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A 8425-1 : 2019 (ISO 14990-1 : 2016)
金属製の非可とうコンジット及びその付帯部品は,亜鉛めっき鋼又は使用条件に適した耐腐食性材料を
用いたものでなければならない。
接触部分で電食を起こすような異種金属との接触を避けることを推奨する。
コンジットは,定位置にしっかりと保持しなければならず,これには,配線箱又は配電盤につながるか
入るかにかかわらず各端部も含めて定位置にしっかりと保持しなければならない。
付帯部品は,コンジットに適合し,用途に適するもので,ねじなしの設計でない限り,ねじ付きとしな
ければならない。
コンジットを曲げる場合は,コンジットを損傷せず,その内径を著しく減少させないようにしなければ
ならない。
2か所の引き込み点又は挿入点の間の曲げは360°以下とすることが望ましい。
11.11.3 金属製の可とうコンジット及び付帯部品
金属製の可とうコンジットは,可とう性金属管又は網組ワイヤで構成し,用途に適するものでなければ
ならない。付帯部品はコンジットに適合し,用途に適するものでなければならない。
11.11.4 非金属製の可とうコンジット及び付帯部品
非金属製の可とうコンジットは,ねじれに耐え,使用に適するものでなければならない。付帯部品はコ
ンジットに適合し,用途に適するものでなければならない。
11.11.5 ケーブルトランキングシステム
エンクロージャ外のケーブルトランキングシステムは,しっかりと保持し,土工機械の可動部及び汚れ
の原因となる部分から遠ざけなければならない。
ケーブルトランキングシステムを幾つかの部分に分けて取り付ける場合,その部分は,確実に結合しな
ければならない。ガスケットを用いなくてもよい。
カバーは,側面で重ならなければならない。ガスケットは,許容される。カバーは,ケーブルトランキ
ングシステムにしっかりと取り付けなければならない。水平のケーブルトランキングシステムは,特にそ
の向きで設計したものでない限り,底部にカバーを取り付けてはならない。カバーは,側面で重ならなけ
ればならない。ガスケットは用いてもよい。カバーは,適切な手段によってケーブルトランキングシステ
ムに確実に取り付けなければならない。水平のケーブルトランキングシステムでは,特にその向きで設計
したものでない限り底部にカバーを設けてはならない。
注記 ケーブルトランキングシステム及びダクトに対する要求事項は,IEC 61084-1に規定されてい
る。
ケーブルトランキングシステムは,配線用又は排水用以外の開口部を設けてはならない。ケーブルトラ
ンキングシステムには,開けたまま未使用のノックアウト(容易に孔が開くように加工された部分)があ
ってはならない。
11.11.6 土工機械内の区画及びケーブルトランキングシステム
土工機械の車台内で,閉区画(コンパートメント)又はケーブルトランキングシステムが液体の貯蔵部
から隔離され,完全に閉じたものであれば,それらによって導体を覆っても差し支えない。
11.11.7 (配線用接続)箱
接続又は配線用の箱は,整備のために接近できるものでなければならない。これらの箱は,土工機械の
運転を意図する場所での外部の影響を考慮して,(固形物及び液体の)侵入を防止するものでなければなら
ない。これらの箱には,開けたまま未使用のノックアウト(容易に孔が開くように加工された部分)があ
ってはならない。
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11.11.8 電動機用配線箱
電動機用配線箱は,箱の内部の電動機の端子と他の接続部又は機器との間に,適切な非導電性のバリア,
又は,端子間の十分な間隔及び絶縁がなければならない。
12 電動機及び発電機
12.1 一般要求事項
電動機が停止中でも電動機電源を完全には断路しない制御装置が多いので,10.1.2,10.1.3,10.2及び12.4
の要求事項並びに14.4の推奨事項を確実に満たすように注意を払わなければならない。
電動機及び発電機は,IEC 60034規格群の関連する部にできる限り適合するものであることが望ましい。
