JIS A 8425-1:2019 土工機械―電機駆動式機械並びに関連構成部品及び装置の電気安全―第1部:一般要求事項 | ページ 6

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は百分率で表し,一群の電力機器又は電力消費系で,規定時間内に,同時に起こる最大需要
電力の,同じ時間内で,個別機器の最大電力需要の合計に対する比率。
電源断路器は,容易にその操作手段(例えば,ハンドル)に手が届く位置に設けなければならない。
接地用のスイッチを用いる場合は,IEC 62271-102に適合しなければならない。
電源断路器及び関係する接地用のスイッチは,機能的ユニットにまとめることを推奨する。
充電導体の接地は,断路器が開(断路)の位置にあるときだけ可能で,充電導体が接地されていないと
きだけ断路器を閉じる(導通)ことができるのを確実に実施するインターロックを備えなければならない。
10.1.3 装置を断路する機器
機械の電気装置の個々のアイテムを充電部から切り離して無電圧状態で作業ができるように,電気装置
の各アイテムを断路する機器を備えなければならない。電源断路器にこの機能を実現させてもよい。
10.1.1及び10.1.2に記述の電源断路器に加えて,断路器,引抜き形ヒューズリンク又は引抜き形リンク
を用いることができる。ただし,電気設備区域内に配置する場合だけに限るものとし,電気装置に関連す
る情報が提供されるものとする。

10.2 予期しない起動の防止

  予期しない起動(例えば,保全作業中に土工機械又は機械の一部が起動すると危険源を招くような場合)
を防止するための機器を備えなければならない。
これらの機器は,意図する用途に対して使いやすいものとし,適切に配置し,容易に識別(例えば,16.1
によるマーキングによって)できるようにしなければならない。
注記1 この規格は,予期しない起動を防止する全ての施策を対象としているわけではない(JIS B
9714参照)。
これらの機器は,どの場所からも不注意に閉じられる(導通させる)ことが可能であってはならない。
10.1.2に示す機器,並びに,囲いがある電気設備区域内に設置する場合は,断路器,引抜き形ヒューズ
リンク又は引抜き形リンクは,この目的に用いてもよい。
断路機能を満足しない機器は,回路が,検査,調整又は感電若しくはやけどの危険源がなく,スイッチ
ングオフ手段が作業中ずっと有効で,作業が軽度である場合(例えば,配線変更を伴わないプラグイン機
器の交換の場合)以外に用いてはならない。さらに,高電圧機器の場合は,高電圧電気装置上又は近くで
作業がない場合以外に用いてはならない。
注記2 どのような機器を選択するかは,意図する使用を考慮して行うリスクアセスメントに依存す
る。

10.3 外部充電

  電気的危険源のリスクアセスメントでは,外部充電を選択できる場合は,そのことを考慮しなければな
らない。
外部充電のリスクアセスメントでは,機械的危険源,電気的危険源,燃焼の危険源及び熱的危険源を対
象とすることが望ましい。
充電用外部電源の適切性については,大抵は保証されていない。土工機械の外部充電の場合は,そのよ
うなわけで,危険な状況を確実に避けるような適切な手段を土工機械側で実施しなければならない。
注記1 IEC 61851-1及びIEC 62196-1に注意を払う。
注記2 適切な手段としては,専用の機械で安全充電状態の実施,機械運転員への充電方法・手順の
説明,充電用コンセント・プラグへの適切なマーキング,誤使用の防止(専用の工具又は鍵
を使用した時だけコンセント・プラグを使用できる。),充電用コンセント・プラグを特定の

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形状とする,充電時の機械の接地系統を考慮しておく,OCP(過電流保護)機器の取付け,
相順の保護などがある。

11 配線

11.1 一般要求事項

  導体及びケーブルは,次の事項を含む使用条件に対して適切なものでなければならない。
− 電圧
− 電流
− ケーブルのまとめ方
− 感電保護
− 周囲温度
− 湿度,水又は絶縁を劣化させる物質(の存在)
− 布設時の応力を含む機械的応力
− 火災のリスク
注意−土工機械におけるPVCポリ塩化ビニルの絶縁材としての使用は,燃焼及び化学的危険源のリスク
のため推奨されない。
重要−この箇条の要求事項は,関連する日本工業規格(日本産業規格)又はIEC規格に適合する装置及び機器の内部配線に
は適用しない。

11.2 導体

  導体には銅(の使用)を推奨する。アルミニウムを用いる場合は,断面積を16 mm2以上としなければ
ならない。
導体の断面積は,十分な機械的強度を得るために,動力回路又は単心の制御回路では1 mm2以上とする
ことが望ましい。制御回路用の2心のシールドなしは0.5 mm2以上,制御回路用の2心のシールドあり又
は3心以上のシールドなしは0.2 mm2以上,データ通信用は0.08 mm2以上とすることが望ましい。適切な
機械的強度が他の手段で確保され,適切な機能が損なわれないなら,より小さい断面積又は他の構造も許
容される。
動かす導体は,11.5に適合しなければならない。

