JIS A 8425-1:2019 土工機械―電機駆動式機械並びに関連構成部品及び装置の電気安全―第1部:一般要求事項 | ページ 7

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に加わる最高の電圧に対する絶縁を行わなくてはならない。

11.8 導体の識別

11.8.1  一般要求事項
全ての導体は,その端末において,技術文書と一致する方法で識別できなければならない。
導体は,数字,英数字,色[単色又はしま(縞)模様]のいずれかで識別するか,又は色と数字との組
合せ若しくは色と英数字との組合せによって識別することを推奨する。
11.8.2 保護導体の識別
保護導体は,容易に見分けられなければならない。保護導体の色,マーキング,形状又は位置は,(見分
ける)手段として受け入れられる。
色だけによって識別する場合は,保護導体全長にわたって緑と黄の2色組合せを用いなければならない。
緑と黄の2色組合せを保護導体以外に用いてはならない。絶縁保護導体の場合,緑と黄の2色組合せは,
どの部分の15 mmの長さをとっても,その色の一つが保護導体(又は,絶縁されている場合はその絶縁体)
表面の30 %以上70 %以下を覆い,残りの表面を他の色が覆うものでなければならない。
保護導体識別を,その形状,位置又は構造[例えば,編組保護導体,又は,編みひも(紐)状のような
絶縁していないよ(撚)り保護導体]で行う場合,又はすぐには近づけない絶縁保護導体である場合は,
保護導体の全長にわたって色で識別する必要はないが,端末(付近)及び他の接近可能な場所に,IEC
60417-5019に規定する図記号又は緑と黄の2色組合せによる明確な識別をしなければならない。
11.8.3 中性線の識別
中性線を色だけで識別する場合の色は,青としなければならない。混同を避けるために,淡青(ライト
ブルー)を用いることを推奨する。
色が中性線を示す唯一の識別色である場合 :
− その色を他の導体の識別にも用いると混同する可能性がある場合は,その色を他の導体に用いてはな
らない。
− 各エンクロージャ内で中性線として用いる裸導体は,15 mm100 mm幅の色付けをするか,又はその
全長にわたって色付けをしなければならない。
11.8.4 色による導体の識別
保護導体及び中性線以外の導体を識別するために,次の色を用いてもよい。
−黒
− 茶色
−赤
−黄
−緑
− 青(ライトブルーを含む。)
−紫
− 灰色
−白
− ピンク
− 青緑
注記 この色リストは,IEC 60757からの引用である。
低電圧又は高電圧の導線で,電気的エンクロージャ又はダクト内に布設されていないものは,黄赤の絶

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縁被覆,黄赤のコンジット,黄赤の網組み又は網組みコンジット,又はその他の黄赤にマーキングして低
電圧又は高電圧の導線であるか否か,例えば,液体ホースではないことを明確にしなければならない。ケ
ーブルと黄赤のマーキングとがいずれも目視できるように近い間隔でマーキングで確実に実施できる場合
は,導線の全長にわたって必要な黄赤のマーキングを一定間隔ごとに施すことを推奨する。エンクロージ
ャ内の導線では黄赤のマーキングは任意である。
導体の識別に色を用いる場合は,その色を導体の全長にわたって用いることを推奨する。絶縁被覆の色
で全体的に識別するか,色マーカを一定間隔ごとに施し,更に端末又はアクセス可能な位置に施して識別
することを推奨する。
緑又は黄は,緑と黄の2色組合せと混同される可能性がある場合には,これを用いないことが望ましい。
上に掲げた色を組み合わせることによる識別は,その組合せが混同を招くことがなく,黄又は緑を黄と
緑の2色組合せ以外の組合せに用いないなら行ってもよい。
色分けを導体識別に用いる場合には,次に掲げる色分けを推奨する。
− 黒 : 交流電力回路及び直流電力回路
例外 エンクロージャ外の低電圧導体はこの細分箇条11.8.4で要求するように黄赤。
− 赤 : 交流制御回路
− 青 : 直流制御回路
例外 次の場合は,(上記によらず)許容される。
− 推奨色の絶縁被覆がない場合,又は,
− 多心ケーブルの場合。ただし,緑と黄の2色組合せは用いてはならない。