12.2 エンクロージャ
全ての電動機及び発電機の保護は,最低限保護等級IP23(JIS C 0920参照)でなければならない。用途
によっては,例えば,ほこり,水分などが存在する場合は,より厳しい対策を考慮しなければならない。
注記 取り外した電動機は,IP保護等級に適合する必要はない。
電動機及び発電機のエンクロージャは,IEC 60034-5にできる限り適合するものであることを推奨する。
12.3 寸法
電動機及び発電機の寸法は,できる限りJIS C 4203,JIS C 4210及びJIS C 4212並びにIEC 60072規格
群の関連する部に適合するのが望ましい。
12.4 取付け及び区画
電動機又は発電機は,適正な冷却が保証され,温度上昇がその絶縁種別の許容限度内になるように取り
付けなければならない。
注記 絶縁種別の等級を超える短時間の温度超過は,IEC 60034電動機規格群によって許容される。
電動機又は発電機は,その固定具及び配線箱にアクセスできるように取り付けなければならない。
電動機又は発電機,及びその関連する動力伝達機構の構成部品は,適切に保護し,検査,保全,給油及
び交換のために,容易にアクセスできるように取り付けなければならない。
電動機又は発電機の冷却用の通風口は,泥,ちり又は水の飛まつの侵入を許容限度内に保つものでなけ
ればならない。
電動機又は発電機を取り付ける区画は,実用的な範囲で,清潔で,乾燥していることが望ましい。電動
機又は発電機を取り付ける区画と,別の区画との間に開口部を設ける場合には,この隣接する区画は,電
動機用又は発電機用区画の要求事項を満足しなければならない。
12.5 電動機の選定又は設計基準
電動機及び関連装置は,想定する用途及び環境条件を考慮して選定又は設計しなければならない。考慮
すべき懸案点には次の事項を含まなければならない。
− 電動機の種類
− デューティサイクル
− 定速運転又は可変速運転(及び空冷の電動機の場合にはそれに伴う通風の変化)
− 機械的振動
− 電動機制御の種類
− 電動機へ供給する電圧又は電流の波形の温度上昇への影響,特に電子式可変速制御系から供給する場
合
− 制動負荷を含む反トルク負荷の時間及び速度による変化
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− 大きな慣性をもつ負荷の影響
− 定トルク又は定出力運転の影響
− 電動機と電子式可変速制御系との間の誘導リアクトルの必要可能性
12.6 温度上昇保護
定格が0.5 kWを超える電動機又は発電機には,温度上昇保護を設けなければならない。
例外 電動機又は発電機を自動停止してはならない場合には,(例えば,危険源を避けるために)過熱
検出手段は,運転員に警告を発しなければならない。機械の停止装置が正常であることが確実
であれば,過熱した電動機を運転し続けてもよい。
電動機の温度上昇保護は,過負荷保護,インピーダンス(交流抵抗)保護,温度保護又は電流制限によ
る保護のような方法によって達成できる。過熱に対する保護は,IEC 60034-11に適合することを推奨する。
12.7 過速度保護
電動機又は発電機の速度超過が危険状態を招く可能性がある場合には,過速度保護を設けなければなら
ない。
13 電動機以外の負荷
13.1 附属品
土工機械が,附属装置(例えば,手持ち式電動工具,試験装置)用のコンセントを備える場合には,次
の事項を適用する。
− コンセントの保護等電位ボンディング回路の導通性を確保しなければならない。ただし,電源がPELV
の場合は除く。
− コンセントに接続する全ての非接地(電源内蔵式機械では車台を電位基準としていない)導体は,過
電流に対して9.2に従って保護しなければならない。この過電流保護は,他の回路の保護とは別にし
なければならない。
コンセントは,IEC 60309-1に適合することが望ましい。実際的でないときは,電圧定格及び電流定格
をマーキングすることが望ましい。
コンセント用回路に漏電保護装置(RCD)を備えてもよい。RCDは,幾つかの国で要求される。
コンセントの電源が,土工機械又は土工機械の部分のための電源断路器で断路されない場合は,専用の
断路器を備えることを推奨する。
13.2 局部照明