11.3 絶縁被覆

  ケーブルの絶縁被覆は,運転中又は布設中,特にケーブルを所定の位置に引き込むとき,絶縁が損なわ
れにくいような機械的強度及び厚さをもつものでなければならない。
電力ケーブルは,IEC 60502-1に適合するもの,又はシールドあり若しくは多心のものはISO 6722-1と
ISO 14572との組合せを推奨する。
ケーブル及び導体の絶縁被覆は,次の耐電圧試験に適合しなければならない。
− 使用電圧が交流50 V又は直流120 Vを超える場合は,最低2 000 Vの交流試験電圧で5分間,又は,
− PELV回路の場合は,交流500 V,5分間(クラスIII装置に対する感電保護についてはJIS C 60364-4-41
を参照)。
導体及びケーブルの絶縁被覆が,火災を伝ぱ(播)させ,又は毒性若しくは腐食性煙霧を発生すること
によって危険源となる可能性があることを考慮することが望ましい(IEC 60332規格群参照)。

11.4 導体及びケーブルの許容電流

  導体の呼び許容電流は,例えば,絶縁材料,ケーブル内の導体数,シース(外皮)の有無,布設方法,

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密集度,周囲温度などの幾つかの要因を考慮しなければならない。さらに,詳細な情報は,IEC 60364-5-52
参照。
デューティサイクルとケーブルの熱時定数とがケーブルの設計要因に影響するような用途については,
ケーブルの製造業者に相談することが望ましい。
ほかに要求がない限り,一般用途のコンセント又は灯火用コンセントを使用する場合,電源供給点から
負荷までの電圧降下は,通常の運転条件では公称電圧の5 %を超えてはならない。

11.5 可とうケーブル

11.5.1  一般事項
可とうケーブルは,最低でもクラス5の導体を用いたもので構成しなければならない(IEC 60228参照)。
次のような負荷にさらされるような用途を意図するケーブルは,耐用寿命が短くなるのを避けるように
適切な構造とすることが望ましい。
− 摩滅
− ねじれ
− ガイドローラ及び強制ガイドから生じる応力
− ケーブルリールへの巻取り
− 強い引張応力
− 小さい曲げ半径
− 異なる平面内への曲げ
− 高い負荷の繰返し
11.5.2 機械的定格
ケーブルハンドリングシステム(例えば,リール,懸架式又は懸垂式ケーブル,可とうケーブルトレイ)
は,運転中の導体の引張応力をできるだけ低く保つようにしなければならない。
銅導体に対する引張応力は,15 N/mm2を超えてはならない。
使用時の引張応力が15 N/mm2を超える場合には,特殊構造のケーブルを用い,その最大引張応力につ
いてケーブルの製造業者の承認を得ることが望ましい。
注記 導体の引張応力には,加速力,運動速度,ケーブルの垂れ下がり荷重,ガイドの方法及びケー
ブルドラムシステムの設計が影響する。
11.5.3 リールに巻いたケーブルの許容電流
リールに巻いたケーブルの許容電流は,JIS B 9960-1:2011の12.6.3による。

11.6 しゅう動接点をもつ組立品

  この細分箇条は,導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構をもつしゅう動接点に適用する。
11.6.1 充電部への接近
導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構への接近の可能性は,保護等級が最低限IP2Xのエンク
ロージャ又はバリア(JIS C 60364-4-41:2010の412.2参照)による充電部の部分的な絶縁によって制限し
なければならない。
容易に接近可能なバリア又はエンクロージャの上部水平面は,保護等級が最低限IP4Xでなければなら
ない。
例外 充電部を手の届かない場所に配置するとともに,14.5.8による非常スイッチングオフによって
保護してもよい。
導体ワイヤ及び導体バーは,特に保護されていない場合は,プルコードスイッチのコード,張力軽減機