11.9 エンクロージャ内の配線

  エンクロージャ内の導体を保持する必要がある場合は,導体を固定しなければならない。
エンクロージャ内に取り付ける電気装置は,エンクロージャ前面から配線変更できるように設計・製作す
ることが望ましい。これを実施できず,制御機器をエンクロージャ裏面で接続する場合には,これらにア
クセスするための扉又は外開き式パネルを設けなければならない。
扉又はその他の可動部分に取り付ける部品への接続には,11.2及び11.5による可とう性導体を用いなけ
ればならない。この導体は,固定部品及び可動部品の両方に固定しなくてはならない。
注記 電気接続子又は端子は固定のための手段とは考えない。
エンクロージャの外へつながる制御用配線には,端子台又はプラグ・ソケット対を用いなければならな
い。
測定装置は,関連するIEC国際規格に適合している場合は,機器の接続用端子に直接つないでもよい。

11.10 エンクロージャ外の配線

11.10.1 一般要求事項
ケーブル又はダクト及びそれに付随するグランド(コネクタ),ブッシングなどを引き込むときにエンク
ロージャの保護等級を低下させてはならない。
11.10.2 外部ダクト
電気装置のエンクロージャ外の導体及びその接続部は,11.11に規定する適切なダクトに収納しなければ
ならない。ただし,適切な保護をもつケーブルで(ダクトに)収容しない取付けを意図したもので,連続
した支持具を用い又は(必要がなければ)用いないものを除く。
感知機器のような機器(に附属する)専用のケーブルは,目的に適し,必要なだけの長さで,損傷を受
ける可能性が低下するよう配置又は保護を行うときは,ダクトに収容する必要はない。

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ペンダント形操作盤への可とう性接続は,可とうコンジット又は可とう多心ケーブルを用いなければな
らない。一般に,ペンダント形操作盤の負荷質量は,可とうコンジット又は可とう多心ケーブル以外の手
段で保持しなければならない。ただし,コンジット又は可とう多心ケーブルが他の追加手段なしで負荷質
量を保持するように特別に設計されている場合だけは,他の追加手段なしで用いてもよい。
11.10.3 土工機械の可動部への接続
頻繁に動く可動部分への接続には,11.2及び11.5に適合する導体を用いなければならない。可とうケー
ブル及び可とうコンジットは,特に取付部及び継手部分などで,過度の曲げ及び引張りが生じないように
取り付けなければならない。
可動部に用いるケーブルには,接続箇所に機械的引張りがなく,過度の曲げがないように保持しなけれ
ばならない。ケーブルをループ状とする場合には,少なくともケーブル直径の10倍の曲げ半径がとれるよ
うにしなければならない。
可とうケーブルは,次のような状況によって損傷を受けやすくなる可能性を最小限に抑えるように,布
設又は保護しなければならない。
− 動いている土工機械構造物に接触する場合
− ケーブルバスケット又はケーブルリールでの出し入れがある場合
− 懸架式又はつり下げ式ケーブルに加速力及び風力が加わる場合
− ケーブル収容装置による過度の摩擦がある場合
− ケーブルが過度の熱にさらされる場合
ケーブルの外装は,通常の磨耗及び油,水,冷却剤及び磨耗性のほこりのような環境汚染に耐えるもの
でなければならない。
動きを伴うケーブルと他の可動部との間に最小25 mmの隙間を維持しなければならない。この距離を確
保できない場合には,ケーブルと可動部との間に固定バリアを設けなければならない。
可とうコンジットが可動部に隣接する場合は,全ての運転条件において損傷を防止するようにしなけれ
ばならない。可とうコンジットは,特にその用途に設計された場合を除き,速い動き又は頻繁な動きをす
る箇所の接続に用いてはならない。
ケーブルハンドリングシステムは,ケーブルの軸回りねじれ角が5°を超えないようにしなければなら
ない。ケーブルをケーブルリールに巻き取るとき及びケーブルリールから引き出すとき並びにケーブル案
内機器に近づくとき及び離れるとき,ケーブルのねじれは,最小限にしなければならない。
少なくとも2巻分の可とうケーブルが常にリールに残るようにしなければならない。
可とうケーブルを取扱う機器は,ケーブルの過度の曲げを引き起こしてはならない。曲げ半径は,いか
なる箇所でも次の値以上でなければならない。
− ケーブルの直径(又は厚さ)が20 mmまでは,直径の6倍
− ケーブルの直径(又は厚さ)が20 mmを超えるときは,直径の8倍
例外1 ガイドローラから案内されるケーブルの直径(又は厚さ)が8 mmを超え20 mmまでは,
ケーブルの曲げ半径は,その直径(又は厚さ)の8倍以上でなければならない。
例外2 ケーブルの製造業者が,ケーブルの曲がる時間当たりの回数のような関連要素を考慮して,
ケーブルの用途に応じた係数を与えている場合は,この限りではない。
二つの曲がり部間の直線部の長さは,少なくともケーブル直径又は厚さの20倍としなければならない。
11.10.4 土工機械に実装した機器の相互接続
土工機械に取り付けた複数の開閉機器(例えば,位置センサ,押しボタン)の試験用端子を直列又は並