13.2.1 一般事項
この要求事項は,特別低電圧(線間又は線から接地又は線から車両間で公称電圧交流50 V以下)で運用
する照明には適用しない。
保護等電位ボンディング回路への接続の要求事項は,5.10.2.2を参照する。スイッチをランプホルダ又は
接続コードに組み込んではならない。
照明は,ストロボ的影響が現れない形式でなければならない。
エンクロージャ内に固定照明を備える場合には,電磁両立性を考慮することが望ましい。
13.2.2 電源
局部照明回路の公称電圧は,線間480 V以下でなければならない。
照明回路は,次のいずれかの電源から供給しなければならない。
− 入力電源断路器の負荷側に接続した照明専用の絶縁変圧器。二次側回路に過電流保護を備えたもの。
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− 入力電源断路器の電源ライン側に接続した照明専用の絶縁変圧器。過電流保護を照明専用絶縁変圧器
の二次側回路に設けなければならない。この電源の使用は,制御エンクロージャ内の保全用照明回路
に用いる場合に限る。
− 専用の過電流保護を備えた土工機械内の回路。
− 入力電源断路器の電源ライン側に接続された絶縁変圧器で,その一次側に局部照明専用の開閉手段及
び二次側に過電流保護を備え,電源断路器に隣接する制御エンクロージャ内に取り付けたもの。
例外 通常運転中に運転員が届かない位置に設置されている固定照明には,この細分箇条は適用しな
い。
13.2.3 保護
照明に給電する非接地の(又は電源内蔵式機械では車台への接続のない)導体又は回路は,他の回路と
分離したOCP(過電流保護)で保護しなければならない。
13.2.4 取付器具
ランプホルダは,関連する日本工業規格(日本産業規格)又はIEC規格に適合しなければならず,不注意に接触しないよ
うにランプキャップを保護する絶縁材を用いて構成しなければならない。
反射器は,ブラケットで保持するものとし,ランプホルダで保持してはならない。
調節可能な照明取付器具は,使用環境に適するものでなければならない。
例外 通常運転中に運転員が届かない位置にある固定照明器具には,この細分箇条の規定は適用しな
い。
14 制御系
14.1 制御回路
適用範囲の規定から,例えば,12/24 Vオルタネータ/蓄電池系のような特別低電圧(通常は,公称線間
又は活線から接地/車両へ接続間の公称電圧交流50 Vを超えないもの)で作動する制御回路には,次の要
求事項は適用しない。
14.1.1 制御回路電圧
高電圧機器では,高電圧回路に直接接続する制御回路は,光学的結合又は絶縁変圧器による結合のよう
な方法で低電圧回路から電気的に絶縁しなければならない。
14.1.2 保護
制御回路を入力電源に直接接続する導体及び制御回路用変圧器に電源を供給する導体は,9.2.1に従って
OCP過電流保護を備えなければならない。
制御回路用変圧器又は直流電源から電源を供給する制御回路の導体は,次に対してOCP過電流保護を実
施しなければならない。
− 保護等電位ボンディング回路に接続した制御回路の開閉される導体
− 保護等電位ボンディング回路に接続しない制御回路の次の導体
1) 全ての制御回路に同じ断面積の導体を用いる場合には,開閉される導体
2) 異なるサブ回路に異なる断面積の導体を用いる場合には,各サブ回路の開閉される導体及び共通導
体の両方
14.2 制御機能
制御機能は,この箇条14で特に修正している場合を除いて,JIS A 8340-1によることが望ましい。
――――― [JIS A 8425-1 pdf 39] ―――――
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14.3 保護インターロック
14.3.1 インターロック付き安全防護物の再閉鎖又はリセット
インターロック付き安全防護物を再び閉じたとき又はリセットしたとき,危険状態を招くような土工機
械の運転が始動されてはならない。
注記 起動機能インターロック付きガード(制御式ガード)に関する要求事項は,JIS B 9700に規定
されている。
14.3.2 作動限界,補助機能,インターロック及び逆相制動
