡(車台への接続)(漏電)電流保護を備えることができる。この漏電電流保
護機器の電流設定値は,装置の適切な作動と矛盾せずに,できるだけ小さい値にしなければならない。

9.5 雷サージ及び開閉サージの過電圧保護

  雷サージ及び開閉サージによる過電圧の影響から保護するために,保護機器を備えることができる。
保護機器を設ける場合は,
− 雷サージによる過電圧を抑制する機器は,電源断路器の入力側端子に接続しなければならない。
− 開閉サージによる過電圧を抑制する機器は,その保護を必要とする全ての機器の端子間に接続しなけ
ればならない。

9.6 他の異常運転の危険源に対する保護

  液体充電気装置(例えば,変圧器,リアクトル,開閉装置)は,温度異常,過大圧力又は漏えいの影

――――― [JIS A 8425-1 pdf 24] ―――――

                                                                                             21
A 8425-1 : 2019 (ISO 14990-1 : 2016)
響を考慮して適切な保護を備えなければならない。

10 電力供給源

10.1 電源断路

10.1.1  一般事項
ロック可能な断路器の作動によって,土工機械の電気装置に動力源を供給している電源から断路(切り
離し)できなければならない。
断路器は,次の電源に対して設置しなければならない。
− 外部電源式土工機械への各入力電源
− 電源内蔵式土工機械に搭載している各電源
例外1 原動機駆動の電源で,(断路器と)同様の(作用のある)原動機停止方策がある場合は,
断路器は必要とされない。
例外2 照明,各種用途のコンセント,制御回路など整備作業中に用いる意図の回路の断路は,必
要とされない。ただし,これらの回路には,個別に断路器を備えることを推奨する。
複数の断路器を備える場合は,保護インターロックを設けなければならない。
回路を入力電源断路器で断路しない場合には,次の要求事項を満足しなければならない。
− 警告ラベル(16.1参照)を,断路器の近くに貼り付けなければならない。
− 適切な警告及び対応する説明文を整備解説書に記載しなければならない。
− (電気)装置は,次の1)3) の一つ以上を適用しなければならない。
1) 16.1による警告ラベルを各例外回路の近くに貼り付ける。
2) 例外回路を他の回路から電気的に分離する。
3) 回路の導体を色で識別する(11.8.4参照)。
断路の後も充電状態が残るケーブルは,残余の危険源についての警告及び説明を備えなければならない。
高電圧の装置では,各入力電源の充電された導体を,接地回路に接続する手段を備えなければならない。
10.1.2 入力電源断路器
電源断路器は,その機器に相応するIEC国際規格に適合しなければならず,その国際規格で定義する適
切な使用種別(例えば,負荷状態の電動機の切替え又はその他の誘導負荷)に適したものでなければなら
ない。
断路器は,IEC 60947-1の断路の要求事項を満たさなければならない。
代替手段として,IEC 60309-1に適合する適切な定格のプラグ・ソケット対,併せて11.10.5のa) e) も
満足すれば許容される。
プラグ・ソケット対以外の電源断路器は,次の事項を全て満足しなければならない。
− 図記号IEC 60417-5008で明示する一つのオフ(断路)位置と,IEC 60417-5007で明示する一つのオン
(閉路)位置とをもつ。
− オフ(断路)位置で手元操作及び遠隔操作による閉路(導通)を防止できるロック手段を備えている。
− 全ての充電導体を断路できる。
− 最大総負荷電流を遮断できる遮断容量をもつ。この最大総負荷には拘束電動機又は作動中の電動機が
含まれる。
なお,電源断路器の遮断容量は,実績に基づく係数(diversity factor)によって減じてもよい。
注記 Diversity factorは,coincidence factor(同時発生係数)と対になる。coincidence factorは数値又

――――― [JIS A 8425-1 pdf 25] ―――――

次のページ PDF 26

JIS A 8425-1:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14990-1:2016(IDT)

JIS A 8425-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8425-1:2019の関連規格と引用規格一覧