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列に接続する場合は,次のようにしなければならない。
− 接近するのに障害のないように取り付ける。
− (説明)文書と対応するよう明確に識別する。
− 適切に絶縁する。
− 十分な間隔をとる。
上記のような中間の試験用端子を設けることを推奨する。
11.10.5 プラグ・ソケット対による接続
プラグ・ソケット対は,次のうち該当する一つ又は複数の事項を満足しなければならない。
例外 a) j) の要求事項は,可とうケーブル付きでない固定のプラグ・ソケット対で接続するエンク
ロージャ内の構成部品又は機器,又はプラグ・ソケット対でバスシステムに接続する構成部品
には適用しない。5.2に従って,エンクロージャ内のプラグ・ソケット対は,この細分箇条内の
接触(を避けるため)に関する要求事項に適合する必要はない。5.6に従って,プラグ・ソケッ
ト対で手の届かないところにあるものは,ここで規定するIP(保護等級の)要求事項に適合す
る必要はない。
a) ) に従って正しく取り付けられているプラグ・ソケット対は,プラグの抜き差しのときを含め充電部
への不用意な接触を防止するようなものでなければならない。保護等級は,最低限IPXXBでなければ
ならない。
注記 この要求事項は,箇条1によって(適用範囲としている電圧範囲より低い電圧範囲を対象と
する)PELV回路には適用しない。
b) N接地系統又はTT接地系統の電源を用いる場合は,保護等電位ボンディング用接点[接地用接点(電
源内蔵式機械では車台への保護等電位ボンディング接点)](接地用接点)が他の接点に対し,プラグ
オン時は最初に接触し,プラグオフ時は最後に離れるものとする。
c) 負荷を接続した状態で抜き差しするプラグ・ソケット対は,負荷を遮断するための十分な遮断容量をも
つものでなければならない。定格30 A以上のプラグ・ソケット接続は,プラグの抜き差しを開閉機器
とインターロックして,開閉機器がオフ状態にあるときだけプラグ・ソケットの接続又は切断が可能と
なるようにしなければならない。
d) プラグ・ソケット対が意図せずに外れるときに危険状態を招く可能性がある場合には,接続を保持する
手段を備えなければならない。定格16 Aを超えるプラグ・ソケット対は,意図しない断路を防止する
接続保持形でなければならない。
プラグ・ソケット対の取付けに関連しては,次の事項のうち該当する項目を満たさなければならない。
e) 断路後も充電が残る構成部品の保護は,最低限保護等級IP2X又はIPXXBでなければならない。
注記 箇条1によってPELV回路にはこの要求事項は,適用しない。
f) プラグ・ソケット対の金属ハウジングは,保護等電位ボンディング回路に接続しなければならない。
注記 箇条1によってPELV回路にはこの要求事項は,適用しない。
g) 電力負荷に給電はできるが,通電中に断路してはならないプラグ・ソケット対は,意図しない断路を防
止する接続保持形とし,負荷電流を通電中に断路してはならないことを明瞭にマーキングしなければ
ならない。
h) 複数のプラグ・ソケット対を同じ電気装置に用いる場合は,はめ合い関係を明瞭に識別しなければな
らない。
異なる相手に誤挿入できないような機械的対策をすることを推奨する。