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器,ドライブチェーンのような導電体が接触することを防止するように配置する。
11.6.2 保護導体回路
導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構を保護等電位ボンディング回路の一部として用いる場合
は,定常運転中これらに電流を流してはならない。ただし,容量性の結合による微小な過渡電流などが流
れるのはよい。
保護導体と中性線は,それぞれ別の導体でなければならない。しゅう動接点を用いる保護導体回路は,
集電子の二重化又は導通性の監視のような適切な方策によって導通性を確実にしなければならない。
11.6.3 保護導体用の集電子
保護導体用の集電子は,運転中は他の集電子と干渉しない物理配置でなければならない。
11.6.4 断路に用いる引離し式集電子
引離し式集電子が断路機能をもつ場合は,充電部の断路が完了してから保護導体回路が切り離され,充
電部が接続される前に保護導体回路の導通が確立するようにしなければならない。
11.6.5 空間距離
各導体間の空間距離並びに隣接する導体ワイヤ,導体バー,スリップリング機構及び集電子のシステム
間の空間距離は,次のようでなければならない。
− 低電圧装置ではJIS C 60664-1による。
− 高電圧装置ではIEC 60071-1:2006のTable 2に示す短時間商用周波耐電圧,及び,低い側のレベルの
定格雷インパルス耐電圧に適している。
11.6.6 沿面距離
低電圧装置では,隣接する導体,導体ワイヤ,導体バー,スリップリング機構及び集電子のシステム間
の沿面距離は,JIS C 60664-1の規定によるものでなければならない。沿面距離は意図する環境に適するも
のでなければならない。異常なちりの重積,湿気又は腐食性物質若しくは導電性物質がある環境において
は,次の沿面距離の要求を適用する。
− 保護されていない導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構の最小沿面距離は,60 mm。
− エンクロージャで保護されている導体ワイヤ,絶縁された多極及び単極の導体バーの最小沿面距離は,
30 mm。
高電圧装置では,隣接する導体,導体ワイヤ,導体バー,スリップリング機構及びそのための集電子間
の沿面距離は,装置がIEC 60071-2:1996のTable 1のレベルII,III又はIVの汚染レベルに適するようにな
るものでなければならない。
どの装置も,意図する用途が標高の汚染環境を含む場合は,徐々に絶縁値が減少することを防止する方
策に関しては,機器の製造業者の推奨事項に従わなければならない。
11.6.7 導体システムの分割
導体ワイヤ又は導体バーを幾つかの分離した区画に分けられるように配置する場合は,集電子自体が隣
接区画を充電することを防止しなければならない。
11.6.8 構造及び据付け
電力回路の導体ワイヤ,導体バー及びスリップリング機構は,制御回路用のものとは別のグループにま
とめなければならず,短絡電流による電気機械的影響及び熱の影響に対して損傷を受けずに耐えなければ
ならない。
複数の導体バーを1個の金属製のエンクロージャ内に設置する場合には,エンクロージャの各区画を相
互にボンディングし,その部分の長さに応じて数箇所を保護等電位ボンディング導体に接続しなければな

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らない。
注記 金属丁番は,金属製のエンクロージャ及びダクトのカバー又はカバープレートの保護等電位ボ
ンディングに対して導通性を十分確保すると考えてよい。

11.7 接続及び経路

11.7.1  一般要求事項
接続,特に保護等電位ボンディング回路の接続は,不測のゆるみが生じないようにしっかり固定しなけ
ればならない。
接続機器は,接続する導体の寸法及び形式に適したものでなければならない。
一つの端子に複数の導体を接続してはならない。ただし,端子が複数導体接続用として評価済みの場合
はこの限りでない。
例外 保護導体は,1端子に1本だけの接続にしなければならない。
はんだ付け用端子以外には,はんだ付け接続をしてはならない。
端子台には,配線図と一致する記号で明瞭にマーキングするか,又はラベル付けをしなければならない。
電気的誤接続のリスクがあり,設計方策によって誤接続の可能性を軽減できない場合は,導体及び端子
を11.8.1に従って識別しなければならない。
可とうコンジット及びケーブルの設置においては,降雨,洗浄などのような液体がエンクロージャへの
入口点の取付部から排出されるようにしなければならない。
例外 エンクロージャへの液体の浸透を防ぐ取付部は,どの方向に設置してもよい。
導体の銅線のよりを維持する手段のない機器又は端子に,導体を接続する場合には,よりを維持するよ
うにしなければならない。はんだをよりの維持に用いてはならない。
シールド導体は,修理などのために屋外で接続を外してもよいように,シールドのほつれを防止し,か
つ,簡単に接続を取り外せるように端末処理を行わなければならない。
内部配線と外部配線とは端子台の端子上で交差しないようにしなければならない(JIS C 8201-7-1参照)。
11.7.2 導体及びケーブルの配線
導体及びケーブルの配線には,次の規定を適用する。
a) 配線は,より継ぎ又はジョイントをせずに端子間を配線しなければならない。
例外 接続箱及び端子を用いて接続することが実際的でない場合(例えば,据付け中又は運転中に
機械的応力が原因で損傷したケーブルを修理する場合の接続),より継ぎ又はジョイントを用
いてもよい。
注記 不測の断路に対して適切な保護をもつプラグ・ソケット対は,ジョイントとはみなさない。
b) ケーブル又はケーブルアセンブリの屋外使用での接続又は取外しが必要な場合には,その目的のため
に十分な余長を確保しなければならない。
c) ケーブル端末は,導体にかかる機械的応力を最小とするように,適切に保持しなければならない。
d) 関連する充電導体の可能な限り近くに保護導体を配置することによって,ループインピーダンスを最
小としなければならない。
e) 高電圧のケーブルは,低電圧のケーブルから物理的に分離することが望ましい。
11.7.3 異なる回路の導体
異なる回路用の導体は,各回路の適切な機能を損なわない場合は,隣り合わせて布設してもよく,同じ
ダクト内に布設してもよい。また,同じ多心ケーブル内の導体を用いてもよい。
回路が異なる電圧で作動する場合には,各導体をバリアで分離するか,又は同じダクト内の全ての導体

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