作動限界からの逸脱,補助機能の作動,異なる作動及び相反する動きを防止するインターロック及び逆
相制動に関してはJIS A 8340-1による対策を実施することが望ましい。
14.4 故障時の制御機能
JIS A 8340-1による対策(制御系の故障による土工機械の誤作動の防止)を実施することが望ましい。
JIS B 9705-1及びISO 13849-2の規定もまた考慮することが望ましい。
14.4.1 一般要求事項
電気装置内の故障又は干渉妨害が,危険状態を招くおそれがある場合,又は土工機械を損傷するおそれ
がある場合には,そのような故障又は妨害が起こる可能性を最小にするために適切な方策をとらなければ
ならない。どのような方策が必要か,どの程度の規模で実施するか,及び個別に実施するか組み合わせて
実施するかは,リスクのレベルによって,決定しなければならない。
例外 制御装置の故障発生後の土工機械の動作に関する機能安全についての対策は,JIS A 8340-1に
よることが望ましい。
電気制御回路には,土工機械のリスクアセスメントによって決定された適切な安全性能レベルが必要で
ある。JIS A 8340-1の規定を実施することが望ましい。
電気装置の故障によるリスクを軽減する方策には次のものを含む。
− 土工機械に装着した保護機器
− 電気回路の保護インターロック。
− 実証された回路技術及び部品の使用。
− 部分的冗長性若しくは全体的冗長性又は多様化設計(ダイバーシティ)の採用。
− 機能試験の採用。
メモリ保持に電池のような外部電源を必要とする場合は,電池の故障又は取外しによって生じる危険状
態を防止しなければならない。例えば,鍵,アクセスコード又は工具によって,無許可の又は不注意によ
るメモリ改変を防止しなければならない。
14.4.2 故障時のリスクを最小にする方法
14.4.2.1 実証された回路技術及び部品の使用
故障時のリスクは,次のような実証された技術及び部品の使用によって最小としなければならない。
− 制御回路を保護等電位ボンディング回路に機能等電位接続する構成。
− 外部電源式機械では,制御機器をJIS A 8425-2に従って接続する構成。
− 非通電による停止(非常スイッチングオフについては14.5.8参照)。
− 被制御機器と制御回路とを結ぶ導体を全て開閉する制御。
− 直接開路機構をもつ開閉機器の使用(JIS C 8201-5-1参照)。
− 望ましくない作動を起こす故障を低減するような回路設計。
14.4.2.2 部分的冗長性又は全体的冗長性の採用
――――― [JIS A 8425-1 pdf 40] ―――――
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JIS A 8425-1:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 14990-1:2016(IDT)
JIS A 8425-1:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 8425-1:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA8301:1952
- モータグレーダ用切刃
- JISA8301:2000
- 土工機械―整備用開口部最小寸法
- JISA8425-3:2019
- 土工機械―電機駆動式機械並びに関連構成部品及び装置の電気安全―第3部:電源内蔵式機械の特定要求事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC60364-1:2010
- 低圧電気設備―第1部:基本的原則,一般特性の評価及び用語の定義
- JISC60664-1:2009
- 低圧系統内機器の絶縁協調―第1部:基本原則,要求事項及び試験
- JISC61558-1:2019
- 変圧器,リアクトル,電源装置及びこれらの組合せの安全性―第1部:通則及び試験
- JISC61558-2-6:2012
- 入力電圧1 100V以下の変圧器,リアクトル,電源装置及びこれに類する装置の安全性―第2-6部:安全絶縁変圧器及び安全絶縁変圧器を組み込んだ電源装置の個別要求事項及び試験