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i) 制御回路に用いるプラグ・ソケット対は,IEC 61984の該当する要求事項を満たさなければならない。
例外 j) 参照。
j) 家庭用及び類似の一般用プラグ・ソケット対を,制御回路に用いてはならない。IEC 60309-1に規定す
るプラグ・ソケット対を制御回路に用いる場合は,意図した用途に合う接点だけを用いなければならな
い。
例外 この要求事項は,電源に重畳する高周波信号で交信する制御機能には適用しない。
11.10.6 輸送のための取外し
輸送のために配線を外す必要がある場合は,土工機械又は装置の配線取外し点に,(再接続のための)端
子又はプラグ・ソケット対を設けなければならない。このような端子は,適切に覆わなければならず,プ
ラグ・ソケット対は,輸送中及び保管中の物理的環境に耐えるように保護しなければならない。
屋外使用時にプラグ・ソケット対以外の電気接続を実施する必要がある場合は,又は,屋外での配線組
立てが低電圧電気系統に障害を与える結果となる可能性がある場合は,箇条17の確認試験を実施しなけれ
ばならない。
11.10.7 予備導体
予備導体を備える場合は,予備端子に接続するか,充電部と接触しないように絶縁しなければならない。
保全,修理又は改造の目的で追加の導体を設けることを考慮することが望ましい。

11.11 ダクト及び箱

11.11.1  一般要求事項
ダクトは,導体を機械的に保護する目的だけに用いなければならず,用途に適する保護等級を満たすも
のでなければならない。非金属製のダクトは,難燃性の絶縁材料製であるときだけ許容される。
ダクト及びケーブルトレイは,損傷又は摩耗の可能性が最小となるように,可動部から離してしっかり
と支持,配置しなければならない。人の立ち入りが(通常)あり得る場所では,ダクト及びケーブルトレ
イは,起立面から2 m以上の高さに設置しなければならない。ただし,ダクト及びケーブルトレイが2 m
未満の高さに取り付けられている場合は,JIS A 8307による保護として適切な強度でなければならない。
導体の絶縁部に接触することがあり得る鋭い端部,ばり,粗い表面又はねじ山は,ダクト及びエンクロ
ージャの金属部から加工して除去しなければならない。必要な場合には,難燃性及び適切であれば耐油性
を併せもつスリーブ材を追加して導体の絶縁物を保護しなければならない。
配線用のケーブルトランキングシステム,接続箱及びその他の配線箱で,油又は水滴が貯まるものには,
直径6 mm以下の排水孔を設けてもよい。所要のIP保護等級が保てれば,チューブ又はラビリンスのよう
な排水手段を設けてもよい。
コンジットは,他の配管との混同の機会を最小とするために,物理的に分離するか,適切に識別するこ
とを推奨する。
部分的にカバーをもつケーブルトレイに布設するケーブルは,開放型のケーブルトレイ若しくはケーブ
ル支持手段を用いる布設又はそのいずれも用いない布設に適した形式のものでなければならない。
部分的にカバーをもつケーブルトレイは,ダクト又はケーブルトランキングシステムとはみなさない。
ダクトの内部占拠率は,ダクトの曲げの回数及び程度,導体の可とう性及びダクトの寸法に対する電流
を伝送する導体の寸法に基づくものとすることが望ましい。
ダクトは,導体及びケーブルを容易に挿入できる寸法及び配置とすることを推奨する。ダクト内の曲げ
の回数が合計で360°に達するまでに制限するよう考慮することが望ましい。
11.11.2 金属製の非可とうコンジット及び付帯部品

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  • ISO 14990-1:2016(IDT)

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